著者
吉田 企世子 森 敏 長谷川 和久 西沢 直子 熊沢 喜久雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.115-121, 1984-04-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1

有機質肥料 (OF) で栽培した露地トマト (品種サターン) と無機質肥料 (IF) で栽培したトマトの食味を比較するため官能検査を行なった結果, 各年ごとに傾向は必ずしも同じではなかった。1) 1980年度は, 3および5果房ともIF区よりOF区のほうが顕著に優れていると評価された。2) 81年度は, 3果房はOF区が優れていたが, 1および6果房ではあまり差がなかった。3) 82年度は, 3果房は明らかにOF区が優れていたが1,2,4~7および8果房には差がなかった。4) 各年とも3果房のOF区が優れていたが, これは養分吸収との関係で検討を要する。5) 色については, 官能検査で有意差が示された試料が, 必ずしも, 色調測定の結果示された傾向とは一致しなかった。
著者
岡部 恒治 三島 健稔 鈴木 俊夫 西村 和雄 西森 敏之
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、日本に伝わる和算・そろばんにある、イメージを利用し、直感的に理解させる思考法を用いて、数学が苦手な学生・生徒にわかりやすく理解させるための方策の研究である。この研究に基づいて、小学生向きの自学自習教科書を実際に作成した。その目覚しい成果は産経新聞、読売新聞、フジテレビなどでも紹介された。また、代表者の岡部は、この成果を用いてお台場のパナソニック・センターに18年8月に開設された「RiSuPia」の数学関連の展示コンテンツの監修をした。三島は教材の電子化に関して多大な貢献をした。このRiSuPiaは、数学に関しての本格的な体験的施設としては、現在本邦唯一のものである。このリスーピアも、NHKはじめ各テレビ局や新開でも大きく報道された。ここでは、和算・そろばんの果たした意義やその思考法を来場者自ら体験してもらうようにもなっている。
著者
古川 まき 鈴木 泰博 中村 純 森 敏彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.85, pp.43-46, 2008-09-11

ミツバチの集団的知性 (Collective Intelligence) の代表的な例として、巣内の蜂蜜需要量に応じた労働調整がある。明確な言語などの情報伝達なしに採蜜蜂が適切な労働調整を行う挙動は以前から注目されていたが、蜂蜜の必要量が巣のミツバチの個体数や季節、時間帯、そのときの貯蔵量など考慮すべき点が多く複雑なため今までモデル化が行われていない。本研究では、巣の中の限られた少数の貯蜜用空き巣穴を対象とし、採蜜蜂から受け取った蜜を貯蔵蜂が空き巣穴を探しあてて貯蔵する素過程に絞ってコンピュータシミュレーションした。本報告はこのモデルが現実の蜜蜂の採蜜・貯蜜行動の連携行動を表現するに有効であるということを示すものである。It is well known that labor quantity is controlled depending on amount of demanded honey as a typical example of a collective intelligence of honey bee. It has attracted attention long before this is conducted without any information media such as a language, but a modeling of this labor control has not been carried out because there are many complicated things to be considered. In this paper, for simplicity a few limited hoarding cells are treated and the thing simulated by a computer is restricted that a field workers has picks nectar from a flower, gives it to an inside bee and a latter see looks for and hoards to a cell
著者
森 敏生 甲斐 昌一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J85-D2, no.6, pp.1093-1100, 2002-06-01

本論文では人の脳の確率共鳴現象の存在を,脳波の雑音効果から研究した.ここでは α 波周波数(fα)に見られる引込み現象を利用し,α 波に近い周期刺激では引込み現象が被験者の感情や体調などの影響を受けやすいので,その影響の少ない倍周期引込みを対象とした.実験は,中枢神経系・脳内部で確率共鳴現象が起こることを明確に示すために,周期光刺激を右眼に雑音光を左眼に印加した.この際,右眼の弱い光刺激のみでは α 波の引込みを起こさない.この状態で左眼の雑音光強度を可変にすると,ある適度な強度で脳波は引込みを起こし,スペクトル中に刺激周波数(fs)の倍周波に鋭いピークが観測される.更に強い雑音を加えるとこの鋭いピークは消え,引込みからはずれることが観測された.各雑音光強度に対してこのスペクトル振幅をプロットすると確率共鳴現象で見られるベル型の変化を示した.この研究では周期及び雑音刺激が各々独立した入力点(左右眼)に印加されていることから,確率共鳴現象が視交差以降の視覚経路すなわち中枢神経系で起こっていると結論される.
著者
河野 健一 西田 裕介 森山 善文 森 敏彦 矢部 広樹
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.255-262, 2017 (Released:2017-08-20)
参考文献数
19
被引用文献数
7

【目的】透析患者の運動能力低下に至る障害構造モデルを構築し転倒との関連を明らかにする。【方法】維持透析患者329 例に対し,背景因子の調査,身体機能と運動能力の測定を横断的に実施し,パス解析にて運動能力低下に至るモデルの適合度を検証した。また,同一患者に対して転倒の有無を前向きに追跡し,転倒に対する運動能力低下の危険性を検討した。【結果】高齢化,透析期間の長期化,炎症状態といった疾患背景が間接的に,また低栄養状態,筋肉量低下,筋力低下,歩行の動揺性を増大させ直接的に運動能力の低下に関与した(χ2 = 11.782,CMIN/DF = 0.982,GFI =0.99,CFI = 1.000,RMSEA < 0.001)。そして,運動能力低下は転倒の独立した危険因子であった。【結論】障害構造モデルの観測変数に着目することは,透析患者の理学療法臨床推論を進め転倒を予測するうえで有用と示唆された。
著者
森 敏昭
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.89-95, 2016 (Released:2020-01-26)
参考文献数
3
被引用文献数
1

学習科学は学習と教育について科学的に研究する新しい学問分野であり,認知心理学,発達心理学,教育心理学,脳科学,教育学,社会学,文化人類学,教育工学などの多様な学問分野を総合することによって急速に発展しつつある学際的科学である。すなわち学習科学が目指しているのは,学習を促進する認知的・社会的条件を明らかにし,研究で得られた知見を人々がより深く,より効果的に学ぶことができるように学校の教室や他の学習環境を再デザインすることである。本稿では,学習科学の最近の幅広い研究成果を精査し,教科教育の改革に向けて提言を行う。
著者
宮本 直人 竹田 正樹 森 敏 宮本 明 畠山 望 三浦 隆治 森本 達郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

スキー競技において,ワックスおよびストラクチャは勝敗を決める最重要要素である.本研究では,ワックスおよびストラクチャの摩擦係数を推定するための高精度GPS装置を開発した.摩擦係数の推定はエネルギー保存の法則を用いた.本手法により,摩擦係数が0.001の精度で計測できることを確認した.スキーの滑走性能は雪面状態や気象条件に大きく依存する.競技コースの雪面状態および気象条件とワックスおよびストラクチャの摩擦係数を関連付けてデータベース化した.これにより,スキー競技における最適なワックスおよびストラクチャを選定するための基礎を構築した.
著者
高田 光雄 巽 和夫 毛谷村 英治 大森 敏江
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.775-780, 1991-10-25 (Released:2020-05-01)

THIS STUDY IS THE ANALYSIS ABOUT URBAN LIVING OF FAMILIES WITH CHILDREN IN CENTRAL AREA OF 3 BIG CITIES, KYOTO, OSAKA AND KOBE, IN THE KANSAI REGION, BASED ON THE QUESTIONNAIRE TO PRIMARY SCHOOL STUDENTS AND THEIR MOTHERS. THE RESULTS ARE AS FOLLOWS; 1)THE CHARACTERISTIC OF FAMILIES WITH CHILDREN IN CENTRAL AREA IS THAT NUMBERS OF 3 GENERATOIN FAMILIES AND DUAL-INCOME FAMILIES ARE MANY. 2) MOST PEOPLE APPRECIATE CONVENIENCE OF COMMUTING AND SHOPPING, BUT SHORTAGE OF PLAYGROUND, NOISE AND AIR POLLUTION MAKE THE LIVING ENVIRONMENT FOR CHILDREN WORSE. 3)MOST OF CHILDREN PLAY INDOOR, THOUGH THEY PREFER TO PLAY IN PARKS.
著者
渋谷 政子 中島 理子 田島 久美子 朝倉 章子 森 敏郎
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.51-57, 1996 (Released:2009-10-29)
参考文献数
7

輻輳不全および融像幅の低下が原因で眼精疲労を訴えた28名(年齢8歳~51歳)に当科で考案した訓練方法に基づき治療を行った。対象患者は輻輳近点と融像幅の検査結果から,1.生理的複視を認知できない群,2.輻輳力低下群,3.融像力低下群の3群に分類した。訓練の結果,輻輳近点が10cm以下およびプリズム融像幅が20Δ以上の正常範囲に回復し,眼精疲労が消失あるいは軽減したものは28例中27例であった。訓練期間の平均は1.2ヵ月と短期間であった。眼精疲労の原因を的確に分析することは輻輳および融像幅増強訓練を奏効させると考えられた。
著者
倉田 信彦 蜂須賀 丈博 栃木 宏介 鹿野 敏雄 橋本 好正 森 敏宏
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.569-577, 2016-06-01 (Released:2016-06-17)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

腎移植後に悪性腫瘍の罹患率が上昇することがわかってきたが,手術や周術期管理に関する報告は少なく,周術期の最適な免疫抑制療法,腎機能への影響,術後合併症などはわかっていない.我々は腎移植患者における直腸癌3例,膵腫瘍1例(1例は同時性重複腫瘍)の手術を経験した.周術期に経口摂取が不可能となる消化器癌手術であっても,免疫抑制剤を周術期は静注とし,術後早期に経口へと切り替えることで,特に腎機能を悪化させずに管理可能であった.ステロイド長期内服に伴う創傷治癒遅延,縫合不全などは大きな問題とならなかったが,1例に回盲部炎,クロストリジウム腸炎を認め,免疫抑制剤が関与している可能性があった.感染に対しては,より慎重かつ迅速に対応する必要がある.また,通常とは異なる術後合併症が起こる可能性があるため,移植医療に従事していない科が手術を担当している場合は,密に連携をとって周術期管理を行うべきである.
著者
稲木 匠子 丘村 煕 森 敏裕
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.82-85, 1990-01-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

私製の固形造影剤を用いbolusの違いによる嚥下動態の検討を試みた. 固形造影剤は潜在的および軽微な嚥下異常の検出に有効であると考えられた. 症例を提示しその有用性を報告した.
著者
西森 敏之
出版者
日本数学会
雑誌
数学通信 (ISSN:13421387)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.15-27, 2006-05
著者
兵頭 政光 小林 丈二 山形 和彦 森 敏裕
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部腫瘍 (ISSN:09114335)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.671-677, 2001-11-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

口腔および中咽頭癌切除再建後の嚥下および構音機能に関し、嚥下圧検査および発語明瞭度から検討を行った。嚥下圧は口蓋切除後には軟口蓋圧がわずかに低下したが、義顎を装用することでほぼ正常に回復した。中咽頭側壁切除では軟口蓋から中咽頭の圧が低下した。舌半側切除および亜全摘では、術後早期には正常の嚥下圧が得られる例が多かったが、経時的には術後の皮弁萎縮により嚥下圧が低下した。また、中咽頭と下咽頭での圧の同時発生や嚥下反射に先立つ口腔内の小刻みな舌運動を示す所見も認められたが、経過とともに改善傾向を示した。構音機能では口蓋切除後には発語明瞭度は著しく低下したが、口蓋欠損部を義顎により閉鎖すると改善した。中咽頭側壁切除後には軟口蓋音の障害が認められた。舌半側切除後には構音機能はあまり障害されないのに対し、亜全摘では声門音以外のすべての音の障害が高度であった。
著者
森 敏裕 丘村 煕
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.241-249, 1984-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
32
被引用文献数
6 1

The measurement of swallowing pressure is one of the methods to analyze the swallowing mechanism, but it has not been utilized clinically yet. The purposes of this paper are to clarify practical problems of the measurement of swallowing pressure through a survey of literature and to evaluate a posssibility of utilizing it for clinical use. It was considered that an intraluminal miniature pressure transducer was more accurate in measuring swallowing pressure than an infused water-filled catheter. The measurement of swallowing pressure can be an useful diagnostic method for investigating swallowing mechanism at the pharyngeal and cervical esophageal regions, especially in combination with cine-fluorography.