著者
岸本 桂子 福島 紀子
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.5, pp.685-695, 2011-05-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
28
被引用文献数
10 11

In this study, we investigated the status of researching drug information online, and the type of Internet user who uses anonymous Web communities and websites. A Web-based cross-sectional survey of 10875 male and female Internet users aged 16 and over was conducted in March 2010. Of 10282 analyzed respondents, excluding medical professionals, about 47% reported that they had previously searched the Internet for drug information and had used online resources ranging from drug information search engines and pharmaceutical industry websites to social networking sites and Twitter. Respondents who had researched drug information online (n=4861) were analyzed by two multivariable logistic regressions. In Model 1, the use of anonymous websites associated with age (OR, 0.778; 95% CI, 0.742-0.816), referring to the reputation and the narrative of other Internet users on shopping (OR, 1.640; 95% CI, 1.450-1.855), taking a prescription drug (OR, 0.806; 95% CI, 0.705-0.922), and frequent consulting with non-professionals about medical care and health (OR, 1.613; 95% CI, 1.396-1.865). In Model 2, use of only anonymous websites was associated with age (OR, 0.753; 95% CI, 0.705-0.805), using the Internet daily (OR, 0.611; 95% CI, 0.462-0.808), taking a prescription drug (OR, 0.614; 95% CI, 0.505-0.747), and experience a side effect (OR, 0.526; 95% CI, 0.421-0.658). The analysis revealed the profiles of Internet users who researched drug information on social media sites where the information providers are anonymous and do not necessarily have adequate knowledge of medicine and online information literacy.
著者
小野原 靖 岸本 達也
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.20, pp.279-284, 2004-12-20
被引用文献数
3

In this paper, Virtual Reality System for Streetscape and Street space evaluation using the Virtual Reality system is presented. Firstly, studies on VR System using scale models, CAD models, and VR system with both scale models and CAD models in literatures are investigated. Secondly, light and small VR system using the combination of HMD and 3 axes gyro sensor, which provides view stereoscopic environments and enable us to view all direction of Streetscape, is presented. Thirdly the adaptability of this system for the Streetscape and space evaluation is investigated through two experiments. The sense of Height, Volume, Amenity, Depth, and Activeness of different stand points and those by different streets which have different width are investigated and several features of sense of Street space are clarified by the VR system.
著者
白石 順二 山崎 勝 田中 克尚 岸本 健治 畑川 政勝
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1726-1734, 1994-10-01
被引用文献数
7

In the past years, receiver operating characteristic (ROC) studies that has been used in medical imaging system have involved data collected on a discrete confidence-rating scale with five categories, though in principle ROC studies which are called method for continuously-distributed test results can be conducted with continuous scale. In this study, we investigate the advantage of this new rating method. Advantages were obtained from our experiments that used both discrete and continuous rating scale with same sample sets. From the results of ROC analysis using the CR mammography with simulated mamma phantom, the method for continuously-distributed test results performs identical estimation of area under the ROC curve (Az) compared with the discrete confidence-rating method, but performs good (1/3) standard deviation of Az between readers. When the range of Az lies 0.65-0.70 which are "difficult" performance of ROC experiment, we concluded that the method for continuously-distributed test results has the advantages of good statistical power and reliability of results compared with the discrete confidencerating method.
著者
岸本 章宏
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

探索アルゴリズムはコンピュータサイエンスにおける基本的な手法であり、重要な応用分野の一つとしてゲームがある。ゲームの利用者の観点からは、探索アルゴリズム(ゲーム木探索アルゴリズム)が高速にかつ正しく問題を解けることが要求される。ところが、これまでのゲーム木探索アルゴリズムは、探索効率を落としたくないために正当性を保証しないアルゴリズムを利用するか、または解の正当性を保証したいために何千倍も遅い非効率なアルゴリズムを用いるかというどちらかの妥協を行ってきた。本研究では、このような探索効率と正当性の問題を解決するのが目標である。平成18年度の研究では、探索アルゴリズムの正当性を理論的に証明でき、効率的であることが分かったので、平成19年度は、研究目標にある通り、探索アルゴリズムのさらなる効率化を行った。囲碁とチェッカーを探索の題材に選び、コンピュータ上に開発したアルゴリズムを実装し、実験的に効率の良いアルゴリズムであることを示した。本研究の大きな成果として、チェッカーが引き分けであることを証明し、Science誌に掲載され、2007年度の科学的進歩の第10位にランクされた。また、最新の関連研究を調査し、本研究との比較を行い、開発した手法が優れていることが分かった。さらに、囲碁を題材にして、ランダム・サンプリングを用いた方法と効率に関する研究を開始した。ランダム・サンプリングを行う対象としては、囲碁を用いた。ランダム・サンプリングと木探索を組み合わせると非常に有効であることが、実験的に分かった。
著者
中田 秀基 竹房 あつ子 大久保 克彦 岸本 誠 工藤 知宏 田中 良夫 関口 智嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.20, pp.217-222, 2006-02-27
被引用文献数
2

グリッド上で複数の資源を同時に確保(コアロケーション)するには,各サイトにおける事前予約が不可欠である.現在計算資源の多くでは,プライオリティと First Come First Servedを組み合わせたスケジューリングポリシが用いられているが,このスケジューリングポリシと事前予約をどのように組み合わせるべきかに関しては,明らかになっていない.われわれは,この問題を検討する研究環境を整備することを目的とし,1) OpenPBSの亜種であるTORQUEのスケジューラモジュールを記述するためのAPIを整備し,2)これを用いて事前予約機能を持つスケジューラモジュールを実装した.さらにWSRFを用いた外部インターフェイスを実装し,Globus Toolkit Ver.4のGRAMと連動したグリッド環境での予約と実行を実現した.While advance reservation is an essential capability for co-allocating several resources on Grid environments, it is not obvious how it can be combined with priority-based First Come First Served scheduling, that is widely used as local scheduling policy today. To investigate this problem, we 1) developped Java API to implement scheduling modules for TORQUE, a variant of OpenPBS, 2) implemented a scheduler module that have advance reservation capability with the API. We also provide an external interface for the reservation capability based one WSRF. Using with job submission module from Globus toolkit 4, users can make reservation for resources and submit jobs over Grid.
著者
狩野 方伸 崎村 建司 少作 隆子 岸本 泰司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

これまでの研究を継続・発展させ、平成25年度に以下の研究を行った。脳スライス及びin vivoの個体脳の解析は狩野が、培養海馬ニューロンの解析は少作が、行動学的解析は岸本と狩野が担当した。また、遺伝子改変マウスの維持は崎村が担当した。1. 内因性カンナビノイド(eCB)系によるNMDA受容体機能調節のメカニズム: 逆行性シナプス伝達を担うeCBである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)の合成酵素DGLαの欠損マウスと、2-AGの受容体であるCB1の欠損マウスの側坐核中型有棘ニューロンの興奮性シナプスにおいて、NMDA受容体機能の低下が認められた。その原因として、NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体の寄与が低下していることを示す電気生理学的所見を得た。2.大脳基底核の運動学習におけるeCB系の役割: 3レバーオペラント課題のマウスへの適用について、平成24年度に引き続き検討した。3.分界条床核の抑制性シナプス伝達の2-AGによる逆行性伝達抑圧のメカニズム:分界条床核の抑制性シナプスの逆行性伝達抑圧が、eCB系遺伝子改変マウスにおいてどのように変化しているかについて、継続して電気生理学的解析を行った。4.eCB系の海馬機能における役割: eCB系遺伝子改変マウスにおいて、瞬目反射条件付けのLI (latent inhibition)課題に関する解析を継続した。5.eCB系の抗炎症作用:U87-MGヒト悪性グリオーマ細胞における、NF-kBシグナルを介する炎症作用に注目し、グリアのeCB系による抗炎症作用のメカニズムを調べるための条件検討を行った。
著者
三谷 幸之介 大林 富美 岸本 充弘
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、ウイルスベクターを利用した相同組換えにより染色体遺伝子を修復する究極の遺伝子治療法の開発を目的とする。1、アデノウイルスベクターヘルパー依存型アデノウイルスベクター(HDAdV)によるヒト細胞での相同組換え効率を検討するため、正常ヒト繊維芽細胞においてHPRT遺伝子座を標的とし、細胞あたり10^<-5>から10^<-6>の頻度で遺伝子ノックアウトを達成した。また、相同組換えによってファンコニ貧血A群(FANCA)遺伝子変異を修復する頻度を測定するために、正常FANCA遺伝子座の一部をコードするHDAdVを作製し、患者由来B細胞株(BCL)に感染させた。しかし、相同組換えによるFANCA遺伝子の修復も、染色体上のランダムな位置へのベクターの組み込みも、いずれも検出できなかった。2、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターHDAdVと同様に、HPRTノックアウトベクターとFANCA修復ベクターを構築した。宿主域の異なる各種AAVベクターを調製し、正常BCLを感染させたところ、1 x 10^<-5> - 6 x 10^<-6>の頻度で染色体に組み込まれた。そのうち、AAV2とAAV8由来のベクターで、細胞当たり1 - 2 x 10^<-6>の頻度でHPRTノックアウトを達成したFANCA患者由来細胞BCLに対しても、3 x 10^<-5>の頻度でHPRTノックアウトを得た。ヒト造血細胞における遺伝子ノックアウトは初めての例である。さらに、FANCA修復ベクターを用いて遺伝子修復を試みたが、修復細胞は検出されなかった。3、相同組換えの促進と非相同組換えの抑制の試みマウスHprt相同領域をコードするプラスミドDNAをマウスES細胞へエレクトロポレーションし、UV damage endonuqleaseの強制発現またはPARP1阻害剤での細胞処理による相同組換えの促進と、DNA-PKcs阻害剤の細胞処埋による非相同組換えの抑制を検討したが、いずれの場合も顕著な効果は認められなかった。4、今後の展望HDAdVに関しては、long PCRで相同配列をクローニングした際にエラー(変異)が入って相同組換えを阻害した可能性があるので、BACから直接クローニングする方法でベクターを再構築し、実験を行う予定である。また、FANCA陽性細胞の検出法の精度を改善して、AAVを用いて再実験を行う。
著者
及川 真司 Song Sung-Jun 前山 健司 岸本 武士 戸村 健児 樋口 英雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.551-557, 2003-08-05
参考文献数
10
被引用文献数
4 8

海洋環境における放射能モニタリングに海産生物試料を応用することを視野に入れ,日本近海で採取したスルメイカ中に含まれる13元素(V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ru, Ag, Cd, Cs, Ba, Pb)を,前処理後,誘導結合プラズマ質量分析法によって定量する方法を検討した.このうち,放射能モニタリングを行う上で特に重要であると考えられる9元素(V, Mn, Fe, Co, Cu, Zn, Rb, Ag, Cd)については,中性子放射化分析法によって分析値を比較した.その結果,両者は誤差の範囲内で一致し,誘導結合プラズマに特有な分子イオン形成やマトリックス効果等の影響は見られず,誘導結合プラズマ質量分析法による定量値の妥当性を確認した.この方法で1996年に千葉・銚子沖で採取したスルメイカの可食部,骨部,胃,肝臓及びその他の部位に含まれる上記13元素を定量し,海水に含まれる標準的な濃度と比較することによって濃縮係数を算出した.定量した重金属元素のうち,Mn, Fe, Co, Cu, Ag, Cd及びPb等の肝臓への濃縮が顕著であることが分かった.また,同じ部位であってもZn, Rb及びCsは濃縮係数に差がほとんど見られなかった。一方,その他の元素は同じ部位であっても濃縮係数に差が見られた.本研究で得られた結果から,回遊性のスルメイカが海洋環境の重金属や放射能汚染のための環境影響評価に利用できる天然の指標生物になると考えている.
著者
新里 貴之 中村 直子 竹中 正巳 高宮 広土 篠田 謙一 米田 穣 黒住 耐二 樋泉 岳二 宮島 宏 田村 朋美 庄田 慎矢 加藤 久佳 藤木 利之 角南 聡一郎 槇林 啓介 竹森 友子 小畑 弘己 中村 友昭 山野 ケン陽次郎 新田 栄治 寒川 朋枝 大屋 匡史 三辻 利一 大西 智和 鐘ヶ江 賢二 上村 俊雄 堂込 秀人 新東 晃一 池畑 耕一 横手 浩二郎 西園 勝彦 中山 清美 町 健次郎 鼎 丈太郎 榊原 えりこ 四本 延弘 伊藤 勝徳 新里 亮人 内山 五織 元田 順子 具志堅 亮 相美 伊久雄 鎌田 浩平 上原 静 三澤 佑太 折田 智美 土肥 直美 池田 榮史 後藤 雅彦 宮城 光平 岸本 義彦 片桐 千亜紀 山本 正昭 徳嶺 理江 小橋川 剛 福原 りお 名嘉 政修 中村 愿 西銘 章 島袋 綾野 安座間 充 宮城 弘樹 黒沢 健明 登 真知子 宮城 幸也 藤田 祐樹 山崎 真治
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

徳之島トマチン遺跡の発掘調査をもとに、南西諸島の先史時代葬墓制の精査・解明を行なった。その結果、サンゴ石灰岩を棺材として用い、仰臥伸展葬で埋葬し、同一墓坑内に重層的に埋葬することや、装身具や葬具にサンゴ礁環境で得られる貝製品を多用することが特徴と結論づけた。ただし、これは島という閉ざされた環境ではなく、遠隔地交易を通した情報の流れに連動して、葬墓制情報がアレンジされつつ営まれていると理解される。
著者
三浦 勉 森本 隆夫 早野 和彦 岸本 武士
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.245-249, 2000-04-05
被引用文献数
9 29

キレートディスク(3M Empore^<TM> chelating resin disk)を用いた水試料中ウランの予備濃縮分離法を開発した. ウランを100 mM酢酸アンモニウム, 1 mM DCTA, pH 5.0, 流量100〜150 ml min^<-1>の条件でキレートディスクに選択的に捕集(回収率: 100±1.6%)し, 2 M硝酸7.5 mlで溶離する. 試料21を用いて200倍の濃縮が可能であり, 濃縮操作は約20分で終了する. 海水中のウランの定量では, 試料11当たり0.3 molの硫酸ナトリウムを添加することで回収率の低下を改善できた. 本法を用いて海水, ミネラルウォーター中のウランをICP-AESで定暈した. 海水中ウランの定量値は3.1±0.058 μg l^<-1> (n=3)であり, ICP-MS, α線スペクトロメトリーによる結果と一致した. ミネラルウォーター中のウラン濃度は<0.1-1.7 ug l^<-1>であった.
著者
細谷 良夫 ELIOT M STARY G 成 崇徳 蒲地 典子 王 鐘翰 陳 捷先 石橋 崇雄 楠木 賢道 PAN A.T 加藤 直人 中見 立夫 松浦 茂 岸本 美緒 江夏 由樹 松浦 章 香坂 昌紀 河内 良弘 松村 潤 神田 信夫 STARY Gioban ELOT Mark TATIANA A.Pang WANG Zhong-han CHEN Jiw-xian CHENG Chong-de 王 禹浪 関 嘉禄
出版者
東北学院大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

「実績の概要」1994〜96年の3年間にわたり、清朝史研究の基礎的な作業として、多岐にわたる清朝史料の体系的把握を目的に、満州語史料を中心とする各種史料の所在状況の調査及び版本と档案の関係を課題とする共同研究を実施した。研究活動は国外の研究分担者の協力を得て中国、台湾、香港、アメリカ、ロシアで実施したが、はじめに調査研究の対象となった主要な(1)史料所蔵機関と(2)史料名称を以下に列挙する。(1)史料所蔵機関(中国)第一歴史档案館、遼寧省档案館、吉林省档案館、吉林市档案館、黒龍江省档案館、北京図書館、科学院図書館、吉林大学図書館、中央民族学院図書館、遼寧省図書館、大連市図書館、中国社会科学院歴史研究所、中国社会科学経済研究所、中国社会科学院清史研究室、中国社会科学院近代史研究所、遼寧省博物館、黒龍江省博物館、黒龍江省民族博物館、新賓満族自治県博物館、伊通満族博物館、海拉尓民族博物館、阿里河鄂倫春族博物館、莫力達瓦文物管理所図書館、承徳市囲場県文物管理所、赫哲族民族博物館、赫哲族民族館(中華民国・台湾)台湾中央図書館、故宮博物院文献處、中央研究院近代史研究所、中央研究院歴史言語研究所(香港)香港大学図書館、香港理工学院図書館(アメリカ)カリホルニヤ大学(バ-クレイ)図書館、議会図書館、ハ-ヴァト大学燕京漢和図書館、プリンストン大学ゲスト図書館、ニューヨーク市立図書館(ロシア)ロシア科学アカデミー極東研究所中国学図書館(モスクワ)、ロシア科学アカデミー東洋学研究所(サンクトペテルブルグ)、サンクトペテルブルグ大学、サルトコフシチュドリン名称公衆図書館(2)主要な史料と史料系譜の名称無圏点「満文老档」、有圏点「満文老档」、満文「清実録」(太祖・太宗朝)、内国史院档、崇徳3年档、逃人档、〓批奏摺、戸科史書、礼科史書、内閣大庫漢文黄冊、戸部銀庫大進黄冊、戸部銀庫大出黄冊、江南銭糧冊、徽州文書、理藩院題本、黒龍江将軍衙門档案、三姓档、黒図档、尚務府档、朝鮮国来書簿、尚可喜事実冊档案、南満州鉄道北満経済調査所所蔵史料、哈爾濱学院所蔵史料、駐哈爾濱外務局特派員公署所蔵史料、満漢文清朝初期関係の石碑拓本、嫩江流域達斡尓族所蔵の満文史料、大楊樹付近の満族関係史料、烏蘇里江流域赫哲族所蔵の満族史料、琿春付近の満族関係史料、鴨緑江流域所在の満族関係史料「共同研究会の開催」上記各史料所蔵機関で、各種の資料をめぐり中国では王鍾翰、成崇徳、台湾で陳捷先、アメリカでエリオット、ロシアでタチアナ・パン各教授と個別課題で共同調査と研究を実施した。また文書史料のみならず、中国東北地域で、清朝初期史をめぐる石碑史料、宗譜や牌単などの祖先祭祀史料、鄂倫春族などを含む満族をめぐる口承伝承資料の採集などの現地調査と研究を関嘉禄、王禹浪研究員と共に行った。3年間にわたる共同研究のまとめとして、1996年12月に成崇徳教授を招聘、満族史研究会の招聘などで来日中の陳捷先、スターリ、パン、エリオット教授をまじえ、満漢文史料をめぐるシンポジュウムと満文版本目録作成のためのワークショップを5日間にわたり実施し、これまでの総括と今後の共同研究の方法を討議した。「成果」共同研究の実施の結果、各所蔵機関の資料状況が明らかになったことに併せて、個別資料の研究、すなわち実録の基礎となったであろう国内史院档の系譜や実録写本の検討、礼科史書と理藩院題本の関係、清朝から満州国に及ぶ東北土地文書の史料系譜、銭糧冊や黄冊などの清朝の経済政策を解明する基礎史料の整理などの官本と档冊の研究が行われた。同時に従来所在不明とされていた朝鮮国来書簿あるいは既に倒壊したと伝えられていた尚可喜神道碑の発見、あるいは逹斡尓族の満州語使用とその档冊や写本を見出した。これらの多くの成果は分担者それぞれの研究成果として公表されると共に「満族史研究通信」の誌上に史料状況を中心とする調査報告が公開されている。また満族史研究通信は国外に対する共同研究の成果の還元として、各国に送付され高い評価を得ている。
著者
岸本 千佳司
出版者
(財)国際東アジア研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究の課題は、(1)IT産業(特に半導体産業)で近年成長著しい台湾と中国に注目し、地域の産業クラスターの観点から、その成長のダイナミズムを分析する(具体的には、台湾・新竹-台北エリアと中国・長江デルタ地域、および派生的研究として日本・九州エリアに注目した)、(2)さらに地域クラスターの発展には、実は、地域外(海外も含む)のアクターとのリンケージが重要な影響を及ぼすと指摘する近年の研究動向を踏まえ、両国(地域)の半導体産業クラスターの分析に、外資系企業や海外パートナーとのリンケージも視野に納めることである。成果としては、第1に、上述の2つのエリア(および九州エリア)に関して、半導体産業クラスターの中の分業関係、地域の事業環境、当該地域の企業の経営の特徴等を現地調査の結果を踏まえ詳細に分析した。第2に、各エリアのクラスターの発展に、外的アクターが様々な形で関与し影響を及ぼしていること(例えば、外資系企業として、市場・顧客として、技術提携・交流のパートナーとして、先端技術・製品コンセプトのソースとして、高度な装置・部材のサプライヤーとして)、さらには、台湾・新竹-台北エリアのようにダイナミックなクラスターほど、地域内部の企業・関連機関間リンケージの高度化を外部(特に海外アクターとの)リンケージで補完し連動させるグローバルな戦略性をもっていることを指摘した。その点、中国・長江デルタ地域は台湾に似た方向に発展しつつも、環境が未整備で外資に依存する部分が大きい。日本・九州は先発組みであるにもかかわらずやや静態的で、地域内のリンケージも国際リンケージも未発達であることが判明した。以上、一定の成果を収めつつも、海外現地調査に伴う困難と半導体産業の具体的ビジネス状況への理解不足から、不徹底な部分もある。特に、上述の2(もしくは3)地域が、如何に競合・分業関係を形成していくか、その過程で、競争力の源泉となる地域特有の制度・政策・産業構造・ビジネスモデルがどのように構築・再編されていくかという地域間の国際的相互作用を踏まえた動態的分析が残された重要課題である。
著者
青木 繁 BUI Huy Duon YANG Wie KNAUSS Wolfg 北川 浩 岸本 喜久雄 YANG Wei HUY Duong BU WEI YANG WOLFGANG KNA MAIGRE H. RAVICHANDRAN ジー ROSAKIS Ares NAKAMURA Tos 天谷 賢治
出版者
東京工業大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

本研究は,日米中仏の4ヶ国の研究者の共同研究により実施するのもので,材料の破壊プロセスにおける微視的な内部構造変化について総合的に検討するとともに,それらを踏まえたメゾスコピック材料モデルを構築することを目的とする.すなわち,本研究では,原子レベルならびにナノレベルにおける微視的アプローチ,不均質材料,材料界面,高分子材料,複合材料の損傷・破壊モデルの検討,および,衝撃荷重や環境など外因の影響を踏まえた材料モデルの考察など,種々の立場から,材料モデルの構築を進めるとともに,相互に協力,啓発を行い,それらを統合化した材料の寸法尺度,時間尺度に対する階層構造を的確に捉えたメゾスコピック材料モデルの構築を目指している.本研究において設定した調査テーマは下記の通りである.(1)分子動力学法を基礎とする材料モデルの構築,(2)材料の損傷・破壊現象のミクロとマクロメカニクス,(3)界面強度特性とミクロ・マクロ材料モデル,(4)不均質材料の特性発現機構と損傷機構のミクロ・マクロモデル,(5)複合材料の損傷過程とミクロ・マクロモデル,(6)ミクロ構造を考慮した高分子材料モデルの形成とマクロ特性,(7)破壊のプロセスゾーンの損傷モデル,(8)衝撃荷重下における材料の破壊モデル,(9)材料の環境強度に及ぼす電気化学因子のモデル化また,東京工業大学,カルフォルニア工科大学,エコールポリテクニークにおいて共同研究を実施するとともに,中国,カナダ,アイルランド,ポルトガルにおいて調査研究を実施した.それらの結果,材料の内部微細構造の変化のダイナミクスを多面的に捉えるための分子動力学法,境界要素法,有限要素法などの種々の方法に基づくモデリング手法についての知見が得られた.
著者
當間 孝子 宮城 一郎 武田 富美子 岸本 涼子 阿波根 綾子
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.309-319, 1998
被引用文献数
4 2

沖縄県の20健常者家庭において, 寝具, 寝室床細塵中のダニ相やダニ数が調査された。寝具の中ではスプリングベッドマット(GM, 3,076)に, 寝具ではカーペットを敷いた床(4,775)に最もダニが多いことが明らかになった。調査したスプリングベット及びカーペット床の37.5%が1m^2当たり5,001個体以上のダニが採取され, 1,000以下のダニがとれたスプリングベットマットとカーペット敷床はなかった。スプリングベットマットを使用している人の敷布団にはダニが有意に多かった。寝具, 寝室床で最も多くとれたダニはDermatophagoides pteronyssinus(寝具75-99%, 寝室床75-96%)であり, Blomia tropicalis (0.4-11,0.9-5.8), Tyrophagus putrescentiae (0.03-4.2,0.1-9.8)とつづいた。
著者
岸本 実
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、環境についての客観的知識を提供する環境諸科学を総合するのみならず、環境倫理、風景、アメニティなどの環境についての主体的な意味を総合する、風土を中心概念とする環境教育力リキュラムにおいて、子どもの学習評価はいかにあるべきかを明らかにすることであった。客観的な知識および論理的な思考だけでなく、主体的で個性的な意味づけの多様性の評価方法として、ポートフォリオ評価法を手がかりとした。研究方法として、具体的な風土教材を開発した。これまで、琵琶湖を対象にした教材を引き続き研究するとともに、あらたに、中国内モンゴル自治区の草原の砂漠化をテーマとした環境教材の開発を行った。砂漠化の原因としては、過放牧、過開墾、乱伐という三つが原因とされるが、それらが清代、清末から中華民国、中華人民共和国における人民公社による大規模のうち開発、そして生産請負制の導入という歴史的な経緯の中でどのように関連しながら砂漠化の要因を形成してきたかを分析する教材を作成した。さらにそうした歴史をふまえて、今日的な環境政策である生態移民をどのように受け止めるのかをロールプレイを通して主体的に学ぶ生態移民ロールプレイの開発を行った。さらに、風土概念を社会科カリキュラムとその教育評価にどのように位置づけるのかを検討するために、アイルランドの公民政治カリキュラムにおけるスチュワードシップの概念とその教材と評価方法に注目した。
著者
渋谷 寿一 納冨 充雄 井上 裕嗣 岸本 喜久雄
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

次世代の半導体素子は,プリント基板に実装された後に樹脂で上から基板ごとコーティングするタイプが増加すると考えられている.また,高温用タービンブレートは,耐熱性のセラミック材料を溶射によって金属基材にコーティングする.このような場合は,コーティング層の強度特性評価を充分に行わないと,材料の信頼性が得られない.そこで,コーティング層の機械的特性と湿度や応力による劣化の評価を行なうことが重要である.本研究では,金属のベース材料にコーティングが施された場合の,コーティング層の機械的特性と湿度や応力による劣化の評価を行った.本研究の成果を以下の通りである.(1)収集した情報に基づいて,コーティング素材の選定を行い,コーティング母材の試験片を製作した.(2)曲げ試験を行い,荷重-たわみ関係等を測定した.(3)x線応力測定装置で試験片表面のコーティング層の残留応力を測定した.(4)残留応力の測定結果を基に,破断荷重をワイブルプロットにより整理し,統計的な処理によって一般化破断荷重を決定できることを明らかにした.(5)ワークステーションを用い,材料中の各層ならびに層間に働く応力分布を弾性論にもとずく数値解析によって明らかにした.(6)各試験前後の試験片のコーティング層の界面を走査型電子顕微鏡で詳細に観察し,メカニズムを解明した.