著者
柿崎 竹彦 横山 裕貴子 夏堀 雅宏 唐沢 梓 久保 聡 山田 直明 伊藤 伸彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.361-365, 2006-04-25

犬における血漿中プロベネシドの測定と共にその血漿蛋白結合特性および薬物動態学的パラメータを求めた.血漿中プロベネシド濃度はHPLCによって良好な直線性および添加回収率が示され,血漿試料の定量限界はS/N比3として約50ng/mlまで塩酸とメタノールによる簡便な試料処理によって測定された.プロベネシドは犬血漿蛋白と高親和性低結合容量および低親和性高結合容量の2相性の結合特性を示し,この結果より犬血漿中ではその後in vivoで観察された濃度範囲(<80μg/ml)で80〜88%のプロベネシドが血漿蛋白との結合型で存在することが示された.プロベネシド(20mg/kg)静脈内投与後の血漿中消失プロフィールより,2コンパートメントモデルがもっともよく適用され,その血漿クリアランスは0.34±0.04ml/min/kg,定常状態の分布容積は0.46±0.07l/kg,消失相の半減期は18±6hr,平均滞留時間(MRT)は23±6hrであった.プロベネシドは酸性薬物に対する腎尿細管での強力な能動分泌阻害薬であることと,その血漿蛋白結合率が高いために,血漿蛋白結合および薬物動態に関する著者らの知見は,本薬物による犬や他の動物種における薬物相互作用の基礎的情報を提供すると考えられる.
著者
源河 直也 横山 節雄 中村 直人 山田 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.55, pp.21-26, 1995-05-20
被引用文献数
2

前回,東京学芸大学における教育環境とそれら資源を活用するための情報教育の必要性について述べた.それに基づき,筆者等は,WWWとそのブラウザーであるMosaicを用いた教材を開発したことについても述べた.本報告では,前回報告を行わなかった東京学芸大学教育情報科専攻のカリキュラム構成について述べ,次に,カリキュラムの導入段階の考え方について述べる.最後に,電子教科書を用いた情報科学概論と演習の構成を紹介する.
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.259-260, 1997-03-12

人間は複雑系に対応して生きて来た。今回, 問題にする楽曲パタン系も, 典型的な複雑系と思われる。楽曲パタン系を扱うのに, 我々は, 数理伝送の立場から, 正規化系という, 射影関係から, その問題に対応しつつある。一般に, 複雑系といった場合, それが全てにかかわる為, その中核となる, 又は, 基礎となる分野とは, そして, その複雑性を減少させる方法とは, ということを考えたい。音楽的系は, 伝子工学系 (一般化された線路・回路伝送工学) の立場からしても, 他の全ての分野の問題系の, 重要な基礎系である。その楽曲パタン系を正規化系としてゆくのも, その複雑性の減少の試みでもある。通常の科学哲学を背景に, 少し前から, ガイア, ファジー, 痛覚, カタストロフ, フラクタル等のいわゆるニューサイエンスの系列上に, フラクタル, カオスがあリ, 一方, 物理系でも, DNA, 人間原理, 超弦理論等と流行し, 今回の複雑系は, これ等を背景に, 最近, 脚光をあひているものである。我々は, 生物的, 意識・行動的機能, に対応する人工的シスてム, について考えを進めている。今回は, その基礎系として, 楽曲パタン系の問題の, 複雑系としての軽減の試みをする。
著者
横山 俊夫 濱田 正美 平田 由美 麥谷 邦夫
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1984

1)節用集は、15世紀の日本に生まれた和漢対照辞書であるが、このジャンルは、17世紀末の出版文化の興隆を経て、日用百科事典にまで拡充発展する。この種の大冊の節用集を「大全型節用集」として一括し、その体制安定化・文明化機能について初の学際研究が試みられた。2)大全型節用集の記述内容は、漢語指南、天文・歴史・地理指南、各種人占、命名法、方位・日柄禁忌指南など多岐にわたるが、いずれも文明化の基本としての礼法の構成要素であることを分析し、前近代日本社会の理解には、未開拓ながら必須の研究分野であることが発見された。3)その文明化機能の実態を明らかにするため、畿内を中心に所蔵家訪問調査を行ない、その結果、【○!1】この出版物が各戸で準聖典扱いをうけていたこと、【○!2】その影響力の分析には、各冊の地(けした)の奥より部分に出る条痕のパターンに注目すべきことが発見された。4)この地奥条痕の計量化分析法として、ドラムスキャナとコンピューターを駆使する技術が開発されるに至った。5)大全型節用集の使用態様データの分析は、まだ緒についたばかりであるが、18、19世紀の日本社会の都市部、農村部、街道筋に存在した、陰陽道とのかかわりの深い幾種類かの生活形態が明らかにされようとしている。6)本研究が開発した方法論は、他国の同種出版物の研究にも汎用可能であることが、各種学会発表を通じて明らかにされた。
著者
小島 一允 樫原 茂 横山 輝明 奥田 剛 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.140-149, 2009-01-01

ユビキタス環境では,ユーザのコンテクストに応じた有用な情報やサービスを提供することが求められている.コンテクストはユーザの周囲の情報から構成される.現在,無線センサネットワークを用いることで,そうしたコンテクストを構成するセンシングデータを収集することが可能である.しかし,現在の無線センサーネットワークでは,収集したセンシングデータとユーザの対応関係を明らかにするために,追加の位置検知機構が必要とな乱本論文では,WSN上で追加の位置検知機構を必要とせずに,ユーザの周囲のセンシングデータを取得する手法を提案する.提案手法では,ユーザとともに移動する端末が最近傍のセンサノードを検知し,そこからユーザの周囲のセンシングデータを直接取得する方法を提案する.また,ZigBeeセンサノード上に本提案手法を実装し,そのプロトタイプを用いて実環境において有効性の評価を行う.
著者
横山 裕 伊藤 仁洋 高橋 宏樹 小野 英哲
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.516, pp.37-44, 1999
被引用文献数
2 1

The purpose of this study is to present the lower criterion of C.S.R not to slip at the landing when people step on the slippery surface without the knowledge of the slipperiness changing. In this paper, first, it was made clear that the most dangerous motion was fast walking at the speed of one-point-two-two times the height per second. So, fast walking and walking at natural speed were selected as motions to be investigated. Secondly, from the investigation of the load applied to the floor while these motions, the load to be simulated by "Landing Slip Meter" was established.
著者
中澤 仁 由良 淳一 岩本 健嗣 横山 浩之 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.399, pp.149-154, 2009-01-15

無線センサノードを,ユビキタスサービスにおける様々な用途に広く利用するためには,多くの無線センサノードと協調的に動作しながら情報を交換する機能を,人々がいつも持ち歩いている携帯デバイスにおいて動作させることが重要である.本稿では,携帯電話上でユビキタスセンサネットワークアプリケーションを動作可能とするための技術として開発した,(1)センサ情報トランシーバ,(2)センサ情報収集ソフトウエア,および(3)Zigbee環境情報センサについて報告する.利用者は,センサ情報レシーバを携帯電話に装着し,所望のアプリケーションをダウンロード,インストールするだけで,周囲の無線センサノードを利用したユビキタスサービスを享受できる.従って本技術は,今後のセンサネットワークならびにユビキタスサービスの普及に資するものである.
著者
牧迫 飛雄馬 古名 丈人 島田 裕之 赤沼 智美 吉田 裕人 井平 光 横山 香理 鈴木 隆雄
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-33, 2011-02-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

【目的】75歳以上の高齢者における新規要介護認定の発生に対する歩行能力の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】要介護認定を受けていない75歳以上の地域在住高齢者190名を対象とした。ベースライン調査として5m歩行時間(通常速度)を測定し,以降39ヵ月間の要介護認定発生状況との関連を調べた。【結果】39ヵ月間で34名(17.9%)が新規に要介護認定を受けた。5m歩行時間を男女別に4分位で速い群から遅い群のⅠ〜Ⅳ群に分類し,要介護発生率曲線の差をLog-rank検定にて検討した結果,5m歩行時間が遅いⅣ群(男性5.2秒以上,女性5.8秒以上)では,それ以上に速い歩行速度を有する群(Ⅰ〜Ⅲ群)と比べて有意に高い要介護認定発生率を認めた(p < 0.01)。Cox回帰分析の結果,新規要介護の発生と有意な関連を認めた変数は,BMIと5m歩行時間(秒)であり,5m歩行時間のハザード比は1.65(p < 0.01)であった。【考察と結論】地域在住後期高齢者の歩行速度は,将来の要介護認定発生に影響を与える要因のひとつであることが確認された。
著者
横山 利夫 胡内 健一 新谷 幸太郎
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.88-96, 2023-10-31 (Released:2023-10-31)
参考文献数
15

本稿では、最初に日本における自動運転技術を搭載したモビリティの実用化状況を紹介する。続いてRoAD to the L4プロジェクトの目標、推進体制、個別テーマ1からテーマ4の具体的な取組内容を紹介する。また、これらの取り組みから得られた知見や経験を基に、さまざまな地域で取り組みが実施されているAD MaaS社会実装事業(Automated Driving Mobility as a Service)の支援に関する取組状況を紹介する。国外の取組状況に関する調査結果を紹介した後、今後の計画について説明する。
著者
山口 智太郎 横山 庫一郎 篠原 典夫 近藤 正一 真島 龍興 犀川 勲 馬渡 太郎 吉本 栄治 浦上 泰成 桑野 隆史
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.1131-1134, 1995 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5

Ten cases of aneurysmal bone custs were evaluated in regard to sex, age, site, symptoms, localisation, radiographic features, and histological appearance. We performed curettage and bone graft in 8 cases, curettage followed by hydroxyapatite packing in 1 case and wide resection followed by methacrylate packing in 1 case.Recurrences occurred in 4 cases, always within two years after surgery. Two cases were healed after their second operation. But recurrences were found several times in the other 2 cases. All cases were eventually cured and there was no evidence of malignant transformation.
著者
岩本 直弥 新谷 哲也 芝崎 麗央 夏池 真史 山田 雄一郎 横山 勝英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1159-I_1164, 2018 (Released:2018-11-10)
参考文献数
9

気仙沼湾を対象として,貝毒原因プランクトンAlexandrium tamarenseの分布と流動の関係を,現地観測と三次元流動シミュレーションから検討した.2013年はA. tamarenseが気仙沼港の奥部で発生して大島瀬戸へ移流したと推測された.2014年の計数データからA. tamarenseの移動指数を作成し,大島瀬戸における平均流速との関係を調べたところ,正の相関が認められた.以上から,A. tamarenseは1週間程度かけて湾奥から湾内全域に拡散すると推測された.三次元流動シミュレーションにより,中立浮遊粒子を気仙沼港奥部の底層に配置して,その挙動を調べた.粒子は気仙沼港内で鉛直循環流により表層に巻き上げられてから南部に移流し,2日後には西湾を下るものが33 %,大島瀬戸へ移動するものが12 %になった.渦鞭毛藻類の日周鉛直移動を考慮することで,移動メカニズムを把握できる可能性が示唆された.
著者
横山 昌幸
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.615-622, 2006 (Released:2007-03-30)
参考文献数
29

2000年にナノテクノロジーの振興が提唱される以前から, DDSではナノサイズのキャリアが当然のごとく使用されてきた. それは, 1990年代までにナノサイズを用いる意義がDDSで深く認識されてきたことと, ナノサイズのキャリアを作製する技術が得られていたことによる.本稿では, 薬物キャリアがナノサイズである意義と, キャリアの投与経路, そしてキャリアの形態を分類して説明する. 最後の章では, 各キャリア形態の最近の発展を概観するとともに, 関連したトピック (ナノメディスンと分子イメージング) についてまとめる.