著者
山田 和代
出版者
滋賀大学附属図書館
雑誌
図書館だより
巻号頁・発行日
no.35, pp.6-6, 2012-04
著者
宇野 勝博 山根 宏之 今野 一宏 臼井 三平 飛田 明彦 脇 克志
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

以下の場合に、群環のいわゆるワイルドな表現型をもつブロック多元環上の既約加群は、アウスランダーライテングラフの端に位置することが証明できた。(1)有限シュバレー群に対し、素数が定義体の標数の場合(2)有限シュバレー群に対し、素数が定義体の標数でなく、かつ、いわゆるリニアである場合(3)対称群、交代群とその被覆群の場合(4)いくつかの散在型有限単純群の場合しかし、F4型の有限シュバレー群で定義体の標数が2で群環の標数がリニアでないとき、また、ラドバリスの散在型単純群の被覆群のときには、アウスランダーライテングラフの端に位置しない既約加群が存在することも分かった。なお、これらのときは、いずれもその既約加群は、アウスランダーライテングラフにおいて端から2番目の場所に位置する。一方、一般の有限群の場合に有限単純群、あるいは、その被覆群の場合に問題を帰着できることも証明されており、有限単純群の分類定理を用いると上記の結果により一般の場合にも、ほとんどの場合(上の二つの群が関与しない場合)既約加群は、アウスランダーライテングラフの端に位置することが期待できる。以下の場合に群環のアウスランダーライテングラフの各連結成分における既約加群の個数が高々1個であることが証明できた。(1)有限シュバレー群に対し、素数が定義体の標数の場合(2)群のシロー2部分群が可換で素数が2の場合(3)対称群の場合また、群環の不足群の位数が4であるブロック多元環について、アウスランダーライテングラフの端に位置し、かつ、剛性をもつ加群の特徴付けを行い、それを用いてこのようなブロック多元環の間の導来同値の再構成を行った。
著者
林 拓也
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.125-143, 2010-03-31 (Released:2010-10-03)
参考文献数
18

職業志向性を測定するために用いられてきたこれまでの研究における方法は,大きく「特性重視方式」と「特性-選好関連方式」に分けることができる.しかし,用いる方式によって結果がどのように異なるのかについての経験的な検討は行われてこなかった.本稿では,両方式による志向導出が可能であり,「特性-選好関連方式」における具体的対象として,豊富な情報を含む「キャリアモデル」が提示されている調査に着目して,この課題についての分析を展開する.データは,アデコ株式会社が2003年に実施した『「はたらく」意識に関するアンケート』による二次データを利用し,キャリア形成途上にあると想定される40歳未満の男女を分析対象とした.志向性を構成する次元を析出するための手法を用いた上で,それぞれの方式による結果を検討したところ,一部は近似した志向を示す次元であることが確認されたが,異なる志向を示す次元や,回答者集団の志向性が異なって解釈されるケースもあった.分析結果をふまえた上で,調査方法上の観点からそれぞれの方式の特質について検討を加えた
著者
宮入 小夜子
出版者
学校法人 開智学園 開智国際大学
雑誌
日本橋学館大学紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-27, 2011

本稿は、2009 年7 月に全国の1 万人以上の都道府県・市区町村を対象に行った「行政組織の組織風土改革に関する実態調査」(N=509)をもとに、どのような要因が行政組織の改革実現に寄与するのかについて、仮説モデルを提示することを目的とした。調査結果からは、行政組織の組織風土を規定する範囲としての組織の境界に対する認識が曖昧であることが示唆され、「地域」と「役所」の混同が見られた。行政組織においては組織風土改革を重視する割合は6 割程度に止まり、その内容も職員個人の意識改革を掲げているところが大多数であった。組織風土・職員意識改革に関連した質問項目のクロス集計から、(1)首長が組織風土・体質および職員意識の改革について重視し、マニフェストに明記している場合、総合計画や行政改革プランに組織風土・職員意識の改革に関する項目が明記される可能性が高まる。(2)首長のマニフェストに掲げられた改革ビジョンが計画に反映されることで、新たな制度の導入や、それに基づく行動を促進させる可能性が高まる。(3)総合計画や自治基本条例の中に行政組織(役所)としての理念やビジョンが明記されている場合、組織風土・職員意識改革に関する項目が総合計画等に明記され、コミュニケーションの機会を増やし、具体的な業務や行動の改革に繋げていく可能性を高める、といった仮説が導き出された。
著者
小野 有五
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.12, pp.41-56, 2006-10-31

北海道のシレトコ(知床)は,2005年7月,ダーバンでのユネスコの会議で正式に世界自然遺産に登録された。しかし,シレトコを世界遺産候補地として国内で決定する過程において,アイヌ民族はまったく関与できなかった。しかし,アイヌ民族の「代表」組織である「北海道ウタリ協会」だけでなく,アイヌ民族のいくつかのNPO団体がIUCN(国際自然保護連合)に対してシレトコ世界遺産へのアイヌ民族の参画を求める要請を個別に行ったことで,最終的にIUCNは,アイヌ民族がエコツーリズムを通じてシレトコ世界自然遺産の管理計画に参画することが重要であるという勧告を出した。本論ではまず,日本の社会において,このような異常とも言える事態が起きた要因を分析する。この分析にもとづき,アイヌ民族がおかれている現状を環境的公正とガヴァナンスの視点から考え,先住民族のガヴァナンスを実現する手段としてのアイヌ民族エコツーリズムの戦略について検討する。本論は,研究者が自らの「客観性」や「中立性」を重んじるあまり,自らを常に対象の外において現象の記述に終始し,研究者自身が問題に介入することを避けてきたことや,問題が一応の解決を見てから「研究」を始める,という姿勢への批判的視点にたっている。シレトコ世界遺産問題を具体的な事例として,研究者=運動者という立場から今後の環境社会学の研究のあり方について考えたい。
著者
井田 健太 坂主 圭史 武内 良典 今井 正治
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLDM-155, no.27, pp.1-6, 2012-02-24

本研究では,シミュレーション精度をシミュレーション中に変更可能なプロセッサ・シミュレータを提案する.提案プロセッサシミュレータは,シミュレーション中に外部のハードウェアモデルより割り込みが要求されたときに,シミュレーション精度を命令精度からサイクル精度に変更することによりリアルタイムシステムで重要な割り込みの応答サイクル数を,シミュレーションの速度を落とすこと無く評価することができる.実験では,提案シミュレータの,外部のモデルからの割り込みに対する応答と,シミュレーション速度を計測することにより,本手法がシミュレーション速度を犠牲にせずに割り込みの応答サイクル数を計測できることを確認した.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明 松岡 義大 古川 誠治 福田 朗
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.3, pp.268-282, 2012-03-01

本論文では,ポジショニングサブシステムのマイグレーションを考慮したプラットホーム指向の歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを提案している.提案システムでは,建物内や建物付近の屋外でシームレスに動作し,かつ,WYSIWYASナビゲーションの実現に必要な位置情報と方向情報を他の位置特定手法と協調することなく取得可能なポジショニングサブシステムとして,タイルカーペットを用いたM-CubITSと可視光通信を採用している.大型商業複合施設内で目的地の名称のみが分かっている状況での移動を想定した評価実験では,提案システムにおけるポジショニングサブシステムの位置特定成功率,処理時間,移動所要時間,ユーザビリティについて評価を行っている.その結果,提案システムを用いることで,固定の案内板や手持ちの地図などを用いるよりも短時間で確実に目的地に到達できることから,提案システムの歩行者ナビゲーションシステムとしての有効性を確認している.
著者
一場 利幸 森 孝夫 高瀬 英希 鴫原 一人 本田 晋也 高田 広章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.3, pp.387-399, 2012-03-01

複数のプログラムが並列若しくは並行動作する環境では,プログラムの実行順序に依存してパスが定まる分岐が存在することがある.ソフトウェアテストでは分岐を網羅することが求められ,プログラムを繰り返し実行する手法が考えられるが,特定のパスを決定的に実行することができない.また,プログラムの実際の実行順序を知ることが困難であるため,実行順序に依存する分岐に関するテストを効率的に行うことができない.本論文では,テストプログラムからプロセッサの実行を制御することで,プログラム中の特定のパスを決定的に実行する機構を用いたテスト効率化手法を提案する.提案手法により,マルチプロセッサ向けリアルタイムOSであるTOPPERS/FMPカーネルにおけるプロセッサの実行順序に依存したパスを全て決定的に実行することができ,テストの効率化が可能であることを確認した.

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著者
清原ひとし 著
出版者
草文社
巻号頁・発行日
1932
著者
浜田 宏 七條 達弘
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.107-123, 2010-03-31 (Released:2010-10-03)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Boudon (1982)および Kosaka (1986)によって定式化された相対的剥奪の数理モデルは,主に同質なメンバーからなる集団のみを分析の対象としていたが,Yamaguchi (1998)およびReyniers(1998)の発展モデルにより,異質な成員からなる社会での相対的剥奪を分析できるようになった.本稿ではこれらのモデルを統合してさらに一般化することで,『アメリカ兵』に代表される経験的データをより体系的に説明することを目指す.モデルを分析した結果,投資コストについて恵まれた集団のほうが,恵まれていない集団に比して相対的剥奪率が常に高いという命題が得られ,この命題はデータによっても支持された.また理論的には,コストが連続分布に従う場合でも相対的剥奪率が昇進率の増加関数となる領域ならびに減少関数となる領域が存在する,というインプリケーションが得られた.
著者
武田 知樹 波多野 義郎 平松 義博
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.377-385, 2006
参考文献数
13
被引用文献数
3

本調査の目的は,生活習慣病を罹患した在宅高齢者における身体運動の習慣化を目的とした援助プログラム立案に先立ち,そのライフスタイルの特性と身体運動の関係を健常高齢者と比較して明らかにすることである。対象は医療機関へ定期的な通院加療を必要としている65歳以上の生活習慣病(糖尿病,虚血性心疾患,脳卒中)の在宅高齢者100名,および比較対照として健常高齢者100名を設定した。調査方法は郵送による自己記入式の質問紙法とした。結果,生活習慣病の在宅高齢者は定期的なスポーツを行うなどの連動習慣に加え,日常生活上の歩行量,外出やレクリエーションなど日常生活全般にわたって身体活動の低下が顕著であった。特に,主成分分析を用いたライフスタイル特性の分析結果より,生活習慣病の高齢者は家族団欒などの対人交流や運動やスポーツといった積極的な健康行動への取り組みに乏しい傾向が認められた。これらの事より,生活習慣病の在宅高齢者に対しては,生活習慣全般を見直して,家族の協力や社会活動などによる対人関係の充実を通して心身両面において活動的なライフスタイルへ是正していく働きかけが不可欠である事が示唆された。
著者
古川 宏 野田 和恵 渡邊 信 白川 卓
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、切断者が自ら気にしているソケットの悪臭と断端部の湿疹の改善を目的に消臭・抗菌ソケットの開発を2年間で行う、切断者のQOLを高めるための研究である。平成17年度は金属フタロシアニン処理の断端袋(KSS)の抗菌性、他の断端袋との抗菌性の比較、水分吸収性、臭気試験の検討および金属フタロシアニンをソケットの材料・材質であるリゴラック、リボキシとどの様に混合させるのかの検討を行った。平成18年度は以下の検討を行った。1.消臭抗菌ソケット(金属フタロシアニン処理含有ソケット)の試作金属フタロシアニン処理の断端袋(KSS)の枚数を変えた材質を基盤にソケットを3種試作した。2.消臭抗菌ソケット(金属フタロシアニン処理含有ソケット)の抗菌作用の検討「JIS L 1902:繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」に準拠し、混釈平板法で行った。検定用菌株はStaphylococcus aureus NBRC(ATCC6538P)およびKlebsiella pnumoniae NBRC13277(ATCC4352)を用いた。消臭ソケットは金属フタロシアニン含有と非含有のものを作成した。各ソケットを4cm角に切断し、その上に3cm角の標準布を置き、菌液を接種して18時間後に菌量を測定した。その結果、金属フタロシアニン含有ソケットで両菌に対して静菌作用があることが確認されたが、殺菌活性は認められなかった。金属フタロシアニン非含有ソケットでもS.aureusでは弱い静菌作用が認められた。3.臭気試験日本防菌防黴学会臭気試験検定法に従い、ハンディーにおいモニターおよびポータブル型ニオイセンサーを用いて臭気の測定を行った。試験菌体はProteus vulgalis(ATCC13315,NBRC3815)を用いた。3種類の布を規定のバイアルビンに入れ、菌液を接種し18時間後に各バイアル中の臭気をニオイセンサーで測定した。その結果、漂白布および生成布に比較してKSSで臭気の減少が認められ、E減少幅はアンモニア臭以外の臭気で顕著であった。
著者
問山 裕二
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

大腸癌遠隔転移形成を誘導する液性因子のサイトカインアレイを用いた網羅的解析により、癌部ならびに癌間質のHGF発現と血清中のHGF濃度が有意に正の相関を認め、血清中のHGF濃度を測定することが、大腸癌根治術後再発を規定する因子として、現在確定している因子に比べ、高いspecificityとsensitivityを示した。また腫瘍局所浸潤性リンパ球に関与することが知られている複数のケモカインも新規大腸癌予後規定因子として確認され、EMT(上皮間葉移行)を誘導した。それらは遠隔転移臓器に発現しているため、そのレセプターを持つ癌細胞の臓器特異性転移に関与する可能性を示した。
著者
唐沢 博 小川 均 田村 進一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.1017-1022, 1985-11-15

筆者らは 英文テキストの作成を支援する目的を持つ英文テキスト補完生成システムを既に作成した.このシステムは 作成したい英文テキストの要素であるような 単語・句・文といった断片的な情報を入力することによって システムの推論の及ぶ範囲内で省略もしくは欠落している統語的・意味的情報を補い 利用者が意図していると予想される内容を持った英文テキストを生成する磯能を持つ.この補完システムについて 次の2点の評価を行った.すなわち (1)補完システムの補完操作の基盤である補完体系の特性を明らかにする (2)補完システムの補完能力が人間の補完能力と比較してどの程度なのかを知る目安を得る.これらの評価の結果 (1)の評価によって 補完体系を構成する文脈型・連想型・推論型・デフォルト型の4種類の補完型のうち 内容的に質の良い出力テキストを生成する場合に連想型・推論型が寄与していることが判明した.また(2)の評価により 英語圏の人間の補完能力に対するシステムの補完能力を定量的に示すことができた。さらに 以上の評価の過程で副次的に明らかとなった評価手法の問題点や補完システム諸特性に関して考察を加えた.