著者
高橋 志津 鈴木 勝治 市村 一雄
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.87-92, 2016 (Released:2016-03-31)
参考文献数
20
被引用文献数
3

糖質とイソチアゾリン系抗菌剤を用いた後処理がダリア切り花の品質保持期間に及ぼす影響を調査した.ダリア‘黒蝶’切り花の品質保持期間に及ぼす影響は,抗菌剤を含む2.5%と5%のグルコースの後処理が有効で,相対新鮮重は5%で最も増加した.そこで,糖質濃度が5%となるように,抗菌剤を含むグルコース,スクロース,フルクトースおよびスクロース + フルクトースを用いた後処理を行ったところ,どの処理も品質保持期間をほぼ同様に延長し,相対新鮮重も増加した.その際,スクロース + フルクトースでは花弁の裏返る症状が少なかった.ダリア切り花8品種にこの処理を行ったところ,すべての品種において切り花の相対新鮮重が増加し,切り花の品質保持期間が延長された.
著者
黒島 学 市村 一雄 鈴木 亮子 生方 雅男
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.197-202, 2017 (Released:2017-06-30)
参考文献数
13
被引用文献数
2

エラータム系デルフィニウム切り花において,STS処理後の切り花の銀含量と花持ちの関係,STS処理時における小花の開花後日数とSTS処理効果の関係および前処理におけるスクロース添加の影響について調査した.エラータム系‘オーロラブルーインプ’切り花に0.1,0.2および0.25 mMのSTS溶液を様々な時間で処理した結果,処理直後における小花の銀含量が3 μmol・100 g–1 FW以上で花持ち期間が最も延長された.小花にこの値以上の銀が蓄積された切り花の花持ち期間は,STS処理濃度および処理時間に影響されなかった.小花にSTS処理効果を最大にする銀含量が蓄積されたとしても,処理時に離層が形成されたステージに達していた小花においては,STS処理効果を期待できないことが明らかとなった.エラータム系‘ブルーバード’切り花を0.2 mMのSTSに0,2および4%スクロースを組み合わせた溶液で処理した.その結果,4%スクロースを組み合わせた処理ではSTS単独処理に比べて処理後に開花した小花におけるアントシアニン含量の増加が認められ,花色の発色向上効果がみられた.10°Cで48時間の乾式輸送シミュレーション後においても,花色の発色向上効果がみられた.
著者
市村 洋 鈴木 雅人 小畑 征二郎 吉田 幸二 酒井 三四郎 水野 忠則
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.2-8, 2000
被引用文献数
11

現在日本では,創造性教育への切り替えを産官学挙げて強く推進している.我々高専では,最も柔軟な思考のできると言われる16~20才の年齢層の学生を教育対象としており,また比較的少人数制(必須科目で一教室40名定員)を採っており,創造性教育に恵まれた環境である.しかし日本の長い受動的教育の経緯を一挙に転換することは難しく,学生・教師双方とも相当の負担である.そこで,新しい時代にはそれに相応しい道具すなわちマルチメディアの活用により,20~30名単位の授業を能動的にする仕組みの授業システムを設計し,その有効性を検証した.<BR>このマルチメディア支援授業は,半期15週2時限授業をPLAN段階,DO段階,CHECK段階の3段階に分け,各段階にマルチメディアを柔軟に適応することを旨として設計した.このマルチメディア活用により試験合格型から予習中心型の学習へ転換でき,従来型の授業より2~3倍の学習時間を費やしていることも検証できた.また発表後の学友の評価,自由意見の激励に感動している報告も多かった.
著者
冨野剛 井上 亮文 市村 哲 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.2091-2098, 2006-07-15
参考文献数
14
被引用文献数
3

従来のテレビ会議システムは,表示サイズや表示解像度が限られているため「誰が発言者か分かりにくい」または「発言者の表情をとらえにくい」などの問題点があった.著者らは,会議室内の参加者の中から発言者を自動的に検出し,検出した発言者を拡大表示して遠隔地に伝送することが可能なテレビ会議システムを構築することを狙いとして研究を実施している. 本論文では,このような1拠点に10人程度が参加できる1拠点多人数参加型テレビ会議システムを構成するための,マイクロフォンアレイと映像処理を用いた映像表示法について述べる.汎用PCと市販音響機器のみから構成されていることが特徴であり,特殊なハードウェアを使用することなく,通常の会議室環境において10人程度の会議参加者から発言者の方向を検出して拡大表示することが可能である. マイクロフォンアレイからの音声情報をデジタル処理して発言者の位置を特定する手法と,複数の人物を含む映像をデジタル処理して発言者の人物の上半身映像を拡大表示する手法によって実現した.また,紙をめくるノイズが発言と間違われないよう工夫を行った.Due to the limitation of display size or resolution of traditional TV conference systems, we can not see detailed expression on speaker's face shown on a TV screen, or can not even see who is speaking from the remote site. We have been developing a TV conference system where a speaker is automatically identified and his/her face is zoomed in on the TV screen, so that remote participants can better read speaker's facial expression. In this paper, a microphone array and video processing for TV conference systems are described. Our microphone array system is unique because it consists only of one consumer PC, an extra PC sound card, two general cameras, and four omni directional microphones; no other special hardware or special operating system is required. It has a capability that a speaker can be detected out of more than 10 participants in a meeting room. The system expands speaker's upper-body image based-on the speaker's position detected with the microphone array. Then we propose a method to prevent the system from mistaking paper flip-flap noise for voice from a speaker.
著者
市村弘正著
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
2007
著者
市村弘正著
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
1996
著者
山﨑 広之 西端 芳彦 市村 博信 山乙 教之 広野 修一
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第40回ケモインフォマティクス討論会 山口
巻号頁・発行日
pp.O3, 2017 (Released:2017-10-19)
参考文献数
14

Fragment-Based Drug Design (FBDD) では、従来実験手法により活性フラグメントを同定し、それらのフラグメントを組み合わせて化合物設計を行う。計算機的手法でフラグメントを同定する場合、数多くの候補フラグメントの数が同定され、その組み合わせは爆発的な数となる可能性がある。以前、我々は多数の候補フラグメントから絞り込むknowledge-based な手法を提案した。これにより候補フラグメントに優先順位をつけることができるが、本手法は用いる化合物ライブラリの化合物数が多いと計算コストが大きくなってしまう。今回はさらにデータベースに含まれる化合物数を絞り込んだ代表化合物ライブラリの開発を検討する。これにより高速に最適な組み合わせを選択したり他のFBDD 手法に適用したりすることが期待できる。
著者
市村 禎二郎
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1_15-1_23, 2009 (Released:2009-02-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

Abstract The education system carried out at the high school attached to Tokyo Institute of Technology was described. The engineering education has given to pupils whose high school has been a technical high school for 120 years. The drastic change happened on the technical high school on 2004, when the school was selected as one of 26 Super Science High School (SSH) , of which education program was proposed by the Ministry of Education (Monbukagakusho) . In this paper the educational system of the SSH program at Tokyo Tech High School of Science and Technology was described in relation to collaboration with Tokyo Institute of Technology.
著者
戸井田 昌宏 近藤 真 市村 勉 稲場 文男
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.51-54, 1989 (Released:2012-09-24)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

This paper repots and discusses for the first time the possibility for realizing an optical computer tomograpy for biological subjects using the optical heterodyne technique that has excellent sensitivity and directivity to distinguish one specific direction in highly scattering absorptive media. Employing an optical heterodyne system with a single frequency He-Ne laser, Lambert-Beer's law was demonstrated for directly transmitted beam even in highly scattering media such as milk-water solution and its mixed solution with absorptive dye. We discuss the detection system based on the antenna property of the optical heterodyne receiver for investigating the characteristics of laser beam propagation and its direction as well as image detection in highly scattering media.

1 0 0 0 OA 支那史

著者
市村瓚次郎, 滝川亀太郎 纂著
出版者
吉川半七
巻号頁・発行日
vol.卷五, 1892
著者
越後 多嘉志 竹中 哲夫 市村 真
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.223-227, 1974-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

蜂蜜の品質に関する一連研究として,蜂蜜中の酵素の安定性を調べた。(1) 酵素液中にはアミラーゼ,グルコースオキシダーゼ,α-グルコシダーゼが存在し,ゲルろ過法によってそれらの活性区分を明らかにした。(2) 酵素液中の上記各酵素の作用最適条件を第1表に示した。またpH安定性試験から蜂蜜のpH(約3.8)附近ではどの酵素も不安定であった。(3) 酵素液あるいは蜂蜜中でのアミラーゼは,加熱に対して比較的安定であり,グルコースオキシダーゼは最も不安定であった。酵素液を冷温(3℃)貯蔵すると活性低下をほとんど認めないが,室温(20℃)貯蔵では低下を認め,この場合アミラーゼの低下度合が少なく,グルコースオキシダーゼが最も大きかった。(4) 密封したガラス瓶に蜂蜜を7か月間室温(20~28℃)貯蔵した結果,酵素活性の損失度合はアミラーゼが最も少なく,α-グルコシダーゼとグルコースオキシダーゼはともにアミラーゼよりも2倍ぐらい多かつた。
著者
ヤンカンマン プラノーム 深井 誠一 市村 一雄
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.337-341, 2005-07-15

STS無処理または処理のカーネーション(品種エクセリア)の切り花を用い, 24℃または32℃で品質保持とエチレン生成を比較した.24℃では, STS処理によりカーネーションの品質保持期間は延長され, STS無処理のカーネーションでは, 処理9日後から花弁のin-rollingが観察された.32℃ではSTS無処理のカーネーションにおいても, 処理14日後でもなお花弁のin-rollingが認められず, STS処理した区と同等の品質保持期間を示した.STS無処理のカーネーションでは, 24℃では処理8-9日後にエチレン生成のピークが認められたが, 32℃ではごく微量のエチレン生成にとどまった.32℃に1日置きその後24℃に移した区では, 24℃一定の区と同様のエチレン生成のピークが認められた.一方, 24℃に1〜5日おき, その後32℃に移した区ではエチレン生成はごく微量であった.以上の結果より, カーネーションの切り花は, 32℃におかれた場合, エチレン生成が抑えられることが明らかとなった.
著者
前田 一誠 平嶋 宗 市村 広樹
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.42, pp.21-27, 2014-03-24

小学1年生の加減算文章題を対象とした作問学習支援システム「モンサクンTouch」は,一般教室での複数回にわたる利用実験で成果を上げている。本稿では,2年生乗算の領域における課題及びシステムの設計開発について報告する。乗除算文章題の数量は,基準量・割合・比較量で構成されており,問題解決の際にはこれらの適切な抽出および適切な関係づけが重要である。そこで,2年生においては比の第2用法「基準量×割合=比較量」を定着させることを基本とし,課題の設計を行った。We developed the learning environment for problem posing that can be solved by one-step addition or subtraction arithmetic word problems in the first grade of elementary school. We confirmed that the environment is effective for learning word problems by performing experimental use of the software in a standard classroom. In this study, we describe the design of tasks for problem posing in the field of multiplication in the second grade of elementary school, and the development of a learning environment for multiplication. The arithmetic word problems that can be solved by one-step multiplication or division consist of base quantity, ratio, and compared quantity. The learner must elicit these quantities from the problem and consider the relationship between these quantities while solving. Therefore, we designed the task of problem posing for learning the word problem based on "base quantity x proportion = compared quantity" called the "second usage of ratio" in second grade.
著者
市村 美帆
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.204-216, 2012
被引用文献数
2

本研究の目的は,自尊感情の変動性の有効な測定手法の検討であった。本研究では携帯電話のメール機能(研究1)とweb機能(研究2)を用いて,7日間1日1回状態自尊感情を測定した。加えて,経験した出来事や感情についても測定し検討を行った。その結果,ポジティブな出来事や感情を経験すると,状態自尊感情が高く,ネガティブな出来事や感情を経験すると,状態自尊感情が低いことが示された。また,研究2において,自尊感情が高く安定している者よりも,低く安定している者が抑うつが高く,自尊感情が高く不安定である者と低く不安定な者の間には差がないことが示された。以上から,本研究の手法が自尊感情の変動性の有効な測定手法であることが示された。