著者
杉山 慶子 鈴木 雄一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.96, pp.97-102, 2006-09-15
参考文献数
19

現在の日本の映画産業においては、映画制作費の調達の大半を「製作委員会」方式が占めているが、米国では、より多様な出資者から資金を調達する方法として完成保証制度が普及している。本稿では、日米映画産業における映画制作費の調達方法について比較考察する。Seisaku iinkai is a major financing method for film producing costs in the current Japanese film industry. On the other hand, a "negative pick-up", a business method in which a completion bond is used, is one of the common financing methods for film producing costs in the United States. We compare financing methods for film producing costs between those in the United States and Japan.
著者
新井 恒雄 鈴木 陽介 菅原 吉隆 中藤 善次郎 穂坂 邦大 中橋 昌弘
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第26回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.16, 2007 (Released:2007-07-30)

【目的】 第5中足骨基部骨折は足部の中でも高頻度に見られる骨折の1つである。転位の軽度な骨折には、ギプス固定などによる保存的治療が選択されることが多い。しかし、こうした固定は屋内等履物を変える頻度の多い日本人には馴染まない。また、足関節の拘縮や松葉杖使用による活動制限が生じる。今回我々は、この骨折に対しテーピング誘導により、早期から歩行を許可する保存的療法を施行し、良好な成績を得たので報告する。 【方法】 対象は手術適応のない第5中足骨基部骨折8例を対象とした。内訳は男性が5例6足、女性が3例3足、年齢は14歳から65歳平均46.3歳。受傷してからテーピング開始までの期間は0日から15日の平均は6.5日。受傷原因としては転落が3足、転倒が4足、交通事故が2足、いずれも内返しによる受傷であった。 今回テーピングは後足部回内位、外果挙上。前足部は第5列外がえし誘導、第1列底屈誘導を実施した。歩行時の第5列への荷重をMedicapteurs社製Win-podで足圧として確認、測定した。 【結果】 テーピング期間28~67日(平均38.4日)。疼痛除去期間 8~47日(平均38.4日)。骨癒合期間21~41日(平均30.4日)。合併症 可動域制限、偽関節、皮膚症状 なし。テーピング後、立位歩行時の足圧は内側へ移動、足趾の推進機能も働いた。 【考察】 第5中足骨基部骨折患者は足部外側への荷重により疼痛が生じる。外側荷重痛は骨折部に対するメカニカルストレスであり、骨癒合を促すため立位、歩行ではこれを回避しなければならない。そのため足部内側荷重を促す必要があるが、一般的な外反固定のテーピングでは、身体重心や足圧中心をふまえた歩行分析をすることはない。こうした立脚期中の前足部機能が働かない足部機能が低下した跛行は、骨癒合が得られた後も継続することが見うけられる。よって、跛行を防止する為には骨折部へのメカニカルストレスを抑えつつ、最大限足部の機能を働かせる必要がある。テーピング後の歩行では、内側に足圧が移動しながらも前側部、足趾への荷重が促されている。担当医とレントゲンでの骨癒合を確認しながら歩行分析を行いテーピング誘導することで、跛行を回避することが可能になったと考える。 【まとめ】 転位の軽度な第5中足骨基部骨折に対し、テーピング誘導による保存的治療を施行した。松葉杖を使うことなく除痛、早期荷重、良好な骨癒合を得て、骨癒合後の跛行もなかった。第5中足骨基部骨折の保存療法の1つとして、動作分析を行いながらのテーピングは有効な治療法と考える。
著者
鈴木 新一 水越 一貴 深澤 昌志 八代 一浩 鳥養 映子
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.29, pp.1-6, 2013-12-07

インターネットを利用した遠隔教育を支援するシステムとして edutab を開発した.edutab では遠隔の一人の教師が 5,6 名程度の学習者に対して遠隔会議システムと併用して利用することを想定したシステムである.edutab システムでは教師が PC を持ち,学習者はそれぞれタブレット端末を持っている.この環境下でインタラクティブなコミュニケーションを実現するために,学習者がタブレット上で行う活動をモニタする機能,学習者それぞれと教師の間で共有する個別ホワイトボード機能を実装した.また,児童の IT 機器操作を低減するため,教師 PC のコンソール画面から,学習者のタブレット端末へテキスト,静止画,動画,スライドを遠隔提示する機能を実装した.しかしながら,実際の教育現場では紙を利用した教育活動が広く使われている.そこで,教師と遠隔の学習者の間で紙教材を相互に交換できる機能を edutab に加えた.具体的には従来,1 台のデータセンターに配置したサーバだけで実装していたコアサーバに加えて教師および学習者の近傍にエッジサーバを配置する.エッジサーバにはプリンタおよびスキャナを接続する.コアサーバとエッジサーバの間は HTML5 技術を用いた通信を行う.これにより HTTP が利用できる環境であれば,紙教材を配布することができる.We developed the edutab system that is a support system for distance education with the Internet. The edutab system assumes that a teacher educates remote 5 or 6 students with a TV conference system. A teacher uses a PC and students use a tablet terminal for the edutab system. In order to realize the interactive communication, we implement a monitoring function, individual white board function, and remote presentation function for educational activities between teachers PC and tablet terminals. Papers, however, are commonly used for educational activities in a usual educational environment. Therefor we add a feature that teacher can exchange papers with remote students in educational activates, for the edutab system. The edutab system was originally designed as a concentrate system and the core server placed in a data center. New edutab system was implemented as distributed system because we have to control remote devices. Edge servers are introduced nearby teacher and students to controle devices. A printer and a scanner are connected to this edge server. The HTML5 technologies are used for communication between the core server and edge servers. Therefor we can distribute papers to a remote classroom if edges servers can reach the core server with HTTP.
著者
松原 正樹 岡本 紘幸 佐野 智久 鈴木宏哉 延澤 志保 斎藤 博昭
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2937-2948, 2009-12-15

オーケストラなど大編成用に作曲された楽曲のスコア(総譜)は,パート数の多さから判読性に欠け,異なるパート間の関連性を把握するには音楽構造を理解する必要があり,楽譜(パート譜)を読むことができてもスコアを読むことができない演奏者が多いという問題点がある.そこで本稿では,異なるパートの似た役割を持つフレーズをクラスタリングし,各クラスタに異なる色を割り当てて楽譜上に着色する手法と,音楽を再生しながら色付け楽譜を見ることで異なるパート間の関連性を把握しやすくするインタフェースを提案する.提案手法では,合奏において重視すべき,リズム,響き,メロディ,和声を考慮した4つの特徴量を用いてパート間の距離を定義し,k-meansアルゴリズムを利用してクラスタリングを行うことで色付け楽譜の生成を実現している.また提案するインタフェースにおいて,ユーザは操作の繰返しにより,スコアリーディングを熟達させることができ,楽曲の構造について考えて聴くようになった.実験結果より異なるパート間の関連性を把握する色付け楽譜の生成が可能であることを示し,スコアリーディング支援を実現できることを示した.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫 鈴木 宏正 Yuki Igarashi Takeo Igarashi Hiromasa Suzuki 東京大学大学院工学系研究科 東京大学大学院情報理工学系研究科:JST ERATO 東京大学大学院工学系研究科 Dept. of Engineering The University of Tokyo Dept. of Information Science and Technology The University of Tokyo:JST ERATO Dept. of Engineering The University of Tokyo
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-58, 2009-01-27

"あみぐるみ"は毛糸を使って作るぬいぐるみであるが,毛糸の編み方によって形状をデザインしていくため,初心者にはデザインすることが困難である.我々は3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを作成した.本システムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも製作手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなあみぐるみを作成できることを確認したので報告する.
著者
鈴木 宏 岡田 八郎 橋本 浩
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.473-477, 1992-09-05 (Released:2011-08-05)
参考文献数
6
被引用文献数
2 4
著者
鈴木 康裕 清水 如代 岩渕 慎也 遠藤 悠介 田邉 裕基 加藤 秀典 羽田 康司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】バランス能力の定義は,静的と動的に大別できるが,アスリートの競技パフォーマンスと関連するのは,動的バランスと考えられている。我々は,重心動揺計を用いた姿勢安定度評価指標(以下IPS),その修正版である修正IPS(以下MIPS),また片脚立ちを,動的バランスと定義しているが,MIPSの測定方法である閉眼および軟面上立位で行う2重課題に注目している。MIPSは視覚および感覚の負荷が同時にかかる難度の高いバランス検査であり,より高度なバランス能力を要求されるアスリートに適合する可能性がある。我々は,MIPSを含めた複数の動的バランス能力の評価指標を用いて,健常者を対照とし,様々な競技群との比較を行うことで,競技毎のバランス特性が明らかになるものと考えた。</p><p></p><p>【方法】動的バランス評価として,IPS,MIPSを測定し,また閉眼片脚立ち検査を行った。身体機能評価として,体性感覚は,振動覚,二点識別覚,足底触圧覚,下肢筋力は,膝伸展筋力,膝伸展筋持久力,足関節背屈筋力,足趾筋力を測定し,また体組成は,体脂肪量および除脂肪量を算出した。バランス特性を検討するため,IPS,MIPS,閉眼片脚立ちについて,10名以上の被検者が確保できた競技群と健常者による対照群との比較を,対応のないt検定を用いて行った。またMIPSとの関連要因を検討するため,欠損データのない対象競技者において,MIPSと各身体機能をPearsonの積率相関関係を用いて相関関係の検討を行った。使用統計ソフトはSPSS(ver21)を用い,全ての統計有意水準は5%未満とした。</p><p></p><p>【結果】対象は179名(男性119名,女性60名),平均年齢は20.7±2.2歳(19~29歳)であった。対象となった競技は,全11種目(154名)であったが,対照群(25名)と比較を行ったのは,5種目の競技群(水泳33名,野球27名,競艇26名,サッカー30名,体操15名)であった。対照群と各競技群の動的バランス評価を比較した結果,IPSは全ての競技群において有意に優れておらず,MIPSは競艇群(p<0.05)および体操群(p<0.01)が優れ,水泳群が劣っていた(p<0.01)。閉眼片脚立ちは,サッカー群および体操群が優れていた(p<0.05)。すなわちMIPSおよび閉眼片脚立ちの双方が優れていたのは体操群のみであった。全11種目の対象者に,MIPSとの関連要因の検討を行った結果,身長,体重,足底触圧覚,足関節背屈筋力に有意な関連性が認められた。</p><p></p><p>【結論】健常者を対照とし,各競技群との動的バランス評価の比較を行った結果,競艇・水泳・サッカー・体操・野球のバランス特性が明らかとなった。</p>
著者
山本 利一 鈴木 航平 岳野 公人 鹿野 利春
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.41-48, 2017 (Released:2017-09-10)
参考文献数
13

小学生を対象にした「プログラミング教育」は,日本国内では必修化に向け様々な取り組みが行われている.これまでの先行研究から,プログラミングを学習することで,ものごとを順序立てて考える訓練がなされ,論理的な思考力が身につくことが示されている.そこで本研究においては,小学校中学年を対象に,タブレットを用いたプログラミングを学習する指導過程について検討した.指導過程は4時間を設定し,ものごとを順序立てて考えることの大切さを学習するために行った授業実践を報告する.
著者
鈴木 周平 櫻井 健一 安達 慶太 増尾 有紀 長島 沙樹 原 由起子 榎本 克久 天野 定雄 野田 博子
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.304-307, 2015-12-01 (Released:2016-01-25)
参考文献数
9

症例は95 歳女性.50 年前にパラフィン注入法による豊胸術が施行されていた.左乳房腫瘤を自覚して来院した.左乳房AC 領域に直径7 cm の腫瘤を触知した.針生検の結果,浸潤性乳管癌と診断された.閉塞性換気障害のため全身麻酔は危険と判断され,局所麻酔下乳房切除術を施行した.豊胸術後の乳癌は異物注入により多様な臨床像を呈すため発見が困難であり進行例が多い.患者が高齢であれば手術方法も制限される可能性もあり,豊胸術後の定期的な検査が必要であると考えられた.
著者
木田 利之 鈴木 晃 斎藤 勝
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.24, no.12, pp.861-866, 1975

臓器シンチグラムを読影する場合, 臓器シンチグラムの正確な解剖学的位置関係を知りたいことがしばしばある。この目的のために, 現在までにいくつかの試みがなされている。しかし, スキャナーの高価な改良が必要であり, 手技も繁雑で非能率的であり, 時間がかかること, フォトスキャンとX線像とが拡大率の関係で1対1の対応を与えないこと, 臓器の呼吸性移動を無視していることなどの理由で, いまだ広く応用されるに至っていない。<BR>今回われわれは, これらの難点を克服するための試みに, 同一フィルム上に同一体位でX線像とフォトスキャンとを描出できるわれわれ独自の装置を考案し, 臨床的に応用している (この方法をわれわれは, photoscintillo-roentgenographyとよんでいる) 。
著者
鈴木 宏哉 山口 利恵
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.1501-1512, 2017-09-15

近年,スマートフォンに代表されるモバイル端末の普及により,利用者は場所を問わず,常時様々なサービスを享受することができるようになっている.一方で,モバイル端末と利用者行動との密接な結び付きから,プライバシ問題に注目が集まっている.特に,通信に端末固有のMACアドレスが含まれるWi-Fi無線通信は,利用者の追跡や位置情報の暴露といったプライバシ上の危険性を有している.本稿では,モバイル端末が収集した周辺のアクセスポイントのMACアドレス情報に着目し,アクセスポイント機器のベンダー構成比から,位置情報データベースなしでも居場所推定に有用な情報が得られることを示した.本稿では,16名の被験者から30日分ずつ収集した周辺アクセスポイントのMACアドレスデータを用い,在宅中や就業,就学中の時間帯におけるベンダー構成に有意に異なる相関比が得られることを実験により確認した.
著者
宇都 雅輝 鈴木 宏昭 植野 真臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.998-1011, 2013-04-01
参考文献数
35

本論文では,アカデミックライティングにおける論証の推敲を支援するシステムを開発する.従来の論証推敲支援システムでは,論証の規範モデルとして知られるToulminモデルにユーザの論証を当てはめ可視化する支援を行っていることが多い.しかし,論証の主目的である「主張」の正当化のためには,Toulminモデルへの当てはまりの良さよりも,文章間の因果の強さ,すなわち「論証の強さ」を重視した論証の推敲が重要である.論証の推敲では,論証構成が複雑になったとき,以下の問題が生じると考えられる.1.「論証の強さ」を全ての文章間について評価することが困難である.2.論証中の各文章がどの程度正当化できているかの推定が難しい.3.「主張」の正当化に対して各文章がどのように影響しているかを把握することが困難である.これらの問題を解決するために,本論文では,Toulminモデルのベイジアンネットワーク表現を用いて,1.論証の強さ,2.文章の正当性,3.主張への影響度,という三つの指標を算出し,その値に応じて論証改訂のためのアドバイスをフィードバックする論証推敲支援システムを開発する.
著者
藤長 昌彦 加藤 聰彦 鈴木 健二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.221-222, 1993-09-27
被引用文献数
3

分散処理技術の進展と普及に伴い、ISOとITU-TではODP(Open Distributed Processing:開放型分散処理)の標準化を行なっており、現在、分散システムのモデル化のための枠組みを規定したODP基本参照モデルの検討を進めている。分散システムでは、多数の構成要素が相互に協調して動作し、全体としてひとつの処理を実現する。このため、機能分散や負荷分散による柔軟なシステム構築が可能となる反面、計算機資源の分散や分散されたデータ間の整合性等に配慮しなければならない。ODP基本参照モデルでは、このような分散システムの複雑さに対処するために、エンタプライズ、情報、コンビュテーショナル、エンジニアリング、テクノロジの五つのビューボイントを導入している。ODPビューボイントは、分散システムを異なる側面からモデル化する手段を提供するため、分散システムの設計に対して有効に適用できると考えられる。これまでに一部のビューボイントを分散システムの設計に適用する試みが報告されているが、分散システム全体を設計するための体系的手法については充分には議論されていない。本稿では、ODPの五つのビューボイントから分散システムをとらえ、その仕様を明確化することにより、分散システムを設計する方法について検討する。