著者
中川 好正 橋爪 進 西田 朗 木村 博
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.507-512, 1996-06-17

普通、早強および低熱(高ビーライト系)の3種類のボルトランドセメントを使用したコンクリートについて、初期材齢での強度発現性状を把握する自的で、凝結時間と材齢48時閥までの圧縮強度を、10、20および30℃の各環境温度において時間単位で測定した。その結果、レセメントのクリンカ鉱物中のエーライト組成量と始発時間からの積算温度を考慮すれば、ボルトランドセメントの種類、環境温度および謙ンクリートの調合に関わらず、始発時間を測定することによって初期材齢での圧縮強度が予測できることを明らかにした。
著者
木村 宏恒 大坪 滋 長田 博 北村 友人 伊東 早苗 新海 尚子 内田 綾子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、「開発途上国における貧困対応総合政策の学際的研究」と題し、これまでの経済学中心の国際開発研究の世界を止揚し、開発政治学、開発社会学、教育と開発といった諸側面から総合的に国際開発にアプローチした。貧困削減を例にとって、真に学際の名に値する途上国貧困対応の総合政策を明らかにすることを通じて、開発学の学際的構築についての展望を示すことをめざした。3年目には、締めの国際シンポジウムも行い、国際開発研究科の紀要で特集を組んだ。結論として、現在の国際開発の綱領的文書になっている国連2000年決議「21世紀開発目標(MDGS)は、貧困・基礎教育・基礎保健といった社会開発中心の構成になっているが、構造的に貧困を減らし、その目標を達成する要因は、第一義的に経済成長であり、第二にその経済成長の枠組みをつくるのは政府の役割(ガバナンス)である。政府の対応能力が欠けると経済成長はできない。また、経済成長が第一と設定される故に、貧困削減の切り札のように言われる貧困層への小規模金融は、その重要性を認識しつつも、中小企業振興政策や農業開発政策一般より重要性は低いと位置付けられなければならない。教育投資はもちろん重要であるが、それによって生み出された人材が、経済成長の中で適所に配置されなければ、改革前の共産国(中国、ベトナム)やスリランカ、インドのケララ州のように「高い人間開発と低い経済成長」と特徴づけられることになる。教育立国は、政府の役割に支えられた経済成長の中で生きてくるという点を確認した。
著者
尾形 篤史 木村 昌臣
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013-DBS-158, no.7, pp.1-6, 2013-11-19

CAP 定理は,2000 年に Eric A. Brewer が提唱した定理である.CAP 定理では,分散システムが持つべき 3 つの性質 (一貫性・可用性・分断耐性) のうち,少なくとも 2 つしか同時に満たせないと述べている.2002 年に Seth Gilbert と Nancy Lynch が CAP 定理の証明を可用性が常に成り立つという前提で行った.しかし証明では CAP 定理の各性質が成り立つ状況を網羅的に示しておらず,様々な分散システムに対して CAP 定理が成り立つことを示していない。また,CAP 定理の各性質は論文によって定義が異なり,曖昧であるという問題がある.そこで,本研究では,CAP 定理の各性質を厳密に定義するため,各性質の条件式をグラフ理論の隣接行列を基に定式化する.そして,シミュレーションによって分散システムを網羅的に検証し,CAP 定理の各性質が成り立つ状況の検討を行い,CAP 定理の一貫性と可用性,一貫性と分断耐性,可用性と分断耐性が成り立つ分散システムの条件を検討する.
著者
松田 浩 木村 吉郎 河村 進一 森田 千尋 才本 明秀 森山 雅雄 出水 亨 牧野 高平 豊岡 了 上半 文昭
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

(1)非接触全視野非破壊試験法の開発とその応用:レーザシェアログラフィを用いた欠陥検知への有効性について検討した。また、超高速度カメラを用いた動的変位計測システムによる振動計測法の有効性を確認した。(2)常時微動計測に基づく構造同定及び健全度評価への応用:耐震補強前後の実橋脚を対象として、レーザドップラ速度計による振動試験とFE解析から振動モード同定を実施した。補強前後の固有振動数の変化を実振動計測および振動解析で確認することができた。
著者
木村 駿
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.897, pp.22-27, 2009-04-13

幾重にも連続する開口部を通して、光や中庭の木々だけでなく、同じ建物内のテナントの息遣い、さらにはその先に広がる山並みまでもが、室内に飛び込んでくる。 UID一級建築士事務所代表の前田圭介氏が広島県福山市で手掛けたオフィスビルは、南北の間口が約10m、東西の奥行きが約45mの「うなぎの寝床」のような敷地に建つ。敷地は西側で前面道路に接している。建物は東側に寄せた。
著者
赤尾剛 中村 隆志 丸山 剛郎 高橋 純造 荘村 泰治 木村 博
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯材器 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.685-691, 1992
被引用文献数
4

ラミネートベニア修復物の仕上りは, 一連の複雑な工程や技工士の熟練度によって影響を受ける.この問題点の解決法のひとつとして, コンピュータ技術を応用したラミネートベニア修復用CAD/CAMシステムの開発を試みた.その第一段階として, レーザ変位計とコンピュータ制御3軸走査モデリングマシンCAMM-3を組合せた歯牙模型形状自動計測システムを開発し, その計測精度を検討した.その結果, 模型の色調を灰色に決定にし, レーザ変位計と模型表面の距離を常に一定に保ちながら走査する追随式計測法をとることによって, 最も精度良く計測することができようになった.このシステムを使用して, 上顎前歯模型表面の形状を計測し, 精度の高い三次元形状データを得ることができた.
著者
佐藤 毅彦 熊野 善介 石井 雅幸 五島 政一 坪田 幸政 松本 榮次 福田 章人 丸山 修 岩崎 泰久 木村 かおる
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

実験・観察を重視する新学習指導要領理科「天体」分野の教育を現場レベルで向上させることを目的に、教材・カリキュラムの開発を行った。昼間に星空を見るためには、インターネットを経由した遠隔天体観察ツールを活用した。新設単元「月と太陽」における「満ち欠け」指導方法には特に力を入れ、学習教材BaMoonを開発するとともに、視点共有のためのカメラ活用を考案し、教員研修会等で広める活動をした。
著者
渡邊 良朗 山下 洋 河村 知彦 木村 伸吾 渡部 諭史 山下 洋 河村 知彦 木村 伸吾 渡部 諭史
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、寒流域と暖流域という異なる海流系の影響を強く受ける沿岸海域生態系において、浅海資源の再生産がどのように行われ、再生産に人間がどのように関わることで、更新可能な生物資源として将来にわたって持続的利用が可能になるかを生態学的に明らかにし、それに基づいた資源の管理・増殖の新しい考え方と方法を提示した。
著者
小高 剛 中野 啓史 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.2311-2325, 2005-09-15
被引用文献数
11 6

PC,PDA,携帯電話などで静止画像,動画像,音声などを扱うマルチメディアアプリケーションを利用する機会が近年ますます増えている.このためマルチメディアアプリケーションを効率良く処理できる低コスト,低消費電力かつ高パフォーマンスなプロセッサの必要性が増している.このような要求を満たすプロセッサアーキテクチャの1つとして複数のプロセッサコアを1チップ上に搭載したチップマルチプロセッサアーキテクチャが注目されている.しかしながら,チップマルチプロセッサアーキテクチャで効率の良い処理を行うには,アプリケーションの特性を解析し,並列性を抽出し,生成したタスクをバランス良くプロセッサに配置するなどのチップマルチプロセッサ用最適化が必要となる.また,近年のメモリウォール問題の深刻化により,プログラムの持つデータローカリティの有効利用やデータ転送オーバヘッドの削減などの最適化技術も効果的な並列処理のために必須となっている.本論文では,MPEG2エンコードに対する,チップマルチプロセッサ上でのメモリ利用最適化およびデータ転送最適化手法からなる並列処理手法の提案を行うとともに,OSCARチップマルチプロセッサ上での性能評価を行う.性能評価の結果,データローカリティの利用およびデータ転送オーバヘッド隠蔽手法からなる提案手法を適用したMPEG2エンコードは,動作周波数400MHz時で逐次実行に対し,1プロセッサ利用時1.24倍,2プロセッサ利用時2.46倍,4プロセッサ利用時4.57倍,8プロセッサ利用時7.97倍,動作周波数2.8GHz時で逐次実行に対し,1プロセッサ利用時1.36倍,2プロセッサ利用時2.61倍,4プロセッサ利用時4.46倍,8プロセッサ利用時6.54倍の速度向上率の速度向上率が得られることが確認できた.With the popularization of multimedia applications like image and audio processing on PCs, mobile phones and PDAs, development of low cost, low power consumption and high performance processors for multimedia applications has been expected. To this end, chip multiprocessor architectures that allows us to exploit multi-grain parallelism such as coarse grain level parallelism, loop level parallelism and instruction level parallelism have been extensively researched. However, to realize efficient parallel processing on chip multiprocessor architectures, sophisticated techniques are required for decomposition of a program into adequate grain of tasks, analysis of parallelism and scheduling of the tasks onto processors considering data locality. This paper describes a parallel processing scheme for MPEG2 encoding using data localization which optimizes execution efficiency assigning coarse grain tasks accessing the same array data on the same processor consecutively on a chip multiprocessor and data transfer over apping technique which minimize the data transfer overhead by overlapping task execution and data transfer. Performance of the proposed scheme is also evaluated. As the evaluation result on an OSCAR chip multiprocessor architecture, when the clock frequency is assumed as 400 MHz, the proposed scheme gave us 1.24 times speedup for 1 processor, 2.47 times speedup for 2 processors, 4.57 times speedup for 4 processors and 7.97 times speedup for 8 processors against sequential execution without the proposed scheme respectively. Similarly, when 2.8 GHz, the proposed scheme gave us 1.36 times speedup for 1 processor, 2.61 times speedup for 2 processors, 4.46 times speedup for 4 processors and 6.54 times speedup for 8 processors against sequential execution without the proposed scheme respectively.
著者
木村 克治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム
巻号頁・発行日
vol.97, no.255, pp.1-6, 1997-09-18
被引用文献数
2

リニアゲインセルの実現方法とそれを用いて完全なバイポーラ4象限アナログマルチプライヤを実現する方法を明らかにした。これまでに知られている交叉接続バイポーラ差動対を用いる方法以外にも、交叉接続バイポーラトリプルテールセルを用いるやり方とマルチプライヤ・コア回路としてバイポーラクァドリテールセルを用いた完全な4象限アナログマルチプライヤの実現方法を再提案した。また、こうして実現された完全な4象限アナログマルチプライヤの伝達特性の実測値を示して線形動作していることを示した。
著者
茂木 創 立花 亨 木村 正信
出版者
拓殖大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究「食料・エネルギー備蓄におけるデフラグメンテーション費用」は、食料やエネルギーの国家および民間備蓄の有効かつ即効性のある活用について考察したものである。本研究では、「不測の事態」が発生した状況下では、「規制緩和」よりも透明性が確保された下での「規制された経済社会体制」の方が効率的に危機を回避できる可能性について考察した。
著者
木村捨象 著
出版者
アルス
巻号頁・発行日
1941
著者
木村 春彦 南保 英孝
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究で明らかにしたことは、以下の機能の実現である。これらの機能を申請者がこれまで開発してきた独居老人介護システムに追加する。(1)交流眼電図による水平方向の眼球運動と随意性瞬目を用いた意思伝達支援装置の開発(2)顔画像間の濃度特徴を用いた表情認識 (3)可視光センサを用いた転倒検知システムの開発 (4)ニオイセンサを用いた独居老人宅の環境モニタリング (5)圧力センサを用いた通過人数の推定 (6)赤外線ポインティングデバイスの選択操作を支援するシステムの開発 (7)リモコン型操作デバイスと圧力分布センサを用いたPCの認証システム (8)植物生体電位を用いた人の振る舞い認知システムの開発
著者
伊藤 博明 田中 純 加藤 哲弘 木村 三郎 上村 清雄 足達 薫
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ヴァールブルクが晩年に取り組んだ、未完の学問的プロジェクトである『ムネモシュネ・アトラス』に所蔵された全パネルについて共同して詳しく読み解き、その成果は図書として刊行するとともに、2回のシンポジウム「アビ・ヴァールブルクの宇宙」と「ムネモシュネ・アトラス展」において公表した。ヴァールブルクの研究を批判的に受け継ぎ、文化系統学、イメージ人類学、神話の構造分析、世俗世界のイコノロジーなどについて方法論的考察を深め、その成果は7名の外国人研究者を含んだ国際シンポジウム「思考手段と文化形象としてのイメージ――アビ・ヴァールブルクから技術的イメージ・図像行為まで――」において発表した。