著者
韓 永學 HAN Younghak
出版者
北海学園大学法学会
雑誌
法学研究 (ISSN:03857255)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.747-780, 2014-03
著者
水野 広祐 河野 泰之 甲山 治 小座野 八光 遠藤 尚 渡辺 一生 加納 啓良 加納 啓良 プジョ スメディ ノーフボーム フルベン スカイク アルトゥール・ファン
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

インドネシアの民主化と地方分権化、さらにその後の経済成長はジャワ島農村を大きく変化させ、土地を持たない世帯が80%を占めるに至り、1904年の32%、1990年の56%を大きく上回った。この変化は、世帯規模の縮小と世帯数の増加、農村内非農業部門の展開と、ジャカルタなどへの出稼ぎ労働力の結果であり、人口増加はこの間、少なかった。19世紀後半、森林や灌漑排水の国家による整備管理が進んだ。しかし、民主化・分権化の結果、それまのでサトウキビの栽培強制が2世紀ぶりになくなり、土地利用の自由化が進んだ。今日、住民の創意が生かされ、集約農業(赤玉ねぎ等)や非農業(煉瓦つくり)、私有地植林が展開している。
著者
杉本 良男
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.603-614, 2004

本論文では, インド映画の特徴およびその文化的特性, 地域性, グローバル化の諸側面に注目する。まず, (1)インドのメガ・シティを舞台にした大衆演劇から娯楽映画への系譜, とくに, イギリス大衆演劇の影響を受けながら, インド神話・ペルシア神話を題材にとった大衆演劇の影響を直接受けた独立前のインド映画の状況について紹介する。つぎに, (2)インド映画の多言語性, 地域的多様性について, とくに, 20近い言語でつくられているインド映画の地域性と, とりわけ, 政治との関係が深かった南インドの政治的娯楽映画とナショナリズムとの関係について論じる。さらに, (3) グローバル化時代のインド映画について, とりわけ, 1990年代のインドの経済自由化以後, グローバル化の波に乗り, ハリウッドにも進出して世界を席巻しようとしているインド映画の現状と課題についてそれぞれ述べる。
著者
大前 元伸
出版者
『年報 地域文化研究』編集委員会
雑誌
年報地域文化研究 (ISSN:13439103)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-21, 2014-03-31 (Released:2017-01-26)

Le présent article veut traiter du « discours » comme question centrale chez Jean-François Lyotard, en examinant notamment son oeuvre Discours, figure. Notre discussion commencera par clarifier la problématique générale de Discours, figure. Suivant une hypothèse selon laquelle Lyotard vise à décrire l’ « extériorité » de la langue, nous analyserons l’interprétation lyotardienne des théories de Freud qui, selon le philosophe, porte sur la relation entre le linguistique et le non-linguistique, permettant au philosophe d’introduire dans sa discussion la pulsion forclose qu’est la figure et le désir qu’est son expression. L’impossibilité de verbaliser la figure conduit Lyotard à analyser la fonction du désir. Il reconnaît dans le discours le désir à l’oeuvre, qui a les deux aspects contradictoires : régulation discursive et destruction figurale. Grâce à l’interprétation originale de la pulsion de mort, cette contradiction est considérée comme conflit entre le réglage et le déréglage de l’énergie, ce qui lui permet de déclarer que le discours tend à se détruire tout en se stabilisant. Cet argument nous amène à nous poser la question radicale de savoir si la philosophie lyotardienne n’est plus vraie vu que sa critique du discours s’applique au sien. Toutefois, elle consiste à affirmer que le discours ne représente pas une vérité, mais il est un lieu où advient ce qui est à penser. En commentant d’autres ouvrages tels qu’Économie libidinale et Le différend, nous montrerons que Lyotard a pour objectif la déconstruction de l’opposition extériorité-intériorité du discours et que cette problématique persiste pendant tout son parcours philosophique. Ainsi la pensée de Lyotard se manifeste-t-elle comme une quête sans cesse de problèmes plutôt que de la solution.
著者
遠藤 智美
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

音声知覚時において、視覚情報から得る音響要因としてフォルマント周波数に着目し、フォルマント周波数以外の音響要素を揃えた母音を用いて母音弁別課題を実施し、課題遂行時の脳波を計測した。健常成人を対象とした脳波計測の結果は、有意な波形差は認められなかったが、皮質下に電極を留置した難治性癲癇患者に対して実施した皮質内脳波計測では、音声のみの提示で音声提示から200ms以内に、左外側側頭葉後部で認められた母音ごとの差が、視覚情報と同時に提示すると認められなくなった。これは、口の形という視覚情報があることで聴覚野近傍の神経応答が変化することを示唆する。
著者
大村 廉
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では, センサデータに欠損が生じた場合にも適切に行動の推定を行うことが可能な行動認識手法の検討を行った.行動認識で用いられるパターン認識のプロセスから,欠損センサデータの補完,欠損特徴量の補完,識別処理での対応,を検討した.具体的には,センサデータの補完には ARAR モデルによる系列データ予測を用いた.欠損特徴量の補完には重回帰およびカーネル回帰による予測を用いた.識別処理での対応には,あらかじめ人工的にセンサデータを欠損させたデータにより学習させた識別器を欠損部位ごとに作成し,欠損状況に併せて選択するようにした.実験の結果,識別器で対応するよりも,センサデータおよび特徴量を補完する方が多くの場合性能がよくなることがわかった.また,欠損部位によって適切な対応方法が異なることがわかった.欠損部位に適した補完方法を用いることで,欠損が無い場合にほぼ匹敵するか,あるいは 0.03 ポイント(F 値)程度の性能低下で欠損データへの対応が可能であることがわかった.
著者
山本 啓一 三村 徹郎 矢島 浩彦
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

車軸藻内では非常に早い原形質流動が起こっている。この流動は、きんにくと同じミオシン・アクチン系によることが示唆されてきたが、そのミオシンの形態や運動能力については良く判っていなかった。そこで、我々は、オオシャジクモChara corallinaのミオシン抗体を用いて車軸藻cDNAライブラリーをスクリーニングし、このミオシンをコードする遺伝子をクローニングした。読みとった塩基数は8384で、その中に翻訳領域6471塩基対(2157アミノ酸)が含まれていた。計算によって求められた分子量は245532で、生化学的に得られたシャジクモ・ミオシンをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳道にかけることよって決められた値と良く一致していた。得られたアミノ酸配列から二次構造予測を行ったところ、N末端にATP加水分解部位やアクチン結合部位を含む球状構造、それに続いて軽鎖結合部位と考えられるIQモチーフ、コイルドコイルを作る領域、そして尾部末端の球状領域からなることが示唆された。この構造は、我々が以前に電子顕微鏡で観察したものと非常に良く一致していた。さらに、遺伝子の一部を大腸菌内で発現させ、それに対する抗体を作ったところ、この抗体は性化学的に得られたシャジクモミオシンと反応した。以上の結果から、我々がクローニングした遺伝子は、間違いなくシャジクモミオシンのものであると考えている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.735, pp.109-113, 1999-01-25
被引用文献数
1

阪神淡路大震災の混乱覚めやらぬ1995年2月上旬,雨堤徹氏は広島にあるPHS(パーソナル・ハンディホン・システム)電話機メーカに呼び出される。雨堤氏が開発したAl外装缶製Liイオン2次電池をぜひ採用したいという。拝み倒され,雨堤氏はこの依頼を受ける。納期まで3カ月。とにかく開発を急がなければ,間に合わない。
著者
松本 ディオゴけんじ
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

当該年度に実施した研究の主要な成果は以下の通りである.1. ベキ等なヤン・バクスター写像の構成とバブルソートとの関係全順序集合の要素をいくつか並べ, 隣り合う要素の大小を比較しながら整列させるソーティングアルゴリズムをバブルソートと呼ぶ. バブルソートは可積分系における重要な研究対象である超離散戸田分子方程式, 箱玉系と関係があることが知られており, バブルソートに現れる"隣り合う2元を大小関係に従って並べ替える写像"は全順序集合上のベキ等なヤン・バクスター写像を与えていることが示されている. そのため一般のベキ等なヤン・バクスター写像はバブルソートの一般化と考えられ, ベキ等なヤン・バクスター写像の構成は超離散可積分系を理解するための新しい視点を与える重要な研究対象であると考えられる.本研究では, 分配束(全順序集合を含む代数系)上のベキ等なヤン・バクスター写像を考察することにより, 二つの非可換な二項演算を持つプレ・半環に吸収律を緩めた条件を追加して得られる代数系からベキ等なヤン・バクスター写像が構成されることを示した. また, この代数系は零環(積が零元となる自明な環)を含んでおり, 去年度研究をした半群上のベキ等なヤン・バクスター写像の延長上の研究である.2. 上述の代数系の構造と余積の調査分配束は上述した代数系の重要な例であり, 上述の代数系で消約律や可換律が成立をするものを考えることにより, 分配束が得られることを示した, また, 適切な条件を考えることによりこの代数系上の余積の族が得られることも示した.
著者
及川 弘 西野 正和 山森 和彦 牧野 昭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.66-74, 1994-01-25
被引用文献数
3

音声スイッチ回路(VS)は,マイクロホンとスピーカを用いて拡声通話を実現する通信機器におけるエコー抑圧やハウリング防止などに広く使用されている.また,最近では,エコーキャンセラの性能を補完する形で,エコーキャンセラと併用して使用されることも多い.加藤らは,このVSをアナログ回路を利用して実現する際の動作特性と設計法について詳しく検討し,音響・側音特性の変化に自動的に適応して切換え損を小さくできる自動損失切換え形VS(ALS)を提案している.しかし,このALSは,アナログ回路のみで構成するため,設計が複雑で,今以上に切換え損を小さくすることは極めて困難である.そこで,本論文では,マイクロプロセッサ(μP)を用い,プログラム制御でALSの機能を実現することで優れた通話性能が得られるプログラム制御形音声スイッチとして(1)全通話帯域に適用するもの(Type A)と,(2)通話帯域を分割し各通話帯域ごとに適用するもの(Type B)とを提案する.
著者
平田 研二
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

次世代の分散型エネルギー需要・供給ネットワークにおける供給家, 需要家を自身の利得確保を追求するエージェントと捉える. また, 社会としての公共の利得確保を目指す独立した行政機関に対応するユーティリーを想定する. 本研究では, ユーティリティーによる価格 (税金/補助金) の提示とエージェントの分散意思決定の相互作用により, エネルギー需要・供給ネットワークの最適な運転状態への誘導を可能とする. また提案する運用方策を太陽光発電システムにおける電圧変動抑制問題, 配電系統における電圧変動の抑制問題, 電気自動車の分散型充電管理といった実際的な課題への適用し, 有効性を検証する.
著者
田名部 雄一 岡林 寿人
出版者
麻布大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

1.インドネシアの在来件犬について調査した。バリ島で3ケ所から100頭、カリマンタン島で5ケ所から100頭を採血し,血液タンパク質の多型を主に電気泳動法により調査した。また外部形態についても調べた。インドネシア在来犬の外部形態は一定していない。赤、黒、白などの単色の他、赤虎、黒虎、黒ゴマなどが多い。全て立耳で殆ど差尾であった。吻は長く、ストップは極めて浅い。舌斑はカリマンタン島では61.6%と高く、バリ島では7.2%と少ない。小型で体高36〜41cm、体長39〜44cmであった。血球グルコースホスフェイトイソメラーゼ(GPI)に今までに知られていないGPI^C、GPI^Dの多型がかなり高い頻度で認められた。GPI^Dはモンゴル在来犬にも低い頻度で存在する。東北アジア犬に独特の遺伝子であるとみられていたヘモグロビンA(Hb^A)は、インドネシア在来犬ではHb^Aに固定されていた。もう1つ東北アジア犬に独特の遺伝子ガングリオシドモノオキシゲナーゼg(Gmo^g)インドネシア在来犬では極めて低く、カリマンタン島の犬では皆無であった。このようにインドネシア在来犬には、東北アジア犬の特色をも持っていた。主成分分析を行った所、インドネシア在来犬はモンゴル在来犬と近く、韓国在来犬とは遠い距離にあった。このことからインドネシア在来犬が直接琉球列島を経て日本列島に入った可能性は低い。インドネシア在来犬とモンゴル在来犬の間には、かつて相互に遺伝子の交流があった可能性がある。2.モンゴルに生息するオオカミのさらに追加して調べた所、Hb^Aの頻度は0.875、Gmo^gの頻度は0.293となった。この2つの遺伝子はアジア犬に高い頻度で見出される遺伝子であるが、ヨーロッパ犬では低い。また、インドオオカミやヨーロッパオオカミには見出されない。このことからアジア犬の成立には、東アジアにいるオオカミ(Canis lupus chanco)の遺伝子の流入の可能性が高い。
著者
真喜屋 清 石黒 虎男 高橋 美和子 大橋 昭任 竹下 三喜男 彭城 郁子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.39-46, 1986-03-01

水田皮膚炎の原因となる烏類住血吸虫セルカリアの中間宿主ヒメモノアラガイについて, 乾燥した水田の稲株で越冬する集団, 初夏の水田で越冬貝がら発育した大型貝集団および産卵後に生じた新生貝集団の水田内における分布様式を明らがにすると同時に, 越冬集団の分布を左右する土壌水分量および土壌粒子の組成との関連について解明した. 越冬貝, 大型貝および新生貝の各集団とも水田内では均一に分布せず負の二項型に適合する集中性の不均一な分布をし, 集中度は新生貝>越冬貝>大型貝個体群の順に強かった. 分布様式と集中度から考えると, 翌春水が張られた後稲株から出た越冬貝集団がこの水田の中央部寄りで成熟, 産卵後に分散して行き, 水田周縁部に集まったものと考えられた. 秋の繁殖期に産出された稚貝は, 土壌水分のより多い場所を選び稲株の地下茎に潜入することによって, 乾燥した冬の水田で生きのびるものと考えられ, また,水分の多い場所の土壌はそうでない場所に比べて細砂の割合が高く, 粗砂の少ない組成をしていた.(1985年11月5日 受付)
著者
廣川 美子 瀬口 哲夫 岡村 穣 伊藤 恭行 阪口 明弘 寺田 博一
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究費により以下の1.〜5.を行なった。1.蛍光X線分析装置(アワーズテック製:OURSTEX 100FA)・デジタル顕微鏡(キーエンス製:VH-8000)・分光測色計(ミノルタ製:CM-2002)を用いて、土壁の色彩及び発色元素の測定を行なった。測定場所は、京都市桂離宮御殿中書院(一の間、大ばらし工法で江戸時代の壁が残っている)、京都市妙法院(庫裏)、佐原市加瀬家(仏間)、京都市大徳寺玉林院、札幌市八窓庵、京都市杉本家、京都府綴喜郡田辺町澤井家、犬山市如庵、京都府大山崎町妙喜庵待庵、如庵写し〔京都市正伝如庵,京都市長好庵,和歌山市遊風〕、京都市島原の角屋である。加えて土壁の施工方法の解明の可能性を考察した。2.全国の伝統的建造物群保存地区のうち14の街並と内外土壁の色彩の調査を行なった。調査した街並は、千葉県佐原市佐原、埼玉県川越市川越、福岡県甘木市秋月、福岡県吉井町筑後吉井、北海道函館市元町末広町、兵庫県神戸市北野町山本通、京都市上賀茂,産寧坂,祇園新橋,嵯峨鳥居本、岡山県川上郡成羽町吹屋、鹿児島県出水市出水麓,薩摩郡入来町入来麓,川辺郡知覧町知覧である。3.佐原市佐原及び奈良県橿原市今井町の伝統的建造物群保存地区の再生計画を検討した。4.石田志朗博士の協力により、聚楽土と思われる土の地質学的成因の分析実験を従来からに引き続き行ない考察した。5.海外調査を行なった。5-1.中国福建省(南靖と永定)の土壁よりなる土楼及びその保存地区の町並の現地調査を行なった。5-2.スペイン・カタルーニャ地方の土壁を持つ伝統的集落の現地調査を行なった。
著者
黒川 隆志 上田 毅 黒坂 志穂
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

持久走中の生理学的特性や運動学的特性,走者の意識から生涯体育につながる持久走の指導法を検討した.小学5年生男子30名(1,000m),中学2年生男子57名(2,000m),高校2年生男子27名(3,000m)を対象に,①最大努力の全力法,②「ややきつい」感じのRPE法,③走能力により走距離を選択する内回り法の3つの持久走を実施した.中学生と高校生の全力法では走速度と心拍数の経時的低下から,高い運動強度による疲労感や痛みが持久走嫌いを助長した.RPE法と内回り法では持久走中,走速度と心拍数が維持された.RPE法が最も好まれた方法であった.小学生では,3種類の持久走間に顕著な差はなかった.