著者
若林 功/八重田 淳 八重田 淳
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.904, pp.68-78, 2016-02-01

The importance of support in the workplace for persons with disabilities to adjust to working life has long been recognized in the literature. However, the effects of workplace support on the work adjustment of persons with disabilities have not been well documented. This paper examines whether workplace support is related to job satisfaction, performance (as evaluated by employers), organizational commitment, workplace integration, and their intention to quit their jobs. A survey of people with intellectual disabilities was conducted, and 169 answers were collected. The results of analysis of the survey are as follows: (a) workplace support consists of three factors: education, negative feedback, and supports for work performance, (b) moderate correlation was found between education and job satisfaction, (c) moderate correlation was found between organizational commitment and job satisfaction, and between workplace integration and job satisfaction; a moderate negative correlation was found between intention to quit job and job satisfaction, (d) only a weak negative correlation was found between intention to quit job and workplace support.The importance of support in the workplace for persons with disabilities to adjust to working life has long been recognized in the literature. However, the effects of workplace support on the work adjustment of persons with disabilities have not been well documented. This paper examines whether workplace support is related to job satisfaction, performance (as evaluated by employers), organizational commitment, workplace integration, and their intention to quit their jobs. A survey of people with intellectual disabilities was conducted, and 169 answers were collected. The results of analysis of the survey are as follows: (a) workplace support consists of three factors: education, negative feedback, and supports for work performance, (b) moderate correlation was found between education and job satisfaction, (c) moderate correlation was found between organizational commitment and job satisfaction, and between workplace integration and job satisfaction; a moderate negative correlation was found between intention to quit job and job satisfaction, (d) only a weak negative correlation was found between intention to quit job and workplace support.
著者
小林 功
出版者
史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)
雑誌
史林 = The Journal of history (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.40-74, 2019-01

六三〇年代以降、アラブがビザンツ帝国の領域への侵攻を開始し、シリア・パレスティナ地域やエジプトなどが短期間にビザンツ帝国の手から奪われた。当初ビザンツ帝国の人びとは、アラビア半島からの侵攻者がどのような人びとであるのか、十分に理解できていなかった。だがアラブ国家が安定し、彼らとのさまざまな形の交渉が進むにつれて、アラブがどのような人びとであるのか、ビザンツ帝国の人びとも徐々に理解していく。そしてアラブとの対峙が続く中で、自らを「神の加護を得ている皇帝が支配するキリスト教徒の共同体・地域=ローマ帝国」とみなすアイデンティティも再確認されていった。一方アラブもビザンツ帝国を滅ぼすことができなかったため、「ローマ帝国の後継者」となることができなかった。そのためビザンツ帝国との併存が確定的となった七世紀末以降、独自のイスラーム文明を形成していく道を選ぶことになる。
著者
渡辺 憲 高麗 秀昭 小林 功 柳田 高志 鳥羽 景介 三井 幸成
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.63-72, 2017-03-25 (Released:2017-03-30)
参考文献数
21
被引用文献数
6 3

燃料用木質チップとしての使用を目的とした丸太の天然乾燥において,乾燥時間の推定法,および丸太の諸形質が乾燥性に及ぼす影響について検討した。2014年11月から2015年8月にかけて茨城県つくば市にてスギ丸太の天然乾燥試験を実施した。乾燥期間中の含水率を初期含水率,直径,長さ,心材率および乾燥時間の関数として表現し,階層ベイズモデルによって丸太の個体差を考慮した乾燥曲線モデルを構築した。このモデルを用いて丸太の平均含水率を推定した結果,実測値は乾燥曲線とほぼ一致し,任意の含水率に対して乾燥時間を推定できる可能性が示唆された。また,丸太の乾燥性に影響を及ぼす要因を総合的に評価したところ,初期含水率,直径および長さが丸太の乾燥性に影響を及ぼしていることが示された。
著者
行實 志都子 八重田 淳 若林 功
出版者
神奈川県立保健福祉大学
雑誌
神奈川県立保健福祉大学誌 : human services (ISSN:13494775)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.3-13, 2017

目的:本研究は、神奈川県における医療と介護の連携促進要因を探ることを目的とした。方法: 神奈川県医療ソーシャルワーカー協会(MSW)、神奈川県精神保健福祉士協会(PSW)、神奈川県介護支援専門員協会(CM)の協会員各150名を無作為抽出し、450名を対象とした郵送無記名自記式質問紙調査(2016年3月28日~4月15日)を実施した。主な調査内容は、基本属性、国の方策や地域の状況・疾患・医療体制等の知識、自分の周囲の連携体制、医療機関連携における課題、専門職としての役割意識である。データ分析には相関分析及び分散分析を用い、医療と介護の連携要因と傾向を探った。結果: 回答者140名(回収率31%)の職種全てにおいて項目間の高い相関が示された。特にMSWとPSWにおいての違いが顕著に見られた。考察: 本調査結果から連携促進要因には、①国の動向理解②疾患の正しい理解③連携への苦手意識の克服④スーパービジョン・コンサルテーションのシステム整備⑤クライエント中心にした連携意識が重要である。これらを踏まえ自分に何ができるかという視点や意識を少しでももちながら、その気持ちを共有でき一緒に何かを始められる仲間探しから連携の一歩が始まると考えられた。
著者
上林 功 間野 義之 仙田 満
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.710, pp.795-801, 2015 (Released:2015-05-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

In order to carry out the management of sports leagues stable, the stadium business is focused on. Customer satisfaction of the stadium has been described by the quality of service in the prior paper. The purpose of this study is to analyze the relationship between customer satisfaction and seating arrangement. I went the analysis of the following three. 1. Survey for watching and satisfaction seat arrangement according to questionnaire in professional baseball stadium. 2. Correlation analysis of the seating arrangement and satisfaction in each of the "seating arrangement area of default" and "seating arrangement group of satisfaction". 3. Multiple regression analysis of satisfaction as the dependent variable seating arrangements at each of the "seating arrangement area of default" and "seating arrangement group of satisfaction". The results of the analysis, there is a correlation seating arrangement and customer satisfaction. It is necessary to examine more about the structure of customer satisfaction.
著者
瀬筒 秀樹 笠嶋(炭谷) めぐみ 近藤 まり 小林 功 高須 陽子 鈴木 誉保 米村 真之 飯塚 哲也 内野 恵郎 田村 俊樹 坪田 拓也 立松 謙一郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.7, pp.863-874, 2018-07-01 (Released:2018-07-01)
参考文献数
33
被引用文献数
6

We have been constructing a platform for the development of pharmaceutical and medical applications using the domesticated silkworm, Bombyx mori, as a new animal model for drug development and evaluation. Because silkworm larvae originally have the capacity to synthesize up to 0.5 g of silk proteins, genetically modified silkworms (transgenic silkworms) are expected to have high potential in the production of recombinant silks/proteins. An innovative method for generating transgenic silkworms was established in 2000, and ever since this epoch-defining technological development, longstanding efforts have succeeded in developing novel silks that enable the manufacture of new textile materials for regenerative medical uses. Furthermore, we have succeeded in developing a new system of recombinant protein production. This recombinant protein production system is currently capable of producing a maximum of approximately 15 mg recombinant protein per silkworm larva. Transgenic silkworms have also been shown to produce a wide variety of useful proteins, including antibodies and membrane proteins. Some of these recombinant proteins have been in commercial use since 2011. In addition, we have been developing transgenic silkworms as a novel animal model for testing medicines based on metabolic similarities between silkworms and mammals. These applications show the suitability and potential of transgenic silkworms for medical use. Here, we will describe the challenges faced in creating a transgenic silkworm-based platform for pharmaceutical and medical applications.
著者
田口 徹 片野坂 公明 林 功栄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

高齢化が進む本邦において、肩こりや腰痛、線維筋痛症などの筋・筋膜性疼痛患者は極めて頻度が高く、これらの多くは身体的・精神的ストレスに大きく影響される。本研究では、ストレス誘発性筋・筋膜性疼痛の神経・分子機構の一端を明らかにした。レセルピン誘発性線維筋痛症モデルでは、酸感受性イオンチャネルであるASIC3、および脊髄ミクログリアがこのモデルの機械痛覚過敏に重要な役割を果たすことを明らかにした。また、行動薬理実験、および電気生理学実験より、運動誘発性筋・筋膜性疼痛にもASIC3が関わることを明らかにした。これらの結果は、ストレス誘発性筋・筋膜性疼痛の治療に有用であると考えられる。
著者
梶村 政司 森田 哲司 政森 敦宏 小川 健太郎 児玉 直哉 小林 功宜 山本 真士 奈良井 ゆかり 濱崎 聖未 田中 亮
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.GbPI1469-GbPI1469, 2011

【目的】<BR> 管理者の業務には,目標管理や人材育成,時間管理,情勢分析等がある。その中でも,人材(部下)育成は部署内の業務遂行上効率化に影響を与える内容である。<BR> そうした人材育成の最終目標は部下の自律的な創意工夫,創造力の醸成が可能になることであり,現場においてはどんな指導・教育ができるだろうか。一般的には,感性を磨くという,非常に抽象的で曖昧な表現で終わる指導書が多い。<BR> そこで,今回当科で日常的に行っている「気づく力」を身につけるための方法を紹介し,その結果を業務改善の観点から考察したので報告する。<BR><BR>【方法】<BR> 当科ではスタッフ8名が,平日勤務の朝5分程度の時間を利用して業務内容を中心に「気づき」(可視化トレーニング)の発表を行っている。その「気づき」の内容は,職員によって偏りがあるか明らかにするために,まず全スタッフ合意の下で分類した5つのカテゴリー(リスク,連携,運用,サービス,整理)と個人属性(性別,経験年数)から構成される分割表を作成した。そして,カイ2検定を行ってそれらの関連性を分析した。調査期間は,2009年6月から2010年9月までの1年3ヶ月,315日間である。<BR> この取り組みによる業務改善の判定は,科内におけるインシデント,アクシデント発生件数と,患者からの「苦情件数(ご意見箱)」を指標に用いた。<BR><BR>【説明と同意】<BR> スタッフには,今回の研究目的を説明した上で,発言内容をデータとして使用する許可を得た。<BR><BR>【結果】<BR> スタッフの構成は,男性PT5名,女性OT2名,女性の助手1名であり,経験年数10年以上5名,それ以下3名である。管理者と中途採用者は,除外した。<BR>期間中の「気づき」の総件数は313件で,カテゴリー別内訳と発言率は,リスク42件(13%),連携25件(8%),運用127件(41%),サービス86件(28%),整理33件(10%)であった。各カテゴリーの発言数と職員の性別との関連についてカイ2検定を行ったところ,p=0.435で有意な関連はなかった。また,各カテゴリーの発言数と職員の経験年数(10年以上もしくは10年未満)との関連についても有意でなかった(p=0.991)。<BR> 科内インシデント発生数は,全体で14件(院内1,697件,調査前年4件),2009年7件,今年3件であった。内容は転倒11件,人工股関節脱臼2件(年間300症例),熱傷1件。アクシデントは2009年に発生した熱傷の1件(院内40件)であった。また,苦情件数は,6件(院内508件,調査前年4件),2009年2件,今年0件であった。内容は,リハ開始時間やスタッフの接遇面に対する不満内容が多かった。これらの結果から,インシデント発生数と苦情件数は「気づき」の発表を開始した翌年から減少していることが示された。<BR><BR>【考察】<BR> 今回の研究ではスタッフ間の性別,経験年数に「気づき」に関してカテゴリーに有意な差はなかった。<BR>この内容で最も多かったカテゴリーは直接業務の「運用」であり,日常診療の中で身近に感じる問題であることから,顧客(患者)に影響を及ぼしやすい部分ほど敏感になっていることが伺えた。 <BR> 一方,最も少ないカテゴリーは間接業務の「連携」ということであった。これは,他部署を介する機会に遭遇した時の問題であるため,気づき難かったことが推察される。<BR> リスク面においては,発言率13%と予想よりも低い結果であった。これは,インシデントやアクシデントの科内における発生件数の低さが影響したと考える。すなわち,リスクに関しては日常より常に「即改善」を実行し,安全で安心な診療が実行されているためと考える。<BR> また,患者サービスにおいてもリスクと同様に,苦情件数が少数のために発言も少なかったと推測する。<BR> こうした科内のリスク回避の取り組みを航空業界では, Crew Resource Management(CRM)「何か気づいたことや気になったことがあれば口に出す」という教育で行っている。そこで当科が実施した「可視化トレーニング」は,CRM同様に情報を共有化し即断即決を行うことでリスクの芽は小さいうちに排除する,という効果の現れと考える。<BR> この「可視化トレーニング」に対するスタッフの感想は,自ら行った業務改善やリスク回避の指摘などが,すぐに解決されることに喜びを感じる,という声を聞いている。これは「気づき」による人材育成の目的に挙げている,スタッフのモラル向上,信頼感の醸成,関係者とのコミュニケーション,スタッフの満足感など,人間性尊重の側面を向上させる点において非常に効果的であったと思われる。<BR> 今後は,個人発言の特性(偏り)を平準化した「気づき」に対する指導を行い,より一層の効率的で安心・安全な業務運営に役立てる方針である。
著者
近藤 照彦 武田 淳史 武田 信彬 下村 洋之助 谷田貝 光克 小林 功
出版者
The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.131-138, 2008-02-01
被引用文献数
3 2

We performed a physio-psychological research on the mental, physical relaxation and health-keeping effect of <i>Shinrin-yoku</i> (forest walking) in Kawaba village. Eleven male and 8 female healthy elderly residents in Kawaba village, whose average age was 74.0±3.5 years old for male and 74.9±2.9 years old for females volunteered for this experiment. All members walked for one hour in the Kawaba Forest on August 17 under cloudy skies, 30-32°C temperature, 58-60% humidity, and, 0-2m/sec wind condition and walked again for another one hour in a non-forest rural agricultural area on August 21 under almost the same weather conditions. Phytoncides in the air, Profile of Mood State (POMS) test, blood pressure (BP), heart rate (HR), fasting levels of serum natural killer cell activity (NK), plasma catecholamine (adrenaline, noradrenalin and dopamine), plasma cortisol, and serum adiponectin were measured before and after walking. Phytoncides were detected in the forest and non-forest, all members showed a decrease of POMS total scale, BP, adrenalin and serum cortisol. Six (3 male and 3 female subjects) of them expressed an increase of serum NK cell activity after the forest-walking. One female showed a high serum NK cell activity after both forest and non-forest rural walking.<br>Our experiment on the forest-walking in Kawaba village indicated that its relaxation and health-keeping effects, probably due to walking in the fresh forest air.
著者
若林 功
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.5-32, 2009-03-30 (Released:2017-06-28)

発達障害者の就労支援に関する応用行動分析学的な手法を用いた研究に関する文献レビューはわが国ではあまり見られない。本稿では、米国における発達障害者の職業に関するスキル習得の報告を中心に、まず70年代から90年代中盤までの研究の流れを概観した。続いて、1998年以降の応用行動分析学に基づいた発達障害者への就労支援に関する研究について概観し、「作業技能(正確性・効率)」「作業技能(作業の自発的開始・課題従事・終了)」「対人生活技能」「問題行動低減」「就労支援者への指導」に分け内容を述べた。そして、米国の研究報告では、十分にエビデンスレベルが確保されているとは言えないまでも、有効な支援方法を開発しようとする流れが確かにあることを確認した。一方で、軽度発達障害者への取り組みや職業相談・職業評価等に関してはあまり応用行動分析学に基づいた研究が行なわれていないことも示された。また、なぜ応用行動分析学が発達障害者の障害者就労支援に有効なのか考察した。
著者
鈴木 一良 塚林 功
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
no.22, pp.114-115, 2005-08-06

「理科嫌い」を克服しようと多くの試みがなされている.工学部進学者であっても「理科嫌い」は多い.本学で,この数年,基礎物理の履修者,合格者が激減している.この激減傾向は本学だけのものではないであろう.この原因を学生の学力不足などの問題ととらえてしまえば,問題は現代社会の子育て・教育全般に拡散してしまう.確かに,学力不足は問題に違いないが,学力不足が生ずる原因は「理科嫌い」にあるのではないだろうか.というのは,「理科嫌い」の学生には,「量」,あるいは「量」と「量」の関係に対する極めて基本的な認識に欠陥があるように思われるからである.児童・生徒・学生が,驚き,感動し,自ら試し,測定し,データをプロットし,楽しめる素朴な実験セットが提案されている.実験は真空バズーカ砲,空気の重さの測定,自分の呼気で自分をリフトアップするなど一組として行う.本実験は,小中高どの段階で行っても,物理量を体験させるという意味で有効と思われる.
著者
服部 良久 青谷 秀紀 朝治 啓三 小林 功 小山 啓子 櫻井 康人 渋谷 聡 図師 宣忠 高田 京比子 田中 俊之 轟木 広太郎 中村 敦子 中堀 博司 西岡 健司 根津 由喜夫 藤井 真生 皆川 卓 山田 雅彦 山辺 規子 渡邊 伸 高田 良太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

23人の研究分担者が国内外の研究協力者と共に、中・近世ヨーロッパのほぼ全域にわたり、帝国、王国、領邦、都市と都市国家、地方(農村)共同体、教会組織における、紛争と紛争解決を重要な局面とするコミュニケーションのプロセスを、そうした領域・組織・政治体の統合・秩序と不可分の、あるいは相互関係にある事象として比較しつつ明らかにした。ここで扱ったコミュニケーションとは、紛争当事者の和解交渉から、君主宮廷や都市空間における儀礼的、象徴的な行為による合意形成やアイデンティティ形成など、様々なメディアを用いたインタラクティヴな行為を包括している。
著者
小林 功
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1997-03-24

本文データは平成22年度国立国会図書館の学位論文(博士)のデジタル化実施により作成された画像ファイルを基にpdf変換したものである
著者
近藤 照彦 武田 淳史 小林 功 谷田貝 光克
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.169-177, 2011 (Released:2012-12-07)
参考文献数
22
被引用文献数
1

森林浴は、リラクセーションならびに心身の健康をもたらすとされる。我々は高齢者を対象として、森林浴が生体に及ぼす生理学的効果について検討した。被験者は、2008年から2010年の3回の森林浴測定に参加した高齢者男性24名(65.5±2.5歳)および女性24名(65.0±3.0歳)である。森林浴測定は、8月第3週水曜日の日程で2時間行った。測定時の天候は晴れ、気温30℃から32℃、湿度58%から60%、風速0m/secから2m/secであった。森林浴および非森林浴の測定は、被験者を3グループに分けた。1つのグループは、防臭マスクによる嗅覚遮断男性8名および女性8名、アイマスクによる視覚遮断男性8名および女性8名、コントロール男性8名および女性8名(非遮断)である。非森林浴は、同一被験者による室内環境において日を変えて同一条件下で測定した。フィトンチッド濃度は、ガスクロマトグラフィー質量分析法を用いた。測定項目は、森林浴ならびに非森林浴前後の気象データ、心拍数、血圧、カテコールアミン3分画、コルチゾールおよびNK細胞活性について調べた。本研究における森林浴測定地点から樹木由来のフィトンチッドが3種類検出された。男性の森林浴および非森林浴における平均心拍数は、89bpmおよび85bpmであった。女性の森林浴および非森林浴における平均心拍数は、86bpmおよび85bmpであった。森林浴前後の男女収縮期血圧は、嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。森林浴前後の男性拡張期血圧は、嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。森林浴前後の男女アドレナリンは、嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。森林浴前後のノルアドリナリンは、男性のコントロール、女性の嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。同様に、男女のコルチゾールは、嗅覚遮断およびコントロールにおいて有意に低下した。森林浴前後の男女NK細胞活性は、有意差を認めなかった。非森林浴前後における血圧、カテコールアミン、コルチゾールおよびNK細胞活性は、男女とも有意差を認めなかった。    森林浴は、フィトンチッドや緑の森林環境が生体に対してリラックス効果を及ぼすことが指摘されている。今回、高齢男性および女性を対象とした検討から、視覚遮断群で有意差は認めた測定項目はなかった。有意差を認めた測定項目は、嗅覚遮断およびコントロールの両群であった。森林浴の生体に対する効果は、フィトンチッドも含めた生体五感に関わる複合的要素の生理学的効果が短時間に存在する可能性が示唆された。    香りや視覚の量的、質的データと生理・心理的応答との関連性の調査結果の蓄積が今後の課題である。
著者
若林 功
出版者
日本職業リハビリテーション学会
雑誌
職業リハビリテーション (ISSN:09150870)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.2-15, 2007-09-15 (Released:2011-03-23)
参考文献数
24

わが国では職場定着や離職予防の要因として働く障害者本人の職務満足度を取り上げた研究は少ない。本研究はミネソタ職業適応理論の枠組みを参考に、職務満足度は離職意図と関連しているのか、また職業上の希望実現度は直接的に離職意図に影響しているのか、それとも職務満足度を媒介し影響を与えているのかを明らかにすることを目的とした。質問紙による調査を実施し、得られたデータをカテゴリカル回帰分析等により分析した結果、以下のことが明らかになった。(1) 職務満足度は離職意図と関連している。(2) 職務満足度と離職意図の関連の程度は障害種類により異なる。(3)「仕事の達成感」「労働条件」等職務満足度を構成する下位要素と離職意図の関係は障害種類によって異なる。(4) 就職時の希望条件が実現していないことや希望する配慮の実現していないことは、直接的に離職意図に影響しているのではなく、職務満足度を媒介して離職意図に影響を与えている。
著者
近藤 照彦 武田 淳史 武田 信彬 下村 洋之助 谷田 貝光克 小林 功
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.131-138, 2008 (Released:2010-08-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1

We performed a physio-psychological research on the mental, physical relaxation and health-keeping effect of Shinrin-yoku (forest walking) in Kawaba village. Eleven male and 8 female healthy elderly residents in Kawaba village, whose average age was 74.0±3.5 years old for male and 74.9±2.9 years old for females volunteered for this experiment. All members walked for one hour in the Kawaba Forest on August 17 under cloudy skies, 30-32°C temperature, 58-60% humidity, and, 0-2m/sec wind condition and walked again for another one hour in a non-forest rural agricultural area on August 21 under almost the same weather conditions. Phytoncides in the air, Profile of Mood State (POMS) test, blood pressure (BP), heart rate (HR), fasting levels of serum natural killer cell activity (NK), plasma catecholamine (adrenaline, noradrenalin and dopamine), plasma cortisol, and serum adiponectin were measured before and after walking. Phytoncides were detected in the forest and non-forest, all members showed a decrease of POMS total scale, BP, adrenalin and serum cortisol. Six (3 male and 3 female subjects) of them expressed an increase of serum NK cell activity after the forest-walking. One female showed a high serum NK cell activity after both forest and non-forest rural walking.Our experiment on the forest-walking in Kawaba village indicated that its relaxation and health-keeping effects, probably due to walking in the fresh forest air.