著者
吉原 紳
出版者
文光堂
雑誌
臨床スポーツ医学 = The journal of clinical sports medicine (ISSN:02893339)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.797-805, 2002-07-01
参考文献数
12
被引用文献数
1
著者
泉 孝一
出版者
宮崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

{目的}これまでに動物実験施設バリア区域での履物の微生物統御を安価で簡便に行う方法として光触媒酸化チタンを塗布したプレート(以下酸化チタン板とする)の下駄箱内の滅菌効果について検討してきた。その結果1)酸化チタン板の滅菌効果は照度に依存し、節電のため消灯している廊下では十分な効果が得られない事、2)板面の照度は、自然光や照明の条件に複雑に影響を受ける事が解った。そこで光の条件を制御して基礎データを集積し微生物統御の効果を客観的に検討することで、酸化チタン板の有効利用のための基本的な情報を獲得する事とした。{材料及び方法}照度が制御できる遮光箱を作成し、酸化チタン板に165〜15Lxの光を1週間照射し初日と1週間後の板面の一般細菌及び真菌の数の変化を計測する。測定は一般細菌用としてSCDLP寒天培地(日水製薬)を又、真菌にCP加サブロー寒天培地(日水製薬)を使用する。{結果及び考察}遮光箱を用いた1週間の試験の結果、酸化チタン板と光触媒酸化チタンを塗布してないプレート上の細菌数の増減で比較すると、一般細菌数は165Lxでは大差は見られなかった。80Lxでは酸化チタン板の方が塗布無しプレートより71.3%の減少、65Lxでは9%の減少、35Lxでは逆に25.4%の増加、15Lxでは77.4%の増加がそれぞれ記録された。一方、真菌数は165Lxでは酸化チタン板が塗布無しプレートより71.6%の減少が見られた。80Lxでは48.7%減少が見られた。65Lxでは44.6%の増加、35Lxでは21.2%の減少、15Lxでは逆に136.3%の増加がそれぞれ記録された。以上の結果から、1週間電球光を当て続けた場合、一般細菌は65Lx以上、真菌は35Lx以上で光触媒酸化チタンの効果が現れる事が解った。よって人工照明下では一般細菌、真菌の両方に酸化チタンによる滅菌の効果を得るためには65Lx以上の照度が必要であると判断した。
著者
小林 孝一
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2011-06-10

本研究課題では,ハイブリッドシステムの制御における計算の効率化に取り組んだ.成果として,有限オートマトンの安定化に基づくモデル予測制御手法,およびオフライン計算とオンライン計算の両方を用いた精度保証付き近似解法を提案した.また,数値実験により計算の効率化が実現されたことを確認した.さらに応用として,ブーリアンネットワークモデルで表現される遺伝子ネットワークの解析と制御にも取り組んだ. : In this research, fast computation algorithms for hybrid systems control have been addressed. As important results, a stabilizing model predictive control method using stabilization of finite automata, and an approximate algorithm using both offline and online computations have been proposed. In addition, the effectiveness of the proposed methods has been shown by numerical examples. Furthermore, analysis and control of gene regulatory networks has been addressed using Boolean network models.
著者
吉久 徹
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本年度は、出芽酵母の小胞体ストレス応答(UPR)で非典型的細胞質スプライシングを受けるHAC1 mRNAとRNPを形成することがわかった酵母tRNA ligase Rlg1pの遺伝学的解析を中心に研究を進め、さらに組換えRlg1pを用いたin vitroでの解析へと展開を図った。まず、tRNA ligaseの持つ、tRNAのスプライシング酵素としての機能、HAC1 mRNAのスプライシング酵素としての機能、そして、HAC1 mRNAの翻訳制御因子としての機能が個別に異常となった変異が単離できるかを検討した。多数の温度感受性rlg1およびUPR欠損rlg1を単離・解析した結果、上記の3つのいずれかの機能にだけ欠損を示す変異をそれぞれ単離することができた。特にtRNAのスプライシングに欠損を示すrlg1変異には、単にligation反応が進まない結果としてエキソンが蓄積する変異だけでなく、イントロンを含んだ前駆体も蓄積するもの、さらには、切断されたイントロンも蓄積するものが得られ、Rlg1pがtRNAのスプライシングの複数の局面に必要とされる可能性が示された。また、UPR欠損変異には、明らかにHAC1 mRNAのスプライシングが低下しているものと、そこそのHAC1^i mRNAが生じているにも関わらず、Hac1^iタンパク質の合成できない変異が存在した。これは、Rlg1pが翻訳制御に特異的に働くドメインを持つことを示唆している。さらに、Rlg1p組換え体を用いたin vitroのpull down実験によって、Rlg1pがIre1pで切断される前のHAC1^u mRNAを直接結合することが確認できた。以上のことから、Rlg1pはtRNAやHAC1 mRNAとRNPを形成しつつ、そのスプライシングおよび翻訳制御に直接関わることが明らかとなった。
著者
川田 裕一 松本 紀夫 小川 健治 梶原 哲郎 榊原 宣
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.1028-1028, 1985-11-25

第5回学内免疫談話会 昭和60年7月13日 東京女子医科大学中央校舎1階会議室
著者
石井 紘
出版者
東京大学
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.67-77, 1992

Anomalous uplift continues at the eastern part of the Izu peninsula. Temporal and spatial variations from 1980 to 1988 were studied in detail by ISHII (1989). In 1989 a submarine volcanic eruption occurred off the east coast of the uplift area. Vertical movements from 1980 to 1990 were studied by focusing on variation before and after the eruption.伊豆半島の隆起の時間・空間変動について1980年から1988年まで石井(1989)に報告されているが,同様の解析法を適用し,その後1990年までのデータを加えて時間的・空間的な特徴について調べた.特にこの期間は1989年7月13日に伊東沖の海底噴火が起こっており,前後の上下変動についても注目して調べた。積算隆起量の最大値は10年間で24cmに達した.隆起のピークの位置は解析期間の始めには内陸にあったが,その後,東側の海岸の富戸付近に移動して固定し, 1989年7月の海底噴火後は富戸より10km北の伊東付近に位置した.東海岸の隆起域における隆起の時間変化は一様ではなく時間的に変動しているが, 1987年頃から全点で加速し,海底噴火直前に噴火点に近いところのみさらに加速した.また噴火地点に近い海岸沿いの点における1年間の隆起量の時間変化を見ると噴火前に以前より大きくなり,その後停滞して噴火に至るというパターンを示した.解析期間中発生した群発地震は隆起のコンターのピークが東側の海岸の富戸付近にあるときに発生している.
著者
本多 〓
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.91-98, 1974-03-15

1.都市樹木の公害抵抗性を増進するための管理技術開発の一環として,施肥による効果について実験を行った.2.供試樹木はケヤキZelkova serrata MAKINOで用土は肥料のほとんどない心土の赤土を用い,所定の施肥を行った後,1972年7月13日に木箱に植付けた.3.実験区は,多肥区・中肥区・少肥区・無肥区の4区を設け5連制で行った.植付けどきに化成肥料を元肥として施し,追肥は行わなかった.4.SO_2処理には,人工気象室より成るガスチェンバーを用い,樹木が活着し,肥料吸収の時間として1ヵ月および2ヵ月を経過した後に行った(2.5ppm,2時間).5.煙斑発生率よりみると,施肥区が無肥区に比べて被害は少なかった.1ヵ月では各区の差はあまり多くはなかったが,肥料の吸収利用が多くなったと考えられる2ヵ月後の実験においては,各区の差は大きく,中肥と多肥の区では無肥区の約1/3に減少した.6.落葉率よりみると,多肥区は少く,無肥区を100とすると多肥区では約40%にとどまった.7.SO_2接触24時間後に摘葉を行い,その後の再生展葉状態を調べたところ,肥料の少い区ほど再生力が乏しく,多肥区・中肥区では旺盛な恢復がみられ,少肥区・無肥区に比べ顕著な差があった.8.以上の諸点を総合すれば,樹木の公害抵抗性を高め,被害よりの恢復を促進し,被害を最少限度にとどめるための対策として,施肥は有効な手段である.9.従来都市緑化樹木に対して,施肥はほとんど行われていないが,今後緑化対策の一環として,施肥は不可欠の要素として取り入れるべきである.
著者
伊藤 隆造 Pauly Martin 遠藤 純子 園田 壮史 高橋 弘 田巻 香織 笹谷 知幸
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.8, pp.211-216, 2001

平成12年7月13日から7月24日までの日程で第2回視覚部海外研修旅行を実施した。参加者は学生4名、教官2名、技官1名で、アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校とナショナル聾工科大学を訪問し、様々な施設見学や講義への参加を通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。

1 0 0 0 弔辞

著者
前川 敏男
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.1031, 1970-12

1 0 0 0 OA 常設展示

出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
vol.第154回, 2008-06
著者
横田 和子 伊芸 光子 松崎 美保子 望月 由美子 吉岡 守正 内山 竹彦 弥吉 眞澄 荒明 美奈子 鎌形 有祐
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.1027-1028, 1985-11-25

第5回学内免疫談話会 昭和60年7月13日 東京女子医科大学中央校舎1階会議室
著者
渡部 勇
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.E62-E65, 1993-02-20

今年の7月13日〜24日にSLACで催されたSLAC Summer Instituteに参加して来たので、その報告をします。(この原稿では、SSIの省略はSanyo Summer Instituteではなく、SLAC Summer Instituteを意味する事とします。)
著者
坪井 善勝
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.980, 1967-04
著者
佐古井 智紀 都築 和代 加藤 信介 大岡 龍三 宋 斗三 朱 晟偉
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.126, pp.1-10, 2007-09-05
参考文献数
11

本報では,第1報,第2報の前後,左右,上下に不均一な温熱環境下で得たデータを基に,椅座,定常人体の全身快適感,頭および全身の暑さに伴う不快感,膝先(下腿と足)および全身の寒さに伴う不快感を,局所皮膚温と局所乾性放熱量で表す実験式を提案した.全身快適感の式では,均一に近い条件で快適性が高く,左右,前後の不均一性が強くなると快適性が低くなる.頭および全身の暑さに伴う不快感,膝先および全身の寒さに伴う不快感の式では,「暑さ」または「寒さ」に伴う頭,膝先の不快感が,全身としてはその逆の状態である「寒さ」または「暑さ」によって緩和される.基礎実験と異なる着衣,上下に不均一な条件において検証実験を行った.全身快適感の実験式は,被験者全体の平均値を予測したものの,より詳細に見ると,上下の不均一性を適切に評価できていない点も認められた.頭および全身の暑さに伴う不快感は検証実験においてほとんど見られず,実験式もそれを再現できた.膝先および全身の寒さに伴う不快感は,女性の予測値が高過ぎ,男性の予測値が低過ぎたものの,被験者全体の平均値,および男性,女性,被験者全体,それぞれにおける不快感の順を予測できた.
著者
花田 勝美 竹下 繁
出版者
九州大学
雑誌
九州大学農学部農場研究資料 (ISSN:03863522)
巻号頁・発行日
no.13, pp.32-37, 1991-03

地中海沿岸の山地や丘陵地を原産地とするシクラメンは冷涼寡雨の気候を好む植物である。それゆ え,我が国の夏季の6,7,8月及び9月の気温が30℃を越す環境下でのシクラメンの栽培は花芽の 分化と開花を著しく抑制すると言われている。 本調査は例年にない暑さに見舞われた1990年と,平均的な夏季の気温で経過したと考える1988, 1989の両年のシクラメンの時期別販売鉢数を調査し,比較することにより,1990年の夏期の高気温が シクラメンの生育と開花に与えた影響を検討したものである。その結果, (1)1990年の夏季は最高気温38℃を記録し,30℃以上の日が73日にも及び,1988年及び1989年の約 2倍の日数であった。 (2)1990年は1988,1989の両年に比較して,アカダニとハスモンヨトウが異常に発生した。 (3)1990年のシクラメンは1988年,1989年に比較して,初出荷と出荷最盛期が約1ケ月遅れた。 以上の如く,西南暖地におけるシクラメンの栽培は,平坦地では夏季の気温が30℃を越える日数が 40~50日以上になると,シクラメンの開花時期が遅延してくるものと推察される。このことは,シク ラメンは年内に販売すべしと言う鉄則に反することになり,シクラメンの栽培農家にとっては高冷地 栽培を含めた夏季の高温の回避策の検討が強く望まれる。
著者
大渡 伸 藤原 真理子 岩元 純 范 育仁 土屋 勝彦 小坂 光男 HW Soeliadi
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 Tropical medicine (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.235-241, 1983-12-28

熱帯地住民は暑さに強い事がよく知られている.彼等は,躯幹に比べ四肢が長く,体重当たりの体表面積が大きく,体構成では,皮下脂肪が少なく,能動汗腺総数の増加が見られる等,放熱に有利な特徴を備えている.これらの差異を知る事は,暑熱環境への順化のメカニズムを考える上で重要であると思われる.そこで我々は,熱放散反応のなかから,特に発汗現象に注目し,熱帯地住民を被験者として,一定条件(気温30℃相対湿度60%)下で局所温度負荷をかけ発汗を誘発した.それに伴う深部体温と皮膚温の変化は,それぞれ舌下に入れたサーミスター温度計と,前胸部をサーモグラフィでモニターした.その結果,両膝下部を43~44℃の温湯に30分つけるという局所負荷で,被験者の負荷開始時点から発汗までの潜時は10分であった.比較の為に同一条件で行った日本人による実験では,被験者は,負荷以前に発汗してしまい,潜時は測定出来なかった.この事から,被験者となった熱帯地住民は,日本人被験者に比べ,発汗までの潜時が非常に長い事がわかった.この理由としては,暑熱環境に順化した人の方が非順化人よりも,発汗に関する深部体温の閾値が高いかあるいは刺激前の深部温度が低い為に,同じ強さの温度負荷に対しても,発汗までの潜時が長いという可能性が考えられる.今後データの集積をはかり,更に詳細について検討していく所存である.The sweating response evoked by a local heat load was studied in an inhabitant of tropics in a climatic chamber. The change of skin temperature according to sweating was monitored by thermography. Time lag of the onset of sweating in the subject was about 10 minutes after initiation of a heat load. In such a condition, a Japanese volunteer sweated instantly without any heat load. The central and peripheral mechanism of heat acclimatization was discussed from the aspects of temperature regulation.
著者
入來正躬
雑誌
臨床体温
巻号頁・発行日
vol.24, pp.4-13, 2006
被引用文献数
1
著者
佐藤 文博
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本期間においては,磁界を介したエネルギー伝送により複合型発熱素子の励磁加温を実現した.最終年度までの検討により,より実用化に近い励磁コイル形状として,平面型スパイラルコイルを用いて実験を行った.平面型スパイラルコイルは,素子の刺入を考えた場合の励磁方向への磁束の指向性の問題と平面型スパイラルコイルによる励磁での圧迫感の軽減や自由度の増加といった利点がある.これを用いて将来の生体応用を想定し,血流の存在するマウスにおいて,実際の腫瘍に対する効果の検証を行っている.動物実験に用いている腫瘍はB-16メラノーマである.このB-16メラノーマは細胞増殖が比較的早いことから選択した.マウスに植え込んだ腫瘍に素子を挿入してハイパーサーミアを行い1週間後の腫瘍のサイズとマウスの様子を確認した.何もしていないコントロールマウスと比べて,熱を加えたマウスは明らかに腫瘍サイズに差が生じた.温熱以外の作用は加えていない為,素子の発熱によって組織温度が上昇し,腫瘍組織を壊死させることが確認できたと考えられる.このように,複合型発熱素子の発熱による熱的効果によって腫瘍の縮退がみられ,ハイパーサーミアの有用性が実証できた.まとめにあたり,簡易自動治療システムの一連のプロトコルを考え,上記治療結果を得た事は大きな成果である.ハイパーサーミアは種々の方法で臨床応用されているが,どの方式が最適かというコンセンサスすら確立されていないのが現状である.そのため医師やがんで苦しむ患者に浸透していないのが現状である.上記成果より簡易的な治療法に一定の指針ができた事で,完全治癒可能なハイパーサーミアが現実に近いものになったと言える.