著者
山崎 和彦 脇阪 善則
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.6, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究は総合的なユーザ体験を考慮したアプローチであるユーザエクスペリエンスデザインを支援するための手法を提案することを目的とする。
著者
中井 貴大 木村 圭佑 岩田 研二 山崎 年弘 坂本 己津恵 松本 隆史 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.79, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 脊髄損傷、脳卒中片麻痺、パーキンソン病(以下:PD)患者に対するトレッドミル歩行訓練(以下:TT)効果についての報告は数多くあり、高いエビデンスを認めている。そこで、今回Th11破裂骨折にて下肢に不全麻痺を呈したPD患者に対して、自宅内での歩行再獲得にTTが有効であった症例について報告する。【症例紹介】 症例は70歳代女性で、腰背部痛の増悪により歩行困難となりTh11破裂骨折の診断を受けた。急性期病院にて硬性コルセットを作成し保存療法となり、発症42日後に当院回復期リハビリテーション病棟に入院し、自宅復帰に向けたリハビリテーションの介入を開始した(患者1日あたりの単位数7単位)。病前は夫と二人暮らしで、既往歴にPDがあったがADLは自立レベル、IADLも一部自立していた。なお、本研究は当院の倫理委員会が定める倫理規定に従い実施した。【初期評価】 Hoehn-Yahr重症度分類はStage3レベルであり、動作時に姿勢反射障害を認めた。また、入院時は座位保持で腰背部痛が増悪(NRS8/10)し、座位時間は約30分程度であった。さらに右下肢には軽度から中等度の表在感覚低下を認め、入院時下肢筋力は右下肢がMMT2~3レベル、左下肢が3~4レベルであった。病棟での移動手段は車椅子で、介助者による駆動の介助が必要であった。歩行は疼痛が強かったため行っていない。入院時機能的自立度評価法(以下、FIM)は64点であった。【経過・アプローチ】 腰背部痛の軽減、座位時間の延長に伴い、入院約2週間後平行棒内歩行訓練を開始した。当初は平行棒を両手で把持した状態でも膝折れが生じるため監視レベルに留まり、入院約1ヶ月で住宅評価を行ったところ短距離を独歩で移動しなければいけない区間が存在したため、歩行能力向上を目的にTTを開始した。TT開始初期は設定速度0.5㎞/hとし、前方両手支持での環境設定とした。歩行能力向上に伴い難易度調整を行った。TT開始から約1ヶ月で速度2.0㎞/h、支持物なしにて約3分間連続歩行が可能となった。TTの効果判定として、10m歩行を測定し、速度、歩行率、介助数の側面から訓練効果について検証した。TT開始当初は10m最大歩行速度0.59㎞/h、歩行率0.88step/sec、介助数3回であったが、約1ヶ月のTT訓練介入で速度2.02㎞/h、歩行率1.68step/sec、介助数0回と歩行速度、歩行率、介助数において改善を認めた。TT開始約2週間で病棟内シルバーカー歩行自立となり、退院時には約50mを介助なしで独歩にて移動可能となったが、自宅環境との違いより、病棟内歩行はシルバーカーに留まった。なお、退院時FIMは99点と向上した。【考察】 TT開始当初の歩容は、PD特有の体幹前傾位で小刻み歩行であった。さらに破裂骨折の影響のため下肢筋出力低下を認め、支持性が低く歩行速度も低下していた。また左右動揺が大きく、バランスを崩した際は姿勢制御が困難であった。TTの導入により、能力に合わせた高速度での歩行を繰り返し行うことと股関節伸展を意識した立脚後期を作ることでCentral Pattern Generatorが賦活し、歩行時の筋活動パターンが学習され、歩行能力向上につながったのではないかと推察された。また、動作特異性から一定量の歩行訓練を行うことで、実動作への転移が高く、短期間での訓練効果が得られたのではないかと考えられた。
著者
石倉 啓行 山崎 信寿
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.54-61, 2013-04-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
10

オフィスのフリーアドレス制による事務机の共有化が,ノートPCの普及と共に進みつつある.しかし,ノートPCでは,ディスプレイの見やすさとキーの打ちやすさを両立させることが困難であった.このため,形状可変実験椅子を用い,女性5パーセンタイルから男性95パーセンタイルについてノートPC作業を行いやすい椅子条件を求めた.その結果,ノートPCのキーボード面を10°起こし,背もたれ腰部を68°として胸郭支持部は79°にし,座面を水平から10°後傾させれば良いことがわかった.また,低身長者には座面中央部の幅260 mmの範囲の座面長を354 mmとし,左右の座面長は378 mmとして高身長者の大腿側面を支持する最大35°の傾斜をつけた.座面高は350~410 mmで,目の高さを下げるため,従来オフィスチェアよりも低くする必要があることもわかった.試作椅子による40分のノートPC作業では,従来椅子と同等の作業効率で頭頸部の前傾は平均9°小さく,肩の挙上もなくなり,三角筋,僧帽筋,脊柱起立筋の負担が減少し,下肢のむくみも低下した.
著者
久野 義徳 小林 貴訓 児玉 幸子 山崎 敬一 山崎 晶子
出版者
埼玉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

目はものを見るためにあるが、アイコンタクト等の非言語コミュニケーションのためには他者に見せる機能も重要である。また、人間と共存するロボットとの目としては、人間に親しみやすい感じを与えるものが望まれる。そこで、この2点について、レーザプロジェクタにより種々の目の像を投影表示できるロボット頭部を試作し、どのような目の形状がよいかを被験者を用いた実験により調べた。その結果、人間の目の形状程度から、さらに目を丸く、また瞳も大きい形状が、親しみやすく、また視線がどちらを向いているかが読みとりやすいことが分かった。また、目や頭部の動かし方についても調査し、人間に自然に感じられる動かし方を明らかにした。
著者
ベッカー カール 谷田 憲俊 得丸 定子 岩田 文昭 山崎 浩司
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

目的意識や前向きな姿勢、倫理観などを高める教育を研究した。対象は教室の生徒や学生をはじめ、家庭内の親子、病院の新看護師等を含んだ。方法は、例えば講義やグループワーク、文学作品やアニメ、さらにはイメージトレーニングや瞑想法まで利用した。それらの影響は、主観的感想のみならず、唾液中の活性アミラーゼでも測ってみた。分析は今後も続くが、講演や書籍出版で詳細な成果を還元する計画である。
著者
坪内 暁子 奈良 武司 丸井 英二 内藤 俊夫 大槻 公一 重松 美加 山崎 浩
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、当初、世界レベルでの甚大な被害が予想される重篤な新興感染症等、特に新型インフルエンザ(H5N1)をターゲットとした、国民や社会全体への被害を抑える対策の一つ、感染症教育の有効的な手法に関する研究であったが、東日本大震災以降、二次災害としての感染症の対策の意味合いも加え、知識の浸透と自主性の育成を念頭に、研究モデル校において、教育機器を用いた講義と自ら考える演習(避難所シミュレーション等)を併せたプログラムを実施、介入前後のアンケート調査の結果等から有効性が認められた。
著者
池井 寧 山崎 一夫 古賀 章浩 森川 恒 福田 収一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.579, pp.3618-3624, 1994-11-25

The present paper describes a new design of a fluid driven microactuator which comprises a planar piston, a four-way control valve, and a mechanical feedback system that controls the output in accordance with an input displacement. Fabrication processes of the microactuator include bulk micromachining of two sheets of silicon substrate and their assembly by electrostatic bonding to glass plates. The output characteristics were measured supplying the compressed air. Generated output force was partially linear to supplied pressure and to valve displacement. However, the magnitude was asymmetric in terms of driven directions, which results from geometrical configuration essentially introduced by an anisotropic etching of the silicon. The position of the output shaft was sufficiently controlled with a designed magnification factor multiplied to the input displacement in both static and dynamic senses.
著者
山崎 裕治
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

水産重要資源であるヤツメウナギ類の資源管理・保全を目的として,分子生態学的手法を用いた性成熟制御機構の解明を目指した.分子遺伝学的解析の結果,正の淘汰を受けた遺伝子領域の存在が示唆され,そこに含まれる機能遺伝子の転写調節に影響をもたらすことが期待される構造変異の存在を明らかにした.また,生態調査を加えることで,性成熟制御に関わる成長や脂肪蓄積に,餌資源が重要な要因となっていること,および資源維持には,集団間の交流が必要であることが示された.
著者
上田 麻紀 立石 貴久 重藤 寛史 山崎 亮 大八木 保政 吉良 潤一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.461-466, 2010 (Released:2010-07-29)
参考文献数
16
被引用文献数
3 12 4

症例は31歳女性である.クローン病に対してインフリキシマブ投与開始11カ月後に無菌性髄膜炎を発症し一時軽快したが,その後に体幹失調や球麻痺が出現した.髄液検査では単核球優位の細胞数増多,ミエリン塩基性蛋白とIgG indexが上昇しており血清のEpstein-Barrウイルス(EBV)抗体は既感染パターンを示し,髄液・血液PCRにてEBV-DNAを検出した.MRIにて脳幹,大脳皮質下白質,頸髄に散在性にT2高信号病変をみとめ急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断した.各種免疫治療に抵抗性であったが,ステロイドパルス療法を反復し症状は改善した.抗TNF-α抗体製剤の副作用による脱髄が報告されているが,本症例は抗TNF-α抗体製剤投与中のEBV再活性化によって惹起されたADEMと考えられた.
著者
山崎 宣次 森廣 浩一郎
出版者
中部学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

児童の学習や生活の評価に関する観点と,教員が表現する語彙は一体的と考え,所見や「よいこと見つけ」から抽出した特徴単語を用いて,評価観点の偏りとその解消への気づきを促す支援の実現可能性を検討することで、教員の評価についての力量形成がなされると考えた.所見から効率的で簡明に特徴単語が抽出できる提案手法について比較検証し、提案手法が既存手法と遜色ない特徴単語を抽出できることがわかった.また,提案手法による特徴単語を教員に提示することで,所見記述の固定化を避けられるだけでなく,記述の語彙のレパートリを増やす可能性が示唆された.このことで,評価項目の固定化が解消され,教員の評価力量形成が期待される.
著者
山崎 柄根
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.137-144, 1983

東北地方のヒメツユムシ類については, ムツツユムシモドキ Nipponomeconema mutsuense が唯一の種として知られている(YAMASAKI, 1983).1982年に行われた日本列島の自然史科学的総合研究による, 青森県をのぞく東北地方西半の調査によって, もう2種をつけ加えることができた.このうちの1種は本州中部から知られているヒメヤブキリモドキ Tettigoniopsis forcipicercus で, この種は東北地方に広く分布しているらしいことが, この調査で判明した。もう1種は明らかに新属・新種であるが, 雌の標本を欠くために, 新属創設にあたり, 両性の標本のそろっている関東や伊豆地方産の同属の新種をタイプ種として選び, これにもとづき新属 Cosmetura を記載し, ついで奥羽山脈船形山産の新種の記載を行った。 Cosmetura 属は, ヒメツユムシ亜科の短翅群に属し, 雄の肛上板が後方に伸長し, 複雑な形状をし, 褐色をしていることと, 横幅の広い生殖下板の先3分の1が背方に強く反っていることなどにおいて, きわめて特異である。一方, 雌の産卵管は背方にゆるく反った短剣状で, 先端は鋭くとがっている。この属のタイプ種 ficifolia では, 雄の肛上板背部の基方中央に頭方に向かう1本の突起をもつが, 船形山産の fenestrata では, この突起を欠き, しかもこの部分がへこみ, 明るくなって, 腹側が透けて見えることで識別される。 なお, これらの新属・新種の和名として, Cosmetura 属にコバネササキリモドキ属, C. ficifolia にはコバネササキリモドキ, C. fenestrata にはとりあえずトゲヌキコバネササキリモドキをあてておきたい。
著者
山崎 文雄 丸山 喜久
出版者
千葉大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は,反発度法(シュミットハンマー)によるコンクリート強度の非破壊計測,常時微動観測による地盤卓越周期の計測,および壁・柱の量による建物剛性の違いを常時微動観測による建物固有周期で推定し,安価で短時間に耐震性能を把握する方法を開発することである。これまでに,常時微動観測によって地盤の卓越周期を推定し,それらの観測結果と余震記録(強震と弱震)を用いて本震の応答スペクトル,計測震度を推定する方法を提案し,その推定精度を確認した。今年度は,広島県内の鉄筋コンクリート造学校校舎2棟を対象に,常時微動観測と数値モデルを用いた固有値解析によって,耐震補強前後での固有周期の変化を明らかにした。表層地盤と建物の振動特性を考慮して,耐震補強効果を確認するため,前後の固有周期の変化に着目して耐震補強前後で常時微動観測を実施した。その結果,耐震補強により固有周期の変化があり,常時微動と数値解析のいずれからも同様の値が示された。観測を行った2つの建物は,柱とそれにとりつく壁の間にスリットを入れ靭性の向上と,鉄骨ブレースやRCフレームを増設することにより建物の剛性の向上を目的としている。常時微動観測から靭性の向上について把握することは困難であるが,剛性の上昇の程度に関しては固有周期の変化から推測が可能である。従って常時微動観測をこれまでの耐震診断や数値解析と併用することで,耐震改修の効果を精度よく評価できるものと考える。
著者
飯島 純夫 山崎 洋子 古屋 洋子 芳我 ちより
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

患者と看護師に対する病院環境についてのアンケート調査と、病院における騒音、照度、温度、湿度、気流(風速)の環境測定を実施した。衛生状態、騒音、明るさ、総合評価で、看護師に比べ患者のほうが有意に良い回答をしていた。看護師では温度(「暑い」)と湿度(「蒸し暑い」)で、患者では湿度(「蒸し暑い」)と気流(「弱い」)で冬期と比較して、夏期で有意に高い割合が認められた。