著者
森 一之 宮崎 英治
出版者
(一社)日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.367-372, 2013 (Released:2014-02-06)
参考文献数
20

Wide-ranging polymeric materials are commonly used in spacecraft to meet numerous system design requirements. The tolerance of such polymeric materials against the space environment, e.g. vacuum, ultraviolet rays, radiation, atomic oxygen, etc. must be evaluated, because this environment is a known threat for materials, especially polymers. JAXA has been striving to evaluate the tolerance of polymeric materials in the space environment through both ground tests and space exposure experiments, which allows engineers in the space industry to obtain material data detailing tolerance against the space environment. This article introduces the space environment and its effect on polymeric materials, examples of damage to materials in orbit, and the evaluation capabilities for polymeric materials to be used in space at the Tsukuba Space Center, JAXA.
著者
宮崎 明雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.95, pp.61-66, 2006-06-08
被引用文献数
6

筆者は,電子透かしに関する最近の研究で,電子透かし埋め込み/検出システムの解析を行い,電子透かしシステムのモデルを透かし情報の入出力関係に注目してコンボリューションモデルとして記述した.そして,透かし入り画像に対する画像処理や攻撃によって「透かし情報がどのように歪むのか?」,「透かし情報の検出誤りがなぜ起きるのか?」を明確にし,透かし情報の歪みモデルを与えた.本稿では,この歪みモデルを応用して,ベイズ推定に基づく電子透かしの検出法を提案し,透かし情報の歪みモデルが未知ではあるが,その平均や分散などの統計的性質が既知である場合について電子透かし検出アルゴリズムを導く.
著者
武隈 洋 岩井 美和子 藤原 俊恵 川岸 亨 熊井 正貴 松浦 麻耶 馬渕 朋美 須田 範行 宮本 剛典 荻野 修 菅原 満 宮崎 勝巳
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.575-584, 2005-07-10
被引用文献数
5 6

The results of cancer chemotherapy have been improved remarkably by the development of new drugs and combining drugs in treatment. However, cancer chemotherapy protocols are complicated and the adverse effects are more severe than those of other pharmacotherapies. It was therefore felt important to create a database of protocols for the preparation and dispensing of drugs used in cancer chemotherapy. Using Microsoft Access, we have created a database from 320 protocols we have collected so far from 12 clinical departments and developed operating programs for it. The database has enabled us to search for a protocol using keywords-names of drugs, diseases and clinical departments-and most of the operations can be carried out by the click of a mouse. With our database, pharmacists are able to access protocols quickly and check prescriptions of anticancer drugs even if they are unfamiliar with computers, and we consider it to be a useful tool for this purpose.
著者
牧野 俊郎 花村 克悟 山田 純 宮崎 康次 松本 充弘 若林 英信
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は,スペクトル機能性ふく射の制御技術開発をめざす熱工学の研究の展開を図るものである.そのような技術は,とりわけ,熱光起電力発電(TPV)システムの開発において重要であり,また,わかりやすい.電磁波動論・分光学・固体物性論・伝熱工学を基礎として分光熱工学の実験・理論研究を行い,熱工学のシステム的な視野をもって,エネルギー工学と生活環境工学のために有効なハードシステムの実現をめざす
著者
宮崎 勝己 小林 豊 鳥羽 光晴 土屋 仁
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ : 日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
no.28, pp.45-54, 2010-02-20
被引用文献数
3

The biology of Nymphonella tapetis Ohshima, 1927, a pycnogonid endoparasitic on some bivalves, is reviewed. After the first discovery of this species from Hakata Bay, Fukuoka in 1926, there were scattered records of N. tapetis from several places in Japan before 2007, but they were on a small scale. In April 2007, N. tapetis appeared suddenly in the commercial bivalve, Ruditapes philippinarum and several other bivalves on the Banzu Tidal Flat in Tokyo Bay. The spread of the parasite was explosive, and caused a mass mortality of the bivalves in the area. Adults of the pycnogonid live freely on or just under the surface of sandy bottoms, and show nocturnal activity. The hatching larva is a typical protonymphon larva. The larva enters the host bivalve, attaches to various soft parts, and feeds on the body fluid of the host. The number of parasites in one host ranges from one to over 60. At least eight different developmental stages can be distinguished in the parasitic larvae and juveniles. Adults leave the host probably just after the maturation molt. The adult male receives one egg-mass onto his ovigers after each mating, and one male can bear up to seven egg-masses. Several experiments were undertaken to attempt to eradicate or reduce the number of N. tapetis, but no effective method has yet been found. Three species of the genus Nymphonella have been described from Japan, the Mediterranean, and southern Africa. They are very similar in morphology, which leads to potential taxonomic confusion.
著者
一瀬 哲夫 小島 諭 宮崎 彩記子 宮崎 忠史 林 英守 伊藤 誠悟 川村 正樹 諏訪 哲 櫻井 秀彦 住吉 正孝
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.806-810, 2008

症例は64歳,男性.数日前に左上肢を枕にして昼寝をしていたところ,突然の左上肢浮腫を認めたため来院.明らかな血栓性素因,悪性疾患を認めなかったが,左上肢の静脈造影,造影CTで左腋窩静脈の高度狭窄と,左鎖骨下静脈の遠位部の完全閉塞と近位部に浮遊血栓を認めた.肺動脈血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism;PTE)の予防のため上大静脈に一時留置型静脈フィルター(ニューハウスプロテクト)を留置し,7日間のウロキナーゼ投与,およびヘパリン療法を開始した.線溶療法後の静脈造影では浮遊血栓は消失し,左鎖骨下静脈に器質化した血栓を認めた.フィルターは10日目に合併症なく抜去した.原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)によるPTE予防に一時留置型フィルターは有用であると思われた.
著者
宮崎 信次
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.32-39, 2002
被引用文献数
3 1

独居高齢者の孤独死を防ぐ目的で,緊急警報システムを設計しその基本性能を調べた.エレクトレットコンデンサマイクロフォンを用いて撓骨動脈遠位の皮膚上から脈波信号を検出する.信号は増幅・フィルター処理された後,2つの比較器に入力される.第1の比較器(低い閾値をもつ)では脈波を検出し,それが5秒以上現れなかった場合に心停止の警報を出す、第2の比較器(高い閾値をもつ)は体動に由来するアーチファクトを検出し,それが15分以上現れなかった場合に意識不明の警報を出す.4人の被験者による第1段階の実験の結果は本システムの可能性を強く示唆するものであった.
著者
深沢 克己 高山 博 羽田 正 松嶌 明男 勝田 俊輔 千葉 敏之 宮崎 和夫 樺山 紘一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、近世・近代のヨーロッパにおける宗教的寛容と不寛容の生成・展開について考察することを主たる目的としながらも、イスラム世界・ヨーロッパ中世の専門家を交えることで、この問題を比較史的にも検討することを課題とした。この研究テーマについて各研究分担者がそれぞれにおこなった調査研究の成果を年二回の研究会において全体で討議し、その結果として、次のような共通理解に到達することができた。宗教改革を契機として成立した近世ヨーロッパの宗教的寛容は、国家の役割に従って分類するならば、宗派別の住み分け、法令による異宗派の共存、法律の制定を伴わない実質的な寛容の三つに類型化できる。しかし寛容の堅固な基礎は日常的次元での共存と相互理解にあり、それを可能にする社会の意識改革あるいは文化変革にある。宗教的寛容の歴史的研究においては、この問題への国家による対応のみならず、社会的次元での寛容の実践のあり方、またそれを支える人々の内面的根拠にも分析のメスを入れることも重要であり、両者を総体として論じることが要請される。このように考えるならば、歴史としての宗教的寛容という問題は、近世近代のヨーロッパのみならず、イスラム世界やアジアをも含めた世界史の問題として、あるいは古代・中世という近代的寛容の精神をいまだ知ることのない歴史世界についての考察にも応用可能であるばかりか、まさに宗教的不寛容が蔓延する現代社会において、その解決法を歴史的に探るという意味でもまた有益である。
著者
丹羽 仁史 宮崎 純一 田代 文
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

1.研究目的未分化細胞特異的に発現する転写因子Oct-3/4は、我々のES細胞を用いた解析から、ES細胞の未分化状態を維持するためにはその一定量の発現が維持されることが必要であり、発現量の減少は栄養外胚葉への、増加は原始内胚葉への分化を誘導することが明らかになった(Niwa H.et al,Nat.Genet.,in press)。そこで、本研究では、このOct-3/4による遺伝子発現調節機構およびそれによる未分化状態維持/分化運命決定機構の解明を目的とし、次の3点の解析を行った。(1)Oct-3/4による転写活性化機構の解析(2)Oct-3/4の発現量増加による原始内胚葉分化誘導機構の解析(3)Oct-3/4の発現量減少による栄養外胚葉分化誘導機構の解析2.研究成果(1)転写因子Oct-3/4と結合する因子を単離するために、EGFP-Oct-3/4融合蛋白の発現によって未分化状態を維持されたES細胞GOWT1を樹立した。(2)(1)で得られた細胞の可溶化物を坑GFP坑体を用いて免疫沈降し、沈降物をSDS-PAGE法で解析し、未分化状態特異的に共沈してくる3つのバンド(CO1-3)を同定した。(3)(2)で同定されたバンドを単離してN端部分アミノ酸配列解析法および質量分析法で解析したところ、CO-1,3は細胞骨格成分の蛋白で、アーチファクトと考えられたが、CO-2は未知の蛋白と考えられた。(4)染色体外発現ベクターを用いた強制発現と、テトラサイクリンによる発現調節系を用いて、転写因子Cdx-2の発現がES細胞の栄養外胚葉への分化を誘導することを見い出した。(5)ゲノム遺伝子の解析から、Cdx-2の発現がES細胞においてはOct-3/4によって抑制されていること、およびCdx-2が自己のプロモーターを活性化しうることをルシフェラーゼアッセイ法により明らかにした。
著者
丹羽 仁史 宮崎 純一 田代 文
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
2000

(1)Oct-3/4による未分化状態維持機構を明らかにするために、薬剤投与によりOct-3/4の発現が消失して100%栄養外胚葉に分化するES細胞ZHBTc4を用いて、その未分化状態を維持するために必要なOct-3/4の機能ドメインの検索を行った。この結果、機能的DNA結合ドメインと一つの機能的転写活性化ドメインの組み合わせで十分であることが明らかになった(図参照)。このとき、Oct-3/4のC末転写活性化ドメインとDNA結合ドメインからなる変異型分子で未分化状態を維持されたES細胞では、Oct-3/4の下流遺伝子の一つであるlefty-1の発現が殆ど消失していた。このことは、一部の下流遺伝子の発現には特定の転写活性化ドメインが必要であること、またこれらの遺伝子の発現はES細胞の自己複製には必要がないことを示す。(2)Oct-3/4の発現増加による原始内胚葉への分化誘導機構を明らかにするために、そのために必要なOct-3/4の機能ドメインの検索を行った。この結果、未分化状態維持と同様に、DNA結合ドメインと一つの機能的転写活性化ドメインの組み合わせで十分であることが明らかになったが、興味深いことにDNA結合能は必要ではなかった。このことは、この分化誘導現象が、これらのドメインが他の蛋白と相互作用することによって引き起こされていることを示唆している。(3)Oct-3/4の発現減少による栄養外胚葉への分化誘導機構を明らかにするために、この現象への関与が考えられる転写因子Cdx-2との相互作用について解析を行った。Cdx-2の発現は未分化ES細胞では全く検出されないが、Oct-3/4の発現が減少すると速やかに検出されるようになる。そこで、この遺伝子の発現制御領域を解析したところ、この遺伝子の発現が、自身の産物で自己活性化されうること、およびこの活性化をOct-3/4が阻害しうることを見いだした。更に、ES細胞におけるCdx-2の強制発現は、部分的にではあるが栄養外胚葉への分化を誘導した。これらのことは、Oct-3/4がCdx-2の発現を抑制することにより、栄養外胚葉への分化を阻止している可能性を示唆している。
著者
丹羽 仁史 宮崎 純一 田代 文
出版者
理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

我々は、無血清無フィーダー状態でのES細胞の未分化コロニー形成を支持する活性を、ES細胞自身が産生していることを見出し、これをKSRSと名付けて、当初発現ライブラリースクリーニングによるクローニングを試みたが、活性を示すクローンの同定には至らなかった。また、種々の既知サイトカイン・成長因子の効果も検討したが、明確にKSRS様活性を示すものは存在しなかった。しかし、このKSRS活性は血清中にも存在することに着目し、次に血清から無血清無フィーダー状態でのES細胞の未分化コロニー形成支持能を指標に分画を進め、最終的に逆相クロマトグラフィーで単一画分に活性を認めるに至った。現在、スケールアップの上、活性を担う蛋白の同定を進めている。一方で、血清からの分画過程で得られた粗画分を用いて129系統由来EB3 ES細胞を無血清無フィーダー状態で約1週間培養し、その後ブラストシストインジェクションを行った。この結果キメラマウスが得られることは確認され、現在germline transmission能を検討している。また、同様の条件でC57BL6系統由来胚盤胞をフィーダー細胞存在下に無血清状態で培養し、ES細胞の樹立を試みたところ、約20%の胚盤胞からES細胞株を得ることに成功した。現在、これらの細胞の分化能を検討するとともに、培養皿をコートする基質を最適化して無フィーダー化することを試みている。これらの解析と平行してES細胞の増殖を制御するシグナル伝達機構の解析も行った。特に、TGF-βファミリーの因子がES細胞の増殖に及ぼす影響を検討するために、抑制Smad蛋白をコードするSmad6とSmad7を発現ベクターに組み込んで、ES細胞に導入して過剰発現させた。この結果、Smad7の発現はES細胞の増殖を顕著に抑制した。この効果は、細胞のpluripotencyには影響を与えず、またSmad2の共発現によって解除されることから、ES細胞における生理的な役割を反映したものと考えられ、現在さらに詳細な検討を進めている。以上の結果は、今後ヒトES細胞を再生医学に応用する上で、異種動物成分を排除した培養系を確立するための基礎研究として、今後さらに発展が期待できるものと考えている。
著者
大森 みさき 宮崎 晶子 佐藤 治美 片野 志保 田邉 智子 将月 紀子 今出 昌一 佐野 晃
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.36-43, 2005-03-28
被引用文献数
5 5

本研究の目的は口臭治療における舌清掃の有効性を評価することである。被験者は舌苔を認める患者および本学職員と学生であった。最初に舌清掃指導して1ヵ月後に舌苔付着量と官能試験を行い,両方に改善が見られることを確認した。その後,舌苔付着を認める26人の被験者の官能試験と機械的測定により口臭の強さを評価した。また,同時に口腔清掃状態,Probing Pocket Depth(PPD),Bleeding on Probing(BOP),舌苔付着度を舌清掃前後において評価した。初回の診査の後,被験者に舌ブラシ(ジャックス)を使用して1日1回は舌苔を除去するよう歯科衛生士または歯科医師が指導した。舌苔の除去は舌の表面に舌苔が見えなくなるまで舌ブラシでこするように指導した。口臭測定はポータブルサルファイドモニターとガスクロマトグラフィを使用し,揮発性硫黄化合物(VSC)濃度の機i械的測定と官能試験を行った。被験者には測定の2時間前から歯磨き,飲食,洗口,喫煙を避けるよう指示した。舌苔付着程度は付着の厚さと範囲によって5段階に評価した。清掃後の診査は1週間から1ヵ月後に行った。舌清掃後の診査時には口臭と舌苔付着量は改善していたが,PPD,BOPやプラーク付着状態には影響がみられなかった。またVSC濃度と舌苔付着度との間には有意な相関が認められたが,BOPやプラーク付着状態との間には有意な関係はみられなかった。口臭の予防のために舌清掃を推奨していく必要性があると思われた。
著者
宮崎 道彦 豊原 敏光 黒水 丈次
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.267-272, 2004 (Released:2009-06-05)
参考文献数
16

当院で1991年から2001年の期間に外科的に治療した臀部膿皮症(慢性化膿性汗腺炎)18例をretrospectiveに検討した.再発は認めなかった.年齢は25歳から74歳で平均38±12歳,うち10例(56%)は40歳未満であった.病悩期間は5例(28%)が10年以上であった.5例(28%)は肛門周囲膿瘍または痔瘻を合併していた.痔瘻(肛門周囲膿瘍)の合併症例は複雑で病巣把握が困難であることが多く,手術回数(平均5回)や入院期間(平均95日)に影響をおよぼすため慎重に対処しなければならない.
著者
宮崎 雅仁 西條 隆彦 森 健治 田山 正伸 内藤 悦雄 橋本 俊顕 黒田 泰弘 埜中 征哉
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.65-70, 1991-01-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
20

Epilepsia partialis continuaを呈したmitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and strokelike episodes (MELAS) の14歳1カ月男児例を報告した.本症例は8歳時に自家中毒様の反復する腹痛および嘔吐で発症し, 10歳7カ月, 10歳9カ月, 14歳1カ月の3回にわたりミオクロニー発作, 一過性の片麻痺などの脳卒中様症状を認めた.14歳1カ月時はepilepsia partialis continuaを呈し, 10日間にわたり, 脳波上, 右中心部に出現する棘波に同期する左前腕のミオクロニー発作が持続した.血液および髄液中の乳酸・ピルビン酸の上昇, 頭部CTでの両側側頭部の低吸収域, 生検筋ではragged-red fiberが認められた.