著者
勝矢 淳雄 藤井 健 河野 勝彦 山岸 博 野村 哲郎 宇戸 純子
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.京都におけるバイオリージョナリズムの展開:地域との連携を通じて、小学生の社家屋敷の見学会、火星や月の観望会、シンポジウム、社家屋敷の特別公開を実施した。賀茂文化研究会を設立し、会誌「賀茂文化」を創刊した。(1)環境資産の保全・継承のための環境バンクの必要性、(2)リーダーの育成の困難さと方策、(3)活性化の方策としての新行事の意義を明らかにした。社家屋敷の見学会は上賀茂探検クラブに移行し、地元の行事として定着させた。バイオリージョナリズムの精神から地域との連携には研究者と地域住民の信頼関係が重要であり、実証的に明らかにした。環境学習の基礎調査も意図して、ナミテントウ集団の翅紋多型に関する調査を上賀茂などで行った。小進化が一定方向に変化しており、気候の温暖化が最も重要な原因である。上賀茂の中位、低位段丘上には、腐植に富む厚い暗色土層が分布し、非アロフェン黒ぼく土で、母材は非火山性物質である。上賀茂特産のスグキナなどに、マイクロサテライトDNAの変異による類縁関係の解析を行い、2つのグループに大別されスグキナはカブ、ハタケナなどと同一グループに属する。環境白書を素材に、環境問題への対処における環境倫理の役割を考察した。2.京都の風と降雨の特性と鴨川への意識:京都地域における風速と降雨量の年最大値を、その発現の原因となった気象擾乱を調べ、発生する線状降水帯の特性を明らかにした。鴨川について、上、中、下流の9つの小学校の6年生と保護者にアンケートを行い、子供たちはもっと鴨川で遊びたいと思っているなど鴨川への意識を明らかにした。3.川にかかわる生活文化と環境の調査:高齢者への聞き取り調査を実施し、過去の明神川への関わり、生活での利用実態を明らかにした。現在の明神川の上流から末端までの水辺空間構成と利用実態の調査および住民意識を調査した。明神川を舞台に「アートプロジェクト」の企画をたてた。
著者
陳 瑞娟
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部 教育人間科学関連領域 (ISSN:13465562)
巻号頁・発行日
no.52, pp.161-169, 2003

The purpose of this paper is to examine basic structure of the employment system for the college graduates in China during planned economy period. Under planned economy system, college graduates were recruited centrally by the governments, and tuitions, fees and stipend were given by the government, and job placement of the graduates are done by the governments in cooperation with colleges and universities. National department of education, national department of planning, national and local governments, public corporations and national and local colleges and universities had played their distinctive roles. The principles and roles of these organizations are examined in detail. In addition, actual job placement of new graduates was analyzed by using student records in a college. Educational achievement determined the first destination of the graduates, and the higher achiever got academic and professional jobs suitable for college education.
著者
原 俊彦
出版者
北海道東海大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究の最終段階として,平成7年度-平成9年度の成果を踏まえ、これまでに開発したシミュレーションモデルを用い、(1)技術革新・文化革命説、(2)気候変動・ストレス説、(3)人口圧力・食域拡大説の、農耕革命の発生に関する三つの主要仮説の理論的検討を行い、その成果をまとめた。とりわけ(3)については、昨年度開発した総合モデルを「農耕発生地域」と「その他地域」に二重化することにより、初期土地利用率の差から、両者の時間的なズレを解明することに成功。この仮説の有効性を確認することができた。このモデルの二重化は、また農耕革命の時間的広がりを地理情報にリンクする上で重要な第一歩となるである。が、実際のリンクには、さらにモデルを多重化する必要があること、また、現在使用しているパーソナル・コンピュータの計算速度では困難であるが判明し、今後の研究課題として残された。なお、これらの成果は,『第6回 日本情報考古学会』(98年9月:共立女子大学),『第4回 シンポジウムー人文科学における数量的分析』(99年3月:総合大学院大学葉山キャンパス)『第7回 日本情報考古学会』(99年3月:奈良先端科学技術大学)において発表した。また平行して,昨年度の成果を論文化し『情報考古学』VOL4(2)に掲載するとともに、雑誌『人文科学と情報処理』(勉誠社)を通じ、本研究や、人文科学におけるコンピュータの重要性について執筆、広く一般研究者への啓蒙に努めた。なお本研究により1998年3月に日本情報考古学会より「1997年度 論文賞」を、1999年1月には学校法人 東海大学より「1998年度松前重義賞(学術部門)」を受賞した。
著者
宮本 亮祐 岡田 力 山根 明典 森 和也 早川 洋平 山田 祐輝 和田 友孝 大月 一弘 岡田 博美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.449, pp.253-258, 2010-02-25
被引用文献数
1

火災・地震などの災害発生時に,大型建造物内より迅速に避難できないため数多くの犠牲者を出す事態がしばしば生じている.本研究は,情報通信技術を用いてこのような問題を解決あるいは軽減することを目的としている.すなわち,GPS付き携帯端末間のアドホック通信により建造物内の人々の位置情報を自動的に交換し,災害発生時の人の動きにより周囲の状況を把握・共有し,リアルタイムな災害発生検知および適切な避難路検索・表示を実現する非常時緊急通信(ERUC)システムの開発を目指す.本稿ではERUCの実現を目指し,災害時に周囲の人々と同じ行動を取ろうとする心理的な同調偏向によるパニック行動の伝搬性を考慮した、正確かつ迅速な災害発生位置推定法を提案する.災害発生検知の正確性や迅速性および災害避難時の有効性をシミュレーションにより検証する.
著者
鈴木 安名
出版者
労働科学研究所出版部
雑誌
労働の科学 (ISSN:00357774)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.141-144, 2003-03
被引用文献数
1
著者
辻 憲男
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
親和國文 (ISSN:02879352)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-18, 1998-12-01

東大寺図書館蔵本『東大寺要録』巻八所載の「東大寺桜会縁起」の本文翻刻と略注。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.353, pp.18-19, 2004-06-11

国土交通省東京国道事務所は2003年秋から,港区にある日比谷共同溝の工事現場で,市民向けの公開イベント「東京ジオサイトプロジェクト」を2回実施した。それに併せてホームページを制作。2004年5月中旬までに閲覧した人は,延べ550万人を超えた。 さらに2回目のイベント前日には,閲覧者数が1日で延べ78万人近くに達した。
著者
永島 幸枝
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.291-301, 2004-10-25

脳死, 臓器移植に関する医学部1年生および4年生の知識, 態度, 行動について, 臓器移植法の施行および初の臓器移植による影響をアンケート調査により検討した. 脳死判定法を含めた知識は法施行後に有意に増加した. 脳死および臓器移植への態度は法施行後に4年生で肯定的となったが1年生では異なった. 移植後に4年生ではほとんど変化しなかったが1年生では否定的となった. 自己ないし家族の臓器提供の行動は, 法施行後に4年生で増加したが1年生では不変だった. 移植後は4年生では両者ともに著しく減少した. 医学生の反応は単純でなく学年差も見られ, 知識の増加・態度の変化は行動の肯定的変化を引き起こさなかった.
著者
大宮 由紀夫 高井 啓明 似鳥 雅則 西田 恵 木村 伸弥 伊藤 英一
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
学術講演会論文集
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.2065-2068, 2007-08-24

The FIS Nordic World Ski Championship in 2007 was held in Sapporo in February, 2007 and the competition course was partially conducted in indoor facility. The control of air-conditioning system and the moving wall is the key point to maintain the snow condition and the audiences' comfort. The measurement result of thermal environment for long-term and short-term is analyzed.

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雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, 2014-06-15
著者
馬場 吉康 佐藤 憲二
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.368-374, 1990-07-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
8
被引用文献数
1 5

電解複合研磨は, 昭和51年に開発した金属表面処理技術で, ステンレス鋼はもとより, アルミ, チタン, 銅などの非鉄金属まで, 加工変質層を伴わずに200~300Åまでの高品位鏡面を, 安定した品質で加工できる新しい技術である。従来の研磨法では, 限界にきているULSI製造プロセスのウルトラクリーン化や, 超, 極高真空システムの高性能化など, 先端ハイテク分野へ貢献しうる電解複合研磨技術について紹介する。
著者
山崎 真紀子 野間田 真紀子 片山 清美 中尾 優子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.83-86, 2003-12

ネットワークグループ長崎Cキューブの7年間の地域母子保健活動を振り返った.主な活動内容は,母子保健・助産に携わる人たちへ向けた勉強会・セミナーや地域の母子およびその周囲の人々へ向けた各種クラス等(両親学級、育児学級等)のイベントの開催,月2回の定例会とイベント前の臨時例会,会員へ年に4回のミニレター発行などであった.開催した各種イベントは参加者や主催者ともに満足度や評価が高かった.今後の課題として①女性のライフステージ全般へのアプローチとサポートという視点で振り返ると,幼児期,思春期,更年期などは取り上げていないので今後活動に入れていく必要がある,②専門職としての活動の活性化は図れているが,地域に根ざしたネットワーク活動を行っていくには,お母さんグループ等の地域で活動しているネットワークグループと交流をもち地域のニーズを把握していく必要がある,③イベント後にとっているアンケート内容の検討を行い,評価方法を再考する,④マンパワーの確保と強化があがった.
著者
吉川 大和 野水 基義
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ラミニンα5 鎖はβ1鎖およびγ1鎖とヘテロ三量体を形成し、ラミニン-511として成体基底膜の主要な構成分子として存在している。ラミニン-511は、正常細胞を秩序よく基底膜へ接着させ組織を安定化させている。一方、癌細胞の基底膜浸潤では足場として利用されるが、そのメカニズムは十分に解明されていない。本研究では、ラミニン-511とその細胞接着に着目し、癌細胞による基底膜形成阻害、癌細胞の基底膜への接着および運動メカニズムにアプローチした。その結果、ラミニン-511の不足は基底膜形成を抑制すること、ラミニン-511への細胞接着を弱めながら細胞運動を促進する細胞内シグナルが明らかになった。
著者
岩澤 美帆 別府 志海 玉置 えみ 釜野 さおり 金子 隆一 是川 夕 石井 太 余田 翔平 福田 節也 鎌田 健司 新谷 由里子 中村 真理子 西 文彦 工藤 豪 レイモ ジェームズ エカテリーナ ヘルトーグ 永瀬 伸子 加藤 彰彦 茂木 暁 佐藤 龍三郎 森田 理仁 茂木 良平
出版者
国立社会保障・人口問題研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

結婚の形成と解消の変化を理解するために、(1)変化・差異の記述、(2)説明モデルの構築と検証、(3)変化の帰結の把握に取り組んだ。横断調査、縦断調査データの分析のほか、地方自治体に対するヒアリング調査を行った。若い世代ほど結婚が起こりにくく、離婚が起こりやすい背景には近代社会を生きる上で必要な親密性基盤と経済基盤という両要件が揃わない事情が明らかになった。要因には地域の生活圏における男女人口のアンバランスや縁組み制度の衰退、強すぎる関係、男女非対称なシステムと今日の社会経済状況とのミスマッチが指摘できる。一方で都市部や高学歴層におけるカップル形成のアドバンテージの強化も確認された。
著者
加藤 恵津子 久木元 真吾
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

研究代表者(加藤)による5回の海外フィールドワーク(オーストラリア4回、カナダ1回)、および研究分担者(久木元)による2回のインターネット統計調査を遂行することにより、1)現在、海外にいる若い日本人一時滞在者たちの仕事観・人生観・海外観の質的調査、および2)現在、日本にいる海外経験あり・なし両方の日本人の若者の仕事観・人生観・海外観の量的調査を遂行した。さらに3)研究代表者は、研究分担者のアドバイスに基づき、若者と海外渡航、若者と仕事に関連する主要雑誌のメディア分析を行った。 研究代表者と分担者は、各自の調査を随時報告しあい、活発に意見交換し、現在では共著の執筆を企画準備中である。
著者
東長 靖 濱田 正美 竹下 政孝 林 佳世子 三沢 伸生 仁子 寿晴
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、これまでほとんど研究されてこなかったオスマン朝期イスラーム思想を解明することを目指した。3年間にわたる共同研究により、スーフィズム、神学、論理学、歴史学、政治思想、近代思想の各分野を概説する書籍を編集し、刊行した。『オスマン朝思想文化研究』と題された本書は、上記各学問分野の概観と代表的思想家の説明に加え、その著作を対訳の形で含んでいる。ほかに、オスマン朝期イスラーム思想にとって中核となるスーフィズムについて、イブン・アラビー学派の文献目録、スーフィズム関連用語集などを作成・刊行した。