著者
橋本 鉱市 高橋 哲 鈴木 道子 稲永 由紀 二宮 祐 井本 佳宏 小島 佐恵子 丸山 和昭 朴 玄貞 陳 曦 京須 希実子 (白旗 希実子)
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は、専門職の養成過程における「質」の側面に着目して、わが国における専門職コンピテンシーのあり方とそれを保証するシステムの実態を考察することを目的とした。10種以上の職種を取り上げて、それぞれの質保証に関する政策議論を跡付けるとともに、特に実習カリキュラムが大学における専門(職)教育(学問知)と現場での実際的な業務(実践知)とを繋ぐ制度として機能しているかを考察した。
著者
柴田 玲子 高橋 惠子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.37-47, 2015 (Released:2015-08-22)
参考文献数
41
被引用文献数
2

人間関係をソーシャル・ネットワークとしてとらえて, 小学生の人間関係についての母子の報告のズレを検討するとともに, 母子の報告のズレと子どもの適応との関連を検討した。研究協力者は小学2~6年生(女児が47%)とその母親337組である。子どもの人間関係は集団式絵画愛情の関係テストで測定することにし, 子どもとその母親から独立に回答を得て母子の報告のズレを検討した。子どもの適応は小学生版QOL尺度によった。その結果, (1) 母子ともに愛情の要求の対象とする重要な他者を複数種あげたが, 子どもより母親の方があげた種類が多かった, (2) 子どもが報告した以上に母親は子どもにとって母親が重要だとし, 特に, 生存や安心を支える中核的な心理的機能を果たしているであろうとした, (3) もっとも頻繁に挙げられた対象が誰であるかを指標にして親しい人間関係を類型化すると, 類型についても母子の報告のズレは大きく, 母親の58%が子どもは母親型であろうとしたが, 子どもは24%にすぎなかった, (4) 母子の報告のズレの大きさは子どものQOLの低さと関連した。これらの結果にもとづいて, 子どもの人間関係における母子のズレの意味について論じた。
著者
勝沼 信彦 犬伏 知子 高橋 昌江 小川 直子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
no.75, pp.189-194, 2008-03

[1]骨マトリックスを形成しているのは主にタイプI型コラーゲンであり,タイプI型コラーゲンを良く分解できるのは生体組織内では主にCollagenolitic Cathepsinsと言われているCathepsin LとKである。[2]Cathepsins Lの特異的阻害剤CLIK-148等はin vitroのOsteoclastic骨Pit形成を強力に抑制する。in vivoでのPTHによる骨分解促進も強力に抑制できる。[3]牛乳中には多種にして大量のCollagenolitic cathepsinの阻害剤を含有している。そのうち,Lactoferrinの含有量は一番高く,これは構造上Cytatin family (Cysteine protease inhibitor = Cystatin)である。β-Caseinは次に含有量が高いCathepsin阻害剤である。[4]初乳Colosteriumでは成乳の3倍のLactoferrinを含有しており,β-Caseinは成乳に多いが初乳には極めて少ない。[5]成乳によるCathepsin LとKの阻害は70〜80倍希釈乳で50%であるが,初乳では50%抑制に200倍希釈で充分である。この差は,Lactoferrinの含有量の差に起因するものと考えられる。[6]Osteoclastic骨Pit形成は,成乳では25倍希釈乳で50%抑制であるが,初乳では約250倍希釈で50%阻害が見られる。25倍希釈乳では完全阻害である。新生児への人工乳栄養ではこの差は大切な考慮すべき問題点である。
著者
高橋是清 口述
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1930
著者
高橋 幸雄 三好 直人 山田 孝子 藤本 衡
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

混雑システムを構成するインテリジェントな客の例として,本研究では最終的にa)交差点の歩行者,b)電車内の客,c)インターネットの利用者をとりあげ,それぞれについて,全くといってよいほど異なったアプローチからのモデル化およびシミュレーションプログラムの作成を行った.現在,それぞれ論文にとりまとめる作業を行っている.a)交差点の歩行者については,自分の速度によって決まる情報空間(視野)の中に入る対向者の速度と向きから,その対向者との衝突可能性を予測し,衝突を避けられる範囲で最も効用の高い速度と向きで歩く,という基本コンセプトでモデル化した.シミュレーションにより歩行者密度と平均歩行速度の関係を求めたところ,実際の歩行流に対して観測した従来の研究結果とよく合致することが確認された.b)電車内の客については,他人との近さおよび他人の視線を主に,他人から受ける影響をポテンシャル関数の形でとらえ,これに降りるときと乗るときのインセンティブを加え,各客が自分のポテンシャルを最小にするように振る舞うものとして,モデル化をし,シミュレーションプログラムを作成した.ここではa)のような行動予測は全く入っていない.このモデルにしたがって客の乗降に必要な時間を計測したところ,電車の混雑率と乗降客数によって.その時間が興味深い動きをすることが確認された.c)インターネット利用者については,http通信データをもとに,個人行動を考慮に入れたモデルを構築した.結果から見ると,ここでは個人の動向よりも,クライアントやサーバ側の事情というのが,ネットワークの混雑状況により大きく関係していることが観察された.

2 0 0 0 大正名器鑑

著者
高橋義雄 編
出版者
宝雲舎
巻号頁・発行日
vol.第9編, 1937
著者
藤井 恵子 高橋 貞幸 木内 瑠美子
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.363-368, 2000-05-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
21
被引用文献数
4 7

本研究では,ゲル化能を有する絹フィブロインに着目し,これを米粉と複合化してスポンジケーキの調製を試み,複合化効果について検討した.1.薄力小麦粉を用いることなく,米粉と絹フィブロインを複合化させることにより,スポンジケーキを調製することができた.2.米粉と絹フィブロイン泡沫を用いたスポンジケーキは薄力粉と卵白泡沫を用いたスポンジケーキと比べ,比容積が低くなり,膨化が小さかった.3.絹フィブロインを添加することでスポンジケーキの老化速度が遅くなった.4.官能検査の結果より,米粉と卵白/絹フィブロイン混合泡沫を用いたスポンジケーキは薄力粉と卵白泡沫を用いたスポンジケーキと比べ,内部のきめが細かく(P<0.01),しっとりとしており(P<0.01),最もおいしい(P<0.01)と評価された.
著者
幡生 あすか 原田 雅史 高橋 由武 渡辺 俊輔 山下 典之 伊藤 世士洋 岡本 晃典 高木 達也
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
情報化学討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.P22-P22, 2011

画像診断の分野で,診断の迅速化および医師の診断支援を目的に,健常者と患者の画像データを統計的に比較する手法が考案されてきた。しかし複数の疾患の可能性を比較,検討し,予測するためには,健常者と患者の判別だけでなく,疾患同士の比較,判別が必要である。そこで,脳血流画像の座標点を脳の機能区分に分け,分類に必要な区分を選択し,サポートベクターマシンによるアルツハイマー病とパーキンソン病の分類に取り組んだ。
著者
高橋 政樹 富澤 勇介 高井 昌彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.235, pp.11-15, 2011-10-06

書棚に大量に収納された図書から,目的の図書を短時間で発見するための効率的な手法が求められている.本研究では,画像特徴点マッチングにより目的の図書の配置場所を特定し,携帯端末を保持する利用者にその位置と移動経路を提示する拡張現実を用いた手法を考える.携帯端末でリアルタイム画像認識処理を実現するために各書棚に対向して配置された監視クライアントと協調的に連携させる.プロトタイプシステムの実装と動作実験を行い,その有用性と課題点を議論する.
著者
高木 浩一 高橋 克幸 上野 崇寿 秋山 雅裕 佐久川 貴志
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.202-215, 2011-03-25
参考文献数
29
被引用文献数
10

パルスパワーは,軍事や慣性核融合を目的に,世界中の発電電力規模の,大型な装置技術として発達してきた.このため,世に広く普及とまではいかず,限られた施設や研究グループのみで扱われてきた.しかし"ちょっとした"パルスパワー(ちょいパル?)が使えると便利なことも多い.水処理,殺菌,ナノパウダー,オゾン生成,きのこ増産,イオンドープ,食品保存,バイオ応用,医療応用など多くの場面で活用できる.また園児・児童・生徒を相手にしたサイエンス教室でも,100円かみなり,脱色やプラズマのデモなどに使用できる.ここでは,学術を少し離れ,簡単に,安価なパルスパワー発生回路を作ることに比重をおく.想定は,4.1,4.4節は理系コースの高校生(物理履修)が,4.2,4.3節は電気系大学生が作ることになる.ここで取り扱う回路は,電圧が数kV〜数十kV(数万ボルト)で,製造コストはお菓子の買える価格帯(100円程度)から高級家電(数十万)になる.
著者
高橋 学
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.51, pp.127-134, 1998-03-24
被引用文献数
3

兵庫県南部地震の被災状況と表層地盤との関わりについて環境考古学の視点から検討した。その結果, 震度VIIの分布域は, 縄文海進最盛期の海域や, かつて潟湖であった地域とと密接な関わりがあることが判明した。また, 死亡者の発生場所, あるいは壊滅的に住宅が破壊された場所は, 地表面下数m以内に埋没した旧河道と密接な関わりが認められた。このような地表面下数m以内の表層地盤に関する情報は, 遺跡の発掘調査の際に得ることができる。遺跡の発掘調査を文化財保護といった観点に限定せず, 土地開発と災害の歴史を明らかにするという視点からも観ていく必要がある。ただし, 被害の集中した場所が, 住宅地として開発されていった背景には, 自然環境に関する知識の欠如だけでなく, 高度経済成長期における都市への人口集中など社会, 経済的理由が存在したと考えられる。
著者
高橋 朝英 田口 元貴 小林 良太郎 加藤 雅彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.2058-2068, 2011-12-01

現在,ウェブサービスは広く一般に利用され,日常生活を行う上で欠かせないものとなっている.それに伴い,ウェブサービスが停止した際の社会的影響も大きくなっている.一方,攻撃対象のシステムのサービス提供を不能にするサービス妨害(DoS)攻撃が存在し,問題となっている.手動によるDoS攻撃では,サーバ側で攻撃と思われる通信を単純にブロックしていることが攻撃者に気づかれると,攻撃者は攻撃を別の手段に切り換えて対策を回避し攻撃を行ってくる場合がある.本研究ではこの点に着目し,DoS攻撃の一種であるHTTP-GET Flood攻撃に焦点を当て,この攻撃に対して一般利用者の通信をできるだけ生かしつつ,対策を行っていることが攻撃者に気づかれにくくなるようウェブサービス提供側で可能な対策の提案を行う.本対策手法では,仮想マシンを複数台使用することで資源の分離を行い,攻撃者と通常利用者の使用する資源を分ける.また,攻撃者が利用する資源の操作を行うことで,攻撃が成功しつつあるかのように見せる.更に,提案手法の実装を行い,実験を行うことで本提案手法の有効性を確認する.
著者
高橋 淑郎
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.55-76, 1999-05-31

講義や論文における次のような「自問自答形式の疑問表現」を<自問表現>と名づけ, その性格を考察した。(例)で, 今週からは, どういう勉強をするのか, っていうと, 2つの変数を同時に取り上げて分析する方法について勉強していきます。【講義】(1)<自問表現>は, 典型的な疑問表現と比べると, 表現主体が疑問を抱かず, しかも自分で答える, という特徴を持っている。(2)<自問表現>は講義, および論文の一部でよく使われる。(3)「説明要求」の<自問表現>は答えの表現と, 合わせて「x(と)はyである」という「題目提示」-「説明」関係を構成している。そのため, 講義や論文のような一方的な伝達形態の言語表現になじみやすいと考えられる。(4)「説明要求」の<自問表現>において疑問表現を用いるメリットとして, 題目を文として提示することができるので名詞句の場合のように複雑な構造になりにくい, 疑問詞による漠然とした題目提示が可能, また, 答えとして複数の文を持つことができる, さらに独立文形式のものに限っては働きかけの効果が狙える, ということが指摘できる.(5)「判定要求」の<自問表現>は答えの表現と合わせて全体で「Aである(ではない)」(Aは命題・事柄・事態など)という表現を構成している。(6)「判定要求」の<自問表現>では, 「Aである(ではない)」を強く印象づけるために疑問表現が用いられていると考えられる。「Aである(ではない)」が強調されるとその根拠・理由≡が求められる場合が多く, その結果, 「判定要求」の<自問表現>は説明・解説の表現を構成することになる。その点で「説明要求」の<自問表現>と同じく, 一方的な伝達形態の言語表現になじみやすいと考えられる.
著者
木村 健 浅香 正博 勝山 努 川野 淳 斉藤 大三 佐藤 貴一 下山 孝 杉山 敏郎 高橋 信一 服部 隆則 藤岡 利生
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.199-207, 1999-02-05
被引用文献数
17

第二次<I>Helicobacter pylori</I>治験検討委員会が改訂した治験ガイドラインの主な内容は,以下の通りである.<BR>I.除菌の利点と問題点: 利点は消化性潰瘍の再発抑制効果,そして低悪性度胃MALTリンパ腫の改善,かつそれらの医療経済効果である.問題点は薬剤耐性の獲得,および除菌後に新たに生じる疾患があり得ることである.<BR>II.除菌治験の適応疾患: 除菌治験を速やかに行うべき疾患は,現在のところ,胃・十二脂腸潰瘍と低悪性度胃MALTリンパ腫である.<BR>III.除菌薬: 酸分泌抑制薬+抗菌薬2剤の3剤併用療法をfirst-line therapyとする.<BR>IV.存在診断と除菌判定: 存在診断は培養,鏡検,ウレアーゼ試験にて行う.除菌判定は,培養と鏡検に加えて<SUP>13</SUP>C尿素呼気試験を必須とし,血清学的検査法とPCR法を削除する.除菌判定の時期は,治療終了後6~8週とする.
著者
青山 庄 樋上 義伸 高橋 洋一 吉光 裕 草島 義徳 広野 禎介 高柳 尹立 赤尾 信明 近藤 力王至
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.312-321, 1996-05-05
被引用文献数
6

1994年春,ホタルイカを内臓ごと生食後に旋尾線虫幼虫type Xによると思われる急性腹症を呈した10例を経験した.症状では,全例に腹痛,9例に嘔気・嘔吐,4例に下痢,6例に腹水を伴った腸閉塞と1例に皮膚爬行疹を認めた.検査所見では,経過中において,全例に末梢血の好酸球増多,9例に血清IgE値増加が認められた.ホタルイカ内臓の約3%に旋尾線虫幼虫type Xが寄生しているとの報告から,その抗体価を測定したところ,9例中7例で陽性を示した.1例では,腹膜炎の診断で回腸部分切除術が行われ,組織学的に,局所的なびらんと粘膜下層内に著明な好酸球とリンパ球浸潤を伴う炎症所見が認められたが,9例は保存的治療で軽快した.
著者
横浜 静夏 高橋 和子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

本研究では動的な議論をモデル化することを目標とする.情報科学における議論の研究では,議論の構成を静的に考えたものが多く,進行状態までをモデル化したものは少ない.しかし現実では,議論は議論者の発言があるたびに次々と進行していくものであり,時刻とともに議論構造は変わりゆくものである.そこで本研究では,発言ごとの議論者の知識ベース変化や,それに伴った議論構造の変化を考慮した動的モデルを提案する.