著者
林 勇吾 井上 智雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J98-A, no.1, pp.76-84, 2015-01-01

本研究では,学習者ペアが協同で行う説明構築活動においてPedagogical Conversational Agent (PCA)をアドバイザとして用いた際の効果的なインタラクションのデザインについて検討する.過去の研究では,学習者の認知的負荷の増大に伴ってPCAへの注意が低下するという点やPCAの存在感の欠如の問題点が指摘されている.そこで本研究では,PCAに対する社会的存在感を促進させる方法として,複数のPCAの利用が説明活動におけるインタラクションを活性化できるかを実験的に検討した.実験の結果,複数のPCAを用いた学習者は,単独のPCAを用いた学習者よりも概念に対する深い理解を構築することができていた.更に,複数のPCAを用いた場合,(1)ポジティブな励ましを行うエージェントと(2)具体的な説明の仕方を教示するエージェントに役割を分散させた場合において,インタラクションが活性化することが明らかになった.異なる役割を担う複数のPCAを利用した本研究の結果は,協同学習支援システムの設計におけるデザイン手法に重要な示唆を与える.
著者
小沢 修司 山森 亮 平野 寛弥 堅田 香緒里 鎮目 真人 久保田 裕之 亀山 俊朗 小林 勇人 村上 慎司 村上 慎司
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究は、研究者と市民のネットワーク形成から生み出された議論を通じて、ベーシック・インカムに関する三つの目的を総合的に検討した。第一に、生存権・シティズンシップ・互酬性・公共性・フェミニズム思想といったベーシック・インカムの要求根拠を明らかした。第二に、ベーシック・インカムに関する政治的・財政的実現可能性を考察した。第三に、現行の年金や生活保護のような所得保障制度の問題点とベーシック・インカムにむけた改良の方向性を議論した。
著者
小林 勇太 堀内 颯夏 鈴木 紅葉 森 章
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.168-171, 2021-04-01 (Released:2021-06-26)
参考文献数
16
被引用文献数
2

樹木の高さと太さの関係は,成長や材積の計算,群集解析,森林動態のシミュレーションに至る様々な場面で利用される重要なアロメトリー情報である。本研究では,日本全土の毎木データを収集し,約26,000 本の個体情報から75種の樹高と胸高直径の関係をChapman-Richards(von Bertalanffy)式を用いて推定した。樹種ごとの推定結果は本文中に示し,データの出典および樹高と胸高直径の散布図は電子付録に掲載した。今後の森林管理・研究のための基礎資料として広く活用していただきたい。
著者
林 勇吾 三輪 和久
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.569-584, 2011 (Released:2013-04-09)
参考文献数
32
被引用文献数
5

In this study, we investigate the two factors that influence perspective taking in collaborative problem solving and understand the communication process during this activity. We conducted a psychological experiment by constructing a situation where two participants engage in a rule discovery task with different perspectives. While solving the task, each of the participants confronts miscommunication about the other's perspective and has to manage to overcome this situation. The main results indicated that having prior communication experience and dialog communication enhance the understanding of the partner's perspective. Results of protocol analysis indicated that when the participants had communication experience, (a) the degree of utterance biased on a single perspective became small, and (b) the degree of utterance based on a contradictory perspective became small. The participants who communicated by dialog became to do turn taking much frequently compared to the participants who communicated by chat.
著者
鈴木 紅葉 小林 勇太 高木 健太郎 早柏 慎太郎 草野 雄二 松林 良太 森 章
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2118, (Released:2022-10-25)
参考文献数
48

森林の再生は、気候変動や生物多様性の損失などの社会課題に対する有効な手段の一つである。北海道知床国立公園内の森林再生地では、本来の潜在植生である針広混交林の再生を目指した森林再生活動が実施されている。ここでは、科学的知見をもとに合意形成し、管理手法を実践しながら改善する適応的管理のアプローチが取り入れられている。本稿では、この森林再生活動の成果を航空機レーザ測量およびドローン写真測量を用いた林冠構造解析によって評価した。具体的には、植栽地における樹冠高と構造的多様性、代表的な森林タイプにおける 2004年から 2020年までの 16年間の森林成長量を算出した。その結果、在来種の植栽地では他の森林タイプよりも顕著な森林成長が見られたものの、構造的多様性の回復は遅いことがわかった。このことから、活動開始から約 40年が経過しても未だ構造的多様性の回復には至っていないことが示唆された。当地での適応的管理に基づく森林再生活動の内容を紹介し、森林再生のあり方を議論することで、他地域における参考情報を提供したい。
著者
林 勇朔 浜岡 秀勝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_653-I_663, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

単路部横断では,高齢者は横断時間が長いため,横断開始のタイミングを誤り,横断後半で車両との事故の危険性がある.そこで本研究では,安全島を用いた二段階横断が有効と考えている.安全島により,横断歩道を一度に横断せずにすみ,安全島で一時停止もできる.また,横断の前半部は右側,後半部は左側のみの確認で良いため,高齢者でも横断タイミングを誤らずに横断しやすくなる.以上より,二段階横断にすることで,歩行者の安全性が向上すると考えられる.仮説を検証するために,調査対象区間にてビデオを撮影し,歩行者,車両の到着時間を取得した.また,これらデータを用いてシミュレーションを行い,その場所に適した制御方法を明らかにした.シミュレーションの結果,5つの制御方法のうち,安全島の設置が有効であると明らかになった.
著者
小林 勇
出版者
神戸親和女子大学国語国文学会
雑誌
親和國文 (ISSN:02879352)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.50-65, 1995-12-01
著者
小林 勇
出版者
神戸親和女子大学国語国文学会
雑誌
親和國文 (ISSN:02879352)
巻号頁・発行日
no.30, pp.50-65, 1995-12-01
著者
林 勇樹 窓場 勝之 村田 伸 安彦 鉄平 井上 遼一 岡本 雄輝 澤田 貴大 村山 寛和 白岩 加代子 阿波 邦彦 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-17, 2017

<p>登山前のスクワット運動が,登山後の大腿四頭筋の筋疲労耐性に与える効果を検討した。対象は健常成人20名とした。登山2週間前に,登山と類似したスクワット運動を行う介入群(10名)と介入を行わないコントロール群(10名)に分類した。大腿四頭筋の筋活動をより強調させるため片脚にて実施した。登山前後に最大随意収縮の50%に相当する大腿四頭筋筋力を91秒間持続させたときの中間周波数を用いて筋疲労を評価した。測定筋は内側広筋,外側広筋,大腿直筋の3筋とし,コントロール群と介入群を比較した。その結果,コントロール群では,登山後に測定したすべての筋が登山前と比べ中間周波数の低下が早期に起こり,筋疲労が確認された。介入群は,単関節筋である内側広筋,外側広筋の中間周波数の低下は早期に起こらず,筋疲労は軽減された。これらのことから,登山前にスクワット運動を行うことで,筋疲労が軽減する可能性が示された。</p>
著者
小林 勇
出版者
親和女子大学国語国文学会
雑誌
親和國文 (ISSN:02879352)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.40-60, 1993-12-01
著者
櫻井 利康 山崎 宏 小林 勇矢 奥原 健史 三村 祐太
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.507-514, 2016-10-15

要旨:手の浮腫・腫脹の測定法であるリングゲージ法と掌囲(中手骨頭レベルでの手の周径)法の信頼性と妥当性を明らかにした.健常成人40例80手を対象に,2人の検者がリングゲージ法,掌囲法,Figure of Eight法を2回測定した.信頼性は級内相関係数,妥当性はFigure of Eight法との相関係数を用いた.検者内信頼性のICC(1,1)はリングゲージ法が0.99,掌囲法が0.99,検者間信頼性のICC(2,1)はリングゲージ法が0.98,掌囲法が0.98〜0.99であった.Figure of Eight法との相関係数はリングゲージ法がr=0.76〜0.84,掌囲法がr=0.91〜0.94だった.リングゲージ法と掌囲法は信頼性と妥当性が高く手の周径法として使用可能な方法と考えた.
著者
垂水 浩幸 鶴身悠子 横尾 佳余 西本 昇司 松原 和也 林 勇輔 原田 泰 楠 房子 水久保 勇記 吉田 誠 金 尚泰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.110-124, 2007-01-15
参考文献数
10
被引用文献数
8

市販のGPS 付携帯電話を端末とした位置依存の共有仮想空間(擬人化エージェント機能や利用者間コミュニケーション機能を含む)を応用して観光支援システムを開発し,これについて公開実験を行った.ここで公開実験とは,観光者に現地で依頼して被験者となってもらい,かつ観光者自身の所有する携帯電話を使用して,我々の提供するサービスを評価してもらう実験であり,観光の観点から客観性の高い現実的な評価を得ることが目的である.実験は香川県の代表的観光地である金刀比羅宮と栗林公園でそれぞれ1 週間ずつ実施した.その結果,年齢,性,観光地への訪問経験などにより反応が異なる場合があることが確認でき,ターゲットユーザの絞り込みが重要であることが分かった.また仮想空間で提供する情報は,ガイドブックや立て看板などの現実のメディアとの役割分担が重要であることも明確になった.またGPS の誤差については問題が残るが,位置誤差の評価と観光支援サービスの評価は独立であることも確認した.本論文ではこの公開実験の方法と結果について詳細に述べる.We have developed a sightseeing support system, using our shared virtual world service including human-like agents and inter-user communication for popular GPS-phones on the market. We have conducted open experiments for the service. By open experiments, we mean those with real tourists as subjects and letting them use their own phones. By open experiment, we have aimed to acquire realistic and objective evaluation from the viewpoint of sightseeing itself. The experiments were conducted at two major sightseeing destinations in Kagawa prefecture, each taking one week. As results, we have found that visitors responded differently by their age, gender, experiences, etc. We have also found that virtual media should give different information from real media. These findings will help the future design of such services. GPS inaccuracies were found but subjects evaluated them independently from other evaluation. In this paper, the method and results of the experiments are described.
著者
林 勇吾
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.79-88, 2018-02-25 (Released:2018-02-25)
参考文献数
31

This study investigated how pedagogical conversational agents can facilitate learner-learner collaborative learning during a knowledge integration task. The study focused on how knowledge integration activity can be facilitated by using multiple Pedagogical Conversational Agents (PCAs). The current study investigated the effective design of the PCA using the modality such as using gaze gestures along with the verbal facilitation prompts. In a controlled experiment, dyads were accompanied by multiple PCAs programmed to facilitate explanation activities in a knowledge integrating task. Two eye-trackers were used to detect learning process of leaners who used different type of knowledge and perspective. The results show that learners who received facilitation from the PCAs about integrating different perspectives performed better on the task, and if they received gaze gestures, they tended to focus on the relationship of different knowledge as well. Additional results on eye-tracking analysis show that learners performed better when they focused at their partner ’s different knowledge after looking at the PCAs'’ gaze. These results provide new implications on designing learning support systems and shows how embodied information such as gaze gestures of PCAs may play an important role in collaborative learning.
著者
寺町 ひとみ 杉田 郁人 伊野 陽子 林 勇汰 吉田 阿希 大坪 愛実 上野 杏莉 勝野 隼人 野口 義紘 井口 和弘 舘 知也
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.9, pp.1177-1184, 2017 (Released:2017-09-01)
参考文献数
21
被引用文献数
4

We analyzed impression data and the scale of communication skills of students using text mining method to clarify which area a student was conscious of in communication in practical training. The results revealed that students tended to be conscious of the difference between practical hospital training and practical pharmacy training. In practical hospital training, specific expressions denoting relationships were “patient-visit”, “counseling-conduct”, “patient-counseling”, and “patient-talk”. In practical pharmacy training, specific expressions denoting relationships were “patient counseling-conduct”, “story-listen”, “patient-many”, and “patient-visit”. In practical hospital training, the word “patient” was connected to many words suggesting that students were conscious of a patient-centered communication. In practical pharmacy training, words such as “patient counseling”, “patient”, and “explanation” were placed in center and connected with many other words and there was an independent relationship between “communication” and “accept”. In conclusion, it was suggested that students attempted active patient-centered communication in practical hospital training, while they were conscious of listening closely in patient counseling in practical pharmacy training.
著者
小林 勇輝 櫛田 佳那 竹野 祐輔 福重 真一 野間口 大
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.3_93-3_96, 2017 (Released:2017-05-28)
参考文献数
3

We report, from the perspective of participants, about the project-based learning class where engineering and non-engineering students collaboratively tackled manufacturing. It aimed to cultivate the design thinking ability of master course students coming from various departments of Osaka University. Although we had less backgrounds of engineering or manufacturing, we succeeded in defining user needs and creating a product which meets them. We subsequently participated in an international conference on engineering design and presented another product there. Since design thinking could be applied there as well, we could win the championship. Manufacturing is a good way for students to experience problem solving, so we could gain more than simple knowledge of engineering.