著者
谷口 郁雄 田中 英和
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

聴覚中枢損傷後の機能的な回復に関する基礎的な情報を得ることを目的として、脳の中でも再生した神経線維が再びシナップスを形成するかどうか、もしシナップスが再形成された場合には、その機能的性質は正常なシナップスと比べてどのような違いがあるのかという点について、マウスの下丘交連を矢状断し、その後の神経線維の再生の現象を利用して形態学的および生理学的な方法により検討した。その結果、次のことが明らかとなった。(1)金属およびガラス電極を用いた微小電極法による実験から、切断された交連線維は再生し、タ-ゲットである下丘で再びシナップスを形成することが確認され、再形成されたシナップスの機能的性質については、音刺激に対する応答を抑制するものが主で、加算的なものも少数認められた。(2)抑制性シナップスが認められることは再生した交連線維が下丘に対して抑制性の介在ニュ-ロンにも結合することを示している。(3)再形成されたシナップスは正常群と比べると下丘の比較的表層に分布する。(4)再生した下丘交連の神経細胞をペロキシダ-ゼでラベルすると、正常群に比べて軸索の走行はかなり乱れていた。(5)以上の結果は下丘において再形成されたニュ-ロン・ネットワ-クが多様であることを示唆する。シナップスの機能に関しては正常群と比べて大きな違いは統計学的にはないと思われるが、再生した軸索は走行が乱れるので、下丘のシステムとしての機能には微妙な変化が起こっていると考えられる。
著者
大田 広徳 百川 裕希 河野 英一 恒益 喜美男 田中 靖則
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.519-522, 2001-09-01
参考文献数
1
被引用文献数
1

The requirement of high-density packaging has becoming strongly in the portable electronic products with progressing for miniature, lightweight, high speed, and high function. The use of the miniature semiconductor package, such as Chip Size Package, has been growing very rapidly. The portable products are subjected to mechanical stress as it is pressed keypad and it is dropped. Therefore mechanical reliability is very important in the portable products. Then, we have performed with the repeatedly bending test of the CSP mounted on the circuit board. As a result, the first failures occurred in the CSP's corner pads. And the correlation between the life cycle times and the destruction mode was made clear. It was found out that a exfoliation between solder and PWB's pad, and a broken wire of PWB were occurred earlier than the solder crack in case of comparing Sn-Ag-Cu solder with Sn-Pb eutectic solder. It was found out that the life cycle of the Sn-Ag-Cu solder was better than that of the Sn-Pb eutectic solder.
著者
佐伯 誠道 小柳 卓 田中 義一郎 富川 昭男
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.120-123, 1964-06
被引用文献数
1

Mesurements were made on the ^<90>Sr content in human bone samples from subjects who died during the period from 1961 to October 1963 in Japan. The most remarkable accumulation of ^<90>Sr in human bone was found in 0-4 year age group. Considerable increases with time in the S. U. (^<90>Sr pc/g Ca) value was also found in this group.
著者
田中 牧郎 岡島 昭浩 岡部 嘉幸 小木曽 智信 近藤 明日子
出版者
独立行政法人国立国語研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

明治後期から大正期にかけて進んだ「言文一致」という出来事について,コーパスを活用して,精密かつ見通しよく記述することを通して,コーパス言語学の方法を日本語史研究に適用することを目指した。言文一致にかかわる言語現象のうち,コーパスを活用して記述することで,新たな日本語史研究の視野が拓けると想定されるものとして,語彙体系の変化,待遇表現構造の変化,テンス表現の変化の三つを取り上げて,『太陽コーパス』(言文一致期にもっともよく読まれた総合雑誌を対象とするコーパス)を用いた分析を行い,その成果を発表した。語彙体系については,動詞を例に,言文一致期に定着する語と衰退する語とを対比的に分析した。また,待遇表現構造については,二人称代名詞を例に,会話の文体や,話し手と聞き手の階層や性別の観点から分析した。さらに,テンス表現については,口語助動詞「テイル」「テアル」が定着する用法と,文語助動詞「タリ」が残存する用法とが相補関係にあることなどを解明した。いずれの研究においても,コーパスを用いることによって,共起語,出現文脈,出現領域などを定量的に考察することができ,共時的な構造分析の方向にも,通時的な動態分析の方向にも,新しい展開を図ることができた。コーパスを使わない従来型の研究では実現不可能だった,精密で見通しのよい記述を達成することができ,コーパスを日本語史研究に導入する意義を具体的に確かめることができた。また,コーパス分析ツールとして,XML文書へのタグ埋め込みプログラム『たんぽぽタガー』を開発し,使用説明書とともにweb上で公開した。このツールの公開は,コーパス言語学による日本語史研究の利便性を高める効果が期待できる。
著者
森野 勝好 田中 裕二 岡野内 正 佐藤 誠 西口 清勝 米倉 昭夫 西沢 信善 田口 信夫 川原 紀美雄
出版者
立命館大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

本研究においては途上国経済論を専攻する研究者集団が共同して地域研究とテーマ別研究とを行い、その研究成果を統合する中で、本研究が掲げている研究課題に接近するという方法を採っている。本年度は、次の二つの研究を行なった。ひとつは、AALA途上諸国の飢餓・貧困・環境破壊の原因と因果関係を解明することに取り組んだ。そのために、アジア(フィリピン、ミュンマー)、中東、サハラ以南のアフリカ(南アフリカ)およびラテン・アメリカ(ブラジル)の国際比較研究をおこなった。他のひとつは、1990年代から21世紀にかけて日本が、AALA途上諸国が現在直面している飢餓・貧困・環境破壊という深刻な諸問題を解決する上で、果たしうる役割をODAを中心に考察した。昨年度の研究成果と今年度の研究成果を集め、本研究の取り纏めを行なった。その結果、途上国経済論の理論的研究((1)研究方法、(2)開発経済学の新動向、(3)多国籍企業と途上国、(4)一次産品問題と国際価値論、(5)国際援助政策論-日本のODAを中心にして)と現状分析((6)韓国-財閥の形成と展開、(7)フィリピン-債務危機と貧困、(8)ミャンマー-市場経済化への苦悩、(9)中東-都市化と人口移動、(10)ブラジル-従属的発展と環境破壊、(11)南アフリカ-インフォーマル・セクターの展開)とを有機的に結合した新たな研究成果を挙げることができた。なお、この研究成果は、森野勝好・西口清勝編『発展途上国経済論』(ミネルヴァ書房)として、1994年6月に刊行される予定である。
著者
永田 弘治 菅原 努 田中 富蔵
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.163-166, 1972-09
被引用文献数
1 31

A new sulfhydryl compound, 2-mercaptopropionylglycine, which is commercially available in Japan as a detoxicating agent, has been shown to be protective in mice against lethal doses of ionizing radiation at a very low dose of 20 mg/kg, far below its toxic dose of more than 2,000 mg/kg. The drug has an optimum dose for protection, 20 mg/kg, and its protection continues more than 3 hours, though with a less extent after 1 hour than within 1 hour. The results suggest a clue on the mechanism of sulfhydryl radioprotectors and give promise of clinical application.
著者
森 芳樹 吉本 啓 稲葉 治朗 小林 昌博 田中 慎 吉田 光演 沼田 善子 稲葉 治朗 小林 昌博 高橋 亮介 田中 愼 沼田 善子 吉田 光演 中村 裕昭
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

文法理論の拡張にあたって実用論を援用しようとする試みは少なくない。本プロジェクトでは意味論を諸インターフェイスの中心に据えて、コンテクストと文法の相互関係についての研究を進めた。記述上の対象領域としては情報構造とアスペクト, 時制, モダリティー(ATM)を選択し、一方では, パージングを基盤に置いた構文解析を言語運用の分析と見なすDynamic Syntax(DS)の統語理論的な可能性を検討した。他方では、形式意味論・実用論と認知意味論・実用論の双方の成果を取り入れながらテクスト・ディスコースとコンテクストの分析を進めた。 なお本プロジェクト期間中に、当研究グループから4本の博士論文が提出された。
著者
田中 義郎
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

K_12の教育改革はアメリカが如何に子どもを教育するのかを反映している。しかし、こうした改革の努力が、既存の大学入試や入試政策とのギャップをむしろ広げ、高校での大学進学準備を不適切なものにしていると指摘され、問題点が三つ挙げられている。(1)高校での大学進学準備に関して、生徒のアセスメントのための客観的な評価尺度が欠けている、(2)高校生が行う大学教育の準備と大学入試や入試政策の基準に不整合がある。(3)高校教育改革の中で、大学教育への準備は重用視されていない。こうした状況が、大学への進学を希望する高校生や高校に、混交した情報と方向づけを与え、K_12における数多くの教育改革の努力の最終的な効果を疑問視させるに至ったとされる。整合性に加えて、大学教育は大学卒業率の低下とフレッシュマン(大学1年生)のリメディアル率の上昇を憂慮している。高校で良く準備されて大学に入学してくる学生たちは、こうした問題を抱えずにすんでおり、良好な大学生活を送っている。我が国の場合、高校教育の再検討というよりも、高校での十分な学習ができていないままに大学に入学してくる学生のリメディアル教育の仕組みをどう作るかといった議論が中心であり、大学教育と高校教育との接続において、大学進学を準備するために高校教育を如何に見直すかといった議論が不足していることが再確認された。ユニバーサル時代とは、誰もが大学教育にアクセスできる時代であり、大学はそうした時代に対応すると同時に、その時代を担うという大学の使命を全うするために、内容そのもののユニバーサル化ではなく、そこへのアクセスのユニバーサル化を可能にする努力が大学と高校の間に作られてきていることが確認された。本研究を通じて、社会に出る準備をする期間が大学にまで延長されたという現実とそれを支えるシステムの構築(入学試験と前後の教育の有り様)を如何に準備するかがより鮮明となった。
著者
田中 創 山崎 博司 寺地 誠喜 瀬川 大資 角田 敏一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.71, no.702, pp.690-695, 2005-02-25
参考文献数
10
被引用文献数
3

An experimental study has been carried out to reveal the statistical characteristics for the onset of micro-explosion of an emulsion droplet burning on a hot surface. Detail measurements of the waiting time for the onset of micro-explosion are made for various properties of base fuel, water contents and surface temperatures. The Weibull analysis is applied to obtain the distribution function of the waiting time for the onset of micro-explosion and to derive the empirical formula for the rate of micro-explosion as a function of water volume and emulsion temperature. The base fuels employed are n-decane, n-dodecane, n-tetradecane and n-hexadecane. The results show that the waiting time is correlated well with the Weibull distribution of the wear-out type. The mean waiting time decreases with an increase in the boiling point of base fuel, water content and surface temperature. An empirical formula is proposed for the rate of micro-explosion as a function of water volume and emulsion temperature.
著者
大本 英徹 岸 三樹夫 中城 一 田中 大資 三谷 宗玄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.61, pp.381-386, 1999-07-21
参考文献数
9
被引用文献数
2

阪神・淡路大震災では,都市直下型地震の恐怖と同時に,災害時に対応した情報交換提供システムの欠如が露呈され,各種の救援活動に必要な情報の不足や錯綜が起こる事態となった.本論文では,ともすれば忘れられがちな震災時の経験に立ち戻り,災害情報システムとして何が必要であったのか,また足りなかったのかという問題点を論じる.また,我々は避難所における被災市民の日常生活を支援することを目標とする災害情報システムOnigiriを開発してきており,その設計において考慮した背景と設計目標,現在の実装に関する概略,及びシステムの今後の問題点などについて述べる.Hanshin-Awaji Great Earthquake mede us be aware of lack of fully equipped information systems against large scale urban disasters in our society, the information for the rescue activity was very shortage and confused. In this paper, we discuss what were incomplete and need in the information system for disasters. Based on these discussion, We have been developing Onigiri, an information sharing system for disasters to support daily life of sufferers. The outline of background, aim and current implementation of our Onigiriare also described.
著者
出口 寛文 中山 康 田中 孝生 北浦 泰 河村 慧四郎
出版者
大阪医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

【I】.ヒト心筋症心筋炎の研究:11例の拡張型心筋症患者の生検心筋insituではLeu【1^+】のT細胞の浸潤を認める。T細胞サブセットの中、Leu【2a^+】のCytotoxic/suppressonT細胞(Tc/s)は8.7±3.5%,Leu【3^+】のHelper/inducer T細胞(Th/i)は5.5±3.6%であり、T4/T8比は0.7±0.6であった。またT4/T8比は11例中9例で1以下を示した。一方、4例の特発性心筋炎ではLeu【2a^+】,Leu【3^+】のリンパ球浸潤の程度は様々であり、T4/T8比は0.1〜2.5と一定の傾向を示さなかった。症例中にはLeu7のNK細胞の浸潤の多いものもみられた。心筋生検組織像とリンパ球浸潤の程度との対比:拡張型心筋症患者の生検心筋光顕像を筋原線維の疎少化,心筋細胞の錯綜配列核の変化,線維化について0〜4+のスコアで半定量化して、各症例のリンパ球浸潤の程度との相関を求めたが、有意な結果は得られなかった。NYHAの心機能分類と単核細胞浸潤の程度を対比するとNYHAの【III】〜【IV】群は【I】〜【II】群に比して単核細胞浸潤が多い傾向を示した(P<0.1)。【II】.マウスの実験的Coxsackie B3 visus性心筋炎:ウイルス接種第5日より細胞浸潤が出現し、第9日で最も広範囲であった。T細胞は第9日,14日,3カ月,12カ月では各々90±29,113±22,16±3,6±1/0.2【mm^2】,Lyt【1^+】のTh/iは79±23,101±19,14±4,6±2,Lyt【2^+】のTc/sは15±3,12±4,4±1,2±1であった。Lyt1/Lyt2(T4/T8比と相同)は第14日で最も高く、9.1±3.6を示し、概して高値であった。ウイルス性心筋炎ではリンパ球数の上からはTh/i細胞が優位であった。免疫電顕ではLyt【2^+】のリンパ球が心筋細胞の筋鞘に付着し、心筋細胞をin vivoで傷害していると考えられる像が観察された。また、Lyt【1^+】のリンパ球がマクロファージと接合する所見もみられ、helper T細胞の活性化に関係する像と考えられた。以上のごとく、心筋症心筋炎の心筋in situではリンパ球による細胞性免疫機構が極めて重要な役割をはたしていることが明らかとなった。
著者
田中 聡
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究はバーチャルリアリティ(VR)技術を利用し仮想環境内で運動療法を行い,健康心理学的にその影響を検討することである。VR運動療法とは,テニスや卓球,スノーボード,空手(瓦割り)時の各動作を利用し,スクリーンに映し出される仮想のスポーツ場面に対して身体運動を行うものである。対象は健常大学生30名(平均年齢22歳)と高齢者10名(平均年齢81歳)とした。大学生群は「VR卓球を用いたラケットスイングを行う上肢運動」と「単調な肩関節の反復運動」(両運動の関節運動方向と可動域は近似)時のPOMS(profile of mood states)及びストレスの定量評価として唾液アミラーゼ活性値測定と心拍数変動(R-R間隔)を計測した。高齢者群はVRスポーツを3ケ月間(1ケ月平均12回施行)行い,改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R),抑うつ、不安評価としてHADS(Hospital anxiety and depression scale),気分評価としてPOMSを測定し,加えて身体機能として筋力,立位バランス,重心動揺,歩行能力を計測した。その結果,大学生群では唾液アミラーゼ活性値は両運動とも有意な変化を示さなかった。R-R間隔変動では,反復運動時交感神経系の活動が有意となり心理的ストレスを与えている可能性が示唆されたが,VR卓球では自律神経活動の大きな変化は示さなかった。POMSではVR卓球を行った場合に正の気分が高く,負の気分が低い傾向を示し,VR環境下での運動はストレス発生を抑制できる可能性が示唆された。高齢者を対象にした16週間のVR運動療法の影響は,身体機能には大きな変化は認めなかったが,抑うつ感や不安感は平均点が改善しHDS-Rスコアは有意に改善した。VRを用いた運動療法はアミューズメント性を有し,かつ不安感や抑うつ感,軽度の認知症の改善に働きかける可能性が示唆された。
著者
白坂 昭子 宮本 詢子 水谷 澄 和田 芳武 田中 生男 宮崎 光男 今中 健一 平社 俊之助
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.210-212, 1971
被引用文献数
2 1

東京都町田市本町田公団住宅においてコナダニ類の防除実験を行なつた.防除方法は殺虫剤浸漬防虫紙を畳床下表面および上面化粧ばえ下に計2枚全面に縫込んだものを用いたものである.実験期間は1970年5月11日に畳床に防虫紙を縫込み, 6月13日住宅に敷込み以後約1カ月間コナダニの発生状況を観察した.この結果, 実験終了時(防虫紙処理2カ月後)の無処理畳のコナダニ数と比較した防除率は0.37% dieldrin (100ml/m^2)処理紙では95〜100%, 0.5% fenthion処理紙は99〜100%, 1.0% fenitrothion処理紙はほぼ100%であり極めて高い効果が示された.またマイクロ波による誘電加熱処理を行なつた畳では95〜99%の防除率であつた.
著者
近藤 ふさえ 中島 亨 鈴木 麻美 田中 伸一郎 田中 利明 下山 達宏 半田 桂子 浅間 泉 古賀 良彦 石田 均
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.435-443, 2006-09-01

本研究は、T2DMを対象に携帯型身体活動測定器(以後Actigraphと略す)を用いて測定した。睡眠時活動量とPittsburgh睡眠調査票(PSQI)、起床時睡眠調査票AM版(OSA)、およびHbA_<1c> を分析した。その結果、T2DMでは高齢者よりも非活動期(睡眠期)時の活動量(mG)が多く、入眠時の活動と中途覚醒による活動が推察された。HbA_<1c>が高いほどGlobal scoreは高くなる傾向はあるが、有意な差は認めなかった(r=0.30, p=0.304)。また、OSAでは「I起床時眠気」「II入眠と睡眠時間」で平均より低かった。T2DMは「眠れない」と自覚する以前に睡眠障害が出現している可能性が示唆された。
著者
西嶋 尚彦 鈴木 宏哉 大塚 慶輔 田中 秀典 中野 貴博 高橋 信二 田渕 裕崇 山田 庸 加賀谷 淳子 福永 哲夫 久野 譜也 松田 光生
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.213-224, 2003-08-01
参考文献数
37
被引用文献数
3 2

The purpose of this study was to confirm the causal structure model of muscle, motor and living functions utilizing structural equation modeling (SEM). As subjects, 103 community-dwelling older men and women, aged 65.7±6.9 years of age, participated in the study to measure muscle cross-sectional area, maximum voluntary contractions, muscle power, 4 physical performance tests, and 16 questionnaires regarding ability of activities of daily living. The causal structure model of muscle, motor and living functions was hypothesized to be a hierarchical causal structure. The causal structure model of muscle function was hypothesized to be a hierarchical causal structure consisting of 3 sub-domains of muscle mass, muscle strength, and muscle power. Data analysis procedures were as follows : a) testing of construct validity of muscle function variables using confirmatory factor analysis (CFA) in SEM ; b) testing of causal structure using SEM ; c) testing of factor invariance using multi-group analysis for gender. The highest goodness of fit indices was obtained in the causal structure model of muscle, motor and living functions (NFI=.928, CFI=.978, RMSEA =.061). The causal coefficient of muscle function to motor function was. 98 (p<.05), followed by .34 for motor function to living function. From the results of multi-group analysis, the measurement invariance model indicated the highest goodness of fit indices (TLI=.968, CFI=.977). It was concluded that the hierarchical causal relation was among muscle, motor and living functions, and in which muscle function was consisted of 3 sub-domains.