著者
服部 賢志 塚田 政範 森田 美文 末永 和也
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.157-160, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
13

長野県で開発された果汁中のカビ毒であるパツリンの分析法をCodex Procedural Manualの性能規準ガイドラインおよびGuidelines on Analytical Terminologyの目標値を満たしているか単一試験室により妥当性評価を実施した.結果として,りんごおよびなし果汁において,真度は98.8~103.4%,併行精度は6.4%以下,室内精度は8.1%以下およびHorRat値は0.4以下であり目標値を満たしていることが確認できた.
著者
小田 力 藤田 紘一郎 森 章夫
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 Tropical medicine (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.61-65, 1984-06-30

パプアニューギニアのダンフ,ケビェン及びラバウルの3地域でマラリアとデング熱の伝搬蚊について調査した.採集された蚊はAnopheles farauti, An. koliensis, An. punctulatus, Aedes aegypti, Ae. scutellaris,及びCulex pipiens quinquefasciatusの6種類であった.これら3種のハマダラカはわだちに水がたまって出来た泥水に発生していた.ダンフにおいてはAn. punctulatusがマラリアの主要伝搬蚊と考えられる.また,この地域ではデング熱の主要伝搬蚊であるAedes aegyptiとAe. scutellarisも採集された.前者の主要発生源は屋内では花びんのような人工的容器で,屋外では水のたまった古タイヤであった.後者の発生源も屋外の古タイヤであった.Collections of vector mosquitoes were made in three areas of Papua New Guinea. Mosquitoes collected were of the following 6 species: Anopheles farauti, An. koliensis, An. punctulatus, Aedes aegypti, Ae. scutellaris, Culex pipiens quinquefasciatus. Three species of Anopheline mosquitoes were commonly found in muddy pools such as wheel ruts at the roadsides, and among them An. punctulatus was assumed to be the primary vector of malaria in the area of Danfu, where also Ae, aegypti and Ae. scutellaris, the major vectors of dengue fever, were collected. The main breeding places for Ae. aegypti were artifitial containers such as flower vases indoors and discarded tires outdoors, the latter being the main breeding place for Ae. scutellaris.
著者
真田 樹義 宮地 元彦 山元 健太 村上 晴香 谷本 道哉 大森 由実 河野 寛 丸藤 祐子 塙 智史 家光 素行 田畑 泉 樋口 満 奥村 重年
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.291-302, 2010-06-01
参考文献数
23
被引用文献数
2 8

The purpose of this study was to develop prediction models of sarcopenia in 1,894 Japanese men and women aged 18-85 years. Reference values for sarcopenia (skeletal muscle index, SMI; appendicular muscle mass/height<sup>2</sup>, kg/m<sup>2</sup>) in each sex were defined as values two standard deviations (2SD) below the gender-specific means of this study reference data for young adults aged 18-40 years. Reference values for predisposition to sarcopenia (PSa) in each gender were also defined as values one standard deviations (1SD) below. The subjects aged 41 years or older were randomly separated into 2 groups, a model development group and a validation group. Appendicular muscle mass was measured by DXA. The reference values of sarcopenia were 6.87 kg/m<sup>2</sup> and 5.46 kg/m<sup>2</sup>, and those of PSa were 7.77 kg/m<sup>2</sup> and 6.12 kg/m<sup>2</sup>. The subjects with sarcopenia and PSa aged 41 years or older were 1.7% and 28.8% in men and 2.7% and 20.7% in women. The whole body bone mineral density of PSa was significantly lower than in normal subjects. The handgrip strength of PSa was significantly lower than in normal subjects. Stepwise regression analysis indicated that the body mass index (BMI), waist circumference and age were independently associated with SMI in men; and BMI, handgrip strength and waist circumference were independently associated with SMI in women. The SMI prediction equations were applied to the validation group, and strong correlations were also observed between the DXA-measured and predicted SMI in men and women. This study proposed the reference values of sarcopenia in Japanese men and women. The prediction models of SMI using anthropometric measurement are valid for alternative DXA-measured SMI in Japanese adults.
著者
森 功次
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.45, no.21, pp.154-168, 2017-12
著者
鶴岡 森昭
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.307-312, 2005
参考文献数
3
被引用文献数
1

高校物理教科書に掲載されている物理学者60名について,高校物理の課程修了時における知名度を3段階の尺度で,異なる3校の普通科高校の生徒218名を対象に調査した。知名度の学校差の要因として,中学校理科や高校他科目での既習や,授業の進行における配列位置や,教師の解説が生徒に与える印象などが考えられる。本調査のような生徒の物理学者に対する知名度の知見は,物理に対する生徒の関心度・理解度を測る一手段として重要であり,教科指導改善の焦点を絞る上で有益であると思われる。
著者
藤森 三男 大内 章子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.51-70, 1996-06-25

短期間で経済発展を成し遂げた日本の企業経営は,これまで良くも悪くも様々に評価されてきた。しかし,その本質は変わっていないのではないだろうか。技術・制度などは万国共通であっても,社会・文化が異なれば,それらをつなぎ合わせる企業経営は,その社会(あるいは国)によって異なってくる。本論文では,日本においてウチ社会が巧みに企業経営に用いられてきたのだとする。ウチ社会とは,長期的なカシカリの関係が公平に成り立つ社会のことで,「ウチ」とは家・家族を意味する,「ソト」に対立する語である。ウチ社会の中では,人々の間のカシカリの関係が心理的・非金銭的なものを含めて長期的に公平に保たれている。そこで,江戸時代末期から昭和期までの代表的な例を挙げて以上のことを検証していく。
著者
山下 篤央 森井 秀樹 Atsuo YAMASHITA Hideki MORII 京都文教短期大学 京都文教短期大学 Kyoto Bunkyo Junior College Kyoto Bunkyo Junior College
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 = The Kenkyu kiyo (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.135-139, 2012-01-01

フィギュアスケーター13名(年齢11.6±1.66歳、競技歴5.30±2.98年)を対象に、Hip extension assessment により股関節伸展位での筋収縮パターンを評価した。その結果、11名に右側脊柱起立筋の過剰反応が認められた。しかしながら、競技歴と筋の過剰反応に高い相関は認められず、競技特有の技術を習得するための日々の反復練習が、筋収縮の過剰反応を発生させる原因となっていると考えられる。
著者
森 悦朗 山鳥 重
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.655-660, 1985-06-15

I.はじめに 物に触れるか,物を見ることで本人の意志とは無関係にそれを使用してしまうという奇妙な行動異常が1981年以降に相次いで報告された9,12,15,17,24)。我々は1981年第22回日本神経学会総会(熊本)においてそのような行動異常を示す例を報告し,「道具の強迫的使用」(compulsive mani—pulation of tools)と名付けた14,15)。患者は左前大脳動脈閉塞によって左前頭葉内側面と脳梁膝部に損傷を有し,右手の強い病的把握とともに,例えば患者の前にくしを置いた場合,患者の右手は意志に逆ってこれを取り上げ髪をといてしまう。道具の強迫的使用は右手のみに生じ,左手は患者の意志を表わして右手に持った道具をとりさろうとする。 また1981年Goldbergら9)はこれと全く同じであると思われる症例を報告し,右手に出現したalien hand sign (Bogen)4)であると解釈している。本邦では能登谷ら17),内山ら24)が各々1例ずつの報告を行っている。 これとは別に我々の報告した道具の強迫的使用と類似しているが,若干異なった行動異常も報告されている。Lapraneら12)は両側前頭葉内側面に損傷を持つ患者が,両手で強迫的に物を使用してしまう現象を記載しているし,Lehrmitte13)は前頭葉損傷を有する患者が,物を前に置かれると強迫的にではなく両手でそれを使用する現象を取り上げ,utilization behaviourと名付けている。 ここで我々は以前に報告した道具の強迫的使用を示す症例を再び示し,この現象に対する我々の考え方を述べ,類縁の現象についても整理を試みた。
著者
萩森 政頼 川上 茂 向 高弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.688-692, 2018 (Released:2018-07-01)
参考文献数
24

亜鉛は重要な生体機能に関与することから,その動態や機能が注目されており,特に近年,遊離亜鉛イオンに関して分子レベルからの解明が望まれている.蛍光イメージングは検出感度の高さと簡便さから有用な方法であり,これまでに様々検出原理に基づく亜鉛蛍光プローブが開発されている.本稿では,遊離亜鉛イオンの動態や機能の視覚的な解析を可能にする蛍光プローブの開発について,著者らの低分子量亜鉛蛍光プローブとともに紹介する.
著者
奥 敬一 深町 加津枝 森本 幸裕 奥 敬一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.587-592, 2000-03-30
被引用文献数
8 2

京都大学芦生演習林を訪れた48グループの一般利用者を対象として写真投影法による調査を行った。得られたテータから,現実の森林レクリエーション行動下において体験され,評価される森林景観を,視対象,視点,視距離,地形,構図などの複合的な要素からなる景観型として整理し,それらの操作可能性を論じるとともに,景観型と来訪者の利用形態との関係を検討した。その結果,林内散策行動の条件下で景観体験となりやすい景観のパターンが抽出された。また,レクリエーション利用者の環境に対する態度は,異なる複数のタイプとしてとらえられ,多様な景観体験を確保したレクリエーション地域計画の必要性が示唆された。
著者
森永 由紀
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

モンゴルの気候は大陸的で冬が厳しく、そこでは数千年にわたって遊牧が行われてきた。遊牧民は草と水を求めて家畜と共に移動し、同時に干ばつやゾド(厳しい冬の災害)から逃れるためにも移動する。彼らは厳しい気候下で生き残るために様々な環境学的伝統的知識を有する。たとえば、彼らは夏に比べて暖かい場所に冬のキャンプ地を定める。彼らは移動することに価値をおき、定住することを避ける、などである。本研究の目的は、遊牧民の移動に関連する遊牧の知識を検証することである。モンゴル北部の森林草原地帯であるボルガン県において、気象・生態学的調査を2008年より実施し、次のような結果が得られた。1)山の裾野にある冬のキャンプ地と盆地底にある夏のキャンプ地での1時間おきの気温の観測値から、冬のキャンプ地は冬季に出現する冷気湖の上部の斜面温暖帯に位置することが明らかになった。さらに、冬季の冬のキャンプ地の気象条件は夏のキャンプ地に比べると体感気温の面でも家畜にとって好ましいことがわかった。2)ヒツジとヤギの移動群れと固定群れの体重の季節変化の比較実験を行った。移動群れの体重は11月まで増加し続けたのに対して、固定群れの体重増加は9月で止まった。冬場の体重減少率は固定群れの方が大きかった。
著者
野澤 直樹 桑原 大樹 森島 繁生
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.525-526, 2015-03-17

本研究では監視カメラなどから得られる斜め向きの顔画像からの3次元形状復元手法を提案する.従来手法として動画を入力とするものが多く提案されているが,フレームレートの低いカメラの場合,顔の写ったフレームが非常に少ないため,動画を入力とする手法には適用限界がある.また画像一枚を入力とする手法は顔の特徴点情報を用いているが,斜めを向いた際に生じる特有の情報を活用しきれていなかった. そこで本研究では入力を単一の斜め向きの顔画像とする.その上で入力顔画像の顔特徴点と頬のシルエット情報,更に形状の顔らしさというものを考慮し,既存研究では課題の残る条件下での3次元顔形状復元を試みる.
著者
竹森 俊平
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.267-274, 2000-04

研究ノート序Greenwood=Jovanovicの理論モデル日本の経済不振と東アジアの経済危機ナスダックか? ダウ・ジョーンズか?結びにかえて : 日本経済の転換? 景気回復?
著者
藤田 雅博 森永 英一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.702-703, 2018-07-15

2017年11月1日,自律型エンターテイメントロボットaiboが発表された.世界発の家庭用エンターテイメントロボットAIBOの発表から約20年の時を経て,進化したコンピュータ性能,普及した常時接続可能な無線通信技術,インターネットやクラウド利用,センサや認識技術の進化などの環境が大きく異なり,新しい顧客体験提供が可能となった.さらに深層学習などを活用した最新の技術を搭載し,犬のような外観で愛らしさを強調したペット型ロボットとなった.今後もさらに進化可能なアーキテクチャであり,人とロボットの新しい関係を提案するものである.
著者
田中 志帆 森下 春枝 功刀 梢
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.149-162, 2017-03-01

The aim of the current study was to examine the effects of coping strategies and mother-child mealtime interaction on emotional eating. The sample consisted of 590 female junior college students. Participants completed a self-report to assess coping style (TAC-24), an emotional eating scale (EES), and a mother-child interaction in mealtime scale (MCIM). The results were as follows: (1) The image of mother as controlling and coercive during meal times, before the age of 18 was positive correlated with the coping style of buck-passing. (2) Cluster analysis revealed 5 subtypes on back ground of emotional eating, including BMI, the absence of the mother at mealtimes, and dissatisfaction with one's weight. (3) Cluster 2 (the greatest sensitivity to demands, a highly controlling and coercive mother during meals, the coping style is avoidance, and diverting reation) and cluster 4 (the image of mother as the most controlling and coercive during meals and the coping style is buck-passing) were related to emotional eating tendencies.本研究では、女子短大生を対象に、18歳以前の食事場面における母子相互作用の認識と、ストレスコーピングが、情緒的摂食行動(気晴らし食い)と関連があるのかどうか検討した。分析の結果、 情緒的摂食と女子青年の食事場面における支配・強制的な母親イメージ、一部のコーピング尺度と正の相関が認められた。続いてクラスター分析から、食卓における母親の不在傾向とBMIも含めた類型パターンの抽出を試みた。その結果、5つのクラスターを抽出し、第2クラスターと第4クラスターが、気晴らし食いに関連することが示唆された。第2クラスターは、BMIは平均的な値だが、食事場面での母親イメージが両価的で、責任転嫁と回避的な気晴らしコーピングをとるタイプであると推測された。第4クラスターは、食事場面での支配・強制的な母親イメージが最も高く、責任転嫁をする傾向があり、BMIが最も低いタイプであった。以上から、青年期の過食傾における回避型、責任転嫁型のコーピングと、食事場面での両価的な母親イメージの重要性が示唆された。
著者
シャーウッド[著] 森芳郎訳
出版者
丸善
巻号頁・発行日
1971
著者
落合 英二 池原 森男
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Pharmaceutical Bulletin (ISSN:03699471)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.454-458, 1955-12-20 (Released:2008-02-19)
被引用文献数
11 17

Isochinolin-N-oxyd (I) geht beim Erhitzen mit Essigsaureanhydrid in Isocarbostyril (II) uber. Die Reaktion von (I) mit Tosylchlorid begleitet eine andere Umlagerung. (I) gibt beim Erhitzen mit Tosylchlorid in Chloroform eine syrupose Masse, die sich beim Behandeln mit wenig Methanol kristallinisch erstarrt. Sie bildet beim Umkristallisieren aus Methanol Nadeln vom Schmp. 184∼185° (III), deren Analysenzahlen mit C16H13O3NS·C7H7O2ClS ubereinstimmen. Aus ihrer Mutterlauge wurde (II) isoliert. (III) entsteht dabei in uberwiegender Menge. (III) wandelt sich beim Behandeln mit verd. Soda-Losung in Wurfeln vom Schmp. 92∼93° um, von der Zusammensetzung C16H13O3NS (IV), welche als 4-Tosyloxyisochinolin identifiziert wurden. (III) entsteht in praktisch quautitativer Ausbeute, wenn man (IV) mit Tosylchlorid in chloroform erhitzt. Fur die Entstehung von (IV) bzw. (II) aus (I) schlagen die Verfasser eine anionotrope Umlagerung vor. (IV) gibt beim Erhitzen mit Schwefelsaure (38%) oder mit Natronlauge (20%) 4-Oxyisochinolin (V) neben einer kleinen Menge von (II). (V) gibt bei der katalytischen Reduktion mit Platinoxyd in Eisessiglosung 4-Oxy-Bz-tetrahydroisochinolin mit ca. 75% iger Ausbeute.