著者
齋藤 繁 林 重成 成田 拓郎 加藤 泰道 大塚 元博 荒 真由美 成田 敏夫
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.372-377, 2019-10-01 (Released:2019-09-25)
参考文献数
11

A diffusion-barrier coating layer (DBC) was formed on a Ni-22Cr-19Fe-9Mo alloy by Al-pack cementation at 1000℃ followed by heat treatment at 1100℃.The thermal cyclic oxidation behavior of the DBC system was then investigated. The thermal cycle oxidation tests were conducted at 1100℃ in air for 45 min, each followed by 15 min at room temperature. Electron probe micro-analysis (EPMA) was performed to determine the microstructure and concentration profile of each element between the substrate and the coating layer.The DBC system showed good thermal cycle oxidation property. The layer structure between the substrate and the coating layer after thermal oxidation cycling is discussed with respect to the composition paths plotted in the Ni–Cr–Fe and Ni–Cr–Al phase diagrams. The coating layer structure after 100 cycles of 45 min at 1100℃ consisted of the γ- and α-phases of the Ni–Cr–Fe system and the β-phase of the Ni–Cr–Al system. The coating layer structure after 400 cycles of 45 min at 1100℃ consisted of the γ-phase of the Ni–Cr–Fe system and the β-phase of the Ni–Cr–Al system. In contrast, the coating layer structure after 900 cycles of 45 min at 1100℃ consisted of the γ-phase of the Ni–Cr–Fe system.
著者
大塚 宜明 金成 太郎 飯田 茂雄 長井 雅史 矢原 史希 櫻井 宏樹
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 = Journal of the Society of Humanities
巻号頁・発行日
no.100, pp.83-99, 2016-10-01

本論では,置戸黒耀石原産地における先史時代の人類活動解明のための基盤構築を目的として,置戸黒耀石原産地調査で採集した黒耀石原石・黒耀石製石器の観察結果と,黒耀石原産地推定分析の結果を報告し考察を行った。 検討の結果,置戸黒耀石原産地を構成する所山・置戸山の黒耀石は,原産地においてはそれぞれ独立して分布することが詳細に明らかになった。人類活動については,(1)置戸黒耀石原産地内で採取可能な黒耀石原石を原料とした石器製作が個々の原産地で行われていること,(2)置戸山2遺跡採集の所山産黒耀石製石器の存在から,置戸黒耀石原産地を構成する個々の原産地が全く無関係ではないこと,(3)遠隔地産黒耀石がみとめられる置戸安住遺跡が石器や原料の搬出入の拠点である可能性,を明らかにした。 以上の検討結果から,置戸黒耀石原産地には,置戸黒耀石原産地と遠隔地を結ぶ大規模な人類の動き,置戸黒耀石原産地と直近の生業地である常呂川中・下流域を結ぶ中規模な動き,そして置戸黒耀石原産地内の原産地間を結ぶ小規模な動きといった,黒耀石をめぐる先史時代人の様々な活動痕跡が刻まれていることが明らかになった。
著者
大塚 みさ
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.57-67, 2019-03-09

近年、媒体を問わず国語辞書の売れ行きは低迷傾向にある。筆者による調査結果では、大学生は辞書の代わりにスマートフォンを使用する傾向が見えるが、辞書アプリに代わってサーチエンジンやハッシュタグ検索が多く行われつつある。こうした状況下で、意味の分からない語への対処の実態を把握するにはどうしたらよいだろうか。その方法を探る目的でファッション雑誌記事における外来語を用いて行った予備調査の結果を報告する。
著者
星野 立夫 田辺 光子 大塚 裕子 清水 文子 山下 幸枝 坂下 清一 大濱 正 宮崎 博子 三浦 賢佑
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.152-155, 2002-09-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1

禁煙指導の一助とするため,男性の喫煙率と年齢および職種との関連性を人間ドック受診者で調べた。受診者数の多い5職種を選び,その職種の2000年度の男性受診者全員を対象とした。男性の喫煙率は,若い年代で高く,年代が進むにつれて低下する傾向を示したが,年代だけでなく職場環境も喫煙率に影響している事が示唆された。生活習慣病予防のためには若い年代に対する禁煙指導の強化が望まれるが,職場環境を考慮したたばこ対策が必要と考えられた。
著者
大平 恵 坂上 慎二 大平 洋 渡邊 安寿香 池田 大輔 吉田 和博 山口 佳奈 村井 毅 黒澤 隆夫 辻野 一三 大塚 吉則 西村 正治
出版者
ライフ・サイエンス
雑誌
Progress in Medicine (ISSN:02873648)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.2043-2048, 2009

近年,胆汁酸吸着レジンであるコレスチミドには,血中コレステロール値を低下させるだけでなく,血糖値を低下させる作用を併せ持つことが報告されている. 胆汁酸とエネルギー代謝との関連が明らかになってきており,コレスチミドの血糖降下作用のメカニズムにも胆汁酸分画の変化が関与している可能性もある. われわれは,外来通院中で高LDLコレステロール血症を伴う2型糖尿病患者19例に対しコレスチミドを12週間投与し,血中胆汁酸分画の変化と血糖降下作用との関連を検討した. 投与後,血中LDLコレステロール値の低下とともに,臍周囲径,空腹時血糖値,HbA_[1C],HOMA-Rの有意な低下を認めた. しかし, 血中総胆汁酸濃度とその分画の濃度には変化を認めず,HbA_[1c] や臍周囲径の変化との相関関係も認められなかった.コレスチミドによる血糖降下作用は,血中胆汁酸分画の変化とは関連せず,他の機序が関与していることが示唆された.
著者
渡邊 敬子 森下 あおい 大塚 美智子 諸岡 晴美 丸田 直美 石垣 理子 持丸 正明 小山 京子
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

3Dでスキャンした人体形状や類型化されたグループの平均形状のデータをそのままボディとして用いるのではなく、ドレスボディのようにゆとりの入った形状に変換したものを用いると、より効率良くパターン設計ができると考えられる。そこで、a)ヌードボディとドレスボディを3D計測し、断面を比較するb)ボディ制作者・ボディメーカー等の聞き取りを行うc)研究室所蔵の体表の伸縮データを再検討するなどして、ゆとりを入れる場所と量について検討した。この結果を参考に、LookStailorXで既存のヌードボディに対して、適量のゆとりを入れたガーメントを作成した。このヌードボディとガーメントデータの差分を利用して、HBM-Rugleでモーフィングによる変形を試みた。腕付根位の周囲長で2cm、5cm、8cmのゆとりが入るように変換したボディを基に、タイトフィットのパターンを作成し、厚地のトワルで実験着を作成した。モーフィングで変換した断面図を観察すると、意図した箇所にゆとりを付与できていた。また、製作した実験着の外観には不自然なつれや余り皺はなく、衣服圧の検討からは、ゆとり2cmでも日常の小さな動作には対応できることが分かった。さらに、体格が違う男性や子どもにも同様にモーフィングを行ったところ、意図した箇所にゆとりを付与できており、汎用性があることが予想された。一方、昨年度までは、体型の分類のため、体幹部と下肢部に分けて相同モデルを作成し、解析してきた。全身のモデルは腋下や股下の欠損があり、計測器に付属したソフトの補間では、この部位が実際の位置よりも下方でつながれ、寸法算出や着装シミュレーションの際に問題が生じていた。そこで、ジェネリックモデルやランドマーク位置を工夫することで、これらの位置が正しく表現できる相同モデル作成が可能にした。この方法を用いて、今までに計測したデータをモデル化している。
著者
久保田 達矢 近貞 直孝 日野 亮太 太田 雄策 大塚 英人
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

沖合の海底に設置された海底圧力計 (Ocean bottom pressure gauge; OBP) は,これまでスロースリップや巨大地震後の余効変動による地殻変動の検出や地震発生の物理の理解に大きな役割を果たしてきた (e.g., Ito et al. 2013 Tectonophys; Iinuma et al. 2016 Nature Comm; Wallace et al. 2016 Science).2011年東北沖地震を受け,東北日本沈み込み帯では日本海溝海底地震津波観測網 (Seafloor observation network for earthquakes and tsunamis along the Japan Trench; S-net) が展開された (Kanazawa et al. 2016).本観測網におけるOBPは東北日本沈み込み帯における地殻変動シグナルの検出に大きな役割を果たすと期待される.本研究ではS-netのOBPを用いた地殻変動の検出に向け,数日から数週間程度の時間スケールの定常的な変動について,近傍に展開された東北大学の自己浮上式OBP (Hino et al. 2014 Mar Geophys Res) と比較を行い,その品質を評価した.本研究では低周波微動 (Tanaka et al. 2019 GRL; Nishikawa et al. 2019 Science) や超低周波地震 (Matsuzawa et al. 2015 GRL; Nishikawa et al. 2019) などのスロー地震活動が活発な岩手県三陸沖の海域に着目した (Figure 1a).S-netの記録を目視で確認し,海洋潮汐を比較的精度よく観測できている品質の良い観測点 (近貞ほか 2020 JpGU S-CG70) にのみ注目し,比較を行った.また,近傍に展開された東北大学OBP観測と観測期間が重なっている2016年の約2ヶ月間の記録を比較した.解析では両者の記録を30分値にリサンプルし,BAYTAP-G 潮汐解析プログラム(Tamura et al. 1991 GJI) を用いて潮汐変動成分を推定し,また線形ドリフト成分を推定した.解析の結果,推定された潮汐変動はよく一致した (Figure 1b –1e).潮汐変動成分ならびに線形ドリフト成分を取り除き,圧力時系列の標準偏差σを計算したところ,東北大のOBPではσ = 2.6 hPa (観測点SN2, Figure 1b) および σ = 2.2 hPa (観測点SN4, Figure 1c)であった.これらの観測点に最も近いS-netのOBPではσ = 11.4 hPa (S4N11, Figure 1d),σ = 3.5 hPa (S4N22, Figure 1e) となった.これ以外のS-netのOBPも含め,標準偏差は東北大のOBPよりも系統的に大きかった.また,S-netのOBPの記録では数日かけて10 hPa以上変化するような圧力変動が見られた (Figure 1de).このようなシグナルは,ごく近傍に設置された東北大OBPでは見られなかったことから,海洋物理学的な変動に起因するものではないと考えられる.また,いずれのOBPにおいてもParoscientific社製のセンサを使っていることから,センサの違いに由来するものでもないと思われる.両者の異なる部分として,S-netでは水圧センサが油で満たされた金属製の耐圧筐体の内部に封入されており,直接海水に触れているわけではない,という点が挙げられる.圧力観測の方式と,原因不明の圧力変動の因果関係は今後さらに詳細に検討する必要がある.ここまでの検討から,比較的品質の良いOBP (S4N22) では,東北大OBPよりわずかに劣る程度の地殻変動検出能力を持つと考えられる.一方,品質のさほど高くないOBP (S4N11) では数日をかけて大きく圧力が変動することがあるため,数日程度のタイムスケールの地殻変動現象の検出は難しいことが示唆される.非潮汐性の海洋変動成分 (Inazu et al. 2012 Mar Geophys Res; 大塚ほか 2020 JpGU S-CG66) を取り除くことにより地殻変動検知能力が向上することが期待されるが,そのためには,まずはS-net水圧計の比較的短期間での圧力変動の原因をさらに詳細に検討し,それらの成分を取り除く必要がある.
著者
大塚 忠
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.311-345, 2013-03-10

ドイツの公的職業訓練制度を基準に、戦後日本で試みられた技能工養成制度に焦点を当てドイツの制度に近くなるには、どんなところが制度設計上欠けていたのかを「技能工養成規定」と58年職業訓練法を中心に検討した。すでに職業訓練法の体系が構築される時点で、日本の職業訓練は大きくドイツからは離れてしまっていた。企業内養成制度の域を超えるような社会的規制は高度成長の中で失われていったのである。技能向上のために長期のオールラウンドの徒弟的訓練をする必要がなくなったことが背景になっていた。TWIプログラムの企業内定型訓練化がそれを可能とした。
著者
川瀬 翔太 大塚 秀三 赤谷 樹一郎 竹村 雅行 遠野 未来 荒巻 卓見
出版者
日本建築仕上学会
雑誌
日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集 2012年大会学術講演会研究発表論文集
巻号頁・発行日
pp.54, 2012 (Released:2013-09-03)

本報の目的は、伝統工法による版築壁の圧縮強度および形状変化に及ぼす調合および施工要因の影響を明らかにすることを目的とした。その結果、以下の結論が得られた。圧縮強度が最大になる構成割合は,荒木田土,細骨材および消石灰の質量比が1:0.5:0.15であり,体積変化率を考慮するとMgCl2水溶液の濃度が15%である。圧縮強度が最大となる施工要因は,ランマーの落下高さ30cm,締固め回数25回,脱型材齢7日および気中養生である。締固めエネルギーに伴う圧縮強度は,概ね200×103~300×103J/cm3の間で最大となり,それ以降は減少する。養生方法に伴う圧縮強度は,いずれの養生方法とも材齢の経過に伴い増加するが,封かん養生より気中養生の方が大きくなる。
著者
大塚 祐輔 平間 一樹 横田 賀英子 渡邉 和美 和智 妙子
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-34, 2017 (Released:2017-01-28)
参考文献数
20
被引用文献数
1

The present study compared decision tree analysis to logistic regression analysis in order to investigate whether decision tree analysis has sufficient ability to construct a model that predicts offender characteristics from the crime scene and/or victim information. The data used in this study were collected from solved single homicide cases that occurred in Japan between 2004 and 2009 (n=1226). After constructing models that predict offender's criminal history by logistic regression analysis and decision tree analysis, AUC (area under the ROC curve) of those models and the predictive values were compared. The AUC was .75 (p<.001) for logistic regression model and .71 (p<.001) for the decision tree model. A significant difference between these AUCs was not observed (χ2(1)=3.71, p=.05). The predictive values were 67.3% for both the logistic regression model and the decision tree model. These findings suggest that the decision tree is comparable to logistic regression analysis in constructing a model that predicts the offender's criminal history from offence characteristics in single homicide cases.
著者
竹内 聡志 土屋 篤志 杉本 勝正 大藪 直子 後藤 英之 武長 徹也 鷹羽 慶之 大塚 隆信
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.495-498, 2016 (Released:2016-10-07)
参考文献数
9

原テストにおけるCombined abduction test(CAT)とHorizontal flexion test (HFT)と肩関節可動域の関係について調査を行った.2012年から2014年にメディカルチェックを行った大学生・社会人野球選手96名(平均年齢20.9歳,平均野球歴10.9年)を対象とした.全ての選手に原テスト11項目,肩可動域測定を施行した.その結果から,CAT・HFT共に陽性群(CH群),CAT陽性群(C群),HFT陽性群(H群),CAT・HFT共に陰性群(N群)に分類し,肩関節下垂位(1st),90°外転位(2nd)および90°屈曲位(3rd)における内外旋角度との関連を調査した.CH群49名,C群8名,H群8名,N群31名であった.CH群,C群,H群において非投球側と比較して投球側の2nd 内外旋総可動域(total arc)が有意に減少していたが,N群では有意差がなかった.投球側の2nd total arcは肩後方タイトネスの存在により,非投球側と比較して減少することが報告されている.この結果から,CAT・HFTは肩後方タイトネスの評価に有用である可能性が示された.
著者
大塚 匡紀 北原 鉄朗
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.419-420, 2015-03-17

本稿では、MIDIギターとNMFによる音響信号処理を統合し、リアルタイムに自動採譜を行う手法について述べる。MIDIギターは、DAWなどで作曲をするギタリストには有用であるが、弦の振動をピックアップで取得する構造のため、ピッキングの取りこぼしなどが発生し、MIDIキーボードに比べると入力される演奏情報の正確性に難がある。そこで、MIDIギターピックアップによる処理とNMFによる音響信号処理を統合し、お互いに長所と短所を補正することにより、採譜の高精度化を目指す。