著者
石川 達也 三浦 清一 横濱 勝司 亀山 修一 川端 伸一郎 小野 丘 安倍 隆二 関根 悦夫 八谷 好高
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、凍結融解作用を受ける粒状路盤の力学特性の試験方法を提案するとともに、凍結時及び凍結融解後の粒状路盤の力学挙動を把握し、舗装構造の理論的設計方法を用いて、凍結融解に伴う粒状路盤の性能変化が道路舗装の疲労寿命に及ぼす影響を検討した。この結果、粒状路盤が凍結融解作用を受けた場合、支持力特性のような力学的な性能が変化し、疲労寿命のような走行路構造の長期性能に強く影響を及ぼすことを明らかにした。
著者
角 幸博 石本 正明
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は北海道および樺太を対象として、棟札や戦前期の新聞、職員録等を資料として、建築技術者・建築家・建設業者・建築系職人の人名および経歴や関与建築物の関連情報を統合したデータベース作成を目的としたものであり、2326件の情報を集約することができた。その内訳は、営繕技術者873件、民間技術者・建築家173件、建設業1014件、その他266件(建築関連団体役員を含む)である。
著者
松里 公孝 長縄 宣博 赤尾 光春 藤原 潤子 井上 まどか 荒井 幸康 高橋 沙奈美
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ロシアの諸宗教を網羅的・多面的に研究した結果、宗教というプリズムを通じてロシア社会を観察することが可能であることが明らかになった。宗教の視点からは、ロシアはより広い地理的なまとまりの一部であり、キリスト教の「教会法上の領域」の観念、巡礼やディアスポラを含めて広域的な観点から分析する必要性が明らかになった。「脱世俗化」の傾向はロシアにも共通するが、その特殊な形態を明らかにする作業が行われた。
著者
小野寺 伸 小山 芳一 西平 順
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

1)RA患者由来滑膜繊維芽細胞を用い、MIFがIL-8のmRNA発現を誘導し、この誘導にはチロシンキナーゼ、PKC、および転写調節因子AP-1およびNF-κBが強く関与していることを明らかにした(Arthritis Rheum 2004)。2)In-vivoにおいてマウス抗II型コラーゲン抗体カクテル関節炎モデルを用いて関節炎発症におけるMIFの関与を検討した。野生型(以下WT)マウスは関節炎発症に伴い関節局所におけるMIF、MMP-13およびMIP-2 mRNAの発現が増加した。関節炎発症操作によりWTマウスでは関節炎スコア(12点満点)が平均8点であったのに対し、抗MIF抗体を投与したWTマウス群およびMIFノックアウトマウス群では、それぞれ平均3点、平均2.5点と有意に関節炎が抑制され、これに伴い後者2群とも関節局所におけるMMP-13およびMIP-2 mRNA発現、および炎症性細胞浸潤が抑制された。(Cytokine 2004)。3)MIFをターゲットとした新規関節炎治療法の開発;MIF-DNAワクチン法を試みた。MIF-DNAワクチンとしてMIF cDNAの2nd loopにヘルパーTエピトープとしてtetanus toxin、ovalbumin、およびHEL (hen egg-whitelysozyme)の各十数残基を組み込んだプラスミドベクター、コントロールとして空ベクターを準備し、これらを8週令Balb/cマウス♀(各群n=5)にエレクトロポレーション法にて筋内接種した後II型コラーゲン抗体カクテル関節炎発症を試みたところ、ピーク時の関節炎スコアはコントロールワクチン群で平均5.5点に対し、前3者の混合接種により平均2.0点と有意な発症抑制効果を示した。まだ検討途上であるが本方法は新規RA治療法として期待される(投稿中)。
著者
馬渡 駿介 片倉 晴雄 高橋 英樹 齋藤 裕 矢部 衛 柁原 宏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

地球規模の環境問題を解決し、生物多様性を守り、人類の生存を保証する方策は、生物がどのくらい多様なのか知ってはじめて可能となる。しかし、「生物はどのくらい多様なの?」との素朴な疑問に今まで誰も答えられなかった。本研究は、一地域の生物多様性を丸ごと明らかにしようとする、日本で、また世界的にもこれまで例のない研究であり、生物多様性解明への社会的要望の高まりを受けて計画されたものである。研究は、北海道厚岸湾に位置する約1平方km^3の無人の大黒島およびその周辺浅海域で行い、地域生物相の徹底解明をめざした。その結果、土壌繊毛虫、土壌性鞭毛虫類、有殻アメーバ、トビムシ類、ササラダニ類、植物上ダニ類、土壌表層ダニ類、維管束植物、海産無脊椎動物、魚類、齧歯類において、合計5新種、約25の日本初記録種を採集し、生息種の全貌をほぼ解明した。
著者
新田 孝彦 坂井 昭宏 千葉 恵 石原 孝二 中川 大 中澤 務 柏葉 武秀 山田 友幸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究プロジェクトは、認知と行為の総合理論の基礎を据えることを目的として発足し、行為の合理性の分析を軸として、隣接諸学との関連をも視野に入れた研究を行ってきた。認知と行為の関連は、古くは「知と徳」の問題として、あるいはカントにおいて「理論理性と実践理性」の問題として問われ続けてきたように、哲学の中心的な問いの一つである。本研究プロジェクトでは、研究成果報告書第I部に見られるように、プラトンの対話篇を素材としたシンポジウム及びその背景となった研究において、生全体の認知と、そのもとに営まれる行為との関連のありさまを、哲学的思索の根源的な形態において理解しようとした。また、「プラグマティズムと人間学的哲学」シンポジウムにおいては、外国人研究者の協力も得て、日本及び東アジアの思想とヨーロッパにおける合理性概念の検討を行った。ともすれば、近代ヨーロッパに起源をもつ合理性概念にのみ着目してきた従来の哲学研究を、このような形でいったん相対化することは、合理性概念そのものの深化にとって不可欠である。さらに、シャーバー氏のセミナー及びシンポジウムでは、道徳的実在論に焦点を当て、より直接的に行為の合理性理解の可能性を問題にした。また、研究成果報告書第II部では、行為の合理性の分析と並んで、本研究プロジェクトのもう一つの柱である、哲学的な合理性概念と隣接諸学との関連にかかわる諸問題が論じられている。それらは社会生物学やフレーゲの論理思想、キリスト教信仰、認知科学、メレオトポロジー、技術者倫理と、一見バラバラな素材を取り扱っているように見えるが、それらはいずれも価値と人間の行為の合理性を軸とした認知と行為の問題の解明に他ならない。認知と行為の関連の問題は、さまざまなヴァリエーションをもって問われ続けてきた哲学の根本的な問題群であり、さらにその根底には人間とは何か、あるいは何であるべきかという問いが潜んでいる。これについてはさらに別のプロジェクトによって研究の継続を期することにしたい。
著者
安住 薫 岸 玲子 佐々木 成子 岩野 岩野
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、胎児期の環境化学物質曝露が臍帯血のIGF2/H19領域、LINE1のDNAメチル化に及ぼす影響について検討した。札幌の一産科病院で2002年-2005年にリクルートし同意を得た妊婦514名のうち、臍帯血の得られた267名を対象とし、パイロシークエンス法を用いてIGF2/H19、LINE1領域の臍帯血DNAメチル化について定量を行い、環境化学物質との関連について重回帰分析にて検討を行った。交絡因子で調整後、PFOA曝露によるIGF2メチル化の有意な低下、MEHP曝露によるH19メチル化の有意な低下、水銀曝露によるLINE1メチル化の有意な増加が認められた。
著者
島村 英紀 MARKVARD Sel 末広 潔 金沢 敏彦 岩崎 貴哉
出版者
北海道大学
雑誌
海外学術研究
巻号頁・発行日
1987

本研究では, 1988年に予定されている「本調査」を主な調査として, いまだナゾである大西洋中央海嶺の北部にあるプレート・テクトニクス研究の空白の部分について, すでに多くの研究の実積のある日本の海底地震計を使って, 日本とノルウェーの共同研究として, 精密な地下構造の探査と高感度の自然地震観測を行う. 1987年に行われた「予備調査」では, この研究の一環として, プレートの境界として, 日本のそれとは対照的な「受動的な境界」の精密な地下構造探査を, 世界で初めて, フィヨルドの底に海底地震計を並べて人工地震を行うという研究手法によって行った.この一連の研究によって, 海底から大陸にかけての地殻と上部マントルの『精密な地下構造』が初めて明らかになることと, 微小地震の活動を調べることによって, この付近の『プレートの現在の動きを知る』ことができ, 地球科学上, 大きな貢献をすることが期待される. なお, 海底地震計の設置と人工地震には, ノルウェーの大学の観測船が使われる.実験は海底地震計の場所を変えて二回繰り返され, 合計2万4千本もの地震記録を得ることができた. 解析には約半年を要するが, 記録の質は, もっとも遠い観測点でも良好なので, これらの記録を解析することによって, 同地域でいままでに得られたうちでも, もっとも精密な地殻構造が得られるものと期待されている.また, 次年度以下の本調査の実施についても, 明るい見通しを得ることができた.本調査に使うノルウェーの観測船と, 人工地震のための機材をテストするとともに, 共同研究者であるノルウェーの地球物理学者と共同して, 本調査で行う全体の地殻構造調査のいわば「東の端」である調査を, ノルウェーの大西洋岸で予備調査として行った.具体的には, ノルウェーの大西洋岸から直角に内陸に開けている, 同国最長のフィヨルドであるソグネフィヨルド(長さ200km)の中で, ベルゲン大学の観測船『ホーコンモスビー』(490トン)をつかって, 日本から運んだ海底地震計6台を設置し, ベルゲン大学の所有する大型エアガンで人工地震を行って, ノルウェー大西洋岸の地殻構造を求めるための一連の実験を行った. ノルウェーの大西洋岸は, 「受動的なプレート境界」として地球物理学では重要であるにもかかわらず, フィヨルドが縦横に走るほか, 山岳地帯に阻まれて, 通常の地震探査が行いにくかった. このため, 海底地震計とエアガンをフィヨルドの中で使うというのは, いままでだれも行っていなかった, 地下構造を調べるための効果ある手法なのである.
著者
菊田 弘輝 泉 孝典 吉川 真弓 白石 洋平 畑中 壮大 今井 綾子 伊藤 匡貴
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

水方式による躯体蓄熱暖冷房システムは,高断熱建物における室内負荷の顕熱成分に対応するシステムである.CASBEEの最高ランクS に相当する建物を対象に,本システムのコミッショニング及びシステムチューニングを実施し,快適性・省エネ性・経済性の向上を確認した.また,低温温水による輻射暖房ならびに高温冷水による輻射冷房の可能性を示唆し,本システムと併用する形で,ダブルスキンにおける省エネルギー効果,トップライトボイド空間における各階の日射負荷の分配率を明らかにした.
著者
吉水 守 田島 研一 西澤 豊彦 澤辺 智雄
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

牡蠣の汚染による衛生上の問題に関しては、腸チフス等18世紀から報告があり、我が国でも1924年熊本県不知火での規模な腸チフスの発生が知られている。1950年に『食品衛生検査指針』により貝類の衛生基準が定められた。牡蠣は1日当たり2トンもの海水を吸入し、餌料生物を接種し、同時に細菌やウイルスを濃縮する。しかし清浄海水で飼育すると蓄積した細菌やウイルスを放出する。いかにして、清浄海水を確保するかに関しては、坂井(1953,1954)、河端(1953)の研究により、現在の浄化法の基礎が築かれ、広島・宮城県から全国に普及していった。平成9年5月31日付けの食品衛生法の一部改正により、食中毒原因物質として新たに小型球形ウイルスとその他のウイルスが追加された。小型球形ウイルス(SRSV;現在、ノロウイルス)は電子顕微鏡像での形態が類似する直径27〜38nの球形ウイルスの総称であり、1972年に米国オハイオ州で起きた非細菌性集団胃腸炎の患者糞便より発見されたNorwalkウイルスがその原型である。ノロウイルスは培養細胞や実験動物を使用して増殖させることが困難であり、現在行われている紫外線やオゾンを用いた循環型浄化装置では、ウイルスが不活化されていてもRT-PCR法では陽性となり、製品の出荷ができない。本研究は、牡蛎のノロウイルス浄化法を培養可能なネコカリシウイルスを代替えウイルスとして検討したものであり、得られた成果は以下のとおりである。1.電解海水を用いることにより牡蠣の大腸菌浄化が可能であることを示した。2.ネコカリシウイルス(FCV)を用いた場合、FCVは紫外線に抵抗性を示したが、海水電解水に高い感受性を示した。3.FCVは高水温下で不安定であったが、低水温下では安定であった。3.FCVは半数以上の牡蠣の消化管内容物で不活化された。4.FCVは牡蠣の脱殻条件、40℃・800気圧で90%以上不活化された。これらを組み合わせることによりカキのノロウイルス浄化は可能となると考えられる。今後はノロウイルスの感染性を評価する系を作る必要性があると改めて認識された。
著者
塩塚 秀一郎
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

『人生 使用法』を特徴づける「空虚」は、作家の生い立ちにその起源を求めることができる。精神科医ポンタリスは、偽名のもとにペレックの症例を報告し、この患者がみせる場所への執拗なこだわりが、幼年期をしるしづける「空虚」を根源にもつことをあざやかにえぐりだしている。「ピエールの母親はガス室で亡くなっていた。ピエールが飽くことなく充たそうとした空っぽの部屋の数々、その背後にはこの部屋が隠されていたのだ。あらゆる名の背後に、名もなきものがあった。あらゆる形見の背後に、痕跡ひとつ遺さず亡くなった母親がいたのだ。」部屋を充たして増殖する「細部」と同じく、『人生 使用法』を充たしている「物語」もまた、そもそもの欠如をうめあわせるものであったようだ。自伝『Wあるいは子供の頃の思い出』の冒頭は次のように始まる。「ぼくには子どもの頃の想い出がない。十二歳ごろまでのぼくの物語は数行に収まってしまう。父を四歳で、母を六歳で亡くした。戦中はヴィラール=ド=ランスの寄宿舎を転々とした。一九四五年に父の姉とその夫がぼくを養子にした、というものだ。」作家の幼年期における物語の欠如が、のちのロマネスクの希求につながっているということは十分に考えられよう。この視点から考え直すと、「制約」は単なる技術的仕掛にはとどまらなくなる。物語を求める無意識の衝動に突き動かされるままになるのでは、同一の物語を繰り返してしまう危険性があるが、「制約」によって、ペレックの紡ぎ出す物語は、そうした生々しい刻印を覆い隠すことに成功しているのである。
著者
松下 大介 藤野 修 川北 真之 高木 寛道
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

穴あき円盤の上の滑らかなアーベル多様体の族, あるいは底空間を高次元化した多重円盤から座標軸にあたる超平面を除いたものの上の滑らかなアーベル多様体の族を底空間の穴あるいは除いた超平面の上まで延長した族を構成することに成功した. この問題は1980年代には考察されていた問題ではあったが, 満足出来る証明がこれまで与えられてこなかったため, 関連する問題に不自然な技術的な仮定を付けざるをえないものが多くあり, この成果を利用することで, 関連するいくつかの結果を改良することが見込まる.
著者
石川 剛郎 山口 佳三 泉屋 周一 斎藤 睦 待田 芳徳 田邊 晋 齋藤 幸子 高橋 雅朋 北川 友美子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

サブリーマン幾何やトロピカル幾何と関連する外微分式系の積分曲線に付随する特異曲面に関して,実代数幾何の見地から特異性の分類を実行し,ジェネリックな標準形を完成させた.ルジャンドル双対性と制御理論の見地から,枠付き曲線や曲面の接線ヴァライティーの特異性を分類し,写像のオープニング構成の概念を発展させ,一般の部分多様体の接線ヴァライティーの特異性の分類問題に応用した.また,G2サブリーマン幾何を非線形制御理論と実代数群の表現論の側面などから研究し,関連する特異性を分類した.さらにD4幾何の三対性とD型特異点論を進展させた.以上について論文を執筆し,国際的学術雑誌に発表済みまたは現在投稿中である.
著者
山田 友幸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究代表者は従来より、状況理論の枠組みのもとで、J.L.オースティンの真理の理論を拡張することにより、発語内行為の種類の違い(発語内の力の違い)を考慮に入れつつ、発語内行為全般を一貫した仕方で扱うことのできる、発話の内容の理論を構築することを目指してきた。本研究の目標は、この発話の内容の理論を、帰属準拠のアプローチのもとで定式化するとともに、同じアプローチのもとで、発語内の力の理論をも定式化し、両者を統合して、発語内行為の一般理論の基本的な枠組みを確立することである。帰属準拠のアプローチとは、行為者に発語内行為を帰属する形の言明をベースにして、発語内行為の内容と力を、帰属される行為そのものの特徴として統合的に扱おうとする本研究に独自のアプローチである。初年度にあたる平成10年度の研究により、このアプローチは状況理論と折り合いがよく、そのもとで、真偽が問題になる言明や報告などの発話と、真偽が問題にならない命令や約束などの発話の双方に、一貫した扱いを与える発話の内容の理論を定式化しうることが明らかになっている。第2年度および最終年度にあたる平成11〜12年度の研究では、発語内の力の理論に研究の重点を移し、その基礎となる出来事の一般理論に関する調査と、発語内の力の定式化のありうる方式の検討を行った。このうち前者に関しては、バーワイズとセリグマンのチャンネル理論の応用が有望であるとの感触を得ている。また後者に関しては、発語内行為の力の相違を、発語内行為がもたらす状況の変化のタイプの相違の観点から分析することを試み、個別事例に関して興味深い結果を得た。力の理論の形式化には、権利や義務、可能性、命題的態度等をも記述しうる言語が必要であるが、この面でも帰属準拠のアプローチの自然な拡張は、様相演算子の導入に頼ってきた従来の理論とは大きく異なる方向を示唆することが明らかになった。
著者
白土 博樹 本間 さと 玉木 長良 久下 裕司 伊達 広行 鬼柳 善明 畠山 昌則 金子 純一 水田 正弘 犬伏 正幸 但野 茂 田村 守 早川 和重 松永 尚文 石川 正純 青山 英史 作原 祐介 鬼丸 力也 阿保 大介 笈田 将皇 神島 保 寺江 聡 工藤 與亮 小野寺 祐也 尾松 徳彦 清水 伸一 西村 孝司 鈴木 隆介 ジェラード ベングア
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

いままでの先端放射線医療に欠けていた医療機器と患者のinteractionを取り入れた放射線治療を可能にする。臓器の動き・腫瘍の照射による縮小・免疫反応などは、線量と時間に関して非線形であり、システムとしての癌・臓器の反応という概念を加えることが必要であることが示唆された。生体の相互作用を追求していく過程で、動体追跡技術は先端医療のみならず、基礎生命科学でも重要な役割を果たすことがわかった。
著者
橘 ヒサ子 伊藤 浩司
出版者
北海道大学
雑誌
環境科学 : 北海道大学大学院環境科学研究科紀要 (ISSN:03868788)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.73-134, 1980-03-28
被引用文献数
1

1.北海道最北端日本海側海岸低地に発達しているサロベツ湿原の群落分類をおこない,また湿原の一部に線状調査区を設けて群落の分布と立地条件との関係について解析,記述し,湿原の発達と植生遷移について考察した。2.本湿原の群落分類の結果,水生植物群落について3群集,1群落,8基群集,沼沢地および低層湿原植生について2群集6群落18基群集,高層湿原植生について6群集1群落23基群集を認めた。さらに湿原周辺草本群落について1群落,森林群落について6群落を認めた。3.本湿原構成群落のうち,新しい群集としてヒメカイウ-ミツガシワ群集を認め,その分布と群落構造の特徴について記述した。4.尾瀬ヶ原湿原との比較の結果,本湿原を特徴づける群落は高層湿原ではチャミズゴケ群集,ガンコウラン-スギゴケ基群集,ガソコウラン-地衣類基群集,また沼沢地および低層湿原植生ではヒメカイウ-ミツガシワ群集,キタヨシ群集,チマキザサ群落,イワノガリヤス群落,ムジナスゲ群落,ヤラメスゲ群落があり,分布規模の大きさからも低層湿原植生の方に特異性のあることを明らかにした。5.群落の構造および分布と地形との関係から湿原周辺部はヤチハンノキ林と低層湿原であり中央部一帯が高層湿原になっていて,両者の中間にチマキザサ群落が広い面積で介在していることを知った。6.高層湿原はチマキザサ群落とスマガヤ群集より成る周縁複合体とhollow (pool)-hummock復合体,および余り顕著でない静止,侵蝕複合体からできており,池沼複合体の発達は微弱であるが明らかにされた。7.高層湿原の発達は構成群落の多様さと泥炭層の発達程度の両面からみて,上サロベツ湿原の方が下サロベツ湿原より著しいことを知った。8.阪口らの地史的研究成果を基礎とし,現存植生の群落型,その分布と立地条件との関係などの研究結果から本湿原の植物群落の推移系列を考察した。
著者
岡田 信弘 常本 照樹 笹田 栄司 佐々木 雅寿 宮脇 淳 棟居 快行 浅野 善治 武蔵 勝宏 小野 善康 稲 正樹 木下 和朗 齊藤 正彰 新井 誠 高見 勝利 深瀬 忠一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

近時、わが国の法体系や立法過程の在り方に「地殻変動」が起きているとの指摘があるが、こうした現象は日本に特有のものとは考えられない。グローバル化の圧力の下で、多くの国が政治・経済・社会のあらゆる分野での改革を余儀なくされているからである。本共同研究は、このような状況認識の下に、変革期における立法動向と立法過程を国際的な視角から実証的かつ総合的に分析することを通して、日本の新世紀における立法や立法過程のあるべき方向性を追究したものである。
著者
福嶋 正巳 倉光 英樹 長尾 誠也
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

鉄ポルフィリン触媒による臭素系難燃剤テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)の酸化分解に及ぼす腐植酸の影響について検討を行った。これまで研究を行ってきた塩素化フェノール類とは異なり、TBBPAは鉄ポルフィリン触媒による脱ハロゲン化が起こりにくく、主としてオリゴマーが生成する酸化重合が優先的に起こることがわかった。したがって、腐植酸を共存させたときには、TBBPAやBPsの酸化生成物と腐植酸とのカップリング化合物が生成し、その転化率は50-60%程度であった。また、藻類(P.subcapitata)成長阻害試験によりTBBPAのみを酸化した場合と腐植酸を共存させた場合に関する毒性評価を行ったが、腐植酸の共存によりTBBPAの毒性が低減することを明らかにした。
著者
田口 正樹 石川 武 山田 欣吾 石部 雅亮 村上 淳一 石井 紫郎
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、西洋と日本の歴史の中で法が有した統合作用を、そのさまざまな側面について検討した。その際、法そのものの持つ内実よりも、法が表出される様式、広い意味での法の「かたち」に注目するという視角を採用し、史料論および文化史の手法を参照しつつ、研究を進めた。史料論との関係では、古代末期・中世初期イタリアの文書史料、ドイツ中世中期の法書史料、西洋中世中期から初期近代(近世)にかけての法学文献とその体系、日本中世の日記を取り上げて、文字記録が支配と統合にとって有した意味、法書の国制像におけるラント法とレーン法の関係、lnstitutiones体系による法素材の整理と統合、京都を舞台とした「政治」の諸相などを解明した。文化史的研究に対しては、中世ドイツ人の国家像、中世中期ドイツの国王裁判、中世後期ドイツの貴族の実力行使(フェーデ)を考察対象として応接し、ローマ帝国を最終帝国とする歴史神学的世界観の意義、貴族間の紛争解決ルールの変容、フェーデにおける名誉や公衆の意義、などの問題が論じられた。更に転換期における法の「かたち」を、古代末期ローマ帝国の贈与に関する皇帝勅答、近世ドイツ都市における法類型、近世ドイツの大学における法学教育などを取り上げて検討し、皇帝政府による勅答を通じた諸利害の調整、中間権力と雑多な法を組み込んだ領邦君主の支配体制、近世の法学入門文献による法学諸分野の関連づけと歴史法学によるその改変などを明らかにした。最後に、「統合」そのものが現代世界において持つ意味と、日本の歴史上現れる「統合」の特徴的なパターンを、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンの後期の思考と日本古代から近代に至るまでの、公的ないし半公的な歴史叙述を対象として考察し、統合が構造的に生み出す排斥や、中心権力に奉仕する者たちの由緒の歴史という統合パターンを論じた。