著者
野村 理朗 近藤 洋史 柏野 牧夫
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.40-40, 2007

衝動性の特徴は、即時的な報酬をもとめ中長期的なリスクを犯してしまうことと、行動の制御が不十分であることの二つに大別される。本研究では、後者のメカニズムに焦点をあて、Go/Nogo課題において衝動性の指標となる反応遂行エラー(commission error)、課題遂行時の脳活動、さらにはセロトニン2A受容体遺伝子多型性を指標とし、行動の制御プロセスにかかわる機能的連関について検証した。実験の結果、同遺伝子多型のサブタイプであるAA接合型をもつ被験者の誤答数が他タイプのものと比較して多いこと、さらにはfMRIにより、同タイプにおける前頭前野腹外側部の過活性化が確認された。その一方で、脳内報酬系の回路に存在する視床下部、線条体などの諸領域におけるタイプ間の差異は見出されず、以上のことから衝動的行動は、報酬への感受性、すなわち脳内報酬系の機能不全に起因するものではなく、抑制系統の問題によって生じうるという可能性が示唆された。
著者
野村浩毅 桑原明栄子 佐々木和郎
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.385-386, 2012-03-06

遊戯療法の一つである箱庭療法は、人間の深層心理を探るために重要な両方であるが、一般に行うためには機材を買い揃えるコストがかかってしまうため、容易に行うことが難しい。本研究では粒子ベースの箱庭療法シミュレーションによって、コンピュータ上で容易に箱庭療法を体験できることを目標とする。
著者
野村 知子
出版者
西日本図書館学会大分県支部
雑誌
JUNTO CLUB (ISSN:18827004)
巻号頁・発行日
no.4, pp.15-26, 2002-03 (Released:2008-06-03)
著者
野村 秀明 柳田 潤一郎 上野 理恵 井村 聡子 小野 一男 酒井 ひろ子 木村 憲司 Shiba Kumar RAI Hideaki NOMURA Junichiro YANAGIDA Rie UENO Satoko IMURA Kazuo ONO Hiroko SAKAI Kenji KIMURA Shiba Kumar RAI 神戸常盤大学保健科学部医療検査科(教育イノベーション機構) 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科 神戸常盤大学保健科学部看護学科 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科(元) 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科非常勤 森ノ宮医療大学 神戸大学医学部保健学科 ネパール医科大学 微生物学 /
出版者
神戸常盤大学 ; 2009-
雑誌
神戸常盤大学紀要 = Bulletin of Kobe Tokiwa University (ISSN:21884781)
巻号頁・発行日
no.8, pp.77-84, 2015-03-31

【目的】世界辺境地区の一つであるネパール山間地方の住民の摂取栄養と健康状態について解析した。【方法】神戸常盤大学を中心に共同調査プロジェクト(JICA 草の根事業)を編成し、ネパールデタール村でのフィールドワークを行った。住民208名(年齢5~82歳、男女比82:126)の健康調査を施行し、身体計測とBIA法を用いた体構成成分測定、および血液検査(TP、Albumin、GPT、BUN、Ca)を行った。また住民の内科診療を行い、下痢などの消化管疾患の有無を調査した。さらに、一般家庭における日々の食事内容をデジタルカメラに撮影し、摂取熱量、摂取栄養素を計測すると同時に、村の採水所30ヵ所での飲水を含めた生活用水の細菌学的検査を行った。【結果】身体計測上、BMI<18.5の比率が50%を超え、12歳以下の子供では80%近くに及んだ。体構成成分測定では、特に子供で体内脂肪、筋肉量の減少と、体内水分量の増加が見られた。また一見肥満体系であっても、栄養障害による浮腫や、筋肉量の減少による下腹部の突出(クワシオルコル)を示す症例も、12歳以下の子供で見られた。血液検査は、血清総タンパク、アルブミンの低下以外は、ほぼ正常値内であった。食事は、ネパール特有のダル・バート・タルカリという炭水化物が中心の料理で、摂取栄養素の80%を占めた。1日2食が標準である現地人の平均摂取熱量は800~1000kcal程度と推計された。飲料水の細菌学的検査では、大腸菌、及び大腸菌群が80~100%の頻度で検出された。【結論】未だカースト制度の現存するネパールの山間地方における栄養状態と衛生環境は劣悪であったが、これは過去に先進国が経た道であり、自らの事として手を差しのべる必要があると考えられた。The research team jointed with Kobe Tokiwa University, Kobe University, and Nepal Medical College has been organized to implement the fieldwork at Dithal Village in Nepalese mountainous area for JICA Kusanone Project. In the fieldwork, the nutritional and health state of 208 village inhabitants (5 to 82 years old : 82 of male and 126 of female) were investigated, and their daily dietary foods were analyzed intake of calories and nutrients. The state of hygiene was also studied including of checking the contamination of drinking water microbiologically. The results showed that the high presence of over 50% of thinness, which is defined as less than 18.5 of BMI, was estimated in all age-groups, however among the age group under 12 years, the rate was much higher up to 75~80%. In body component analysis, the decreased fat and muscle volume and increased body water volume were manifested in children. Some of the children showed the distended abdomen, which is the typical sign of Kwashiorkor type malnutrition. The average calorie intake of daily diet was estimated about 800~1000kcal, and the content of it was 80% of carbohydrate, 10% each of fat and protein. The contaminations of Coliform bacilli and E. coli could be detected 80 to 100% of drinking water at 30 water places. The internal medical check revealed the prevalence of water-borne digestive diseases with abdominal pain, vomiting, and diarrhea. The deteriorated nutritional and public health state in Nepalese mountainous area could be disclosed in this study, but these are the similar paths on which the advanced countries have gone through in their past. We are entrusted to give our hands to them.
著者
関根 康正 野村 雅一 小田 亮 鈴木 晋介 和崎 春日 近森 高明 北山 修 南 博文 Teasley Sarah Salzbrunn Monika 阿部 年晴 Gill Thomas 朝日 由実子 村松 彰子 西垣 有 内藤 順子 Subbiah Shanmugampillai 根本 達
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現代のネオリベラリズムに抗してストリート人類学を確立することが本研究の目的である。そのためにストリート・ウィズダムとローカリティの生成の実態把握を行った。研究成果のキーポイントは、中心からの徹底した一元化としての「ネオリベ的ストリート化」が作り出す敷居(ストリートエッジやローカルエッジ)での創発行動の解明にあり、そこでは「自己が他者化」するという動的過程が必ず見いだされ、それを「根源的ストリート化」と概念化した。エッジを不安定とともに生きている人々は現代人の生の本質を映す鏡である。その状況は「人が生きるとは何か」という哲学的究極の問いを現実的に問う。その探求にストリート人類学の存在意義がある。
著者
野村胡堂 著
出版者
鷺ノ宮書房
巻号頁・発行日
1948
著者
野村証券株式会社調査部 編
出版者
野村証券調査部
巻号頁・発行日
vol.昭和13年4月, 1939
著者
野村証券株式会社調査部 編
出版者
野村証券調査部
巻号頁・発行日
vol.昭和14年3月, 1939
著者
野村 亮太 丸野 俊一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.257-272, 2014
被引用文献数
4

個人の認識論とは, 各人が暗黙に持っている"知識"や"知ること"の性質についての信念のことであり, 個々の信念は認識的信念と呼ばれている。本研究の目的は, 野村・丸野(2011)が想定した教授学習過程への影響のうち, 個人の認識論が授業観と授業中の振る舞いを規定するという想定を検討することであった。そのために, まず745名の学生を対象とした調査によって認識的信念尺度を作成し, その信頼性・妥当性を確かめた(研究1)。このうち, 159名(男性79名, 女性80名)の大学生に対して, 質問と回答を取り入れた講義を行った(研究2)。その結果, 同一の授業に対して, 認識的信念下位尺度のうち, 利用する知識についての性質(条件性および適用可能性)を高く見積もった群は, 授業に協同活動的な側面を見出しやすく, 授業中の質問と回答の意義を実感し活用していた。また, より議論中に自他の意見の調整を行ったと自己評価した。この結果は, 授業を協同的活動として捉えるための認識的信念という観点から議論された。

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著者
野村隈畔 著
出版者
京文社
巻号頁・発行日
1922
著者
野村 在
出版者
武蔵野美術大学
雑誌
武蔵野美術大学大学院博士後期課程研究紀要
巻号頁・発行日
no.5, pp.21-39, 2012-03-31

本論は、エヴァ・ヘスの彫刻作品について最初に論じられたルーシー・リパードによる『エキセントリック・アブストラクション』(1966)の考察および、そこに含まれる作品と鑑賞者に介在する関係性を論じたものである。 ヘス作品について、アメリカでは90 年代以降現在にいたるまで継続的に議論が再燃しているが、これらは60 年代当時<ポストミニマリズム>や<フェミニズム>といったクリシェにより、作品の本質が覆い隠されていたことに要因があるのではないか。本論では、ヘス作品の歴史的な背景や評価、そして現在にいたるまでの様々な批評を取り上げながら、作品の本質を見いだしていく事で、作品と鑑賞者における<形態と身体>への相互作用を考察する。
著者
明﨑 禎輝 野村 卓生 森 耕平 片岡 紳一郎 中俣 恵美 浅田 史成 森 禎章 甲斐 悟
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101832-48101832, 2013

【目的】虚弱高齢者でも実施可能なように福島県喜多方市で開発された「太極拳ゆったり体操」(以下,体操という)は,運動器の機能向上(AGG,2011)や新規の要介護認定の発生を抑制する(日老医会誌,2011)ことが証明されている.しかしながら,4種類ある体操の型(坐位版2種類,立位版2種類)について,呼吸循環系から体操の安全性について検討された報告はない.本研究は,後期高齢者を対象として,体操の安全性を呼吸循環動態から検証することである.【方法】対象は,地域在住高齢者に対する太極拳ゆったり体操プログラムの介護予防効果(UMIN000006991)の臨床研究に参加している70歳以上の3例の女性とした.年齢,BMI,安静時心拍数と血圧は,それぞれ対象1では71歳,29.2kg/m2,73回/分,142/85mmHg,対象2は76歳,21.4kg/m2,77回/分,158/77mmHg,対象3は75歳, 23.5kg/m2,66回/分,157/94mmHg,であった.体操は,坐位での2種類(約11分と6分),立位での2種類(約13分と6分)の4種類である.安全性の検証方法は,椅座位での安静3分後に4種類をランダムに十分な休息時間を設けて1日に2種類ずつ,2日で計4種類を実施した.評価項目:体操前後に血圧,Borg scaleを測定した.また,携帯型呼気ガス分析装置エアロソニックAT-1100(アニマ社)を用い,体操中の呼吸数,心拍数や呼吸商(RQ)を測定した.【倫理的配慮,説明と同意】対象者には口頭で説明を行い,同意のもとに研究を実施した.本研究は,学内研究倫理委員会で承認を受けた.【結果】対象1:体操中の最大心拍数は坐位版,立位版でそれぞれ82回/分,85回/分であり,カルボーネン式でいうk=0.16を超えることはなかった.体操後に血圧の上昇は認めず,逆に低下する傾向にあった.体操中の最大呼吸数は坐位版,立位版で,それぞれ最大25回/分,26回/分であり,安静時から大きく呼吸回数の増加,変動はなかった.対象2:体操中の最大心拍数は坐位版・立位版でそれぞれ84回/分,93回/分であり,カルボーネン式でいうk=0.24を超えることはなかった.体操後に血圧の上昇は認めなかった.体操中の最大呼吸数は坐位版,立位版で,それぞれ最大23回/分,23回/分であり,安静時から大きく呼吸回数の増加,変動はなかった.対象3:体操中の最大心拍数は坐位版,立位版でそれぞれ74回/分,85回/分であり,カルボーネン式でいうk=0.24を超えることはなかった.体操後に血圧の上昇は認めなかった.体操中の最大呼吸数は坐位版,立位版で,それぞれ最大22回/分,24回/分であり,安静時から大きく呼吸回数の増加,変動はなかった.対象3例の平均RQは坐位版で0.87±0.10,立位版で0.84±0.07,体操のMetsは坐位版で最大2.17Mets,立位版で最大2.83Metsであった.また,体操中の最大Borg scaleは,対象2において立位版で13「ややきつい」であった.【考察】対象3例において,体操実施時の最大心拍数はカルボーネン式のおおよそk=0.2程度であったこと,RQの平均も0.8であったことから,体操の坐位版,立位版ともに脂質代謝優位の有酸素運動であると考えられた.また,Metsからは坐位版ではゆっくりとした歩行,立位版では67m/分での歩行程度の身体活動量(Med Sci Sports Exerc. 2000)であると考えられた.体操後に血圧の上昇は認めず,体操実施中の呼吸回数の大きな増加や変動(呼吸数の減少)を認めなかったことから,バルサルバ様式(息をこらえて止める)を必要としない運動であると考えられた.一方,Borg scaleは対象2において最大で13「ややきつい」を認めたが,これは立位版で下肢筋力の発揮を必要とする運動パターンにおいて認めたものであり,呼吸循環系の自覚的負担を訴えるものではなく,対象3例において適切な負荷量であると考えた.以上を総合して,本体操は後期高齢者にも安全性の高い運動プログラムの一つであると考えられた.【理学療法研究としての意義】体操実施前中後の健常な後期高齢者における呼吸循環動態が明らかとなり,今後,体操を適応する対象を患者へ拡大していく上での基礎資料となる.また,本研究で得られた体操のRQやMetsは,肥満症や動脈硬化性疾患などの生活習慣病予防・改善への効果を検討する上での基礎資料となる.
著者
矢吹 淳哉 梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.1868-1876, 1997-11-25
被引用文献数
36

Filtered-x LMS法を用いてANCシステムを動作させる場合, ステップゲインと呼ばれる定数を決定しなくてはならない. ところが, これは小さ過ぎるとフィルタ係数の収束が遅くなり, それを速くするために大きくし過ぎるとシステムが安定に動作しなくなる. そこで, システムの安定性を満たし, かつ収束が速い値を選ぶために, 安定に動作する上限値を知る必要があるが, 従来はその値が不明であったため, ステップゲインは試行錯誤して決定されていた. またFiltered-x LMS法には, ANCシステムにおける2次音源スピーカと誤差検出マイクロホンの間の経路(Error Path) Cを同定したフィルタC^^^が必要であり, 当然これにはモデル化誤差が含まれている. 本論文では, このような場合に, 許容されるCとC^^^の位相誤差から安定に動作するステップゲイン値の上限を求める理論式を導出する. また, 同理論式を実際のシステム稼慟時に入手可能な情報で表現することを試みる. 更に, 理論式によって得られたステップゲイン値を使用した場合とその他の値を使用した場合における収束特性の比較を行い, 提案する理論式の有効性を示す.
著者
野村 俊郎
出版者
鹿児島県立短期大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02881160)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.53-65, 2002-03-01
著者
野村 陽子
出版者
法政大学法学志林協会
雑誌
法學志林 (ISSN:03872874)
巻号頁・発行日
vol.111, no.4, pp.65-115, 2014-03
著者
今井 博之 野村 琢家 魚森 謙也 山田 光穂 吉田 辰夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.25-32, 1993-01-22

前後に配置した実視標、およびHDTV偏光二眼式立体ディスプレイにより同位置に呈示された仮想視標を被験者に交互に注視させ、その時の奥行き方向も含めた3次元注視点を測定した結果、両者の奥行き方向の動きに関して違いが見られた。次に3Dおよび2Dの自然動画像を呈示し、被験者が特定の被写体を追跡した際の3次元注視点を測定した。その結果、注視点の奥行き方向の動きに関して、被写体と異なった動きが認められた。また3D、2Dの両者においても違いが見られた。
著者
野村 亮太 岡田 猛
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.226-244, 2014

How do expert storytelling artists captivate audiences with a single performance? In<br/> study 1, we observed the eyeblink responses of expertized 7 of 20 audience members<br/> (10 male and 10 female, aged 16 to 67 years; <i>M </i>=40<i>.</i>6, <i>SD </i>=16<i>.</i>4) at the performance<br/> of two professional story-telling Rakugo artists. With using a surrogate data method,<br/>the statistically significant synchronization of eyeblinks among audience members was<br/> detected when performers changed scenes and characters and immediately after the<br/> performer delivered words essential to the understanding of the story. In study 2, we<br/> conducted a laboratory experiment with 32 (19 male and 13 female) participants aged<br/> 20 to 34 years (<i>M </i>=22<i>.</i>56, <i>SD </i>=2<i>.</i>85) to examine whether the expertise of the story-<br/>teller affected the frequency and intensity of synchronization of eyeblinks by recording<br/> each participant's eyeblinks. The synchronization of eyeblinks was also detected in this<br/> study that each participant viewed videotapes alone, which eliminated potential au-<br/>dience interaction. The participants who were assigned to the watching a videotaped<br/> performance of an expert storyteller displayed frequent synchronized eyeblinks and had<br/> a higher score of transportation into the narrative world of Rakugo compared to those<br/> were assigned to watch a videotaped performance of a novice. These results imply<br/> that expert performers gain a listener's unintentional process of attention as well as<br/> somatic-emotional responses, evidenced by synchronized eyeblinks.