著者
潮平 英郎 仲松 正司 喜瀬 勇也 比嘉 太 健山 正男 外間 惟夫 国吉 幸男 植田 真一郎 中村 克徳 藤田 次郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.9, pp.1313-1317, 2016 (Released:2016-09-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

Teicoplanin, a glycopeptide antibiotic for methicillin-resistant Staphylococcus aureus, is recommended for therapeutic drug monitoring during treatment. Maintaining a high trough range of teicoplanin is also recommended for severe infectious disease. However, the optimal dose and interval of treatment for severe renal impairment is unknown. We report a 79-year-old man who received long-term teicoplanin treatment for methicillin-resistant Staphylococcus aureus bacteremia due to postoperative sternal osteomyelitis with renal impairment. Plasma teicoplanin trough levels were maintained at a high range (20-30 μg/mL). Although the patient required long-term teicoplanin treatment, a further decline in renal function was not observed, and blood culture remained negative after the start of treatment. Teicoplanin treatment that is maintained at a high trough level by therapeutic drug monitoring might be beneficial for severe methicillin-resistant Staphylococcus aureus infection accompanied by renal impairment.
著者
ブランカ ヴィツトーレ 池田 廉
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.6, pp.6-33, 1957-12-30

E una traduzione importante del noto articolo del Prof.Vittore Branca, che e incluso nel capitolo 3 del "Boccaccio medievale" (Firenze, Sansoni 1953). Siccome il valore dell' articolo e di gia ammesso e riconosciuto fra gli studiosi non e necessario che qui stiamo ripeterlo di nuovo. Vittore Branca, che e oggi tra i piu autorevoli studiosi del Boccaccio, riesce a presentare e leggere il Decameron in un tono nuovo e suggestivo : come una vasta e multiforme epopea dell'autunno del medioevo in Italia, come la "summa", o meglio il punto d'arrivo, della piu splendida narrativa europea nell'eta di mezzo. L'articolo, che per la prima volta si presenta agli studiosi di cose italiane in Giappone attraverso la piu fedele e riuscita traduzione, contribuera senza dubbio agli studi sul Boccaccio nel nostro paese.
著者
高橋 豪仁
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.60-72,128, 2000
被引用文献数
1

1998年7月4日に実施したオリックス・ブルーウェーブのホームゲーム観戦者を対象としたアンケート調査によると, 被害を受けた人の9割以上が1995年の震災の年に, オリックスの優勝によって勇気づけられたと回答した。この集合的記憶の形成には, メディアの果たす役割が大きいのではないかという問題意識の下に, 1995年と1996年の神戸新聞において, オリックスの躍進・優勝と震災に関して, どのような「物語」がどのような形態で掲載されているかを, メディア・テキストが受け手によって積極的に読解されるという見方に基づいて検討した。そして, この物語が被災経験を有するひとりのオリックスファン (Kさん) の個人的経験の中でどのように受けとめられているかを明らかにした。主要な結果は以下の通りである。(1) 社説などにおいて,「被災地の試練」→「オリックスの躍進と被災地復興との重なり」→「優勝による被災地への勇気・元気」→「ありがとう」→「復興への希望」というモチーフが見出された。(2) 優勝を伝える記事において, ファンや著名人のコメントを載せる記事の構成が見られ, このことによって, 読者がオリックスの優勝に対してどのように反応すればよいかを読者に例示し, 優勝の意味づけの同意を構築することに役立つテキスト構成になっていることが推察された。(3) しかしながら, 面接調査によって, 被災経験をもつ献身的なオリックス・ファンであるKさんは, その物語と実際の生活との間にズレを感じていることが分かった。(4) メディア・テキストの受け手の側には, 自らの生活の延長線上において, テキストが積極的に読解され, 受け手の側で意味が補完・再構成される以上の能動性, すなわち, このメッセージを拒み, 跳ね返す程の能動性があることが推察された。
著者
千年 篤
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.1-15, 2004-06-25 (Released:2014-11-28)
参考文献数
42

The purpose of this paper is to empirically analyze the role of agriculture in the process of transition to a market economy, with a primary focus on its contribution to regional income distribution in the Republic of Macedonia. During the transition, the Macedonian economy has deteriorated; both output and employment have significantly declined while income inequality has become worse. In these contexts, what are the effects of economic transition on agriculture? Has the agricultural sector buffered transition shocks, contributing to societal stability during the transition? What about the role of agriculture in income distribution across regions? This paper addresses these questions, with special attention to the dual structure of Macedonian agriculture: small individual and large corporate farms.It is found that the agricultural sector has kept its level of output throughout the transition period. Further, a trend analysis by organizational form shows that a distinct difference existed in response to transition shocks between the two farm sub-sectors. The in-dividual farm sub-sector has been stable and even increased both output and employment during the transition. In contrast, the corporate farm sub-sector experienced substantial falls in output and employment.Decomposition analysis of Gini coefficients reveals that agriculture has played an important role in alleviating income inequality across regions during the period 1986-1995 and the role is more striking for individual farms. The differential between the two farm sub-sectors reflects the fact that there exists a marked difference in behavioral response to transition shocks.These results lead to the conclusion that while large-scale corporate agriculture was vulnerable to changes in market conditions and public policies, individual agriculture has contributed to societal stability by offering a buffer against the risk of poverty that has been increasing, particularly in lower-income regions under the continued stagnation of the overall economy during the transition.
著者
佐藤 創
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.76, pp.37-52, 2011-06
被引用文献数
2

QR コード(Quick Response code)は部品管理のための2次元バーコードとして開発され, カメラ付き携帯電話と結合したことによって急速に普及しました。QR コードには短縮リード・ソロモン符号による誤り訂正機能が活用されています。自らプログラムを書けるほどにその符号化・復号アルゴリズムを理解するためには, 符号理論の本を読むのが常道ですが, それはなかなか難しいことです。ここではベクトルや行列などを学習した学生が読解できるような自己完結的な解説を試み,「なぜ未知の誤りの訂正ができるのか」という基本的な問いに丁寧に答えることにしました。このテーマは「線形代数」の格好の教材であると思っています。
著者
佐藤 創
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.76, pp.37-52, 2011-06
被引用文献数
2

QR コード(Quick Response code)は部品管理のための2次元バーコードとして開発され, カメラ付き携帯電話と結合したことによって急速に普及しました。QR コードには短縮リード・ソロモン符号による誤り訂正機能が活用されています。自らプログラムを書けるほどにその符号化・復号アルゴリズムを理解するためには, 符号理論の本を読むのが常道ですが, それはなかなか難しいことです。ここではベクトルや行列などを学習した学生が読解できるような自己完結的な解説を試み,「なぜ未知の誤りの訂正ができるのか」という基本的な問いに丁寧に答えることにしました。このテーマは「線形代数」の格好の教材であると思っています。
著者
岡本 好雄 中橋 喜悦 千野 峰子 松田 和樹 久保田 友晶 岡田 真一 守屋 友美 及川 美幸 李 舞香 木下 明美 青木 正弘 高源 ゆみ 中林 恭子 今野 マユミ 槍澤 大樹 入部 雄司 小倉 浩美 菅野 仁 藤井 寿一
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.470-475, 2013 (Released:2013-07-19)
参考文献数
6
被引用文献数
1 3

腹水濾過濃縮再静注法(CART:Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)とは,腹水症(又は胸水症)患者の腹水(又は胸水)を採取し,濾過濃縮後に再静注する治療法で,我が国で開発されて以来,保険診療の中で30年以上広く実施されている. 当院におけるCARTは各診療科が必要時に臨床工学技士に処理を委託していたが,院内統一の依頼・供給手順や製剤が存在せず,医療安全の面で問題があった.複数患者のCART実施時における患者取り違いのリスクを回避するために,輸血・細胞プロセシング部で申し込みから腹水・胸水処理,供給に至るまでを一括管理することとなった.具体的には,既存の輸血システムを流用し,電子カルテからの申込みと製剤固有バーコードの発行,バーコードによる製剤と患者の照合作業までの安全な供給体制システムを構築した. 次に輸血用血液製剤同様の製剤の安全性に関する基準を作成するために,濃縮前後,および一定条件下での保存後の腹水の性状やエンドトキシン検査に関して検討を行った.濃縮後のアルブミン量は26.5±2.7gであり,回収率は66.8%であった.処理前のアルブミン量に関わらず一定の回収率が得られた.また処理前腹水の4℃一晩保存,あるいは-30℃14日保存においてもエンドトキシンは検出されなかった.今後,冷蔵保存後の処理あるいは冷凍保存分割投与によってCARTを必要とする多くの患者へ適応可能になると考えられる.
著者
宮野 公樹
巻号頁・発行日
2016-08-01

国際高等研究所基幹プログラム「将来の地球社会を考えた時の科学技術の在り方」研究会発表資料. 2016-08-01.
著者
稲葉 基高 澤野 宏隆 林 靖之 甲斐 達朗
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.561-566, 2016-09-01 (Released:2016-09-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1

【目的】我が国の高齢化は急速に進行しており,救命救急センターに搬送される超高齢者も増加している。ADL(activities of daily living)不良や認知症も多く,ICUでの治療の適応を迷う場合もある。今回,集中治療を要した超高齢者の転帰と予後因子について検討した。【方法】2009年1月~2011年12月に救命救急センターICUに入院した90歳以上の非外傷性疾患の患者66人を対象に,患者背景,入院後の手術・処置,転帰を後方視的に調査した。【結果】年齢の中央値は92歳で,来院時にliving willを確認できた例は皆無であった。転帰は在院死19人,退院19人,転院28人であり,転退院した47人の6か月後,1年後の生存率はそれぞれ74.3%,54.7%と不良であった。単変量解析では男性,認知症,ADL不良,施設入所者が,多変量解析では男性とADL不良が予後規定因子であった。【結論】超高齢者の集中治療の適応に関しては年齢のみで判断することはできず,患者本人と家族の意思および患者背景を汲みながら症例ごとに慎重に方針を決定する必要がある。
著者
松岡 清利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.227, pp.21-26, 2012-09-27

近年,歩行ロボットのようなリズミックな運動をするロボットに対して,振動子を適用する例が数多く見られるようになった.基本的なスキームは,振動子がロボットを駆動する一方で,ロボットのなんらかの状態量が振動子にフィードバックされるというものである.これによって,振動子は制御対象の固有振動に同調することになり,エネルギー効率の高い駆動が実現される.そのような形で用いられる振動子モデルの中で,筆者が四半世紀前に提案した神経振動子モデル(松岡振動子)は現在最もよく知られているものであろう.本講演では,松岡振動子を用いたロボットの運動制御の様々な例を紹介し,またその特徴について述べる.