著者
小曽根 惠子 金山 彰宏 神奈川県ペストコントロール協会 横浜市中区福祉保健センター環境衛生係
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.89-94, 2005-10-30
参考文献数
12
被引用文献数
4

Mosquitoes were collected in Yokohama to elucidate the seasonal and local distribution, as a part of researches to survey the invasion of Yokohama by West Nile virus. CDC light trap combined with dry ice were settled to gather adult mosquitoes in each of 18 parks in 18 wards, two parks and two public institutions in the harbor area during the period from June to October, 2004. The total number of mosquitoes captured was 9,184, and they were divided into 6 genera, 12 species. The dominant species captured were Aedes albopictus (51.2%), followed by Culex pipiens complex (37.1%) and Ochlerotatus japonicus (8.0%). Culex pipiens complex was observed at each of 22 points, throughout the research period, but number of individuals exceeded in harbor area. On the other hand, Aedes albopictus and Ochlerotatus japonicus were collected mainly in parks of 18 wards.
著者
西沢 富江 春日 規克
出版者
至学館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

筋損傷は一過性除神経を引きこす。運神経終末と筋の再接合期に、筋線維は多重神経支配を受ける。その後、余剰神経が排除されて単一神経支配の状態に戻る。筋損傷から再生過程に起こる余剰神経排除の選択はその後の筋線維タイプの決定を左右するだろう。一方、余剰神経の選択的排除には運動が大きく関与し、筋線維から運動神経終末へ何らかの情報が発信されている可能性が考えられる。筋の情報としてミオシン重鎖mRNAの発現量があげられる。そこで本研究では、一過性除神経期の神経筋接合部形態と運動がミオシン重鎖mRNA発現量に及ぼす影響から仮説を検討した。結果、運動に伴うミオシン重鎖mRNA発現量の増加、筋線維タイプ移行が示された。一過性除神経期の運動は、筋から神経への情報伝達に関与し、余剰神経の排除に影響を及ぼす可能性が示唆された。
著者
斎木 喜美子
出版者
至学館大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究の意義は、日本の近・現代児童文学研究においてほとんど注目されてこなかった沖縄の児童文学に着目した点にある。本研究ではまず第一に、沖縄においても大人の文学のみが注目されてきた山之口貘と伊波南哲の児童文学作品を発掘し、書誌事項を明らかにする。第二に文学者の生育史、教育史と当時の教育界の動向とを重ね合わせ、さらに周囲への聞きとりも網羅しながら両者の児童観や作品の持つ歴史的意味を分析・考察することを目指してきた。本年度は研究の総決算として以下の点で研究成果をあげることができた。1. 伊波南哲、山之口貘の児童雑誌の掲載作品について追加調査を行い、新たな資料発掘も含めてリスト化した。2. 伊波南哲、山之口貘の児童雑誌掲載作品を手がかりにしながら作家としての戦前・戦中・戦後の歩みをたどり、郷土を背景にした「子ども観」と「教育観」を明らかにした。3. 研究会にて研究発表を行い、さらに論文を執筆して研究成果を世に問うことができた。4. 児童雑誌掲載作品の調査と合わせて、すでに絶版になっている山之口貘、伊波南哲の著書を古書店等で入手し、資料収集に努めた。今年度が最終年度であったため、山之口貘・伊波南哲の作品主題、子ども観、教育観の差異を比較しつつ、両者に共通の郷土観、沖縄特有の時代的制約についても言及した。とりわけ山之口貘に関しては、これまでまったく知られていなかった作品情報を琉球新報朝刊(2010年10月25日)にて公表したことが成果として特筆できる。
著者
齊木 久代 広渡 純子 千葉 武夫 上田 哲世 中川 香子 丸尾 喜久子 上田 哲世 中川 香子 広渡 純子 千葉 武夫 丸尾 喜久子 金山 千広 井頭 均 清原 知二
出版者
聖和大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

保育者が問題と考えている自分自身の"対人的不安"傾向と保育者としての熟達とに関連性がみられた。また、短期大学在学中の「保育者としての自己評価」の変化過程を検討したところ、授業や実習によって自己評価が高まるだけでなく、一時的に低下が見られることもあり、その低下は不安傾向の高い者に、より見られる傾向があった。一方、授業の成績の芳しくない学生には、自分自身を過大評価する傾向がみられた。さらに、歌唱指導やストーリーテリング指導時の顔面眉間部の皮膚温を赤外線サーモグラフィで測定した結果、不安感や自律神経系の反応性と皮膚温の変化とに関連がみられた。
著者
高橋 勇 宮川 勝年 小高 知宏 白井 治彦 黒岩 丈介 小倉 久和
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.11, pp.2989-2999, 2007-11-01

従来,不正な剽窃行為は学習者間で行われていた.しかし,近年ではWebページの一部をコピー&ペーストして不正なレポートを作成する学習者が増えている.このような不正なレポートへの対策には,剽窃元のWebページの探索から剽窃箇所の学習者への提示までを含めたトータルな支援システムが必要である.本研究では,Web検索機能,剽窃評価機能,剽窃箇所特定機能の三つの機能からなる支援システムの枠組み,及び,n-gramを用いた類似度評価手法を応用したシステムを提案し,実装した.更に,これを用いてWebから擬似的に作成した剽窃レポートと,実際の授業で回収されたレポートを用いた評価実験を行った.その結果,前者の実験ではすべての剽窃元Webページが検出され,後者の実験では,本システムで剽窃の可能性が高いと判断されたレポートは,手作業・主観的評価による評価でも剽窃と判断されることが示された.
著者
中谷 奈津子 森田 美佐
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究でいう「育児をめぐる迷惑意識」とは、社会全体が抱きがちな育児に対する迷惑意識のことをいう。「育児をめぐる迷惑意識」の実態と形成要因、またその意識が育児を担う人々に与える影響について明らかにし、育児不安や出生意欲との関連も検討した。自分の子育てについて、配偶者や祖父母、迷惑をかけたと回答するものは多く、職場や公共の場での迷惑も指摘された。育児をめぐる迷惑意識は、育児不安や出生意欲と関連しており、育児をめぐる迷惑意識を規定する要因として母親規範意識や世間の目が考えられた。
著者
芝崎 学 森本 恵子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

熱中症対策のための機能性ウェアの提案という視点から研究プロジェクトを企画し,今回は赤外線・紫外線に対する温度感覚と皮膚血流反応および熱失神に関与する血流調節を検討するための4つの研究を計画し,実行した:①温度感覚スケールの改良,②皮膚温度感覚と皮膚血流変化,③紫外線による温度感覚変化,④暑熱曝露時の血流分布.①の成果を②と③で検証し,その有用性を確認した.今後の脳機能評価に関する研究アプローチへの応用が期待できる.また,④では機能性ウェア開発への生理的アプローチの指針を示すことができた.
著者
田口 智章 家入 里志 橋爪 誠 増本 幸二
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

・超音波画像とMRI画像の統合(2D-3Dレジストレーション)従来の超音波の2D画像とMRIの3D画像を画像解析にて座標統合する技術を開発した。超音波の画像認識技術、及びMRIボリュームから高速に病変部を高速に抽出(セグメンテーション)する技術は既に開発済みであったため、これらを応用発展させ、座標統合技術と補完的に用いることできることを確認した。・MRI誘導による穿刺による胎児手術モデルでの実証実験平成21年度の成果をうけ最終的にリアルタイムの診断と治療が融合した治療システムとしてのMRI撮像下でのマスタースレーブ手術支援ロボットを用いた実験を行った。まず臓器モデルを用いたMRIを撮像し、ナビゲーションシステムを用いて、臓器のセグメンターションを行い詳細な術前計画をたて、手術プロトコールを作成した。次に子宮を模したモデルを用いて経子宮的に小型ロボット用のトロカーを留置、3D内視鏡と7自由度を有するマニュピレータを子宮モデル内に留置、ロボットの鉗子先端と臓器のレジストレーションを行い、その後MRIのガントリ内にモデル・ロボット共にピットインし、撮像しながら、内視鏡画像・術前3D画像・リアルタイム撮像画像を参考に手術操作が可能なことを確認した。このMRI対応小型マスタースレーブ手術支援ロボットに分担研究者が開発したMRI対応多自由度細径鉗子を搭載し、その利点を最大限に生かした手術操作を遂行し、モデルを用いた手術操作では胎児手術操作が可能なことを実証した。
著者
今井 透 野原 修 遠藤 朝彦 深谷 修司
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.559-568, 2005
参考文献数
5
被引用文献数
4

【背景】空中飛散花粉の自動計測の有効性が示されているが, 現在は自動計測器による観測法や評価法の標準化は行われていないので, 自動計測情報は混乱している. 【方法】2000年から2004年までの5年間の春季に東京都内で, ダーラム式花粉採集器と自動計測器(KH-3000)を用いて飛散花粉を観測した. 【結果】自動計測値と従来からのダーラム式観測値と良い相関関係を示した時期では, 自動計測器の有用性は高いと考えられた. 両観測値の相関が高い時期は, 大量飛散年の主に2月下旬から4月上旬だった. 逆に少量飛散年や2月上旬と中旬, 4月中旬と下旬は両観測値の相関が低下した. 自動計測値とダーラム式観測値の比はノイズの少ない時期で平均3. 5であり, 自動計測値を換算することでリアルタイムに飛散状況を判断できるようになろう. 【結語】花粉飛散数が多く花粉回避が必要な時期ほど, 自動計測の信頼性が高いので花粉回避に自動計測値は有用である. 今後自動計測の実用性を高めるために, データの集積と計測法の標準化が望まれる.
著者
加納 純子 田代 三喜 藤田 生水 西原 祐輝 井上 春奈 坂 琢人 宮里 和実 田中 麻紀子 竹下 由美子 竹内 美穂 杉本 静香
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

真核生物の染色体末端領域であるテロメアやサブテロメアに着目し、その新規機能や新規制御のメカニズムを探った。その結果、テロメアタンパク質Rap1が細胞分裂期にCdc2によってリン酸化され、それによってテロメアが核膜から一時的に解離し、染色体が正常に分配されることを明らかにした。また、Rap1を中心としたテロメア結合タンパク質複合体の形成メカニズムや、その生理学的意義についても解析を行った。一方、テロメアに隣接するサブテロメアに関する解析も行った。シュゴシンタンパク質Sgo2が細胞周期の間期特異的にサブテロメアに局在し、複製タイミング制御など様々な機能を果たしていることを発見した。