著者
古川 博文 松井 紀久男 島田 英樹
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.121, no.9, pp.446-455, 2005 (Released:2007-02-24)
参考文献数
6
被引用文献数
1 3

India is the third largest coal producer in the world and has substantial coal reserves. It produced about 340 million tons of coal in 2002-2003. Open cast production accounts for 80% of the total output and the remaining 20% is from underground. The share of the underground output in the total production is expected to remain at the current level through 2010 even as the coal production increases. Despite its huge resource of coal, the quality of Indian coal is not so good. A considerable amount of good quality coal deposits in India lies in the thickness range of 5-12 m. However, an appropriate mining method for such thick seams could not be developed so far.The coal's share of total electric power generation in India is 75.5% in 2001. Because it is a reliable, domestic, and low-cost source of fuel, coal has played and will continue to play a significant role in the development of the Indian economy. Production, processing, and consumption of coal, however, can have significant environmental impacts, if not properly managed.The paper describes the present situation of the Indian coal mining industry, discusses problems in thick seam mining methods, and proposes a new mining method for thick seams considering today's environmental issues in Indian coal mining.
著者
畑 一洋 佐藤 誠 島田 武 佐藤 昌志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1133-1136, 1997

地震による橋りょうなど道路構造物への被害は、構造物の種類・形状などを問わず地盤条件の不連続な地域においても発生する確率が高いと考えられている。古くから沖積地盤に地震被害が多くなることが知られているが、最近の被害報告によれば沖積地盤の中でも、特に被害が集中する区域のあることが指摘されている。<BR>これらのことから、著者らは、北海道の地震における地域特性を考慮した推定地震動を分析し、道路構造物の被害発生に関する地震動特性の解析手法について提案を行い、これまでの研究においてその有効性を考察している。
著者
阿部 真理子 加納 尚美 島田 智織 小松 美穂子
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.133-145, 2004-03
被引用文献数
1

外からは見え難い出産環境の現状を探る目的で, 2002年秋, 新聞や地域情報紙で, 茨城県南地域で過去5年以内に出産を経験した人を募集した。6名1人約2時間のインタビュー逐語記録について, 医師, 助産師, 看護師の対応に言及している部分を取り出して整理すると, 産む人の身体的・精神的欲求に照らして, 医療者との間で様々なコミュニケーション・ギャップが経験されていることがわかる。産む人の受け止め方を大きく「不足感の気づき」「満たされる」の2つのカテゴリーに分類し, コミュニケーション・ギャップの本体として「不足感の気づき」, そこに含まれる「不足感の合理化」「不足感の転化」について検証した。現場で繰り返し体験される何気ないコミュニケーション・ギャップは, 産む当事者の主体性や自律性を侵食し, 脆弱なものとしていることがうかがわれた。
著者
島田 裕之 内山 靖
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.61-67, 1999 (Released:2007-03-29)
参考文献数
25

本研究は運動機能障害を有する患者に対して心拍数の測定による歩行耐久性の評価を行い,短距離歩行と長距離歩行時の生理応答の違いを明らかにした。さらに,長距離にわたって荷物を持つことが生体に及ぼす影響を明確にし,歩行障害度との関係を比較・検討した。その結果,健常者,患者ともに歩行開始直後の短距離(50m)の歩行速度と長距離(1km)での歩行速度とは相関しなかった。患者が長距離歩いたときの心拍応答は直線あるいは対数関数的に上昇を示し,特に機能障害の重度な患者では歩行距離が伸びると歩行効率は低下し,身体にかかる負荷が増大する結果となった。また,荷物を持つことにより健常者,患者ともにPCI,%HRRは有意に上昇し,歩行速度は低下し,機能障害の重度な患者ほど応答的課題に対する生理応答の変化は大きかった。以上の結果から,理学療法の臨床では実際の長距離歩行を詳細に検討することが重要であると考えられた。
著者
島田虔次著
出版者
京都大学学術出版会
巻号頁・発行日
2002
著者
山本 功 島田 貴仁
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.80-97, 2016 (Released:2017-10-31)

従来,わが国の犯罪情勢が論じられるにあたって,人びとの意識を表すものとして「体感治安」や 「犯罪不安」という語が用いられてきた.新聞や行政文書においては「体感治安」が用いられ,学術研 究においては「犯罪不安」が主たる研究対象とされてきたが,これらの差異には関心が向けられてこ なかった. 本稿は,千葉県コンビニ防犯ボックスモデル事業を事例として,この事業が地域住民にもたらした 体感治安とリスク知覚・犯罪不安に対する効果を分析する.異なる2地点で実施された同事業の事前 と事後の2回,地域住民に対する調査が実施された. 分析の結果,同事業は概して体感治安の向上をもたらしたが,部分的に犯罪リスク知覚と犯罪不安 の上昇が観察された.これらの結果から,「体感治安」と「犯罪不安」は異なるものであることが明ら かになった.防犯事業を評価する際には,犯罪不安と体感治安の両者を測定することが必要であるこ とが論じられた.
著者
小野 尚哉 江藤 史哉 島田 徹 笹原 克夫 桜井 亘 鷲尾 洋一
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.179-186, 2014 (Released:2014-11-05)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

平成23年台風第6号に伴う豪雨によって発生した深層崩壊について,その発生場の地形・地質的特徴を整理し考察を行った。まず深層崩壊発生箇所とその周辺の微地形について,航空レーザ測量データを基に地形判読を行い抽出した。この地形判読を行った範囲に対して地表踏査を実施し,地形・地質と変状を記載した。その結果,小島地区の深層崩壊は,山頂緩斜面下方の岩盤クリープ地形が分布し侵食前線が位置するエリアで生じており,付近には褶曲や断層などの劣化帯が分布していることが判った。また,付加帯である四万十南帯の砂岩泥岩互層が分布する小島地区とその周辺においては,深層崩壊跡地などの大規模斜面変動地形が広く,かつ数多く確認され,層理面構造が流れ盤となっていないものの,節理等の亀裂系の発達等により岩盤の緩みが進行した範囲で生じていることが判った。
著者
上野 茂昭 髙橋 玲 劉 修銘 島田 玲子 都 甲洙
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
pp.18-18FB_OA, (Released:2018-07-15)
参考文献数
8

サバ類は冷凍によって肉質が著しく劣化することから,貯蔵中の肉質劣化を防止する高品質な冷解凍技術を開発する必要がある.本研究では脂質含量の異なるサバを-20℃,-40℃および-80℃の冷凍庫または-196℃の液体窒素で凍結し,K 値,pH,氷結晶サイズ等の品質項目について分析した.サバの品質を決定する重要な評価指標の一つである脂質含量は,魚肉のK 値,ドリップ率および氷結晶サイズに影響を及ぼすことが示唆された.脂質含量の異なる魚介類に対して適した凍結条件を選択することで, 鮮度低下抑制やドリップ抑制,氷結晶サイズの制御が可能となることが期待される.
著者
友田 明美 藤澤 隆史 島田 浩二 小坂 浩隆
出版者
福井大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

自閉スペクトラム症(ASD)の発症リスク因子である環境ストレスとしてのミクログリア活性化分子ネットワークに着目し、ASDのバイオマーカー候補としてmiRNA(micro-RNA)解析を行った。福井県A町で出生した子の発達に関する前向きコホート調査参加者の母子に対し、視線計測検出装置による社会性の評価を行った。その結果、母のメンタルヘルスは乳児期における子の社会性発達へ影響することが示唆された。また、月齢により異なる側面の社会性が発達するが、その発達の程度はOXTR遺伝子多型によって異なる可能性が示唆された。本成果は、ASDの病態解明を目指した臨床応用への足掛かりになりうる。
著者
島田 武彦 白鳥 利治 羽山 裕子 西村 幸一 山口 正己 吉田 雅夫
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.984-986, 1999-09-15
被引用文献数
1

RAPD (Random amplified polymorphic DNA)法により, 56品種・系統のオウトウ・サクラの類縁関係を検討した.クラスター分析の結果, 供試材料は大きくオウトウ品種群, サクラ品種群に分かれ, 両者は遺伝的に類似性が低いことが確かめられた.中国オウトウ, Lithocerasus植物は日本在来のサクラと比較的類似性が低いことが確かめられた.
著者
古渡 礼恵 柿沼 志津子 甘崎 佳子 平野 しのぶ 山内 一己 西村 まゆみ 今岡 達彦 島田 義也
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.186, 2008

【目的】放射線と化学発がん物質が複合曝露された時に発生するがんにおいて、がん関連遺伝子の変異の蓄積がどのように変化するかについての情報は未だ少ない。そこで、放射線とエチルニトロソウレア(ENU)の複合曝露により胸腺リンパ腫(TL)を誘発し、その<i>Kras</i>の点突然変異の頻度とスペクトラムが単独曝露とどのように異なるか、また、その変化が<i>Ikaros</i>の点突然変異とどのように異なるか比較した。<br>【材料と方法】B6C3F1マウスにX線0.8~1.0Gyを1週間間隔で4週間全身照射、もしくは、ENUを飲料水として100~200ppmを4週間投与した。処理は1)4週齢または8週齢からX線照射、2)4週齢または8週齢からENU投与、3)4週齢からX線照射した後8週齢からENU投与(X to ENU)、4)4週齢からENU投与した後8週齢からX線照射(ENU to X)、5)4週齢からX線照射とENU投与を同時曝露(X+ENU)の条件で行った。<i>Kras</i>ならびに<i>Ikaros</i>の変異は、cDNAのダイレクトシークエンスにより調べた。<br>【結果】TLの発生頻度はX線単独またはENU単独での発生頻度と比較して、(X to ENU)群でも(X+ENU)群でも相乗的に、(ENU to X)群では亜相加的に増加した。<i>Kras</i>の点突然変異はX線単独でもENU単独でも、4週齢から処理したものに比べ、8週齢から処理したもので減少していた。<i>Ikaros</i>では週齢による点突然変異の現れる割合に変化はほとんどなかった。次に(X to ENU)群では、<i>Kras</i>と<i>Ikaros</i>のそれぞれで、点突然変異が(超)相加的に増加した。しかし、(ENU to X)群では、<i>Kras</i>の点突然変異は相加的な増加が見られたが、<i>Ikaros</i>では見られなかった。また、(X+ENU)群では、(X to ENU)群と比較して、<i>Kras</i>の点突然変異は著しく減少したのに対し、<i>Ikaros</i>は増加することがわかった。<br>これらの結果から、発がんの複合曝露効果は、曝露の順番などの曝露様式に依存し、それは、がん関連遺伝子の点突然変異の誘発頻度によって一部説明できると考えられた。
著者
西田 鶴代 筧 一彦 穂刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.735-741, 1999-11-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
4

聴覚による音源の方向定位は,視覚的な手がかりによって影響を受けることがよく知られている。このため,一般に音源定位の実験においては音源に関する視覚情報を与えないようにしている。しかし,スピーカを多数配置する場合には,音源に関する視覚情報の手掛かりは小さいとしてスピーカが見える状態で実験を行っている例が多い。この影響を検討するため,スピーカが見える場合(視覚情報"あり")と見えない場合(視覚情報"なし")で音源栄位受聴試験を行い,その実験データをもとに知覚のファジィ論理モデル(FLMP)を用いて,音源定位における視覚情報の影響の強さを定量的に示した。この結果に基づいて,音源定位実験の実験方法に関する考察を行った。
著者
安田 進 石川 敬祐 村上 哲 北田 奈緒子 大保 直人 原口 強 永瀬 英生 島田 政信 先名 重樹
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2016年熊本地震により阿蘇のカルデラ内では地盤が帯状に陥没するグラーベン(帯状の陥没)現象が発生し、家屋、ライフラインなどが甚大な被害を受けた。このメカニズムを知り復旧・対策方法を明らかにするため平成29年度から3年間の計画で研究を始めた。平成29年度は、まず、現地踏査や住民からのヒアリングなどを行って被災状況の把握を行った。その結果、広い範囲で大規模に陥没が発生していること、その範囲はカルデラ内に約9000年前の頃に形成されていた湖の範囲にかなり一致することが分かった。次に広域な地盤変状発生状況を調べるため、熊本地震前後の複数の陸域観測衛星画像(合成開口レーダー画像)を使って干渉SAR画像から地盤変動量(東西・南北・垂直方向の3成分)を求め、それを基に検討を行った結果、陥没被害が甚大だった狩尾、内牧、小里、的石などの地区では数100mから2㎞程度の区域内で最大2~3mもの変位が発生したことが明らかになった。この局所的な変位によって水平方向の引張り力が作用し、帯状の陥没が発生したのではないかと考えられた。次に、既往の地盤調査結果を収集整理し、また、表層地盤状況を連続的に調べるため表面波探査を行った。その結果、陥没区間のS波速度は遅く、水平方向の引張り力で表層が緩んだことが明らかになった。一方、深い地盤構造を調べるために微動アレイ観測を行ったところ、陥没区間では数十mの深さまでS波速度が遅い軟弱層が堆積していると推測された。そこで、より詳細に調べるために4カ所でボーリングを行った結果、陥没区間の直下では17m~50mの深さに湖成層と推定される軟弱粘性土層が堆積していることが判明した。また、湖成層下面はお椀状に傾いていた。したがって、この湖成層が地震動によって急速に軟化してお椀の内側に向かってせん断変形し、その縁の付近で引張り力が働いて陥没が発生した可能性が浮上してきた。
著者
島田 和幸 山本 啓二
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.1001-1011, 2000-12-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
39

大規模な臨床疫学調査や個々の臨床成績は,いずれも急性心筋梗塞のみならず,一過性心筋虚血,不安定狭心症,突然死,重症不整脈,および脳卒中などのほとんど全ての心血管系疾患が覚醒起床後の午前中の数時間の時間帯に集中して発症する事実を報告している.神経・体液性の生理的諸指標の概日リズムの研究を通して,何故この時期に疾患が多発するのかが次第に解明されてきた.たとえば,血圧や心拍数は交感神経活性の充進とともに"morningsurge"という早朝の急激な上昇が観察される.これらが単なる生体内時計による生物学的現象の日内リズムのなせるわざではないことは,覚醒後故意に起床を遅らせた場合,生理諸指標の変動や心血管系疾患の発症時間も並行して後ろにシフトすることから理解できる.生物現象としての生体内時計と人間の行動が生み出す日内リズムの総和として,心血管系疾患の概日リズムが形成されると考えられる.これらの病態をふまえて,時間薬物治療学などの概念を導入しつつ心血管系疾患への対処を考えることが重要である.
著者
阪口 紗季 白水 菜々重 島田 さやか 松下 光範
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2016-DCC-13, no.7, pp.1-8, 2016-05-23

パーソナル・ファブリケーションの発展に伴い,人々の DIY によるものづくりに対する関心が高まっている.一方で,ものづくりをするためにはまず知識や技術を習得する必要があり,初学者にとっては未だ敷居が高いものとなっている.こうした背景のもと,本研究では,初学者でも既に持っている知識や経験に基づいて電子工作を体験することができるキット “Haconiwa” をデザインしてきた.このキットでは,電子部品の外観が人形や模型といった,初学者にとっても馴染みのあるものに置き換えられており,各部品の接続部にはスナップボタンが採用されている.これにより,初学者にとって初見では難しいと感じる電子部品の見た目や操作を排除し,電子工作に対する抵抗をなくすことをねらいとしている.Haconiwa のハンズオン展示におけるユーザ観察と使用感に関する評価実験からは,電子工作初学者のユーザでも電子回路を完成させることが可能であることや,既存の手法に比べて導入のしやすさにおいて優れていることが示唆された.