著者
遠藤 正行 鷺谷 広道 真知田 宏
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.422-426, 1991-05-20 (Released:2009-10-16)
参考文献数
30

A new method, a combination of the tape-stripped and paper-absorbent methods, was developed for measuring the distribution of peroxide and skin surface lipids on their depth in human stratum corneum. Peroxide lipids were shown to be produced not only in the top layer of the stratum corneum in the skin of people not exposed to sunlight but in the deep layer as well. Their compositions were correlated to those of skin surface lipids. Peroxide lipids in the outer layer were more easily produced than those in inner layers, possibly due to higher squalene content in the outer lipids. The removal of peroxide and skin surface lipids from the stratum corneum was also conducted and the washing properties were noted to differ. Peroxide lipids not only in the outer layer but also in the inner layer could be washed away while washing removed skin surface lipids only from the top layer. The addition of a cleanser enhanced removal efficiency.The removal efficiency of three surfactants differing in hydrophilic groups, i.e. phosphate, sulfate and carboxylate groups, was assessed. The phosphate type surfactant was found more capable of removing skin surface lipids in the stratum corneum.Based on the present results, an ideal cleanser should wash away peroxide lipids situated deeply within and harmful to the skin, but only skin surface lipids which function as a surfactant barrier.

160 0 0 0 OA 〔鶉の図〕

著者
正岡子規//画
出版者
巻号頁・発行日
1900

明治32年(1899)の春、高浜虚子が雌雄のウズラを贈った。雌はその年の暮れに死んだが、子規は翌33年、残った雄の写生に雌の絵も添え、つがいとして描いた。このウズラについては明治32年12月の随筆「根岸草廬記事」に書かれている。
著者
浜井 浩一
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.10-26, 2004
被引用文献数
2

2003年に実施された衆議院議員選挙において,主要政党のほとんどが,犯罪・治安対策を重要な争点として取り上げるなど,日本において,現在ほど,犯罪や治安が大きな社会問題となったことはない.世論調査の結果を待つまでもなく,多くの国民が,疑問の余地のない事実として,日本の治安が大きく悪化していると考えている.本稿では,これを「治安悪化神話」と呼ぶ.本稿では,まず最初に,日本の治安悪化神話の根拠となっている犯罪統計を検証する.そして,治安悪化を示す警察統計の指標は,警察における事件処理方針の変更等による人為的なものであり,人口動態統計等を参照すると,暴力によって死亡するリスクは年々減少しつつあること,つまり,治安悪化神話は,必ずしも客観的な事実に基づいていないことを確認する.次に,治安悪化神話の生成過程について,マスコミによる凶悪犯罪の過剰報道,それによって作られたモラル・パニックを指摘しつつ,さらに,一過性であるはずの治安悪化言説が,マスコミ,犯罪被害者支援運動と支援者(advocates),行政・政治家,専門家の共同作業を通して,単なるパニックを超えて,社会の中に定着していく過程を分析する.
著者
田中 裕
出版者
神戸山手大学
雑誌
神戸山手短期大学紀要 (ISSN:13496808)
巻号頁・発行日
no.49, pp.67-77, 2006

「読書百遍義自ら見る」という言葉が正しいかどうかを短大生活学科の新入生28名対象にデカルトの方法序説を30回読むことによって確かめた。一段落読む毎に5段階評価の理解と読みのスムーズ度とコメントを記録してもらった。正しいというのが結論である。
著者
平田 幸一 鈴木 圭輔 春山 康夫 小橋 元 佐伯 吉規 細井 昌子 福土 審 柳原 万理子 井上 雄一 西原 真理 西須 大徳 森岡 周 西上 智彦 團野 大介 竹島 多賀夫 端詰 勝敬 橋本 和明
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.166-179, 2020 (Released:2020-08-31)
参考文献数
51
被引用文献数
4

難治性の疾患における持続中枢神経感作と言われる病態の疫学,基礎・臨床的な位置付けさらには患者のケアにむけての研究をまとめた.本総説は厚生労働研究班の各員の研究結果を示したものなので,必ずしもまとまりがない点に限界があるが,今までは疾患縦断的に診断治療がおこなわれてきた難治性疾患における中枢神経感作の役割を横断的にみたという意味でもわれわれの研究の結果は一部ではあるが解明したものといえる.結果として,中枢神経感作は種々の疾患,特に難治性のもので明らかに何らかの役割を呈していることが示せた.さらにその治療法の解明には至らぬまでも,患者ケアに繋がる方略を示せたものと考えられ,今後の研究の基盤となることが望まれる.

159 0 0 0 OA 本邦刀剣考

著者
榊原長俊
巻号頁・発行日
1827
著者
岡野 多門 安東 重樹
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.232-239, 2012 (Released:2012-11-27)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

鳥取県の8海岸で撤去を伴う漂着ごみ調査を7年間毎月行い,河口から調査地までの距離と,そこでの由来地別漂着量について分析した。河口近くでは日本ごみが多く,外国ごみは少ない。これは地元のごみを含む河川水が,海表面を河口から扇型に広がる表流水効果で説明できる。日本ごみの量は河口からの距離にほぼ反比例するので,地元ごみと遠方からの日本ごみの量を推算できる。千代川流域圏では日本ごみの半分近くが地元由来となり,それは地名情報を印刷した漂着宣伝ライターの地名割合と一致した。この地域の漂着ごみは長崎県から鳥取県までの範囲から来るが,千代川流域圏の人口は,その地域の約3%にすぎない。これは河口から流出した地元ごみが,その地域の沿岸域に滞留しやすいことを示す。ここで発見した浮遊ごみに対する表流水効果と沿岸域滞留現象は一般的と判断できるので,地元海岸の漂着ごみを減らすためには,地元からのごみの流出を防止することが最も重要である。
著者
鈴木 翔 須藤 康介 寺田 悠希 小黒 恵
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.167-181, 2018 (Released:2019-03-28)
参考文献数
28

本稿の目的は,大手の結婚相談サービス事業者であるX社の会員を対象にした調査から,学歴・収入・容姿が「成婚の可否」「異性からの選好されやすさ」「結婚相手のより好み」に与える影響を明らかにすることである.分析の結果,以下の三点が明らかになった.第一に,高学歴,高収入,高身長・低肥満といった客観的条件の多くは,男性の高収入を除き,成婚の確率を高めるとは言えない.第二に,男性では,高学歴,高収入,高身長・低肥満であるほど女性から選好の対象とされやすく,女性では,非大学院卒,高収入,低肥満であるほど男性から選好の対象とされやすい.第三に,男性では,高学歴,高収入,高身長・低肥満であるほどより好みしており,女性では,高収入,低肥満であるほどより好みをしている.つまり,結婚相談サービスを利用した婚活では,一般的な結婚とは異なり,学歴・収入・容姿で有利な条件を備えていることが成婚の可否へほとんど影響を与えておらず,これは,男女とも婚活市場における自身の価値に対応したより好みを行うというメカニズムが存在するためだと考えられる.
著者
大久保 賢一
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.127-141, 2015-02-25 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
2

本論文では、日本行動分析学会「体罰に反対する声明」を受け、学校場面における「体罰」に依存しない行動問題に対する適正手続きについて解説する。まず、わが国における児童生徒が示す行動問題に対する懲戒や出席停止、あるいは有形力の行使などの適正手続きについて紹介し、「体罰」と懲戒の線引きに関する課題を明らかにする。そして、タスクフォースが声明において何に反対し、何に反対しないのかということをより明確にする。さらに、声明において推奨されているポジティブな行動支援の一例として、米国において普及しつつあるSchool-wide Positive Behavior Support (SWPBS)について紹介し、行動問題に対する予防的で階層的、そしてシステムワイドな支援モデルについて紹介する。米国の「障害のある個人教育法」(individuals with Disabilities Education Act: IDEA)において定められている学校教育における懲戒ルールについて解説し、適切な支援を行うことを前提とした行動問題への適正手続きについて言及する。
著者
野澤 茜 大谷 道輝 松元 美香 大谷 真理子 山村 喜一 成谷 さやか 杉浦 宗敏 内野 克喜 江藤 隆史
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.7, pp.1421-1426, 2011-06-20 (Released:2014-11-13)
被引用文献数
2

アトピー性皮膚炎の治療における保湿剤の塗布時期は,入浴直後の角層中水分量が多い時期が効果的と考えられているが,連用した詳細な報告はない.そこで,保湿剤を連用した際の入浴後塗布時期と保湿効果の関係について検討した.健常成人8名を対象に40°C,20分間入浴の1分後と1時間後にヘパリン類似物質含有製剤,白色ワセリンおよび尿素軟膏を2週間塗布し,角層中水分量を試験前および開始後に測定した.角層中水分量はいずれの保湿剤でも,入浴の1分後と1時間後の間に有意差は認められなかった.これらのことから,保湿剤の塗布時期は入浴直後と1時間後で差がなく,患者が毎日好きな時間に塗布するように指導することでコンプライアンスの向上が期待できることが示唆された.
著者
片野田 耕太
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.103-113, 2020-05-29 (Released:2020-06-27)
参考文献数
51

喫煙の健康影響は,日本では,2016年に厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(いわゆる「たばこ白書」)で包括的な評価が行われている.「たばこ白書」で受動喫煙との因果関係を推定するのに十分である(レベル 1 )と判定された疾患は,成人では肺がん,虚血性心疾患,および脳卒中である.これらの疾患の死亡に占める受動喫煙の寄与は,男性で 1 ~ 4 %,女性で 9 ~10%を占め,年間死亡数では約 1 万 5 千人に相当する.小児では乳幼児突然死症候群および喘息既往について受動喫煙との因果関係が十分であると判定された.受動喫煙を防止するには,屋内の公共の場所や職場を罰則付きで禁煙にする法制化が有効であり,アジアを含めて世界標準になっている.法制化後に成人,周産期,小児の健康影響が減ることについても科学的に十分な証拠がある.受動喫煙の健康影響に関する科学的証拠は,日本人が世界で初めて報告し,数十年を経て屋内禁煙という国際的な社会規範に結び付いた.科学的発見から社会制度の整備まで長い年月がかかった背景には,たばこ産業の干渉があり,そこには産業界のみならず科学界の人間が多く関与してきた.

158 0 0 0 OA 一番組い組

著者
芳虎
出版者
丸鉄
雑誌
江戸の花子供遊び
巻号頁・発行日
1858