著者
朝尾 幸次郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

(1)日本語と英語を対応させたテキストをデータとして、日本語から英語を、英語から日本語を検索するパラレル・コーパスを構築した。構築したコーパスは日本国憲法、教育基本法など著作権がない公的なもののほか、『朝日新聞』の「天声人語」と「社説」、『エヌ氏の遊園地』(星新一)、『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子)など日英語でデータが得られるものである。(2)日英語で意味を対応させる方法として「最短一致の原則」を提案した。センテンスを単位に対応させてゆき、対応する意味のまとまりが最短になるように切り分ける方法である。(3)検索プログラムはコマンドラインから利用する研究用のものの他、Perl/CGIによりWebページから利用できる一般向けのものを開発した。テキストは両言語で対応がなされているものであれば、どのようなものでも利用可能な汎用パラレル・コーパス検索プログラムである。(4)パラレル・コーパスを用いた研究例として、「では」とthenの対応について調査を行った。「(それ)では」とthenは日英語で奇妙に入り組んでおり、これまでの辞書記述では十分でないことが知見として得られた。日本語で「(それ)では」と明示的に現れている場合でも英文テキストではそれが表に現れない場合が多い。英語でthenが用いられる場面ではそこに明確な根拠がある場合が多いようだ。(5)報告書ではパラレル・コーパス検索のさまざまな例を提示し、スクリプトを公開した。スクリプトには詳細な説明を付しており、改変を容易に行うことができる。報告書はスクリプトの解説と検索プログラムのマニュアルも兼ねている。(6)パラレル・コーパス関係で発表した成果を資料として添付した。
著者
平井 慶徳
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, 2001-10-19
著者
松田 憲之
出版者
財団法人東京都医学研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで2番目に高い羅患率を示す老人性神経変性疾患である.病気が発症する仕組みの解明と,その知見を活かした根本的な治療法の確立が強く求められているが,その発症機構については諸説あって,定説が存在していなかった。われわれは本研究を通じて,「神経細胞内でミトコンドリアの品質管理が破綻し、膜電位に異常を持つミトコンドリアが細胞内に蓄積することによって,若年性のパーキンソン病が発症する」ということを明らかにした。また,MG53というユビキチンリガーゼが細胞膜の修復に関与することも明らかにした。
著者
朱 穎
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

自動車エレクトロニクス技術の開発における社会的技術的要因の確定、および技術開発の不確実性に対して、システムインテグレーターの自動車メーカーとしてどのように認識しているのか、という二つの問題について考察を行った。技術革新の社会的要因について、既存研究の中で技術の社会構成論が取り上げられているが、こうした議論が広範であるため、イノベーション発生の特定要因を分析するには限界がある。それに対しては、本研究ではテクノロジカール・フレームという分析視点を導入し、技術革新における関連社会集団の認識枠組みの構造とその相互作用に注目した。さらに、自動車技術の電動化が企業能力に与えるインパクトについて、非連続的イノベーションの文脈から考察した。既存企業が新規技術に対応できる原因について、組織ルーティンと経営資源の依存性という既存研究に加えて、マネジメント認識という認識フレームの重要性に注目した。イノベーションの非連続性という文脈から企業能力の重要性を考える際に、経営資源の蓄積という従来のリソースベースト・ビューがもつ静態的観点ではなく、経営資源の「探索」活動と「活用」活動を両立できるような動態的観点が重要である。
著者
石橋 尚平
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

2014年度中には、論文を英文ならびに和文、両者の時間的な修正バージョンを複数作成し、内外の学会発表を行い、日本語での論文発表を行った。また翌年度の研究につなげるために、データの収拾作業に取組始めた。今回のテーマはわが国の非伝統的な金融政策であるが、これはマクロ経済学的な観点から、非伝統的な金融政策による貸出金利への影響を分析したかったからである。手法は共和分検定など、時系列データの実証分析手法を用いた。
著者
清水 一政 尾関 美愛 田中 克典 伊東 佳代 中條 真二郎 浦川 紀元 厚地 幹人
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.753-757, 1997-09-25
参考文献数
17
被引用文献数
3 27

東南アジア地域に自生するガガイモ科植物のギムネマ・シルベスタ (Gimnema sylvestre) は古くから糖尿病, リウマチあるいは痛風などの疾病に効果があると伝承されている. しかし, 甘味抑制と苦味を有し問題がある. 本研究は甘味抑制と苦味を示さないギムネマ・イノドラム (Gimnema inodorun) (GI) 葉を用い, モルモット腸管平滑筋の高濃度K^+収縮に対する実験, モルモット回腸の酸素消費量の測定, モルモット回腸の糖輸送電位測定およびラットの糖負荷による血糖値測定試験を行い, GI葉成分の糖利用との関連について検討した. GI葉の抽出・精製物は高速液体クロマトグラフィーで4分画 (F-I〜F-IV) し, これらの各分画成分を用いて実験を行った. その結果, GI葉中には腸管平滑筋の収縮, 酸素消費量の増加, 糖輸送電位の増加あるいは血糖上昇をそれぞれ抑制する効果があることが示された. 従ってこれらの成績より, GIの薬理作用は, 腸管におけるブドウ糖吸収を抑制することにより血糖上昇を抑制している可能性が示唆される.

1 0 0 0 OA 福島県肖像録

出版者
博進社
巻号頁・発行日
1925
著者
小池 吉子 浦田 芳重 小池 正彦
出版者
長崎大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

ヒトピルビン酸脱水素酵素(PDH)は、ピルビン酸の異化分解に与るピルビン酸脱水素酵素複合体の成分酵素の一つで、その初段階の酸化的脱炭酸反応を触媒する代表的なチアミン酵素で、α及びβサブユニット(鎖)から成りα_2β_2の四量体である。慢性酸血症を呈する代謝異常症の病因の一つに本酵素欠損症があげられているので、本酵素遺伝子の構造を明らかにし、欠損症の本体の解明を意図した。ヒトPDHα,β鎖cDNAをプロ-ブとして、白血球ゲノムライブラリ-からPDHα,β鎖遺伝子をクロ-ニングし、特性を調べた。1.ヒトPDHα鎖遺伝子ー全長17kbに及ぶ2個のクロ-ンを得、全塩基配列を決定した。本遺伝子は11のエクソンから成り、イントロン/エクソン境界は全てGT/AG則に従ってした。転写開始点は翻訳開始コドンより124bp上流のチミンと推定した。5'上流域にはCAATbox,TATA様box,2つのSpI結合領域が認められた。2.ヒトDPHβ鎖遺伝子ー18kbの1個のクロ-ンを単離し、その全塩基配列を決定した。本遺伝子は10のエクソンからなり、イントロン/エクソン境界は全てGT/AG則に従っており、転写開始点は翻訳開始コドンより129bp上流のアデニンと推定した。プロモ-タ-領域にCAATboxのみを認め、TATAbox及びSpI結合領域は認められなかった。Coding領域は3'側の9kbに存在していたが、α遺伝子との接合部は見出せなかった。3.制限酵素消化パタ-ンーPDHα及びβ鎖遺伝子の制限酵素消化パタ-ンに多型性は認められたが、本酵素欠損症患者DNAに特有なパタ-ンは認められず、本法をPDH欠損症の診断に応用することはできなかった。4.PDH欠損症患者遺伝子ーPDHα,β鎖遺伝子の各エクソン領域を患者遺伝子をテンプレ-トとし、PCR法で増幅し塩基配列を調べ、変異部位を解析中である。
著者
加藤 一郎 平賀 紘一 西条 寿夫 近藤 健男 武田 正利
出版者
富山医科薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は中枢神経系を含む全身で非ケトーシス型高グリシン血症・脳症の原因蛋白質であるH蛋白質を欠損するマウスを作製し、高グリシン血症・脳症の成因や病態を明らかにすることにある。平成16年度の研究は以下の通りに順調に進行した。1.マウスのグリシン開裂酵素系H蛋白質遺伝子のエキソン1周囲に2か所のloxP部位を導入したキメラマウスを5匹得た。うち2匹が変異遺伝子のgerm-line transmissionを示した。2.上記マウスとCre Recombinase遺伝子導入マウスを交配して、loxP間のエキソン1を含むゲノムDNA領域を欠損したH蛋白質遺伝子ヘテロ欠損マウスを得た。3.抗H蛋白質ポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロット解析では、ヘテロ欠損体でH蛋白質が50%に減少していることが確認された。4.次にホモ欠損マウスを得るためにH蛋白質遺伝子ヘテロ欠損マウス同士を交配し、その子孫のgenotypeをPCR法およびサザンプロット法で解析した。ホモ欠損マウスは全く得られなかった。ヘテロ欠損体では出生直後に体内出血・体幹異常を示す異常個体が散見された。5.さらに胎生14日目までさかのぼって胎児を遺伝子解析すると、野生型26:ヘテロ欠損33:ホモ欠損0であった。ヘテロ欠損体はメンデル則で予想される数より少ない傾向が見られた。本研究の結果、H蛋白質遺伝子ホモ欠損マウスは全く発生できないか、極めて早期に胎生致死となっていることが示唆され、本蛋白質がマウスの正常発生に必須であることが、はじめて明らかになった。今後H蛋白質が50%に減少しているヘテロ欠損マウスを用いて、H蛋白質がさまざまな臓器ストレスに対する耐性獲得に果たす役割の検討が可能になった。さらに薬剤誘導可能な、あるいは臓器特異的なCre Recombinase遺伝子発現マウスとの組み合わせにより、条件特異的なH蛋白質欠損マウスを作製し肝臓や脳、心臓などの主要臓器におけるH蛋白質の生体内機能を深く探求することができる。
著者
佐藤 秀光 南 睦彦
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

悪性グリオーマの免疫療法の開発を行った。当初の目的の1つのテモゾロミドによる免疫抑制環境の改善の方は結果を伴わなかったが、もうひとつの目的である悪性グリオーマに対するCTLを誘導しうるペプチドを新たに3種類見出した。さらにHDAC阻害薬のHLA発現増強作用に着目し、CTLの抗腫瘍免疫を強化する研究を行った。HDAC阻害作用のあるバルプロ酸をグリオーマ細胞に作用させるとHLAが増強しCTL活性も上昇した。今後の発展性によっては免疫療法の選択肢が広がる可能性も示唆される意義深い結果となった。
著者
山本 道也
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.15-26, 1990-12

モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)幼生期の食草選好性を,9種のアブラナ科植物と1種のノウゼンハレン科植物を対象に,三つの個体群指標-密度,生存率,発育速度-を使って判定した。世代ごとに食草選好性は変化するものの,一年を通してみると,キャベツ(Brassica oleracea)を筆頭に,キレハヌイガラシ(Rorippasy lvestris)>ハルザキヤマガラシ(Barbarea vulgaris)>ダイコン(Raphanus sativus)>ハクサイ(Brassica campestris)が好適寄主として挙げられた。
著者
山本 道也
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.38-57, 1984-01

1975年5月上旬から11月上旬まで,モンシロチョウの寄主選好性を調べるため,北海道大学構内に生育している10種類の植物-セイヨウアブラナ・キャベツ・キレハイヌガラシ・カキネガラシ・ハルザキヤマガラシ・ダイコン・ハクサイ・コンロンソウ・ノウゼンハレン・ナズナーを同構内に設けた実験区に移植あるいは播種し,そこに発生したモンシロチョウの個体数を発育段階ごとに調査した。それぞれの実験植物について,個体数の変化,寄生密度,生命表,発育期間,生存曲線,基本要因が得られた。本報告は,その一部として,第二世代,6月23日から8月31日までの結果である。1.生存率は,第一世代より低く,キャベツ・キレハイヌガラシ・ハクサイ・ダイコンで0.8〜0.3%,セイヨウアブラナ・カキネガラシ・ハルザキヤマガラシ・コンロンソウ・ノウゼンハレンで0%であった。2.発育期間は,27.6〜31.4日の間にあり,寄主間での差は小さいと判断された。3.内的自然増加率を基準に,モンシロチョウ第二世代の好適寄主として,キャベツ・キレハイヌガラシの2種を選んだ。
著者
吉田 彰宏
出版者
(財)野口研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

グリーンケミストリーを指向した環境調和型反応の開発が強く求められている昨今,グリーンな溶媒として知られるフルオラス溶媒とそれに固定化されリサイクル可能な触媒を用いる反応の開発は,重要な課題めひとつである。昨年度は,フルオラス二相系における三級アルコールのエステル化反応およびプリンス反応の開発,さらには新しいフルオラス溶媒の探索を行った。本年度は,フルオラスビスマス(III)触媒を用いたフランのDiels-Alder反応やフルオラスハフニウム(IV)触媒を用いたFriedel-Craftsアルキル化型反応の検討,さらにはフルオラスメソポーラスシリカゲルの開発を行った。また,新しいフルオラス溶媒の探索も引き続き行った。まず,フランのDiels-Alder反応であるが,原系の安定性が故に逆反応が起こりやすいため,3日〜1ヶ月ほどかけて反応させることが少なくないことが知られている反応である。そこで,反応時間の大幅な短縮を目的に種々のフルオラスルイス酸触媒を用いたフルオラス二相系反応を試みたところ,フラン溶媒中ビスマス(III)アミド触媒が高活性を示し,中程度の収率で付加環化体が得られた。副生物を減らすため,すなわち活性を制御するためにルイス塩基を共存させた系も検討したが,残念ながら収率の低下のみが観測された。メソポーラスシリカはゾル-ゲル法によりR_fCH_2CH_2Si(OEt)_3を用いて調製した。その結果,市販されているFluorous Technologies製のFluoroFlash^<【○!R】>よりおよそ1.5倍高いフルオラス親和性を示すことを見出した。フルオラス溶媒の探索では,DuPont製のKrytox Kシリーズ(K5〜K7)が高沸点且つ比較的低粘度であり,有機溶媒へのリーチングが検出限界以下という効果的な溶媒であることを見出した。
著者
錦戸 信和 党 建武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.389, pp.13-18, 2004-10-22
参考文献数
9

音声から発話状態の逆推定を行う場合、多意性の問題に直面する。3次元の生理学的発話機構モデルを用いる逆推定の手法は、複数の拘束条件が有機的に結合することにより逆推定における多意性を抑えているが、根本的には問題は解決されていない。この多意性に対してわれわれは、複数の発話状態により構成される調音空間内の全域を探索し、推定された発話状態が調音空間内の不安定な領域となることを回避することにより多意性を抑えることが出来ると考える。しかし、調音空間の全探索を行うためには前もって発話状態の分布、及びその発話状態と音声の音響特性との関連を調べる必要があり、その関連を明らかにするために、本稿では発話機構モデルを用いたシミュレーションを行った。その結果、調音空間における調音パラメータの分布について妥当な結果を得たが、F1とF2からなる音響空間においては、一部の母音に対して十分な分布を得る事ができなかった。また、日本語母音/a/の舌の形状の分布と音響パラメータの関係がQuantal theoryを裏付けている事を示した。
著者
吉田 英治
出版者
独立行政法人放射線医学総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

Positron Emission Tomography (PET)装置はガンの診断や神経伝達物質の画像化など高度な臨床や生体機能の解明に欠かせないツールになっている。また小動物を使った遺伝子発現などの分子イメージングの分野でも今後主導的な役割となることが期待されている。そのため、より高感度で信号対ノイズ比(S/N)が高いPET装置が求められている。本研究はPET装置におけるノイズ成分である偶発・散乱同時計数の割合を低減することでPET装置のS/Nを改善するために、結晶内多重散乱に対して消滅放射線の入射方向を大まかに特定することで偶発同時計数の低減する手法及び3次元検出器を用いて上層(被検者に近い方)のシンチレータを散乱線の吸収体とみなすことによって下層のエネルギーウィンドウを広げ、装置感度を高める手法(DEEW法)を検討した。256チャンネルの位置弁別方光電子増倍管の出力を独立して読み出せる検出器系によるモンテカルロによるシミュレーションの結果では約8割の結晶内多重散乱の識別能を達成した。全身用GSO-PET装置を模擬したシミュレーションの結果から、DEEW法を用いれば10から25%の感度向上を見込めることが期待される。