著者
渋谷 明子 坂元 章 井堀 宣子 湯川 進太郎
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-12, 2011 (Released:2019-10-01)

591名の小学校高学年児童を対象にパネル研究を実施し、テレビゲームの暴力シーンへの接触時 間が長いと、 1 年後の攻撃性が高くなる傾向が男子でみられた。また、テレビゲームの世界を現実的だ と知覚していた男子の 1 年後の身体的攻撃が高くなった一方で、暴力シーンを見て虚しい気持ちになった男子の攻撃性は 1 年後に低くなる傾向も見られており、暴力シーンの見方によって、暴力シーンの長 期的影響が異なる可能性が示唆された。
著者
岩堀 禎廣
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.2023-016, 2023 (Released:2023-06-14)
参考文献数
2

第7回日本薬学教育学会における患者参加のシンポジウムの内容について演者と参加者を代表して報告する.薬学教育関係者及び薬学生は日本薬学教育学会には全員参加を基本とすべきである.現状,残念ながら薬学人のアイデンティティは「医学の後追い」「積極的な受け身の姿勢」「現状維持」「免許を持っている」である.現状の国家試験対策の講義は全てオンライン化し,対面の講義は全てPBL化すべきである.それに合わせて国家試験を改革する必要がある.現状の均質化を目指す薬学教育の副作用として個別対応力が欠如してしまっている.個々の患者に合わせた対応のためにはイマジネーションが必要であり,それを身に着ける教育学的方法論として最も有効なのが薬学教育における患者参加である.シンポジウムはオンラインの方が有効であったため,関係者の全出席を目指す意味でも学会はオンライン開催を基本とし,講義も含めて安易に対面に戻すべきではない.
著者
小堀 栄子 前田 祐子 山本 太郎
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.707-717, 2017 (Released:2018-01-05)
参考文献数
55

目的 日本在住外国人の死亡率を日本人と比較し,その特徴と傾向を明らかにする。また,日本在住外国人の健康に関する研究の意義と今後の方向性について考察する。方法 対象は日本在住外国人とした。データ(2010年)は政府統計から入手した。外国人の実際の人口により近いと考えられる法務省の登録外国人統計による外国人登録者数を用いた死亡率を新たに算出し,外国人の死亡率と日本人の死亡率を比較した。結果 死亡総数の年齢調整死亡率(人口10万対)は男性571.5,女性316.1で,日本人の値を1としたときの率比は男性1.1,女性1.0であり,日本人とほぼ同等の年齢調整死亡率であった。しかし,年齢階級別の率比は,20-34歳で0.3-0.5,35-59歳で0.6-1.0,60歳以上で1.0-1.4と,年齢階級とともに上昇していた。一般的に外国人は日本人より多くの面で不利な状況にあると思われるが,若年層から中年層の死亡率は日本人より低く,高年層では日本人より高くなっていた。同様の傾向は,主要死因別死亡率でもみられたが,不慮の事故,自殺による死亡率は中年層でも日本人より死亡率が高かった。また,高年層では主要死因別死亡率が全般的に日本人より高い中で,とくに自殺による死亡率が高かった。結論 本研究結果は,若年層および中年層の外国人は日本人より健康であり,日本でもヘルシー・マイグラント効果が存在する可能性を示している。しかし,その効果はその国での在住期間が長いと減少・収束するという報告があり,若年・中年層でみられた低い死亡率は,何もしなければやがて上昇に転じ,日本人のそれを上回ることも考えられる。死因別にみれば,中年層では外因死(不慮の事故,自殺)による死亡率が高く,また,高年層ではヘルシー・マイグラント効果の減少や収束にとどまらない高い死亡率の死因が多く,中でも自殺による死亡率はとくに高く,いずれも留意されるべきである。死亡率の算出値には,過小評価や過大評価の影響がまだ残されている。しかし,その影響の程度は小さく,算出値の妥当性が公表値のそれに比べて劣るとの根拠として十分ではない。ヘルシー・マイグラント効果に関するさらなる研究は,日本在住外国人の現在と将来の健康課題の解明とその対策に有用であると思われる。
著者
堀田 幸義
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 = BULLETIN OF MIYAGI UNIVERSITY OF EDUCATION (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.368-349, 2023-03-31

大名家臣たちがどこに住んでいたのかを明らかにすることは、近世社会を特徴づける要素の一つである兵農分離の問題を議論するうえで欠かせない基礎的な作業である。彼らの居住場所を突き詰めて考察するためには、①城下町と在郷のどちらに居住したのか、②城下町のどこに住んだのか、③在郷(=村)のどこに住んだのか、について検討する必要があるが、仙台藩を対象とする従来の研究は、②についての研究が比較的進んでいるものの、①と③については、藩の政策すらきちんと整理されぬまま現在に至っている。そこで、本稿では、仙台藩士たちの居住場所を明らかにするべく在郷居住の問題に関連するであろう基本的な事項について整理し、仙台藩士たちが仙台城下を離れ在郷に居住し続けることになる流れを藩の政策とも絡めながら具体的に跡づけている。
著者
堀口 俊一 瓦家 敏男 円藤 吟史 清田 郁子
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.257-265, 1992-09-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Recent observations have shown a great decrease in the levels of atmospheric lead concentrations in cities in Japan today compared with levels in the 1950's, probably due to rigid control of lead discharge from factories and the promotion of lead-free gasoline in particular. We attempted to estimate the amount of lead inhaled and absorbed by the human body in Japan today. With the average atmospheric lead concentration in the average Japanese city today at about 0.1μg/m3, we obtained the values of 1.6 to 2.2μg/day for the amount of lead inhaled and 0.8 to 1.1μg/day for the amount of lead absorbed by the average Japanese adult.
著者
林 圭 西 薫 堀 仁子 山本 明美
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.671-674, 2016-08-01

要約 25歳,男性.ブリ摂食後に蕁麻疹の出現を数回経験していた.生寿司を摂取後に顔面の瘙痒と息苦しさを自覚し,救急外来を受診した.クロルフェニラミンマレイン酸塩とメチルプレドニゾロンの点滴を行ったところ症状は速やかに改善した.問診の結果,ハマチの寿司を摂食したことが原因であると考えられた.魚介類のIgE-RAST検査はすべて陰性であり,マグロ,カツオ,シメサバ,アジ,ブリ,ハマチでプリックテストでは,ブリとハマチのみに陽性を示した.病歴からヒスタミン中毒やアニサキスアレルギーは否定的であり,ブリ(ハマチ)単独のアレルギーと診断した.ブリ(ハマチ)のアレルギーではパルブアルブミンやコラーゲンなどの抗原蛋白の関与は低いとされている.ブリは比較的有名な出世魚であるが,患者はブリとハマチが同種の魚であることを知らなかった.魚は地域や大きさによりさまざまな呼び名が存在するため,医療者側も注意が必要である.
著者
牧迫 飛雄馬 島田 裕之 土井 剛彦 堤本 広大 堀田 亮 中窪 翔 牧野 圭太郎 鈴木 隆雄
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11253, (Released:2017-04-22)
参考文献数
31
被引用文献数
2

【目的】地域在住高齢者に適するようにShort Physical Performance Battery(以下,SPPB)算出方法の修正を試みた。【方法】高齢者4,328 名をSPPB(0 ~12 点)で評価し,歩行速度と椅子立ち座りは対象者の測定値(四分位)を基に,立位バランスは立位保持の出来高によって配点した地域高齢者向けのSPPB community-based score(以下,SPPB-com)(0 ~10 点)を算出し,24 ヵ月の要介護発生との関連を調べた。【結果】対象者の78.7% でSPPB が,10.5% でSPPB-com が満点であった。SPPB-com が4 点以下で要支援・要介護発生率が高く(12.8%),SPPB-com,年齢,女性,MMSE が要支援・要介護発生と有意に関連していた。【結論】SPPB を再得点化したSPPB-com は地域在住高齢者の要支援・要介護リスクを把握する指標として有益となることが示唆された。
著者
堀 栄太郎 山口 勝幸
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.399-400, 1984-12-15 (Released:2016-09-02)

Two males of the parasitic calliphorid fly Melinda itoi Kano 1962 were obtained from the slug, Incilaria bilineata (Benson) in April, 1976. The slug was one of those which were collected on March 25,1976 in the cracks of the bark of an old Ume-tree (Prunus mume Sieb. et Zucc.) growing beside the brook of a hilly village (Ohyagi, Moroyama-cho, Saitama) and kept alive in our laboratory at 25℃ from that time on. The movement of the maggots in the slug body was recognized three days after collection. Two days after that, they came out of the slug and pupated on the bottom of the glass container. After 12 days (April 11), the adult flies appeared. So far as we know, this is the first case of the parasitic fly emerged from the slug in Japan.
著者
堀川 三郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.517-534, 2010-03-31 (Released:2012-03-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

近代が前提としてきた均質な時空は大きく揺らぎ,再審の時を迎えている.かつてル・コルビュジエが『輝ける都市』で描いたような,均質で透明な「空間」に人々が住まう都市は,すでにその輝きを失っている.自らの思い出や意味に彩られた「場所」をもって「空間」化に抗う人々の運動が各地で頻発していることが,その証左である.だが,「場所」は両義的だ.それは抵抗の根拠となりうる一方で,棘を抜かれ空間化を正当化する物語として消費されてしまうこともあるからだ.今問うべきは,誰が,どのように抵抗しているかであろう.したがって本稿は,筆者が1984年から継続的に調査してきた小樽運河保存問題を事例に,いかなる人々が変化に抵抗しているのか,いかに変化を正当化する物語に抵抗しているのかを分析する.具体的には,行政と保存運動の主張がなぜすれ違っていったのか,いくつかのレイヤーに分節化して明らかにした.さらに保存運動内部に異なる指向をもった4つのグループが存在しており,そのダイナミズムが運動自体の盛衰を左右していたこと,そこには棘を棘として生きようとする人々がいたことが解明される.結論として読者は,「保存」という名称とは裏腹に,保存運動が実は「変化」を社会的にコントロールしようとする実践であったこと,そして社会学が「歴史的環境」という変数を組み込まなければ,こうした保存運動を分析しえないことを理解するだろう.
著者
坪木 和久 伊藤 耕介 山田 広幸 堀之内 武 篠田 太郎 高橋 暢宏 清水 慎吾 大東 忠保 南出 将志 辻野 智紀 山口 宗彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2021-07-05

台風は自然災害の最大要因であり、なかでも最強カテゴリーのスーパー台風は甚大な被害をもたらす。地球温暖化に伴い、日本本土へのスーパー台風の上陸が懸念されている。しかし台風強度の推定値と予測値の両方に大きな誤差があることが大きな問題となっている。その最大原因は台風が急速に発達する「急速強化」である。さらにそのとき眼の壁雲が二重となる構造がしばしばみられ、その力学的・熱力学的構造が未解明だからである。本研究課題では、スーパー台風が、なぜ、そしてどのように形成されるのか、それにおける急速強化と二重壁雲構造はどのような役割をしているのかを、航空機観測、地上観測、数値シミュレーションの三本柱で解明する。
著者
奈良 隆寛 浜野 晋一郎 野崎 秀次 田中 佳子 清水 正樹 野田 洋子 厚川 清美 有田 二郎 堀田 秀樹 前川 喜平
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.261-267, 2000-05-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2

例の急性脳炎 (60例)・脳症 (10例) のてんかんの発症について検討した.23例がてんかんに移行した.23例中18例は脳炎発症から平均7カ月間の期間をおいて (潜伏期あり) てんかんを発症した.また, 23例中5例は急性期からそのままてんかんに移行 (潜伏期なし) した症例がみられた.潜伏期を経ててんかんを発症した症例の中では, 髄液のneuron-specific enolase (NSE) 活性が高い症例はてんかんが難治で, てんかんを惹起する病理に神経組織の崩壊が関与することが示唆された.一方, 潜伏期なしでてんかんに移行した症例は急性期の発作の回数が多く, てんかんは難治性であったが, 髄液のNSE活性は正常であった.この一群は, 潜伏期を経ててんかんを発症する症例とは別の機序で, てんかん原性焦点の活動が増強されたものと考えられた.
著者
登本 洋子 高橋 純 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S44015, (Released:2020-10-06)
参考文献数
11

平成27~28年に行われた情報活用能力調査では,高校2年生の1分間あたりの文字入力数は平均24.7文字,1分間に40字程度の文字入力ができるのは6%という結果が示され,高校生の文字入力の速さは十分ではない.本研究では高校生の文字入力の速さの向上を目的とし,高校生のPCとスマートフォンにおける文字入力の実態を調査した.結果,1分間あたりの文字入力数の平均はPC のキーボード33.4文字,スマートフォン59.2文字,1分間に40字以上入力できた生徒はスマートフォンのほうが多く,PC のキーボードにおいてもスマートフォンにおいても濁音・半濁音,清拗音,濁拗音・半濁拗音の入力を苦手としていることが示された.
著者
岡部 卓 副田 あけみ 矢嶋 里絵 稲葉 昭英 和気 純子 堀江 孝司 槇野 葉月
出版者
首都大学東京
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.53-82, 2008-03

生活保護において、2004年度より、生活保護制度の運営実施機関が組織的に生活保護受給世帯の自立を支援する制度に転換することを目的とする自立支援プログラムが導入された。そこで、全国に先駆け首都大学東京と官学連携し自立支援プログラム・個別支援プログラムの策定とその評価事業に取り組んだP自治体の各種プログラムの概要、評価結果と課題、今後の展望について明らかにする。
著者
伊藤 武男 古本 宗充 鷺谷 威 堀川 信一郎 奥田 隆 松廣 健二郎 野村 晋一 横井 大輝 大間 俊樹 伊藤 和也
雑誌
日本地球惑星科学連合2015年大会
巻号頁・発行日
2015-05-01

1.はじめに 琉球弧は東側の琉球海溝からフィリピン海プレートがユーラシアプレート(沖縄プレート)の下に沈み込み,西側からは背弧海盆が拡大していると考えられている.従来,背弧海盆のような拡大領域が付随するプレート収束帯の地殻は比較的高温で柔らかいと考えられており,このような地域でのプレート間の固着は弱いと思われていた.しかしながら,同様のテクトニクスを持つ場所で発生した2004年スマトラ・アンダマン海地震や2011年東北地方太平洋沖地震の発生は,すべての沈み込み帯でM9クラスの超巨大地震が発生する可能性を検討する必要があることを示している.そのため,測地学的・地形学・地質学的調査研究を含めた早急な琉球弧における巨大地震の発生の可能性の検討が必要である.2.奄美海台の衝突と喜界島の高速隆起 奄美大島・喜界島の東側の琉球海溝では,世界最大級の規模の奄美海台の衝突・潜り込みが進行しており、地殻を高速隆起させる.海岸段丘面から推定される喜界島付近の隆起速度は,2mm/yrの隆起速度を持っており,強いプレート間の固着の存在を示唆している.さらに,海岸段丘面から,大規模隆起イベントが1000年オーダーの間隔で繰り返している事を示しており,(超)巨大地震の可能性を示唆している.これらを裏付けるように,奄美大島近海で1911年にM8.0の地震が発生しており,それ以降M8クラスの地震は琉球弧では確認されていないが地震活動は活発である.3.GNSS観測と水準測量による喜界島の傾動と隆起速度 琉球海溝に直交して100kmを越える測線を設置する事ができる場所は喜界島・奄美大島・横当島の場所のみである.我々は横当島(無人島)にてGNSS観測を2013年10月から実施しており2014年6月にデータの回収を行った.横当島と奄美大島間のひずみ速度は-3.8×10-8 /yr程度であり,奄美大島と喜界島間の-2.5×10-8 /yrと比較すると,奄美大島と喜界島間とほぼ同じかあるいは,横当島と奄美大島間の方が短縮している可能性がある.しかしながら,観測期間がまだ短いため年周変化や横当島の火山活動の影響など考慮すべきことは多い.一方,喜界島内の傾動の方向と速度を測量する為に,喜界島内で水準測量を2014年の3月〜4月にかけて実施した.今回の水準測量の結果と1997年9月の水準測量結果と比較すると海溝軸側へ約10-7/yrの沈降が観測された. しかしながら,喜界島は海溝軸側へ傾きながら,年間2mm程度隆起しており,この地域の隆起のピークは喜界島よりも西側にあることが明らかになった.このことはプレート境界の深い場所(喜界島付近)まで固着している可能性を示唆しているが,喜界島と奄美大島の水平短縮速度では深い場所までの固着を説明する事は難しい.よって,奄美海台の沈み込み・潜り込みに伴うプレート境界の移動や海台の付加などを考慮する必要があると思われる.
著者
堀田璋左右 著
出版者
東洋堂
巻号頁・発行日
vol.第1冊, 1945
著者
岩堀 修明
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.51-54, 2013 (Released:2015-04-16)

魚類から、陸棲動物を経て、水棲に戻ったクジラ類に到るまでの聴覚器の変遷を概観した。内耳の耳石器の中に、振動に反応する有毛細胞が分化し、やがてラゲナや球形嚢などの耳石器が魚類の聴覚器に進化していった。陸棲動物になると、エネルギーの小さい空気の振動を受容するため、中耳、外リンパ嚢、基底乳頭などが形成された。陸に棲息していたクジラ類が水中で生活するようになると、鼓膜を保護するために外耳道を閉鎖し、オトガイ孔と下顎管が音波の取り入れ口となった。
著者
堀 律子
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.223-239, 2012-03-26

At the international level, it is usual that organ transportation is carried out from a brain-dead donor; however, an organ transportation, which is carried out from the living is fairly common in Japan. Regarding living donor organ transportation in Japan, the target persons for donors are limited due to the "Relatives Restriction"; in general, people who are close relatives as well as healthy are selected to donate. Incidentally, living donor organ transportation on the liver has been ascertained that its remedy includes serious risks for physical, mental and social to the donor; the first risk is a pressure from various sides for the target person to decide whether to be the donor or not given that organ transportation is the only remedy to save the recipient. The second risk is that people who decided to be a donor might contract some complications or have some obstacles for their rehabilitation after operation for transportation. There is no law which provides for living donor organ transportation in Japan. Therefore, in the present, the decision based on the Ethical guidelines of Japan Society of Transportation has been carried out by Ethical Review Board in each organization.\At least, we need to legislate the procedures to become living donors and also need to have definite measures to protect living donors.