著者
Sachiko Isobe Kenta Shirasawa Hideki Hirakawa
出版者
The Japanese Society for Horticultural Science
雑誌
The Horticulture Journal (ISSN:21890102)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.108-114, 2020 (Released:2020-04-06)
参考文献数
37
被引用文献数
3

Next generation sequencing (NGS) is one of the most impactful technologies to appear in the 21st century, and has already brought important changes to agriculture, especially in the field of breeding. Construction of a reference genome is key to the advancement of genomic studies, and therefore, de novo whole genome assembly has been performed in various plants, including strawberry. Strawberry (Fragaria × ananassa) is an allo-octoploid species (2n = 8x = 56), which has four discriminable subgenomes. Because of its complex genome structure, de novo whole genome assembly in strawberry has been considered a difficult challenge. However, recent advances of NGS technologies have allowed the construction of chromosome-scale de novo whole genome assembly. In this manuscript, we review the recent advances in de novo whole genome sequencing in strawberry and other Fragaria species. The genome structure and domestication history in strawberry is one of the largest questions in genetic and genomic studies in strawberry. Therefore, the domestication history in strawberry is also be reviewed based on comparisons of genes and genome sequences across Fragaria species.
著者
沖中 武 嶋崎 恒雄
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.22-29, 2010-09-23 (Released:2017-06-28)

研究の目的 本研究では、垂直サイン(データ付きポスター)と地面サイン(カラーテープ)が不法駐輪の防止に及ぼす効果を検討した。研究計画 ベースライン1、介入1(垂直サイン)、介入2a(垂直サインに地面サインを付加)、ベースライン2、ベースライン3、介入3(地面サイン)、介入2b(地面サインに垂直サインを付加)、ベースライン4からなるABCAABCAデザインを用いた。場面 大学キャンパス付近の歩道において実施した。参加者 当該の場所に駐輪をした者を対象とした。介入 垂直サイン(当該の場所に駐輪された台数の日々の推移を示す折れ線グラフを記載したポスター)と地面サイン(路上に貼付されたカラーテープ)を用いた。行動の指標 駐輪禁止範囲に駐輪された台数であった。結果 垂直サインと地面サインを併用することで不法駐輪台数が減少した。結論 不法駐輪台数のフィードバックと、カラーテープによる駐輪禁止範囲の明示を併用することの効果が確認された。今後は、より効果的な介入方法を検討するとともに、大学キャンパス全体を対象とするような大規模な介入の効果を検討することも必要である。
著者
松岡 勝彦 佐藤 晋治 武藤 崇 馬場 傑
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.25-34, 2000-09-25 (Released:2017-06-28)

研究の目的 行動コミュニティ心理学による身体障害者用駐車スペースの違法駐車の軽減を実証的に取り扱った研究知見を応用し、点字ブロックに近接して置かれた迷惑車両(自転車とバイク)に対して、注意を促すポスターを掲示することの効果を検討することを目的とした。研究計画 場面間マルチ・ベースライン・デザインを用い、ベースライン、介入、プローブを実施した。場面 A大学図書館、講義棟、研究棟駐輪場付近の点字ブロック周辺であった。対象者 主に上記の場所を利用する学生、職員(教官含む)であった。介入 不適切駐輪の定義とその防止を呼びかける内容のポスターを、図書館と講義棟に掲示した。図書館では北側入口ドアおよび南側入口ドアの2か所に、講義棟では南側入口ドアおよび西側入口ドアの2か所に掲示した。ただし、研究棟(統制用)には掲示しなかった。行動の指標 点字ブロックに近接して置かれた迷惑車両(台数)を従属変数とした。結果 講義棟では、ベースラインにおける不適切駐輪台数は、平均11.6台であった。ポスターを掲示した介入条件での平均台数は7.3台となり、プローブでのそれは平均3.8台であった。介入を行わなかった研究棟(統制条件)では、全期間での平均不適切駐輪台数は4.3台であった。ポスターを掲示した2か所(図書館と講義棟)のうち、講義棟については効果が見られたが、図書館については、さほど効果は見られなかった。結論 不適切駐輪の防止を呼びかけるポスターを掲示することにより、不適切な駐輪台数が減少した。ただし、このことはポスターを貼付した場所(建造物の機能)によって効果が異なっており、今後はより効果的な介入方略について検討する必要がある。
著者
安澤 秀一
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.3-37, 2020

<p> 本稿の目的は、文書布達および保存にかかわる官僚制といえる「文書行政」体系が江戸期大名(藩)統治に確立していたことの提示にある。そして、いかに藩の権威が文書の真正性と信憑性を保障していたか、そのあり様を検証する。</p><p> その事例を大垣藩(現・岐阜県大垣地方)にもとめ、寛永12年(1635)から慶応3年(1869)の江戸期末まで同藩を統治した戸田家の記録を調べることで、行政行為の証拠のために記録を作成し保存する規則たる根本法のすがたを明らかにする。その法の理解により、いかなる真正性と信憑性が達成されたか見定めることができよう。</p><p> 本稿においては、大垣藩にみるような「文書行政」体系が今日の現代的記録・アーカイヴズ管理へ示唆するところがあることをも意図している。江戸期の記録書類作成の原点、証拠志向体系から学べる意義は大きい。</p>
著者
シャリフディン フィルザ ウタマ 寺井 達夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.69, no.583, pp.73-78, 2004-09-30 (Released:2017-01-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究の目的は、コンピュータ内に展示施設などの仮想建築空間を構築し、四次元的空間制御を行うことで新たな建築空間の利用可能性が高まることを示すことにある。本論文ではそのために、仮想空間の制御を四次元空間レベルで自由に行うことのできる手法を提示し、実際にその制御を可能とする簡易システムを開発してモデル空間に適用することで、その有効性を具体的に示している。これまで提案された仮想空間はそのほとんどが実空間の延長として、モニタ上に単なる三次元空間を展開しているものであるが、本来、仮想空間は実空間の制約から解放されている分だけ、自由かつ流動的に制御できる空間として実務利用される可能性を有している。本論文では、そのような高度な処理を行うために四次元幾何空間の概念に着目し、その三次元空間への投影を建築設計上の要件に即して自由に制御できる手法を提示した。その手法を具現化して開発したコントローラシステムを実際に操作し、空間設計のツールとしての有効性を示すとともに、より応用的な検討に進むための基礎固めを行っている。具体的には、まず建築空間を構成するものとして環境、境界、人間の三つの要素に着目し、実空間と仮想空間における相互の関連を比較することで、仮想空間が依拠すべき実空間の特性と、実空間にない新たな特性を明らかにしている。その後、抽出した特性をもとに四次元空間を三次元空間に投影した際に制御される可視空間と不可視空間を規定し、仮想建築空間における内部空間と外部空間とにそれぞれ対応付けている。その結果、モデルとして制御可能な四次元仮想空間がモニタ上に展開される。
著者
田中 榮一 山中 寿
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.251-259, 2014-12-30 (Released:2015-02-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

薬剤の医療経済性評価は高騰する医療費の適正化を考える上で重要であるが,医療経済的研究は臨床データを基に構築されたモデルシミュレーションにより解析するため,我々が慣れ親しんでいる臨床研究とは異なり,日常診療での薬剤の有効性や安全性との関連性が理解しにくい.そこで本総説では日本のリウマチ患者の前向きコホート研究であるIORRAの日常診療データを用いて筆者らが実施したトシリズマブの医療経済的研究結果とこれまで得られているトシリズマブの有効性や安全性の関係から,薬剤の医療経済学的評価に影響を与える代表的因子として薬価,薬剤の投与継続率および有害事象発現リスクが低く効果発現の可能性の高い患者の選択の3点について考察を加えた.その結果,日常診療における有効性および安全性のバランスは医療経済学的評価に強い影響を及ぼす可能性が推察されることが明らかとなった,また,今回はトシリズマブを題材とした考察であったが,他の生物学的製剤でも医療経済学的検討で得られた成績を日常診療での有効性および安全性の成績と照らし合わせて裏づけることは,日常診療において医療経済学的評価に基づいた適正使用の妥当性を理解する上で非常に重要であると思われた.
著者
生澤 繁樹
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.93, pp.67-84, 2006

This paper examines Charles Taylor's idea of self-becoming in his cultural-pluralistic philosophy with a focus on his &ldquo;anti-naturalistic&rdquo; notion of the self. Although Taylor and his essay &ldquo;The Politics of Recognition&rdquo; have been introduced as the philosophy of multiculturalism or communitarianism in contemporary educational studies, it is not well understood that his cultural-pluralistic ideas are inspired, influenced and invoked by his sympathy with modern Romanticism and antipathy against modern naturalism concerning the concept of self-understanding. I characterize his philosophy of self-becoming as &ldquo;anti-naturalism&rdquo; and attempt to clarify his contributions to education including multicultural education.<BR>First, this paper conducts an analysis of Taylor's original notion of the &ldquo;selfinterpreting&rdquo; self with reference to his stance against modern natural sciences of man. Through this examination, we recognize that Taylor proposes the dialogical and hermeneutic notion of the self or self-becoming against the disengaged, neutral, or atomistic view of the self in natural sciences.<BR>Second, I present his &ldquo;anti-naturalistic&rdquo; philosophy of self-becoming as one based upon his positive evaluation of the ideas of individuality and authenticity in modern Romanticism. This is a view that an individual self is constituted by language and hence embedded in community, culture and history. I argue that the Romantic idea of the self is central to his &ldquo;anti-naturalist&rdquo; interpretation of the self as he views Romanticism as a reactionary movement against the analytic science of man in Enlightenment.<BR>Finally, as Taylor claims that the world of education is the main locus of multiculturalism, I examine his contribution to education including multicultural education. The conclusion runs as follows : Taylor's &ldquo;anti-naturalistic&rdquo; philosophy suggests the possibilities of multicultural education for us to rethink modern education from the standpoint of his Romantic appreciation of the originality of the individual and culture, while at the same time his philosophy has difficulties precisely because of that position.
著者
牛込 恵子 谷口 英喜
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.99-107, 2018 (Released:2018-08-23)
参考文献数
13

当院では,2016 年8 月1 日より専任医師およびパラメディックより運営される周術期支援センター(Tobu Hospital Perioperative Support Center:TOPS)を開設した.本稿では,Skill Mix 型のチーム医療として術前の栄養管理に焦点をあてた,「手術準備外来」における管理栄養士の役割を報告する.当外来では,最もよい全身状態で手術が迎えられるように,入院2 週間前に外来にて患者の全身アセスメントおよび情報収集,手術に関してのリスク判定,必要に応じて直接介入を多職種(医師,看護師,薬剤師,管理栄養士,歯科衛生士)により実施していることが特徴である.いわゆる外来型のNST 活動も当外来に含まれる.また,当院の周術期管理には,術後回復能力強化プログラム(ERAS®)の概念を取り入れており,術後早期回復を目標にEarly Drinking, Eating, Mobilizing(DREAM)を達成できるようにさまざまな工夫を術前より行っている.
著者
齊藤 明 岡田 恭司 髙橋 裕介 柴田 和幸 大沢 真志郎 佐藤 大道 木元 稔 若狭 正彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>成長期野球肘の発症には投球時の肘関節外反が関与し,その制動には前腕回内・屈筋群が作用することが知られている。成長期野球肘おいては投球側の円回内筋が硬くなることが報告されており,特に野球肘の内側障害ではこれらの硬い筋による牽引ストレスもその発症に関連すると考えられている。しかしこれらの筋が硬くなる要因は明らかにされていない。そこで本研究の目的は,成長期の野球選手における前腕屈筋群の硬さと肘関節可動域や下肢の柔軟性などの身体機能および練習時間との関係を明らかにすることである。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>A県野球少年団に所属し,メディカルチェックに参加した小学生25名(平均年齢10.7±0.7歳)を対象に,超音波エラストグラフィ(日立アロカメディカル社製)を用いて投球側の浅指屈筋,尺側手根屈筋の硬さを測定した。測定肢位は椅子座位で肘関節屈曲30度位,前腕回外位とし,硬さの解析には各筋のひずみ量に対する音響カプラーのひずみ量の比であるStrain Ratio(SR)を用いた。SRは値が大きいほど筋が硬いことを意味する。身体機能は投球側の肘関節屈曲・伸展可動域,前腕回内・回外可動域,両側のSLR角度,股関節内旋可動域,踵殿距離を計測し,事前に野球歴と1週間の練習時間を質問紙にて聴取した。また整形外科医が超音波診断装置を用いて肘関節内外側の骨不整像をチェックした。統計学的解析にはSPSS22.0を使用し,骨不整像の有無による各筋のSRの差異を比較するため対応のないt検定を用いた。次いで各筋のSRと各身体機能,野球歴や練習時間との関係をPearsonの相関係数またはSpearmanの順位相関係数を求めて検討した。有意水準はいずれも5%とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>参加者のうち肘関節内側に骨不整像を認めた者は4名(野球肘群),認められなかった者は21名(対照群)であった。浅指屈筋のSRは2群間で有意差を認めなかった(1.01±0.29 vs. 0.93±0.23;p=0.378)が,尺側手根屈筋のSRでは野球肘群が対照群に比べ有意に高値を示した(1.58±0.43 vs. 0.90±0.28;p<0.001)。浅指屈筋のSRと各測定値との相関では,各身体機能や野球歴,練習時間のいずれも有意な相関関係は認められなかった。尺側手根屈筋のSRも同様に各身体機能や野球歴との間には有意な相関関係を認めなかったが,1週間の練習時間との間にのみ有意な正の相関を認めた(r=0.555,p<0.01)。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>成長期の野球選手において浅指屈筋,尺側手根屈筋の硬さは,肘・股関節可動域や野球歴とは関連がないことが明らかとなった。一方,1週間の練習時間の増大は尺側手根屈筋を硬くし,このことが成長期野球肘の発症へとつながる可能性が示唆された。</p>
著者
小川 晋 安間 陽子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_349-I_356, 2011 (Released:2012-03-30)
参考文献数
2

品川区では公園の新設および改修を実施するにあたり,住民説明会やワークショップ,パブリックコメント等を行い,地域住民の多様なニーズを収集して,公園の計画・整備・維持管理にあたっている.しかし,従来の住民説明会等では,多くが大人のみの参加で,遊具などはじゃまだからいらないといったような大人の意見・要望が公園づくりに反映される結果となっており,本来公園をよく利用する子ども達の意見を聞く状況になっていなかった. そこで,平成20年4月に新しく策定された品川区基本構想の中で謳われている,区民と区との協働によるまちづくりの一環として,区の未来を担う子ども達の手によって,新しい公園の計画案づくりを行った.また,実際の公園整備にあたっては,公園に対し,より一層の愛着を持ってもらうため,子どもを対象とした工事見学会を開催した.公園完成後においても,子どもボランティアを公募し,花の植え替えを行うなど,公園の維持管理の中でも子ども達の参加ができないか検討を行っている. このように品川区では,公共事業の中で子どもが主体的に関わる事業において,計画・整備・維持管理の各段階において継続的に子どもが参加できる仕組みを作り,子どもと大人が共にまちづくりを担う地域意識の向上を図っていく.
著者
永幡 幸司 大門 信也
出版者
The Institutew of Noise Control Engineering of Japan
雑誌
騒音制御 (ISSN:03868761)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.128-136, 2003-04-01 (Released:2009-10-06)
参考文献数
13

福島県下の全自治体を対象としたアンケート調査より, 各自治体における防災無線の設置状況, 及び, その運用状況を明らかにし, それらと, 各自治体の特徴を表す指標である市町村勢との関係について検討した。その結果, 防災無線の有無と市町村勢の間には直接的な関係がないこと, 防災無線を用いて放送される内容の間には, 防災情報, 行政情報, 農林水産情報, 学校情報, 選挙結果の順に社会的に容認されやすいという構造関係があり, 都市化の進んだ自治体であるほど, 社会的に容認される放送内容が少ないことが明らかとなった。
著者
林 広樹 笠原 敬司 木村 尚紀
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.2-13, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
78
被引用文献数
15 12

関東平野の地下に分布する先新第三系の地体構造に制約を与えるため,新第三系を貫通した深層ボーリング,および反射法地震探査のデータを収集した.収集したデータはボーリング49坑井,反射法地震探査31測線である.坑井ではコアまたはカッティングス試料により岩相を観察し,地体構造区分上の帰属を足尾帯,筑波花崗岩・変成岩類,領家帯,三波川帯,秩父帯,四万十帯およびこれらを覆う中生界の堆積岩類に区分した.また,坑井におけるVSP法またはPS検層データによって基盤岩の物性を調べたところ,より年代の古い地質体ほど大きなP波速度を示すことが明らかになった.この性質を用いて,反射法地震探査による地下構造断面を地体構造の観点から解釈し,関東平野地下における地体構造区分分布図を作成した.
著者
天野 由貴 隅谷 孝洋 長登 康 稲垣 知宏
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-152, no.19, pp.1-6, 2019-11-08

広島大学では,学部新入生必修科目 「大学教育入門」 を開講している.その全 15 回のうち 1 回の 「アカデミック・プレゼンテーション」 の章で,反転授業をおこなっている.本研究では,事前学習動画で人物が映っていて説明しているものと,スライド映像に音声をつけているだけのもの 2 種類を用意し,新入生を約半分に分けて提供した.その視聴行動や小テストの得点にどういう影響を与えたかを比較した.
著者
鈴木 みずえ 松井 陽子 大鷹 悦子 市川 智恵子 阿部 邦彦 古田 良江 内藤 智義 加藤 真由美 谷口 好美 平松 知子 丸岡 直子 小林 小百合 六角 僚子 関 由香里 泉 キヨ子 金森 雅夫
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.487-497, 2019-10-25 (Released:2019-11-22)
参考文献数
34

目的:本研究の目的は,パーソン・センタード・ケアを基盤とした視点から認知症高齢者の転倒の特徴を踏まえて開発した転倒予防プログラムの介護老人保健施設のケアスタッフに対する介入効果を明らかにすることである.方法:2016年5月~2017年1月まで介護老人保健施設で介入群・コントロール群を設定し,認知症高齢者に対する転倒予防プログラムを介入群に実施し,ケアスタッフは研修で学んだ知識を活用して転倒予防に取り組んだ.研究期間は,研修,実践,フォローアップの各3カ月間,合計9カ月間である.対象であるケアスタッフにベースライン(研修前),研修後,実践後,フォローアップ後の合計4回(コントロール群には同時期),転倒予防ケア質指標,学際的チームアプローチ実践評価尺度などのアンケートを実施し,割付条件(介入・コントロール)と時期を固定因子,対象者を変量因子,高齢者施設の経験年数,職種を共変量とする一般線形混合モデルを用いた共分散分析を行った.結果:本研究の対象者のケアスタッフは,介入群59名,コントロール群は70名である.転倒予防プログラム介入期間の共分散分析の結果,転倒予防ケア質指標ではベースライン63.82(±11.96)からフォローアップ後70.02(±9.88)と最も増加し,有意な差が認められた.介入効果では,認知症に関する知識尺度の効果量が0.243と有意に高かった(p<0.01).結論:介入群ではケアスタッフに対して転倒予防ケア質指標の有意な改善が得られたことから,転倒予防プログラムのケアスタッフに対する介入効果が得られたと言える.
著者
山根 信二 村山 優子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.45, pp.77-82, 2003-05-15

2003年度に電子政府を実現するe-Japan計画に沿って,現在官公庁から地方自治体におよぶ全国的な取り組みが進められている.その過程で安全性証明のみならずリスク評価が重要な課題となっている. 本報告では,政府調達システムに固有のリスク評価事例として特にスマートカート(多目的ICカード)に注目する.スマートカード導入において,仕様策定,国際技術標準の導入,端末のセキュリティといった個別の課題を取り上げ,最後に比較事例としてアメリカ,ドイツ,イギリスの関連動向についてもとりあげる.Japanese government had proposed the single smartcard enough to run multiple applications. It is called ``common IC card in public sector''(Kouteki Bun-ya ni okeru Renkei IC card). In 2001, the ministries agreed the adoption of operational policies and technical specifications for common IC card in public sector. This paper exmines the govermental requirements oo the smartcard from the view point of security engineering and risk analys. This paper also comment on the smartcard issues in US, Germany, and UK.
著者
村山 直子
雑誌
学習院大学人文科学論集 (ISSN:09190791)
巻号頁・発行日
no.9, pp.103-121, 2000-09-30

According tQ a myth, the Central Land of the Reed Plains was mainly conquered by Futsunushi alld Takemikazuchi. Both of them are generally considered to be worshipped by the Nakatomi clan. But in my opinion, Futsunushi originally had a close relation to the Mononobe clan, charged with military and religious affairs. It appears that the Nakatomi clan linked itself to Futsunushi in place of the Mononobe clan after the downfall of the latter. Takemikazuchi is enshrined in Kashima shrine in Ibaragi Prefecture, and Futsunushi is enshrined in Katori shrine in Chiba Prefecture. In the area around Katori shrine, there are many sites of bead making in the middle of the Kofun period, and in those sites quite many imitation beads made of stone were excavated that represent the power of the Yamato regime, whereas in the area around Kashima shrine no site like these has been found. So it is likely thatKatori shrine was an important strategic point when the Yamato regime extended its power to the eastern land. On the other hand, the Mononobe clan played an important part in Yamato army. These facts show that there is a close relation between Futsunushi and the Mononobe clan. Besides, Futsunushi led the conquest of the Central Land of the Reed Plains in the myth of the Nihonshoki, whereas Takemikazuchi plays there a subordinative part. It appears that at first this myth narrated exclusively Futsunushi’s deed, and Takemikazuchi’s role was added to it later. Izumo region which is the scene of this myth has a close relation to the Mononobe clan, and Futsunushi was worshipped in Izumo from ancient times. There is a shrine named Kanbara near the place where a site of bead making in the middle of the Kofun period was discovered, and Iwatsutsuwo and iwatsutsume who are Futsunushi’s parents are enshrined there. Thus Katori shrine and Kanbara shrine which are dedicated to Futsunushi and his parents are located in the area where the sites of bead making which verify the controle of the Mononobe clan exist. As a result of these analyses I conclude that there is an intimate connection between Futsunushi and the Mononobe clan.