著者
小橋 眞理子 井田 政則
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.3, pp.65-70, 2012-03-31

Impulsiveness and self-control are considered as a personality and behavioral traits. The BIS-11(Patton et al., 1995), a measure of impulsiveness and the RSS(Sugiwaka, 1995), a measure of self-control, are the most common and well-known scales. Precedence research on these measures showed no gender differences. In an attempt to design the revised version for the Japanese people of BIS-11 by Kobashi & Ida(2011), gender differences were not considered. Hence this study, the researchers investigated the gender differences of impulsiveness using the Japanese version of BIS-11. We would like to incorporate the gender differences of self-control using RSS as well as this topic. 305 participants(117 males and 188 females)replied to these measures. The result showed no significant gender differences. In other words, with these two scales no gender differences were apparent.
著者
篠原 由利子
出版者
佛教大学
雑誌
福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.37-52, 2015-03-31

精神保健医療福祉領域にあって、当事者の心理・社会的支援を深めていく視点として不可欠なものが生活者の視点であり、障害特性(生活のしづらさ)であることは言うまでもない。疾患や障害が医学的記述やチェックシートによって計測され、計量化される時代にあって、福祉支援は「生きづらさ」「付き合いづらさ」等々、生活面、人生面に及ぼす影響がどのようなものかという当事者理解はことさらに必要である。しかし体験を理解するのはなかなか難しいものである。当事者の体験記や教育教材も出版されつつあるが、この稿では映像(映画)による共感的理解の深まりの可能性を論じた。

9 0 0 0 OA 洋食と日本人

著者
岡田 哲
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.314-317, 2001-03-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
3
著者
田辺 和俊 鈴木 孝弘
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.247-267, 2019-10-15 (Released:2019-11-15)
参考文献数
93

近年のわが国の重大社会問題の一つである自殺には地域差が存在するため,都道府県別の自殺死亡率に有意な影響を与える要因の解明を目的とする実証研究を試みた.47都道府県の男女別年齢調整自殺死亡率を目的変数,それとの関連が推測される健康,経済,社会,自然分野の指標54種を説明変数としてサポートベクター回帰分析を行い,自殺死亡率に対する決定要因を探索し,その相対的影響度を推定した.その結果,男女別にそれぞれ12種の要因が得られ,男性では精神保健福祉士数,家計収入,患者数などの要因,女性では悩み相談,出生率,残業時間などの要因の影響が大きいことを見出した。また,これまで未検証の精神保健福祉士数や残業時間,精神状態が有意の影響を与えるが,自殺率との関係が深いとされてきた失業率や離婚率は決定要因にはならなかった.さらに,自殺率が最も高い秋田県について決定要因の結果に基づき自殺対策の提言を試みた.
著者
山口 慎太郎 伊藤 裕 吉野 純
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.213-223, 2020-07-25 (Released:2020-09-04)
参考文献数
73

老化・加齢は癌,糖尿病,アルツハイマー病などの種々の疾患の最も重要な危険因子として知られている.未曾有の超高齢社会にある我が国において,高齢者の健康寿命の延伸を図る新しい方法論の開発は喫緊の課題であると言える.Nicotinamide adenine dinucleotide NAD+は,約110年前に発見された古典的な補酵素として知られている.言わばルネッサンスを迎えた近年のNAD+生物学研究の爆発的な展開により,ヒトを含めた哺乳動物において,老化に伴うNicotinamide phosphoribosyltransferase(NAMPT)を含むNAD+生合成酵素活性の低下,あるいはCD38に代表されるNAD+分解酵素活性の亢進により,全身性に臓器NAD+量が減少することが明らかとなった.そして,遺伝子改変動物モデルを駆使した解析により,このNAD+量の減少が老化に伴う機能障害,老化関連疾患の病態形成に重要な役割を果たすことが解明されつつある.さらに,数々の疾患モデル動物,老化マウスを用いた検討により,nicotinamide mononucleotide(NMN),nicotinamide riboside(NR)に代表されるNAD+中間代謝産物が,健康増進作用,抗老化作用を発揮することも続々と報告されている.これらの結果は,NAD+生物学研究の臨床応用,社会実装への機運を高め,現在,ヒトにおけるNAD+中間代謝産物の安全性,効能を検討する臨床研究が世界的に展開されている.本総説では,目紛しいほどの進化を遂げるこれらNAD+生物学研究トランスレーショナル研究の進捗を最新の知見を交え紹介し,超高齢社会日本におけるその研究の意義,可能性を考察したいと思う.
著者
大谷 道輝
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.96-102, 2014-06-30 (Released:2015-07-24)
参考文献数
17

There are many cases where patients use ointments inappropriately. One of the reasons is that there are only few studies about ointments. Even medical package insert of ointments does not give specific instructions about usage and dosage. For moisturizers, the number of times to apply to the skin is one to a few times, but not clearly specified. There has not been many studies done on the relationship between the number of times applied to the skin and the efficacy of the moisturizers. In the past, ointments were applied after bathing. However, recent studies have shown that there is no significant difference between applying just after bathing and after few hours. There are many cases where ointments are used together with other ointments. In these cases, ointments are often mixed together. However, there are only a few studies done on the permeability of ointments which are mixed. Overglazing is also very popular, but there has been no study done on the order of application and permeability. For these reasons, further study will be needed to properly use ointments.
著者
大崎 正瑠
出版者
東京経済大学
雑誌
東京経済大学人文自然科学論集 (ISSN:04958012)
巻号頁・発行日
no.127, pp.21-39, 2009-03-04
被引用文献数
1

In this article the author tries to scrutinize "tacit knowledge," which is the concept that genius scientist, Michael Polanyi advocated. First the author explains the concept of Polanyi. "Tacit knowledge" is thought to be in a different dimension beyond the ordinary cognition framework because the process in acquisition and manifestation is unspecifiable. And so "tacit knowledge" itself is difficult to research, but it is essential to know about it as much as possible. To comprehend further the "tacit knowledge" from another point of view, the author tries to classify the knowledge, which a human being has stored inside the body from birth to current moment, into three categories. "Tacit knowledge" belongs to one of the three categories, which is unexternalizable and intransmittable knowledge. However the term "tacit knowledge" used in management or engineering seems to be differently defined. The author tries to make the difference clear. Among important roles of "tacit knowledge" are the roles in acquiring new skills, in finding whereabouts of the problems, and in brewing source of creative activities for innovation, discovery and invention. In communication activities ordinary cognition usually plays the main role, but we are unconscious that "tacit knowledge" is supporting it as a sceneshifter or a stagehand without appearing on the scene. This means that "tacit knowledge" and other knowledge interact with each other and form a harmonious whole while communication is carried out. We should know more about "tacit knowledge" in intellectual or creative activities etc.
著者
清水玲那 橋口恭子 小川克彦
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.373-374, 2012-03-06

日記がブログになったように、昨今では新聞、書籍など様々なものの電子化が進んでいる。便利さや手軽さが叫ばれる一方で、紙の方が「なんとなく」良いという声もあり、便利さだけではない要素が利用者の心理にはあると思われる。しかし、紙と電子を比較する先行研究では、使う瞬間にのみ着目したものが多かった。 本論文では、学生にもっとも身近である単語帳を対象に、紙あるいは電子メディアを使った際の記憶力の比較実験について述べる。その結果、次の日までなら使い慣れた媒体の方が記憶に残りやすいが、1週間後には日常の利用頻度に関係なく紙媒体の方が記憶に残りやすいということがわかった。
著者
山田 実
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.217-226, 2019-07-25 (Released:2019-07-31)
参考文献数
38

2017年,サルコペニア診療ガイドラインが発刊された.ここでは,サルコペニアの定義・診断,疫学,予防,治療という項目でまとめられており,現時点でのサルコペニア診療に必要な情報が掲載されている.日々の臨床場面でサルコペニアを診る際には,まず,アジアのサルコペニアワーキンググループで定めた基準を使用すること,サルコペニアの治療には運動および栄養介入が推奨されている.なお,サルコペニアは各種疾病に併存することが多いことから,このような推奨を踏まえた上で個々の症例に対応することが求められる.
著者
立石 展大
出版者
立教女学院短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:0285080X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-16, 2010
著者
千野 美和子
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.99-108, 2006-12-30

昔話に登場する水について,グリムメルヘンと日本昔話から,物語に表現された水を取り出し,物語の展開の中で,どのようなイメージとして語られているかを考察する.まず,グリムメルヘンに現れた水の表現を取り上げる.その表現を,死につながる水,異界としての水・異界の通路としての水,2つの世界を分かつ水や障害物としての水,不思議な力をもつ水,何かが起きる場としての水,その他の6つに分けて,そのイメージについて検討する.次に,日本昔話に現れた水の表現についても,同様に分けて検討し,グリムメルヘンと比較しながら,水のイメージについて検討する.昔話に現れた水は,当時の人が抱いた水のイメージであるとともに,意識から見た水のイメージが表現されていると思われた.
著者
小山 耕平 浅谷 公威 榊 剛史 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.2E5J602, 2019 (Released:2019-06-01)

ソーシャルメディアは世論形成に影響を与えている。特に、特定の情報がソーシャルメディア上にて急速かつ広範に拡散する減少はネット炎上と呼ばれ、政府の政策や企業の株価などに大きな影響を与えている。さらに、新聞やテレビいった従来のメディアがネット炎上を後追いで報道する事例も増加し、ネット炎上の社会的影響力は強くなりつつある。ネット炎上は企業の不祥事などに対して、改善を促す効果がある一方、ネット炎上の対象となることを恐れ、情報発信の萎縮を引き起こしているとの指摘もある。本研究は、「ネット炎上」発生メカニズムの一端を解明することを目的に、Twitter上で高頻度にネット炎上に参加するユーザー群を想定して分析を行った。分析の結果、高頻度でネット炎上に関与する「高頻度炎上関与ユーザー群」の存在が確認され、かつ、高頻度炎上関与ユーザー群は密な情報ネットワークを形成しており、フォロワー数が多いことが確認された。以上の分析より、高頻度参加ユーザーは共振構造を持ち、ネット炎上の拡散に影響を与えていることが推測される。
著者
釜野 さおり
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.188-194, 2009-10-30 (Released:2010-10-30)
参考文献数
30
被引用文献数
3 2
著者
谷口 雅子
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.75-86,152, 2003-03-21 (Released:2011-05-30)
参考文献数
39

本研究は、スポーツが移入された明治・大正期に注目し、規範の生成という観点からみた、スポーツの場におけるジェンダーの生産・再生産の過程を明らかにすることを目的とする。その際に、これまでのセックス/ジェンダーという二元論的思考ではなく、男あるいは女というカテゴリーの生成自体を歴史的・政治的出来事として捉え、むしろそれが起きた状況やその効果を分析の対象とする。そして、そもそも男と女という区別は、妥当/非妥当という形で他者から教育されたものと考える。妥当/非妥当の形式による区別の操作という意味での規範の生成過程については、身体どうしのコミュニケーションから超越性が生じ社会的な意味や規範が定まっていくというプロセスに関する大澤理論に依拠している。分析の結果、スポーツの逸脱性を抑制する上で男女を差異化する必要性が増した時、それぞれの行為を限定する言説が形成され、ジェンダーが生産されていった過程が明らかになった。また、スポーツを教育的に行うことは、他者との直接的コミュニケーションから生じる志向性の連鎖から、行為の妥当性を一致させることが容易になり、ジェンダーが再生産されていく非常に有効な場となり得ることが明らかになった。
著者
伊藤 孝
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

ミトコンドリアは栄養代謝、エネルギー産生やアポトーシス制御等の生命の根幹を担う。栄養代謝・ミトコンドリア異常が疾患や個体の老化に関わる一方で、ミトコンドリアを標的にする効果的な治療法開発・社会実装には至っていない。我々は特定の乳酸菌により、ミトコンドリア異常を改善できること、モデル生物の寿命を延長できることを見つけた。本研究は外部環境由来因子である乳酸菌がミトコンドリアと個体老化を制御する機構を解明する。進化上細胞内共生する元微生物であるミトコンドリアと、外で共生する腸内微生物がどう宿主健康寿命への役割を共有し、また競合関係にあるのか、その問いにも考察を与える。