著者
山田 憲政 阿部 匡樹
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.330-340, 2000-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
20

Paintings convey static information in two-dimensional form. Human beings have tried to express three-dimensional space on a two-dimensional plane using techniques such as perspective. Attempts have also been made to express changes over time in humans and nature on a static plane. This procedure also requires some techniques for embodiment of the movements in a static canvas.In this study, we examined the embodied movement in the famous painting “The Milkmaid” by Vermeer. The painting was reconstructed in the three-dimensional space, and the movement embodied in the painting (i.e., the milk flowing from the jug) was analyzed.The results of analysis showed that the jug held by the maid must be moving slightly for the milk be to flowing from the jug. This implies that a slight arm movement was embodied by Vermeer in the maid's gesture in the painting, which is contrary to past interpretation of the painting.
著者
寺本 邦夫 大木 直人 阿部 圭一 内田 美喜子 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.327-328, 1995-03-15
被引用文献数
1

マルチメディアという言葉が一般に広く用いられるようになってずいぶんと時間が経過している.マルチメディアは,"マルチ+メディア"という言葉の通り,画像,音声,文字など複数のメディアを統合して処理できる環境として脚光を浴びており,現在では,ごく当たり前のように様々な分野で用いられている.しかし,マルチメディアは,これら複数のメディアがあってこそ意味がある場合が多い.したがって,これらのメディアのうち一つでも欠けてしまうと不快感を生じてしまうこともある.音の出なくなったテレビがよい例であろう.その他に人為的なミス,例えば,ビデオ撮影の際の音声や映像の取り忘れなど様々考えることは容易である.このようなマルチメディア情報の内,1個または数個のメディアが欠如している時,他のメディアから欠如しているメディアを創出する事を"メディアの補完"と呼ぶことにする.著者らはメディアの補完の中でも「画像」から「音声」への補完に注目した.ここでいう「音声」とは,人間のコミュニケーション手段である会話だけでなく,波の音や風の音,昆虫の鳴き声など「文字」で正確に表現するのが困難な「音」を指す.また,今回取り扱う画像は風景画や風景写真に限定し,それに対応する「音風景」を補完する音検索システムOKeS(仮称)を構築した.音風景とは英語のSoundscapeに因んで名付けた言葉で,臨場感のある音場で構成された空間である.
著者
阿部,澤次郎
出版者
大阪釀造學會
雑誌
釀造學雜誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, 1926-12-15
著者
阿部 幸浩 原田 正志 渡辺 直樹 水戸岡 靖子 久保田 冬彦 大田 康雄
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
ポリマー材料フォーラム講演要旨集 第15回ポリマー材料フォーラム
巻号頁・発行日
pp.145, 2006 (Released:2008-03-11)

ポリインジゴは、その化学構造から還元するとロイコ体になり、また、空気酸化により容易に元のインジゴ構造に戻ることが予想され、このことはポリインジゴ繊維はリサイクル可能であることを示唆する。また、分子軌道計算より理想的に紡糸できれば、p-アラミド繊維の約2倍の弾性率を示す可能性が示された。我々は、この繊維の開発を目指して原料合成ルートの探索を行い、ポリインジゴ重合の検討を行った。
著者
柿嶌 眞 保坂 健太郎 阿部 淳一ピーター 大村 嘉人
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

福島第一原子力発電所の事故から4年間、自然界における放射性物質の動向を解明するため、茨城県(つくば市を中心に)、福島県、栃木県、宮崎県、千葉県などできのこ類、地衣類、植物寄生菌類の放射能の生物モニタリングを行なった。その結果、きのこ類では腐生性よりは菌根性の方が放射能が高く、地衣類ではきのこよりも平均的に10倍高く、事実上放射性セシウムのミニホットスポットである。植物寄生菌類では特にサツキツツジもち病菌の罹病葉が健全葉より2倍高いことが明らかになった。一般的な傾向として事故後2年まで菌類や地衣類の放射性セシウムの放射能は徐々に減少したが、現在は、放射能はほぼ安定し、減少率が低い。
著者
稲垣 卓弥 阿部 和広 山崎 謙介 横川 耕二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.57-63, 2009-02-20
被引用文献数
2

近年,Squeak eToys は論理的な思考と問題解決能力を育むことを目的とした教育に用いられてきた子どもが直感的にプログラミングを学ぶことができる Squeak eToys は,多くのワークショップや教育現場などで利用され,全国的な広がりを見せている。しかし, Squeak eToys を学校教育の救科の単元に導入するには教員にもある程度のプログラミング技術が要求される.そこで,本研究ではスクリプティング不要で簡単に作れる 「教具」 としての Squeak eToys の使い方を提案する.In recent years, Squeak eToys has been used for education aimed at bringing up logical thinking skill and problem solving. The Squeak eToys by which children can learn program ming is used in many workshops of educational fields. It requires, however, school teacher programming skills to introduce Squeak eToys into subject of the school education. In this paper, we suggest the Squeak eToys as a teaching tool may give a more effective environment than ever.
著者
吉田 葵 伊藤 一成 阿部 和広
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-134, no.12, pp.1-10, 2016-02-27

青山学院大学では,2015 年前期 (4 月から 8 月) に,社会情報学部 1 年次必修科目として 「社会情報体験演習」 を開講した.この授業科目の目的は,構築主義を背景としたフィジカル・コンピューティングを通して,プログラミングの知識や技術を身に付けるだけでなく,主体的に学ぶ姿勢を身につけることである.授業では 「(教師は) 教えない」 を合言葉とし主体的に学ぶことを促した.また,学生の興味を惹き,アイデアを引き出せるよう,センサーボードをはじめとした様々なアイテムを提示し,自らのアイデアを形にするという体験を提供した.本稿では,授業設計について報告するとともに,履修学生に対するアンケート結果及び成果物から,技術の習得及び学ぶことに対する意識の変容について考察する.
著者
阿部 和時 黒川 潮 竹内 美次
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.225-235, 2004-09-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
16
被引用文献数
5 6

間伐は健全な人工林を成立させ, 良質な木材を生産するために欠くことのできない重要な施業である。近年, 日本の人工林では森林・林業を取り巻く情勢が悪化して間伐を実施することができず, 細い木が林立した立木本数密度の高い人工林が増えている。このような林分では根系の発達が悪く, 森林が持つ表層崩壊防止機能が劣るのではないかとの懸念が強い。このため, 既往の研究をもとに間伐の影響も加えた森林の崩壊防止機能を評価できる方法を提案することを目的とした。ここでは日本の主要造林樹種であるスギの人工林を対象とした。本手法を提案するに当たり, 立木密度1400本/haの間伐林分と3400本/haの非間伐林分における根系分布状態を比較調査した結果, 根の全体積や深さ方向への体積分布, 最大分布深さ等について両者の間に明瞭な違いがなかったため, 根の分布量推定には同じ方法を用いることにした。また, 間伐された木の根が徐々に腐朽して崩壊防止機能が減少する過程を根の引き抜き試験によって調査したところ, 間伐後約10年で根の引き抜き抵抗力は消失することが明らかになった。これらの調査結果を加え, 間伐・非間伐林分における崩壊防止力の変化を評価できる手法を完成した。この手法を用いてシミュレーションしたところ, 強い間伐を多く実施した林分の方が崩壊防止力は低いことが示された。特に, 30~40年生以上の壮齢林における間伐は崩壊防止力の上昇傾向を大きく鈍らせた。しかし, 一般的に間伐が15年生頃から行われることを考えると, 表層崩壊が多発しやすい20年生以下の幼齢林では間伐の影響が現れることはなかった。また, 20年生以上の林分で一般的な強度の間伐が行われても, 斜面安全率が1.0を下回らないことが示された。この結果から, 間伐は病中害や気象害などに強い健全な森林を造成するために実施し, このような健全な森林が形成されることで必然的に崩壊防止機能も発揮されると考えるべきであることを指摘した。
著者
磯部 博史 阿部 良一 山下 幸彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.31, pp.1-6, 1999-04-22
参考文献数
4

画像を認識しながら行動するロボットの実験を実空間で行う場合、安全性やコストなどの問題によって実験内容に大きな制約を受ける。そこで、画像認識や行動決定のアルゴリズムの検証を仮想空間上で行うために、ロボットのためのバーチャルリアリティを実現する必要がある。本論文では、まず、自動走行する自動車のためのバーチャルリアリティである自動走行シミュレータを制作するために解決すべき問題点について明らかにする。次に、同一性の問題に関して、実画像とCG画像との相違点を明らかにするために、ステレオ画像の計測実験を行う。そして、高梨らが制作した自動走行シミュレータを改良するためにテクスチャマッピングによって同一性を向上させた自動走行シミュレータの実験を行う。An experiment for robots which move autonomously by using image understanding techniquesrestricted for the safety and the cost. Then we need to realize a virtual-reality for robots to verify algorithms for image understanding and control in the virtual space. We clarify the problem which must be solved to construct a simulator for autonomous vehicle which is a virtual-reality for them. In order to clarify the difference between a real and a virtual images as to the problem in equality, we compare the difference of the results of stereo image measurement between in the real and in the virtual images. We carry out the simulator for autonomous vehicle which improves by using texturemaps about equality in order to make the simulator made by Takanashi better.
著者
宇田 忠司 阿部 智和
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.67-95, 2015-06-11

本論文の目的は,質問票調査にもとづき,国内のコワーキングスペースの実態を明らかにすることにある。まず,コワーキングに関する世界規模の年次調査であるGlobal Coworking Surveyを中心に,関連する先行研究を整理・検討する。次いで,われわれが国内で稼動しているスペースのほぼ全数に対して実施した質問票調査の結果を,6つ(①施設,②運営組織,③戦略,④活動,⑤利用者,⑥成果)のパートに分けて記述する。そのうえで,先行研究の知見との比較を行いながら本論文の知見について考察する。
著者
阿部 英樹
出版者
科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター
雑誌
科学技術動向 (ISSN:13493663)
巻号頁・発行日
no.117, pp.8-16, 2010-12-01 (Released:2013-06-12)
著者
岡崎 善弘 大角 茂之 倉住 友恵 三島 知剛 阿部 和広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.41047, (Released:2017-07-26)
参考文献数
13

プログラミングの体験形式が小学生のプログラミング学習の動機づけに与える効果について検討した.体験形式として,(1) ゲームの作成方法を逐次的に教わりながら作成する講義型,(2) 2名1組で1冊のテキストを共有し,相互に教え合いながらゲームを作成する協同型,(3) 手渡されたテキストを見ながら単独でゲームを作成する個別型,の3タイプ間で動機づけを比較した.本研究の結果から,講義型または協同型でプログラミングを学習すると,プログラミング学習に対する動機づけは有意に上昇する一方で,個別型では上昇しないことが示唆された.
著者
阿部 誠 守口 剛 八島 明朗
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-12, 2015 (Released:2015-07-17)
参考文献数
21
被引用文献数
1

行動経済学では,時間軸における選好の逆転現象を割引で説明する場合が多い.一方,心理学や行動意思決定理論の分野では,時間を含めた心理的距離の変化による選好の逆転を解釈レベル理論の枠組みで分析する研究が多数,存在する.本研究では,割引の概念を解釈レベル理論に組み込んだ割引解釈レベルモデル(DCLM)を提案する.具体的には,割引の適用を時間も含めた一般的な心理的距離に拡張し,割引傾向の違いに関する2つの要因,量的効果と符号効果を仮定する.本論文では,これらを3つのプロポジションとして提案し,ロトの選択に関するアンケート調査に基づいて統計的に検証する.その結果,DCLMが時間軸も含めた一般的な心理的距離の変化による選好の逆転を説明,予測できることを示す.
著者
高橋 三雄 大沢 啓助 蔡 哲宗 阿部 昌宏
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.221-223, 1980-02-25

Nine kinds of fatty acids, fifteen hydrocarbons, three sterols, and six amino acids were detected by gas chromatography-mass spectrometry and amino acid analysis, from the dried fruits of Capsicum annuum L. var. fasciculatum IRISH. The distribution of N-(13-methyltetradecyl) acetoamide isolated from Capsicum annuum L., and named Capsi-amide, was investigated in four varieties of Capsicum annuum L., i.e. C. annuum L. var. fasciculatum IRISH, var. grossum SENDT., var. longum SENDT., and var. minimum ROXB. Capsi-amide was detected in all four varieties.
著者
三枝 正彦 松山 信彦 阿部 篤郎
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.423-430, 1993-08-05
被引用文献数
7

東北各県より代表的耕地黒ボク土393点を入手し,酸性シュウ酸塩可溶アルミニウムに対するピロリン酸可溶アルミニウムの比,酸性シュウ酸塩可溶ケイ酸含量および粘土含量を用いてアロフェン質黒ボク土と非アロフェン質黒ボク土に類型区分することを試みた.さらに,この結果と前報で報告した交換酸度y_1による開拓地土壌の類型区分結果をペドロジスト懇談会作製の土壌図に作図し,火山灰の分布状況,風化に関係する気候要因,火山灰の岩質,火山ガラスの性質を考慮して東北地方における両黒ボク土の分布と分布面積を検討した.アロフェン質黒ボク土は,全黒ボク土の48%,86万haを占め主として完新世テフラが厚く堆積する地域で,降水量が少ない青森県南東部から岩手県北部にかけて,母材が塩基性の岩質あるいは有色火山ガラスを主体とする岩手山,蔵王山周辺,軽石を含む火山灰降下地域と考えられる秋田県北東部,福島県北部に分布していた.これに対して,非アロフェン質黒ボク土は,全黒ボク土の52%,94万haで年降水量の多い日本海側の各地,高標高地あるいは宮城県の内陸部に,また降水量は相対的に少ないが完新世のテフラの降灰の少ない岩手県南部から宮城県北東部に主として分布していた.東北各県における非アロフェン質黒ボク土の分布割合は青森県30%,秋田県80%,岩手県43%,山形県100%,宮城県76%,福島県42%と推定された.
著者
岡﨑 龍史 大津山 彰 阿部 利明 久保 達彦
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.91-105, 2012-03-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
2 7

福島第一原子力発電所(福島原発)事故後, 放射線被曝に対する意識について, 福島県内一般市民(講演時200名, 郵送1,640名), 福島県外一般市民(52名), 福島県内医師(63名), 福島県外医師(大分53名, 相模原44名, 北九州1,845名)および北九州のS医科大学医学部学生(104名)を対象にアンケート調査を行った. アンケート調査の回収率は, 福島県の一般市民は講演時86%と小児科医会を通じて郵送した50%と, 福島県外の一般市民91.3%および福島県内医師は講演時に86%回収, また福島県外の医師は, 相模原市85%および大分県は講演時に86%回収し, 北九州市はFAXにて17%回収となった. 福島原発後の放射線影響の不安度は, S医科大学医学部学生が12.2%ともっとも低く, 次に医師(福島県内30.2%, 県外26.2%)が低く, 福島県外一般市民(40.4%), 福島県内一般市民(71.6%)の順に高かった. 不安項目に関しては, S医科大学医学部学生や福島県医師は, 健康影響よりも環境汚染(食物や土壌汚染)に対し不安を持つ割合が高く, 福島県外医師や福島県内外の一般市民は健康被害および環境汚染の双方に不安を持っていた. 放射線の知識が高い人が, 現状に対する不安は少なく, 放射線知識の普及の必要性が結果として示された.