著者
山本 教人
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

2年度間に、「九州一周駅伝」を報じた西日本新聞の記事をテキストに、新聞がどのようなやり方で駅伝を社会的に意味ある出来事して物語ってきたのかの検討を行った。また、駅伝についてのメディア・テキストを物語としてとらえ、その構造を分析する研究を行った。結果として、今日の新聞の駅伝記事は、主張を明確に表明せず、結論を曖昧にするような書き方で構成されていることが明らかとなった。このような記事の有する曖昧さは、今日の駅伝記事が個人情報を中心に構成されているということとともに、多様な解釈を読み手にもたらすことになると考えられた。また、九州一周駅伝の物語は、語りの多様性を限りなく広げていくようなやり方と、逆にそれに制限を課すようなやり方、そして制限された語りにさらに多様性をもたらすようなやり方で構造化されていた。こうした駅伝記事の物語としての構造が、読み手の多様な関心を引きつけることのできるひとつの要因であると考えられた。このような結果から、読者の「能動的な読み」とは、実はテキストの構造自体が可能とするものであるということができ、近年必ずしも評判が芳しいとはいえないメディア・メッセージの内容分析の意義が改めて確認された。
著者
都並 結依 大成 博文 大成 博音 山本 孝子
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.3-8, 2008-05-20
被引用文献数
2

超高速旋回式で発生したマイクロバブルのほとんどが収縮してマイクロナノバブルへと変化する.この区別は,その収縮速度差の相違でなされる.マイクロバブルの収縮の原因は,発生時の負圧形成が引き金となり,発生後の周囲水の加圧とその収縮過程における内部気体の噴出および溶解することにある.マイクロバブルの収縮パターンには3つがあり,その形成にも収縮時の内部気体の噴出が関係している.マイクロバブルは,ダム貯水池下層の無酸素水域に注入することで有酸素化による水質浄化に有効である.
著者
山本 禎紀 藤田 正範 坂本 竜一 古本 史 安保 佳洋 SULONG Adnan 安保 佳洋
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-9, 1996-07-23

乳量の高い泌乳牛に対して、一時的に飼料摂取量を変化させた場合の熱産生量と体温調節性生理反応の応答性について、秋の常温期と夏の高温期に調べた。熱産生量はTDN摂取に応じて直ちに反応し、常温期での平均熱産生量は明らかに摂取量に応じて変化した。しかし、高温期の熱産生量は常温期に比べて明らかに高く、摂取レベル間の差も常温期ほど明らかではなかった。飼料摂取と気温上昇に伴う体温調節性生理反応の発現順序は、直腸温と体幹部体表温の上昇につづく呼吸数の増加であり、放熱機能の稼動には、体熱量の増加や体温の上昇が必要不可欠であると考えられた。飼料摂取量と各反応レベルとは密接に関係しており、給与飼料量の制限によって体温の上昇をある程度抑制できるものと思われた。なお、心拍数と熱産生量との関係から、平均心拍数を用いた精度の高い熱産生量推定式を提示した(Y=-0.27+0.552X、r=0.95、PE(Sy・x/y^^-)=4.4%、Y=熱産生量(kJ/kg^<0.75>h、X=心拍数(/min))。日本家畜管理学会誌、32(1) : 1-9.1996.1995年10月9日受付1996年2月22日受理
著者
大羽 和子 山本 淳子 伊藤 幸子 藤江 歩巳 竹内 若子
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.234-240, 2002-05-24
被引用文献数
1

日常, 果実や野菜の褐変防止に食塩が用いられる. 酵素的褐変を触媒するポリフェノールオキシダーゼ (PPO) の活性は食塩により阻害されるといわれている. 本研究では, 市販のりんご果肉, ジャガイモ塊茎, 黒緑豆もやし胚軸の粗酵素液中に複数の異なるPPOアイソザイムが存在することを, SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で明らかにした. また各アイソザイムの食塩に対する感受性には若干の差異がみられた. 次に, 食塩によるPPOの阻害様式を明らかにするために, 黒緑豆もやし胚軸からpI 6.7のPPOアイソザイムを硫酸アンモニウム分画, 2種類のカラムクロマトグラフィーにより426倍に精製した. 本酵素は分子量約40kDaのほぼ単一なたんぱく質にまで精製された. 精製酵素のクロロゲン酸 (基質) に対する見かけのKm値は1.3mMであり, 食塩による阻害様式は非拮抗型で, その阻害定数 (Ki) は0.22Mであった.
著者
東野 達 山本 浩平 南齋 規介 小南 裕志
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

化学輸送モデルを用いた人為起源二次粒子生成量の評価には、人為起源のみならず植物起源VOC発生量の正確な推定が必要であるが、東アジアにおける実測例は極めて少ない。前年度はコナラ個葉のイソプレン放出速度を計測したが、森林全体からの放出量推定精度を検証するため、簡易渦集積(REA)法を用いてコナラ群落からのイソプレン放出フラックスを夏〜冬に実測した。その結果、イソプレンの放出は気温と日射量に相関があり、紅葉により葉が黄色に変色するとイソプレン放出がなくなること、盛夏時のイソプレンフラックスはアマゾンの実測値を凌ぐことが初めて明らかとなった。一方、個葉の実測値とモデル式に基づく積み上げ法による森林全体のイソプレン推定放出量と、REA法による正味のイソプレンフラックスとの間には約1〜3割の差があり、イソプレンの森林内での分解や再吸収について観測する必要性が分かった。これらのデータはわが国で初めて得られた成果である。大気化学輸送モデルを用いて、わが国三地域への二次汚染物質沈着量の寄与度を日中韓の4部門について評価した。その結果、夏・冬に中国、建築・製造部門からの硫酸塩の寄与が大きいことが示された。二次粒子影響ポテンシャルによる経済部門の相互依存性解明の前段として、日本、中国などのアジア諸国と米国を含む10ヶ国のアジア国際産業連関表をもとに、各国の76経済部門におけるエネルギー消費量を各種統計データから推計し、さらにCO_2排出量に変換して部門別内包型原単位を求めた。対象10ヶ国の内包CO_2排出量のうち中国、米国が突出しているが、米国は他国への誘発量が最も多く、逆に中国は他国への誘発量は少なく他国からの誘発量が最大であることが明らかとなった。また、日本の最終需要による海外誘発量は、電力部門が最大で次いで輸送部門であることが分かった。
著者
藤井 恵介 岡田 安弘 兼村 晋哉 高橋 徹 山本 均 山下 了 松本 重貴
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究の目的は、LHCの結果を踏まえ、テラスケールの物理の全容解明のため電子・陽電子リニアコライダー(ILC)が果たすべき役割を明確化しILCが取るべき具体的物理研究戦略を確立、もってILC計画早期実現に供することにある。本研究によって、ILCでは、3つの主要プローブ:ヒッグス、トップ、新粒子直接探索により、LHCから得られる知見を質的に新しい段階へと押し上げる重要な情報を提供する研究が可能となることが明らかになった。本研究で得られた成果は、ILC技術設計書物理の巻の中核をなし、欧州戦略、米国戦略(スノーマス研究)の策定のための入力として重要な役割を果たし、ILC計画実現に向け大きく貢献した。
著者
砂村 倫成 山本 啓之 岡村 慶 福場 辰洋 臼井 朗 リンズィ ドゥーグル
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

海底下の大河の海洋環境への化学・生物学・生態学的影響評価のため、深海熱水プルームの時空間定量化を実施した。熱水プルーム観測のため、現場測器・サンプリング装置・音響探査手法を開発し、西太平洋やインド洋の18箇所の熱水域にて、自律型潜水艇を含む調査航海を実施した。熱水プルーム中での微生物群集組成と噴出熱水成分の相関性を見出し、プルーム内での4つの大河仮説が検証された。熱水プルーム内での微生物による一次生産量測定手法を開発し、一次生産量を見積もるとともに、動物プランクトン化学分析により、熱水プルームでの有機物生産が深海生態系に一定の影響を及ぼしている証拠を初めて提示することができた。
著者
山本 経天
出版者
日本経済大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、まず、中日国交回復前の日本語教育機関の全体状況を解明した。次は、人物史研究として戦前の日本留学生徐祖正、旧植民地台湾出身者陳信徳、日本人居留民岡崎兼吉、新中国を支援した日本共産党教師団を取り上げ、日本語習得者や日本人教師が新中国の日本語教育に果たした役割を明らかにした。
著者
和田 倶典 FULGIONE Wal SAAVEDRA Osc GALEOTTI Pie 斎藤 勝彦 山下 敬彦 高橋 信介 中川 益生 山本 勲 井上 直也 岬 暁夫 WALTER Fulgi OSCAR Saaved PIERO Galeot
出版者
岡山大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究は[LVD(Large Volume Detector)]実験と,[LMD(Large area Massive particlesDetector)]実験から成る。これらの実験の目的は大統一理論から予想される新しい粒子や物理学,また宇宙からのみ飛来することが期待される新粒子,天体物理学などである。これらの実現には人工加速器は無力であり,そのため非加速器物理が押し進められている。[1]LVD実験:特に,ニュートリノ反応や,新粒子の出現頻度はきわめて稀なため,大規模で極端に低いバックグウランド状態の実験所が必要となり,それらの条件を満たす実験所がイタリア,グランサッソ-に建設されイタリア国を中心にロシア,米国,日本,中国,ブラジル等の参加でLVD計画が始まり,日本は我々のグループが参加して,平成2年,3年,4年とLVD建設に協力してきた。LVDの第一期計画のタワー1が完成し,世界最大容積の液体シンチレータデータが取れるようになり,平成4年6月から測定に入った。これにより、LVD実験の目的である(a)星の重力崩壊からのニュートリノバーストの研究,(b)太陽ニュートリノの研究,(c)陽子崩壊の研究,(d)隠れたニュートリノ天体源の研究,(e)ニュートリノ振動の研究,などの成果が期待される。さらに,LVDとしてはタワー2,3の建設が始まっているところである。LVD実験は休みなく運転を続けており,現地グランサッソ-地下実験所にて装置の運転及び実験目的の解析を行うことが本研究の目的である。それらの目的を達成するため,平成6年以降,日本から現地(イタリア,グランサッソ-地下実験所)におもむき,装置の運転及び共同作業やデータ解析などを行ってきた。それらの成果は平成7年ローマで開催された第24回宇宙線国際会議で10編の報告を行った(10.研究発表の項目参照)。また,LVD装置の運転(シフト)業務は各国で分担しているが日本グループとしては年間,最低4週間(2シフト)従事することになっているので,この業務を最優先し,平成7年度は3シフト行った。また,日本グループ独自の解析を行うためのデータ転送,調整などの調査を行い,見とうしをつけた。[2]LMD実験:本実験の研究目的は(f)超低速・超重粒子の探索,(g)超高エネルギーミューオン物理学の研究である。LMD実験も平成6年9月に40平方メートルの改良型TLシートスタック[TLS]をイタリア,モンブラン地下実験所に設置したので,(f)超低速・超重粒子探索の可能性の検討が十分成しえるよう,(ア)現地モンブラン地下実験所及びトリノ大学にてTLSの回収と解析を行うことと,(イ)TLシートが超低速粒子に感度を持つか実験を行うことが本年度の計画であった。TLSはTLシートとX線フィルムを多数枚重ねたものからなるが,今回は改良型TLSで真空パックをした。(ア)は平成8年2月に回収を行い,40平方メートルX8枚のX線フィルムをすべて現象し,解析を行った結果,3例の超低速・超重粒子候補イヴェントを見い出した。ただちに,対応するTLシートの15箇所をTL読み取りシステムで読み取り,ビデオカセットに収録し,日本でも解析できるようすべてのテープをコピーした。現在,そのビデオテープから解析中である。(イ)の実験は低速アルゴン・イオンビームで行った結果光速度の一万分の一程度でもTLシートが感度を持つことが判明し,超低速・超重粒子がTLシートに入射した時の発光量も計算することが可能になった。計算から予想される粒子による発光がバックグラウンドによる発光よりも多くなれば検出がむつかしくなる。TL発光がそれほど多量ではないことが判ったので,モンブラン・トンネル内のバックグラウンドが大きく影響することになる。モンブラン・トンネルに比較してバックグラウンドが少ないと予想される(50%から10%)グランサッソ-地下実験所にTLSを設置すべく,準備を平成7年8月に始めた。バックグラウンド計測用TLシートをグランサッソ-・トンネル内のLVDタンク上に三箇所設置した。平成8年2月にTLシートの一部分を回収し,読み取りを行った。これらもテープをすべてコピーしたので,半年間でのグランサッソ-トンネル内のバックグラウンド量が計測でき,モンブラン・トンネルと比較できる。一年後のバックグラウンド計測と併せて、新しいTLSの設置場所を検討する予定である。
著者
宮澤 眞一 顧 釣 山本 周 宮澤 文雄 田 力
出版者
埼玉女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

当初の目的・目標を超える以下の4点の成果を生み出せた。(1)エール大学図書館所蔵のSWW書簡を10本のマイクロフィルムに初めて収録できた。(2)SWWの自筆書簡約1300通を判読し転写テキストを完成した。(3)精力的に研究発表(論文7・学会発表講演7・書評2)を行い、別刷の報告書小冊子に再録した。(4)2012年春に中国の二つの出版社から研究成果の本体(SWW書簡及び中国・日本遠征記)の転写テキストを5巻で出版するための準備に入った。
著者
黒岩 眞吾 酒寄 信一 山本 誠一 藤岡 雅宣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

KDDでは海外から日本のオペレータを直接呼びだし,国際オペレータ通話が可能な「KDDジャパンダイレクト^<SM>」という国際電話サービスを提供し,多くの日本人旅行者等の利用を得ている.しかし,特定の国からの呼については,現地の子供達等によるイタズラ電話が多く様々なトラブルを引き起こしている.そこで,オペレータに呼を接続する前に音声応答装置により対応しイタズラ呼の接続を排除するシステムを開発した.
著者
下村 泰彦 増田 昇 山本 聡 安部 大就 酒井 毅
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.173-176, 1996-03-29
被引用文献数
2 1

本研究では,都市河川空間をシークエンシャルな景観として捉えるために,CGによるアニメーションモデル画像を橋上,水上,水際の3視点場について作成した。これらの画像を刺激媒体とした心理実験を通じて,今後のスーパー堤防化を想定した空間整備に関する課題と方向性を探ることを目的とした。その結果,視点場の違いにより景観性の評価は異なり,橋上景観ではマクロな,水上景観ではシークエンシャルな,水際景観ではミクロな景観構造が重要であること。都市の魅力や活気性といった観点からは階段護岸形態が望ましいこと。安らぎや潤い性といった観点からは緩傾斜護岸形態に低木等の自然要素の導入が望ましいこと等が明らかとなった。
著者
山本 和英 中山 匠
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2010-NL-198, no.1, pp.1-7, 2010-09-09

日本語の動詞と形容詞はその形態によって明確に分類されている。ところが両者の意味を考えると一部の動詞は動作というよりも対象とする事物の状態を表現 (すなわち形容) していると見なしたほうが自然である。本稿ではこのような日本語の動詞と形容詞の分類の意味的ずれに着目し、新たな用言の分類 「形状性用言」 「作用性用言」 を提案する。まず動詞・形容詞という形態上の対比よりもより意味に近い形状性・作用性という分類が実用上有益であることを議論し、形状性用言の定義、及び辞書の作成に際しての検討課題を整理する。
著者
柴木 優美 永田 昌明 山本 和英
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2010-NL-198, no.3, pp.1-8, 2010-09-09

Wikipedia を利用し,人に関する大規模な is-a 関係のオントロジーを構築する手法を提案する.本手法では初めに,人を表すカテゴリを機械学習による分類器で判定し,Wikipedia の階層構造をそのまま利用して is-a 関係だけから構成される人のカテゴリ階層を構築する.その後,人を表すカテゴリが付与されている記事から,人を表す記事をインスタンスとして抽出する.機械学習では,カテゴリ名及びカテゴリの周辺の単語が,日本語語彙大系のインスタンスとどのようにマッチするかを素性にした.その結果,人を表すカテゴリを適合率 99.3%,再現率 98.4%,人を表すインスタンスを適合率 98.2%,再現率 98.6% で抽出することができた.
著者
工藤 信樹 鈴木 亮 山本 克之 岡田 健吾 坂口 克至 八木 智史 渡辺 典子 千田 裕樹 奥山 学 松井 智子 吉松 幸里
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究の最終的な目的は,パルス超音波と微小気泡を用いることにより,効率が良く生体に対する安全性が高いin vivoソノポレーション手法を開発することにある.今回の研究では,手法の効率向上を主な目的として,ソノポレーションに伴う細胞変化をタイムラプス観察する光学顕微鏡システムを開発した.また,気泡位置を制御できる光ピンセット装置も開発し,細胞膜損傷の程度や発生部位の制御を実現した.開発した装置を用いて,数10分間の比較的早い時間内に起きる細胞の損傷と修復を観察し,その発生機序について検討した.また,気泡に取り込まれた薬剤の効果発現をとらえるために観察チャンバを改良し,最大20時間程度にわたって細胞に生じる変化を連続観察する手法を確立した.さらに,特定の細胞にのみ付着するターゲティング気泡とシェルに薬剤を付着した気泡を作製し,提案するソノポレーションにおけるこれらの気泡の有用性を確認した.
著者
中澤 秀雄 嶋崎 尚子 玉野 和志 西城戸 誠 島西 智輝 木村 至聖 大國 充彦 澤口 恵一 新藤 慶 井上 博登 山本 薫子
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

世界(記憶)遺産という側面から、あるいはポスト3.11のエネルギー政策という観点から「石炭ルネサンス」と言うべき状況が生まれているが、これを先取りして我々産炭地研究会は、「炭鉱の普遍性に基づく産炭地研究・実践の国際的なネットワーキング」を展望しながらも、まずは資料の収集整理という基礎固め作業を継続してきた。夕張・釧路の個人宅から炭鉱関係資料をサルベージして整理目録化を進行させていることを筆頭に、多数の資料整理・目録化に成功した。ネットワーキングの面では、全国の博物館・元炭鉱マン・NPO等と関係を確立し、主要な全産炭地を訪問して資料整理・研究の面でも協働した。