著者
広重,豊国
出版者
丸久
雑誌
駅路の錦
巻号頁・発行日
1855
著者
兼児 敏浩 石橋 美紀 日比 美由紀
出版者
Japan Society for Health Care Management
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.399-403, 2009

患者ハラスメントを 「医療提供者に対する患者や患者家族による不当な要求や暴言、暴力 (セクシャルハラスメントも含む)」 と定義し、全国16の医療施設に協力を求め、実態調査を行った。116事例について把握できたが、想定よりも事例数が少なかった原因は患者ハラスメントに対する認識不足や収集システムの不備にあると推測された。患者ハラスメントはすべての部署・時間帯に発生しており、40代の男性が加害者となることが多かった。患者ハラスメントはまったくの言いがかりである場合は半分以下で患者の病状や些細な医療上のミスが誘引となる事例などが多く、半分以上が医療特有の原因に起因していると考えられた。被害者は女性看護師をはじめとして多くの職種に渡り、恐怖心や不快感のみならず厭世的な気分になることも多く、早急な対策が必要であると考えられた。
著者
熊谷 武久 瀬野 公子 渡辺 紀之
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.179-184, 2006-03-15 (Released:2007-03-09)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

乳酸菌添加液に玄米を浸漬することによる乳酸菌の付着性を検討した.(1)米及び米加工品より分離したL. casei subsp. casei 327を乳酸菌スターターとして,コシヒカリ,ミルキークイーン及びこしいぶきの玄米を用い,玄米浸漬液にスターターを添加して37℃,17時間発酵することにより,乳酸菌の増殖が浸漬液及び玄米で見られた.16SrRNA遺伝子塩基配列により当該菌が増殖したことを確認した.(2)発酵処理した玄米のpHはおおよそ6であり,炊飯後の米飯の食味に影響を及ぼさなかった.(3)発酵温度の低下により発酵処理玄米のLactobacillus数が低下し,玄米と浸漬液の配合比及びスターター量の変化では,大きな影響はなかった.(4)乳酸菌を添加しない区では,乳酸菌以外の菌数が増加し,Enterobacteriaceaeが主要な菌であった.(5)5菌種,7菌株の乳酸菌,全てで発酵液及び発酵処理玄米のLactobacillus数の増加が見られ,L. acidophilus JCM1132Tのみ生育が悪く,L. casei subsp. casei 327が最も増殖効果が高かった.
著者
巖城 隆 佐田 直也 長谷川 英男 松尾 加代子 中野 隆文 古島 拓哉
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.129-134, 2020-12-24 (Released:2021-02-24)
参考文献数
25
被引用文献数
1 2

2011年から2019年に西日本各地で捕獲された4種のヘビ類(シマヘビ,アオダイショウ,ヤマカガシ,ニホンマムシ)の口腔から吸虫を採取した。これらは形態観察と分子遺伝子解析によりOchetosoma kansenseと同定した。この種は北アメリカのヘビ類への寄生が以前から知られているが,日本に生息するヘビ類での確認は初であり,今回の結果は新宿主・新分布報告となる。
著者
中屋 宗雄 森田 一郎 奥野 秀次 武田 広誠 堀内 正敏
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.22-28, 2002-01-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
30
被引用文献数
1 2

目的: ライフル射撃音による急性音響性難聴の聴力像と治療効果に対する臨床的検討を行った.対象と方法: ライフル射撃音による急性音響性難聴と診断され入院加療を行った53例, 74耳とした. 治療方法別 (ステロイド大量漸減療法群23耳とステロイド大量漸減療法+PGE1群51耳) と受傷から治療開始までの期間別 (受傷から治療開始まで7日以内の群42耳と8日以降の群32耳) に対する治療効果と聴力改善 (dB) についてretrospectiveに検討した. また, 各周波数別に治療前後の聴力改善 (dB) を比較検討した.結果: 全症例の治癒率19%, 回復率66%であった. ステロイド大量漸減療法群では治癒率17%, 回復率78%, ステロイド大量漸減療法+PGE1群では治癒率24%, 回復率63%であり, 両者の群で治療効果に有意差を認めなかった. 受傷から7日以内に治療を開始した群では治癒率21%, 回復率78%, 受傷から8日目以降に治療を開始した群では治癒率16%, 回復率50%であり, 受傷から7日以内に治療を開始した群の方が有意に治療効果は高かった. 入院時の聴力像はさまざまな型を示したが, 2kHz以上の周波数において聴力障害を認める高音障害群が50耳と多く, 中でも高音急墜型が20耳と最も多かった. また, 治療前後における各周波数別の聴力改善 (dB) において, 500Hz, 1kHzの聴力改善 (dB) は8kHzの聴力改善 (dB) よりも有意に大きかった.結論: 今回の検討で, 受傷後早期に治療を行った症例の治療効果が高かったことが示された. また, 高音部より中音部での聴力障害は回復しやすいと考えられた.
著者
礒村 公郎 杉山 英男
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.626-634, 1999-10-15 (Released:2011-03-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1 2

兵庫県下の河川水および水道水のウラン濃度を調べた。県内大部分の地域で河川水のウラン濃度は検出限界0.02μg/kg以下であったが, 六甲山周辺および淡路島北部でウラン濃度の高い河川水が認められ, さらにウラン濃度とフッ素濃度には有意な相関が認められた。ウラン濃度の高い河川の分布する地域は六甲花崗岩および領家花崗岩の分布する地域と一致した。河川水のウラン濃度の高い原因は六甲花崗岩および領家花崗岩の地下水によると推定された。水道水の摂取に伴うウランによる年実効線量当量は, 過去には最高で1.5μSv/年 (1996年神戸市兵庫区) と推定されたが, その後ウラン濃度は減少し, 1997年12月以降は厚生省の指針値 (0.002mg/L) の半分以下で, 年実効線量当量は0.3μSv/年以下で推移している。
著者
緒方 里紗 小原 美紀 大竹 文雄
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.137-151, 2012 (Released:2013-06-06)
参考文献数
17

人々は社会的成功を努力で決まると考えているのであろうか,それとも運で決まると考えているのであろうか.本論文では,日本人が持つ社会的成功に関する価値観の形成要因を分析する.とくに,学卒時に直面する経済状況が価値観の形成に与える影響に注目する.分析には『くらしと好みの満足度についてのアンケート調査』(大阪大学)による回答を用いる.調査回答の特異性を利用して,個人のさまざまな異質性を捉えた上で,主観的な回答に対する同一個人の回答バイアスや測定誤差の影響を除いて分析した結果,学卒時に偶然にも不景気に直面した者は「社会的成功は努力よりも運で決まる」という価値観を持ちやすい可能性があることが示された.さらに,男性と女性の価値観の形成要因には大きな違いが見られることが明らかにされた.
著者
伊藤 美奈子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.26-36, 2017-03-30 (Released:2017-04-21)
参考文献数
21
被引用文献数
11 8

昨今, 深刻化・複雑化するいじめについて, 小学生(3,720人), 中学生(3,302人), 高校生(2,146人)に調査をおこなった。いじめの被害・加害経験を尋ねた結果より, いじめの加害役割と被害役割が固定したものではないことが明らかになった。また, いじめの被害者は自尊感情が低く情緒不安定な特徴を有するが, それに加害経験が加わるとより一層, 自尊感情(とくに人間関係における自己肯定感)は低くなることが示唆された。また, クラスメートをからかうことを「悪くない」「おもしろい」と認知するものの割合は, 年齢とともに多くなること, その傾向は, とくにいじめ加害経験を有するものに多いこともわかった。いじめによる不登校や希死念慮は, ネット上のいじめ・集団無視・金品たかりといういじめでとくに強く経験される。またこれらの辛さは, 加害経験がなくいじめ被害のみのものに強く, 仕返し願望は, いじめ加害経験者により強い。いじめを見たときの反応(注意する・誰かに相談する・傍観する)も, 発達段階による違いが見られた。さらに, そうしたいじめに対する反応の背景にも, いじめ加害経験や自尊感情の低さが関与していることがうかがえた。
著者
Naoki Nago Shizukiyo Ishikawa Tadao Goto Kazunori Kayaba
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.1012070204-1012070204, (Released:2010-12-11)
参考文献数
17
被引用文献数
28 66

Background: We investigated the relationship between low cholesterol and mortality and examined whether that relationship differs with respect to cause of death.Methods: A community-based prospective cohort study was conducted in 12 rural areas in Japan. The study subjects were 12 334 healthy adults aged 40 to 69 years who underwent a mass screening examination. Serum total cholesterol was measured by an enzymatic method. The outcome was total mortality, by sex and cause of death. Information regarding cause of death was obtained from death certificates, and the average follow-up period was 11.9 years.Results: As compared with a moderate cholesterol level (4.14–5.17 mmol/L), the age-adjusted hazard ratio (HR) of low cholesterol (<4.14 mmol/L) for mortality was 1.49 (95% confidence interval [CI]: 1.23–1.79) in men and 1.50 (1.10–2.04) in women. High cholesterol (≥6.21 mmol/L) was not a risk factor. This association was unchanged in analyses that excluded deaths due to liver disease, which yielded age-adjusted HRs of 1.38 (95% CI, 1.13–1.67) in men and 1.49 (1.09–2.04) in women. The multivariate-adjusted HRs and 95% CIs of the lowest cholesterol group for hemorrhagic stroke, heart failure (excluding myocardial infarction), and cancer mortality significantly higher than those of the moderate cholesterol group, for each cause of death.Conclusions: Low cholesterol was related to high mortality even after excluding deaths due to liver disease from the analysis. High cholesterol was not a risk factor for mortality.
著者
窪 誠
雑誌
大阪産業大学経済論集 = Osaka Sangyo University journal of economics (ISSN:13451448)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-27, 2016-10

Since Japan's ratification of the International Covenant of Civil and Political Rights in 1979, the Japanese government has submitted six state reports explaining the human rights situation in Japan. On all occasions the United Nations Human Rights Committee questioned the concept of "public welfare" contained in the Japanese Constitution, suggesting it allowed for a general restriction on human rights in the Constitution. This article clarifies the different viewpoints between the Japanese government and the UNHR Committee as they are found through an analysis of the state reports and the dialogue held between the two parties.