著者
藤林 恵 Woo-Seok Shin 長濱 祐美 相川 良雄 西村 修
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.141-144, 2012 (Released:2018-03-10)
参考文献数
14

土壌に添加した易分解性有機物が分解される際に、土壌に元から含まれる有機物の分解が促進される現象をプライミング効果と呼ぶ。本研究では淡水産巻貝マルタニシが這う際に残す粘液がプライミング効果を引きこすか実験を行った。スクロースを寒天で固めたものと、水田から採集された底泥を有機物源として用いて、両有機物源の表面にマルタニシを這わせ粘液を塗布したものと粘液のないものを準備し、それぞれの有機物分解量をクーロメーターで評価した。その結果、両サンプルにおいて粘液を含む系で酸素消費量が多く、有機物の分解量が多くなることが示された。マルタニシの這う際に残す粘液はプライミング効果を引き起こすことが明らかとなった。
著者
山下 由貴 大林 恵 岡野 由利 正木 仁
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.216-222, 2010-09-20 (Released:2012-09-25)
参考文献数
14
被引用文献数
7 2

近年,目立つ毛穴に対するケアは市場の注目を集めており,毛穴開大のメカニズムの解明とその抑制方法の開発は化粧品技術者にとって大きな課題となっている。本研究は,目視による毛穴開大の印象を表すパラメーターを確定することと,毛穴開大のメカニズムに対する酸化ストレスの関与を明らかにすることを目的とした。はじめに,われわれは毛穴が目立つと認識される毛穴面積を0.04mm2 以上と定義した。また,測定野あたりの毛穴総面積,毛穴平均面積および開大毛穴個数を毛穴パラメーターとして算出し,これらが目視による毛穴開大の印象と相関を有し,さらに毛穴総面積は年齢とも相関を有することを明らかにした。次に,毛穴開大のメカニズムを明らかにするために,角層より得られた有核細胞率,多重剥離度,カタラーゼ活性およびタンパクのカルボニル化レベル (SCCP) の各角層パラメーターと毛穴総面積との相関について調査した。毛穴周辺部全体について解析を行った結果では,カタラーゼ活性を除くいずれのパラメーターも毛穴総面積との相関は認められなかった。しかし,開大した毛穴は下頬と比較して上頬に多く認められること,また有核細胞やSCCP による強い蛍光は毛穴開口部周辺に局在していることが確認されたため,上頬の値を下頬の値で標準化した各角層パラメーター比を算出し解析を行った。その結果,SCCP 比およびカタラーゼ比は毛穴総面積と有意な相関を示した。これらの結果より,毛穴開大のひとつの要素として酸化ストレスが関与している可能性が考えられた。
著者
森 正樹 林 恵津子 Masaki Mori Etuko Hayashi
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 = The bulletin of Saitama Prefectural University (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.27-34, 2012

障害児保育巡回相談を行う専門職が、幼稚園・保育所との協働関係を構築する際の諸課題について面接法により調査した。その結果、これらの現場で、必ずしも専門職の役割が十分に理解されず、巡回相談の有効活用が進まない状況が示された。また、保育者に現場の実践に根ざした具体的なアドバイスを行うことの難しさも報告された。さらに、専門職と保育者の間に依存的関係が固定化するリスクや、対等な関係構築の困難さも指摘された。 これらを踏まえ、専門職に求められるコンサルテーションの技術に関し、以下の諸点の提言を行った。1.関係性の中に自らの専門性を位置付ける柔軟性、2.保育者の実践に学ぶ姿勢、3.発達障害児等のニーズを包摂する保育実践の再構成への支援、4.保育者の協働性開発への支援、5.保育者による実践の言語化と課題解決プロセスの促進・共有、6.状況把握の俯瞰的視点、7.健全な批判を可能とするパートナーシップの構築、8.保育者が自らの専門性と創造性を開発するための支援。
著者
長谷 博子 林 恵里奈 平尾 竜馬 野浪 亨
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62回大会(2010年)
巻号頁・発行日
pp.99, 2010 (Released:2010-10-15)

<目的>公共施設などでは禁煙化が進んでいるが,飲食店などで喫煙者が近くに居ると,衣服などにたばこ臭が付着することがあり,不快に感じることがある.そこで本研究は,たばこ臭の生地への吸着および放散量を明らかにすることを目的とする. <実験方法>たばこに火を点けて1Lのフラスコ内に吊るし,アルミホイルで密封し3分後にシリンジで10ml採取した.無臭空気を満たした3Lのにおい袋に注入し,これを原臭とした.生地試料は,100%の綿,ポリエステル,ウールの平織りを使用した. たばこ臭の吸着は,5×5cmの試験片1枚とたばこの原臭を30倍希釈してにおい袋に入れ,1時間室温で静置した.たばこ臭の放散は,におい袋に24時間たばこ臭を吸着させた試験片と無臭空気を入れて室温で静置した後,においを評価した.たばこ臭の評価は,におい識別装置(島津製作所製)を使用した. <結果および考察>においの強さは,におい識別装置によって算出される臭気指数相当値によって評価した.たばこ臭の希釈倍数と臭気指数相当値との相関係数は,0.942と強い相関が見られたため,たばこ臭の測定が可能であると判断した.30倍希釈のたばこ臭は12であった.生地自体のにおいは,1時間後には,綿:14,ポリエステル:16,ウール:11であった.生地とたばこ臭を入れたにおい袋内の値は,綿:21,ポリエステル:20,ウール:22であった.たばこ臭の放散は,綿:19,ポリエステル:13,ウール:17であった.よって,におい識別装置で評価した結果,たばこ臭はポリエステルに最も吸着し,生地からはウールが最も放散することが分かった.
著者
成田 太一 小林 恵子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.205-213, 2020 (Released:2020-11-06)
参考文献数
24
被引用文献数
2

目的:長期入院を経験し精神科デイケアを利用する男性統合失調症者が,地域においてどのように生活を再構築しているのか,当事者の視点からその特徴を明らかにし支援への示唆を得る.方法:男性統合失調症者9人を対象とし,参加観察やインタビューから得られたデータから退院後の生活の再構築についての語りを抽出し,分析した.結果:対象者は,【長期入院によるつながりの喪失】を経験し,退院後は馴染みのない【新たなコミュニティのメンバーシップを得ることの難しさ】から寂しさを感じていた.そのようななか,専門職や親族などからの【サポートの活用による病状や生活の維持】を図りながら,【地域におけるデイケアメンバーとのつながりと役割の獲得】により,生活を再構築していた.結論:長期入院を経験した男性統合失調症者が地域の中で孤立せず社会参加できるよう,当事者コミュニティと地域コミュニティとの関係づくりを強化することや,入院早期からの就労支援と地域における活動の機会の必要性が示唆された.
著者
成田 太一 小林 恵子
出版者
一般社団法人 日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.35-44, 2017 (Released:2018-12-20)
参考文献数
53
被引用文献数
1

目的:地域で生活する統合失調症患者のリカバリーの概念を分析し定義を明らかにするとともに,支援を行ううえでの概念の活用可能性と課題を検討することを目的とした.方法:地域で生活する統合失調症患者のリカバリーについて,具体的な記述のある国内外の研究論文を対象として検索を行った.分析方法は,Rodgersの概念分析の方法を用い,リカバリーの概念を構成する属性,概念に先立って生じる先行要件,概念に後続して生じる帰結を表す箇所を抽出し,内容の共通性と相違性に基づいて分類し,構成概念を整理した.結果:地域で生活する統合失調症患者のリカバリーの構成概念として【新たな目標や願望をみつけ,主体的に生活する】【自分自身を客観視し,肯定的なセルフイメージをもつ】【主体的に支援を活用し,病状が安定する】【地域社会で相互関係を築き承認される】の4つの属性と,8つの先行要件,4つの帰結が抽出された.考察:地域で生活する統合失調症患者のリカバリーの定義は,「統合失調症患者がQOLを向上させるために希望や目標に向かって支援を活用し,体調や服薬の主体的な管理により病状を安定させながら,地域社会のなかで相互関係を構築するプロセス」とした.リカバリーを基盤とした支援により,当事者中心のケアを展開する一助になると考えられ,当事者の思いを引き出す支援技術や,当事者の視点でリカバリープロセスに寄り添う支援が重要である.
著者
高村 仁知 山口 智子 林 恵理奈 藤本 さつき 的場 輝佳
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1127-1132, 1999-11-15
被引用文献数
11

The change in radical-scavenging activity while cooking curry made from spices, vegetables, and meat was analyzed by the 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl-HPLC method. Fifteen kinds of spices generally used in curry all possessed radical-scavenging activity. In particular, the activity of clove, allspice, and cinnamon was extremely high and comparable with that of vegetables. After heating, the radical-scavenging activity of the combination of vegetables and meat increased, while that of mixed spices decreased. Vegetables as well as spices contributed the radical-scavenging activity of curry. In the present research, one serving of curry and rice contained 363 μmol Trolox eq of radical-scavenging activity. The spices contributed approximately 45% of the total radical-scavenging activity of curry and rice.
著者
山下 尚志 高橋 岳浩 遠山 哲夫 谷口 隆志 吉崎 歩 Trojanowska Maria 佐藤 伸一 浅野 善英 赤股 要 宮川 卓也 平林 恵 中村 洸樹 三浦 俊介 三枝 良輔 市村 洋平
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.381b, 2016

<p>  全身性強皮症は免疫異常,血管障害,線維化を主要3病態とする原因不明の膠原病である.本症の病態理解・治療開発が遅れている理由の一つとして,その病態を忠実に再現した動物モデルが存在しなかったことが挙げられるが,最近我々は転写因子Fli1の恒常的発現低下により線維芽細胞,血管内皮細胞,マクロファージにおいて強皮症特有の形質が誘導できることを示し,さらに血管内皮細胞特異的<i>Fli1</i>欠失(<i>Fli1</i> ECKO)マウスでは強皮症の血管障害に特徴的な血管の構造異常と機能異常が再現できることを明らかにした.強皮症の血管障害に対しては肺動脈性肺高血圧症治療薬が有用であり,特にボセンタン(エンドセリン受容体拮抗薬)は皮膚潰瘍の新規発症を予防する効果が2つの良質な臨床試験により証明されている.また,明確なエビデンスはないが,bFGF製剤は強皮症に伴う難治性皮膚潰瘍の治療に有用であり,実臨床において広く使用されている.しかしながら,これらの薬剤が強皮症の血管障害に及ぼす影響とその分子メカニズムは未だ不明な点が多い.そこで今回我々は,<i>Fli1</i> ECKOマウスの創傷治癒異常の分子メカニズム,およびボセンタンとbFGFがその異常に及ぼす影響について検討した.一連の研究結果により,<i>Fli1</i> ECKOマウスにおける創傷治癒異常の分子メカニズム,およびボセンタンとbFGFがFli1欠失血管内皮細胞の動態に及ぼす影響が明らかとなったので,その詳細を報告する.</p>
著者
大西 信治郎 吉浜 博太 上田 良穂 小林 恵子 伊藤 依子
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.780-785, 1985

米国Pfizer社で開発されたβ-lactamase阻害剤SulbactamとABPCのmutual prodrugであるSultamicillinを耳鼻咽喉科領域感染症22例に投与し, 以下の成績を得た。<BR>慢性中耳炎12例, 急性副鼻腔炎1例, 慢性副鼻腔炎3例, 急性扁桃炎4例, 慢性扁桃炎1例, 慢性咽頭喉頭炎1例の計22例の臨床効果は, 著効4例, 有効8例, やや有効6例, 無効4例で有効率は54.5%であった。<BR>副作用としては2例に下痢が認められた。本剤によると思われる異常値は, BUNの上昇が1例, Al-Pの上昇が1例, γ-GTPおよびLDHの上昇が1例に認められた。
著者
松島 美穂 岡田 志保 下川 光代 古林 恵 尾田 睦美 細井 希恵
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.22-26, 2008-03-01

平成18年8月上旬~12月中旬に現行の1日1回電極交換を実施した患者33名(対照群)2日に1回の電極交換を実施した患者38名(実験群)を対象に,調査用紙を作成,実験群・対照群それぞれ各項目について調査を行った.電極交換日数と皮膚の状態においては,紅斑と掻痒感出現は電極毎日交換に多い傾向がみられた.また,対照群,実験群をあわせた全対象者71名中,電極かぶれが発生したのは46名の64.7であった.電極かぶれが出現する要因を明らかにするために電極かぶれの有無で比較分析を行ったところ,電極交換を毎日実施と固定方法の2点に有意差があった.電極交換を毎日実施したほうが電極かぶれが発生しやすい傾向がみられ,固定方法においては,送信機を体幹に固定している方法に比べてベッドサイドモニターのように電極コードが本体に取り付けられているものや,送信機を身につけず,ベッド上に置いてある方が有意に電極かぶれが多い結果となった.
著者
吉田 司 渡邉 大輝 中潟 崇 山田 陽介 黒谷 佳代 澤田 奈緒美 田中 健司 岡林 恵 島田 秀和 瀧本 秀美 西 信雄 宮地 元彦 阿部 圭一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.20-111, (Released:2021-05-14)
参考文献数
34

目的 本研究は,大阪府北部の摂津市および南部の阪南市における40歳以上の中高齢者のフレイル該当割合と2市で共通してフレイルと関連する要因を明らかにすることを目的とした。方法 2018年度に摂津市,2019年度に阪南市において無記名式郵送調査を行った。対象者は,小学校区ごとの40歳以上の性・年齢階級別の人口構成に応じて各小学校区から1,000人ずつ無作為に抽出した(摂津市10小学校区,阪南市8小学校区)。分析対象者は摂津市が5,134人,阪南市が3,939人であった。フレイル評価は,基本チェックリスト(KCL)および簡易フレイル指標(SFI)を用いた。フレイルを目的変数とし,年齢,性,BMI,家族構成,主観的健康感,経済状況,主観的体力,睡眠,喫煙,飲酒,食事回数,用語「フレイル」認知度を説明変数として多変量ロジスティック回帰分析を適用した。すべての分析は,摂津市と阪南市に分けて行った。結果 対象者の平均年齢と標準偏差は,摂津市が62.7±12.5歳および阪南市が63.4±12.2歳であった。KCLによるフレイル該当割合は,摂津市と阪南市でそれぞれ40歳代が18.7%と17.9%,50歳代が18.2%と14.6%,60歳代が17.0%と15.7%,70歳代が25.4%と20.8%,80歳以上が39.7%と36.1%であった。SFIによるフレイル該当割合は,摂津市と阪南市でそれぞれ40歳代が16.2%と13.5%,50歳代が15.0%と11.9%,60歳代が12.5%と10.0%,70歳代が14.6%と12.3%,80歳以上が24.7%と22.3%であった。摂津市および阪南市で共通し,かつKCLとSFIで共通してフレイルと関連した要因は,高年齢,主観的健康感の低さ,経済状況の不良,主観的体力の低さ,睡眠が不十分,およびフレイル認知度の低さであった。結論 大阪府の2市における調査により,40歳代や50歳代であっても一定数のフレイル該当者がいることが明らかになり,より早期の働く世代からのフレイル予防の取り組みが必要であることが示唆された。また,フレイルと関連する6つの要因が抽出されたが,因果関係や公衆衛生的意義について縦断研究や介入研究による検討が求められる。
著者
赤尾 健志 寺林 恵美子 大場 正則 水島 朝美 城戸 恵美 高橋 秀幸 山上 亨 八野田 純
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.D1218, 2008
被引用文献数
1

【目的】当院の癌終末期理学療法では、1.患者・家族のニーズに答える、2.患者・家族の信頼を得る、3.チーム医療を重視することを目標に取り組んでいる。今回、癌終末期理学療法の取り組みを現状と患者・家族のコメントをもとに検討したので報告する。<BR><BR>【対象】2006年4月から2007年9月の間、癌終末期で理学療法を施行し入院中死亡した22名、男性11名、女性11名、平均年齢73.8歳、現疾患は、肺癌16名、大腸癌2名、胃癌2名、肝細胞癌1名、胆嚢癌1名であった。<BR><BR>【方法】理学療法開始時と終了時の理学療法内容とADLレベル、理学療法実施期間、理学療法終了日から死亡までの期間について調べた。また対象者を、理学療法を死亡まで継続可能であった群(以下継続可能群)14名、患者の希望により理学療法を途中で中止した群(以下希望中止群)3名、合併症等の発症により理学療法を中止した群(以下合併症発症群)5名に分類した。それぞれの群に対し、患者・家族のコメントをカルテ等から抽出した。<BR><BR>【結果】理学療法内容は、開始時は、ADL練習19名、肺理学療法5名、筋力運動10名、関節他動運動7名、疼痛緩和・浮腫改善2名であった。終了時は、関節他動運動14名、肺理学療法12名、疼痛緩和・浮腫改善6名、ADL練習1名であった。ADLレベルは、理学療法開始時は歩行レベル7名、車椅子レベル11名、ベット臥床レベル4名であった。終了時は、車椅子レベル2名、ベット臥床レベル20名であった。理学療法実施期間は平均42.6日(7日~170日)であった。理学療法終了日から死亡までの期間は平均4.3日(0日~20日)であった。患者・家族のコメントは継続可能群では、呼吸が楽になった、むくみがとれて足が軽くなった等の身体的改善感の他に、自分の体を触ってもらうことで温もりを感じる、雑談等ゆっくり話ができる、リハビリをするのが生きる支えとなっている等、精神面に関するコメントが見られた。希望中止群では、触ると痛い、歩く練習をすると疲れる等であった。合併症発症群では、脳梗塞発症、消化管出血、呼吸急性増悪等で、急激に全身状態が変化した場合が多かった。<BR><BR>【考察】癌終末期理学療法の現状としては、全身状態が自然経過として次第に悪化していくにも関わらず、理学療法を継続している症例が多く見られた。その理由として、一時的でも身体的改善感が得られること、厳しい現実から少しでも逃避できる癒しの効果、精神的支え等が考えられた。以上より、当院での癌終末期理学療法の取り組みは患者・家族に対し、身体・精神的に良い効果を与えることができているのではないかと思われた。また途中中止になった症例から、患者の状態に応じて少数・頻回のより細かな理学療法内容の検討、また合併症の発症等から、一日一日のリスク管理を含めたチーム医療での情報共有等がより重要だと思われた。<BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR>
著者
木暮 槇太 中島 誠 高橋 幸吉 稲神 馨 須藤 芳三 待田 行雄 林 禎二郎 平尾 常男 五十嵐 三郎 仲野 良男 竹林 克明 吉田 徳太郎 宮内 潔 江口 正治 林 幸之 佐々木 周郁 渡辺 忠雄 近藤 義和 渋谷 勲 須貝 悦治 田中 茂光 小山 長雄 田中 一行 竹田 寛 竹鼻 孝夫 室賀 明義 蒲生 俊興 高橋 保雄 西村 浩 長谷川 金作 森 幸之 永友 雄 梅谷 与七郎 中村 晃三 松本 介 宮沢 正明 加藤 康雄 土橋 俊人 高木 直温 柳沼 泰衛 小野 四郎 村山 隆之 近森 俊哉 辻 辰四郎 小川 敬之 小松 四郎 大岡 忠三 妹尾 計一 森本 宏 梶浦 みち子 萩原 清治 瓶子 まち子 中条 紀三 高木 春郎 飯島 荘資 横内 和多良 清水 滋 堀内 彬明 堀内 ちよし 原田 忠次 木村 敬助 青木 秀夫 後藤 四男 小林 恵之助 皆川 基 皆川 豊作 岡村 源一 小河原 貞二 村山 穰助
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.244-255, 1956-06-28 (Released:2010-11-29)

蚕卵発育中に於けるPhasphataseの組織化学的所見2雄核の接合に関する細胞学的観察カイコガのモザイク複眼の構造とできかた家蚕蛹の頭部が産卵に及ぼす影響家蚕の血組織に関する生理学的研究 (II) 蛹の発育に伴う囲心細胞及び周気管細胞中の遊離アミノ酸の消長家蚕その他数種絹糸虫における誘引物質の共通性と類縁関係に関する研究蚕種の冷蔵障害と水銀塩による沈澱物前胸腺移植後の結紮と絹糸腺の成長家蚕のフラビン化合物に関する研究 (V) 蛹の器官特に中腸におけるフラビン化合物について (予報)家蚕の計量的形質と脳-食道下神経節連合体の機能追加7.白殫病菌の蚕卵への接種試験繭・繊維の部熱風乾燥に関する研究 (II)繭解じよの向上についての研究 (IV) 病蚕成立繭特に硬化病, 軟化病, 膿繭蚕繭の性状繭及び生糸の繊度変異に関する研究 (9) 定粒生糸と定繊度生糸の性能比較について生糸の摩擦係数に関する研究 (7) 精練度と摩擦係数について糸条斑と繰糸管理について生糸の練減率測定に関する2, 3の知見絹の膨潤現象から見た中心層発現の-所見チオ尿素樹脂の還元性について繭層セリシン溶液の粘度吐糸営繭に伴なう繭形の変化 (続)営繭条件と分離細繊維との関係フイブロインの糸条形成について (VIII) フイブロインの溶液中における分散状態について絹糸構造の研究 (I)酵素製糸の研究 (II)酵素精練の研究 (II)追加8. 落緒に関する研究 (II) 落緒形態の出現率とその分布