著者
寺沢 敏夫
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.1-16, 1979-01

オーロラ粒子の加速機構について,最近の観測をもとに従来の結果を概観した.はじめに,粒子の加速をになうものとして,磁力線に平行な電場が存在していることの観測的な証拠についてまとめ,次に,電場エネルギーの供給源として外部起電力の必要性を示し,提案されているいくつかの起電力のモデルについて述べた.また,加速領域のモデルとして提案されている磁気ミラー理論について検討し,最後に,double layerをめぐる最近の話題として,室内実験,計算機シミュレーションにつき触れた.
著者
渥美 和弥
出版者
新領域創成科学研究科 環境学研究系 人間環境学専攻
巻号頁・発行日
2007-03-22

報告番号: ; 学位授与年月日: 2007-03-22; 学位の種別: 修士; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第2222号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科人間環境学専攻
著者
小谷 朋弘
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

本研究は、現代社会における紛争処理の能様について明らかにすることをネライとしており、主に3つの部分から構成されている。第1は、市民の法意識であり、ここでは法意識の方向と水準の2つの視点からアプローチされている。「方向」は、個人主義ー相互主義と公志向ー私志向の2つの尺度でとらえられ、「水準」は、規範主義ー順応主義の尺度でとらえられている。平民においては、相互主義が圧倒的に優勢であるが、公志向と私志向では私志向が優勢であり、平民はよりよい社会をつくることには賛成しているが、かといったそのために個人の権利まで放棄するものではないことがわかる。第2は、市民の紛争処理の態様である。ここでは紛争処理の志向と紛争処理の経験の2つの視点からアプローチしている。前者からは、市民が紛争処理にあたって、第1次的紛争処理機関よりも第2次的紛争処理機関の利用に傾斜しており、他方後者からは、実除に、恵2次的紛争処理機金の役割がきわめて重要な位置を占めることがわかる。第3は、紛争処理における弁護士と市民との相互の関係である。ここでは、弁護士職に対する職業行価、弁護士アクセス、弁護士職の職業構成の3つの視点からアプローチされている。前者からは、市民と弁護士の間にとくに弁護士職の安定性と高収入性の2点について認識の中カップが大きいことがわかる。中者からは、アクセス経路が困難的であり、かつまたクライアントの階層が上層に傾斜していることがわかる。そして後者からは弁護士職が員訴訟業務に特化していることが明からになっている。
著者
岩城 裕之 友定 賢治 日高 貢一郎 今村 かほる
出版者
呉工業高等専門学校
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

1 医療現場での方言をめぐる問題に地域差がみられること各地でのアンケートや臨地調査によって、方言を巡る問題に地域差があることが明らかとなった。具体的には、富山の場合、県内のごく狭い範囲で、体調を表す重要な語について使用・不使用があったり、意味が異なる場合が存在することが分かった。一方、青森では多くの語が難解であり、医療場面で想定されるすべての語彙、表現の記述が必要となることが明らかとなった。2 方言データベースの作成と公開青森、広島、富山、飛騨のデータを収録した方言データベースを作成、公開した。いわゆる聞き取りにくい方言について、検索する際に想定されるいくつかの入力パターンを調査し、いずれのパターンでも適切な候補を表示できるようなシステムを構築した。方言研究者であれば一定のルールの中で記述するが、医療関係者などの非方言研究者は、必ずしもそうではないことに配慮したためである。結果的に、使いやすい方言辞書を追求することとなった。また、現地で収録した音声を加工し、データベースの多くの語や一部の文例について、クリックすることで音声を聞くことができるようになった。揺れのある入カパターンから適切な候補を見つけ出すことのできる方言辞書やデータベースは、ほとんど前例がなく、ユニークな成果であると思われる。3 コミュニケーションマニュアルの作成青森県津軽において、いくつかの定型的問診場面を取り上げ、方言による対話例を作成した。しかし、共通語の問診と異なり、いわゆる日常の挨拶や雑談をはさむことが「方言的」であったため、マニュアルにはなじまないと考えられ、今後も研究を重ねていく必要があると思われる。
著者
米田 英一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.11, pp.111-118, 1999-01-30
参考文献数
2
被引用文献数
3

1994年のIFIPコングレスにおけるパルナス教授の講演「ソフトウェアエンジニアの職業的責任」によれば、「顧客や雇用者に対する忠誠心や服従などに優先する職業的義務を受け入れることのできる人間だけが、真のプロフェッショナル・エンジニアの名に値する」ということになる。しかし、いくら終身雇用制度が崩壊しつつある時代とはいえ、企業あるいは政府・自治体から貰う給料で生活している従業員・職員にとって、上司乃至所属機関の指示・命令に逆らって職業的義務を守ることは容易ではない。そのためにも、エンジニア資格制度の導入と工学系の学会のプロフェッショナル・ソサイアティへの変身が急務である。According to Parnas, a professional engineer should accept a professional obligations go beyond loyalty or obeidience to an employer or customer. However, this is a very hard and difficult challenge to ordinary engineers who earn their living as employees of some organizations, and this is especially so in Japan. To overcome these difficulties, intoroduction of a system of licenced engineers and change of so called every Gakkai (academic society) into a learned professional society might be necessary.
著者
柴田 晃宏 芳本 晃大朗 府中 拓也 是永 美樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.630, pp.1833-1838, 2008-08-30 (Released:2009-09-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2 1

This study is intended to clarify the architect's vocabulary of Facade design in nonresidential works of Kiyosi Seike focusing on the relationship between the expression of beams and columns and "ma". Facades are defined by the composition of sites and buildings, and the representation of beams and columns. The way to express beams and columns on the Facade and the way to compose the arrangement of "ma" is analyzed in relation to the symmetrical property of such elements. As the result of classification, 9 types of compositional schemes of elevation are identified, and moreover by analyzing, these schemes are classified into 4 types of Facade design. Analyzing the relationship between the expression of beams and columns and "ma", it is clarified that Facade design is represented by his sence of symmetry includeding Asymmetry in Symmetry.
著者
北川 慶子 斎場 三十四
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は平成11年度-12年度の2年間の研究であるが、平成11年度においては、佐賀県下における特別養護老人ホーム(特養)と老人保健施設(老健)の要介護高齢者に対し、施設での生活水準と長期ケアへの適応を捉えるために、身体機能(FIM)、QOL(SF-36),生活満足度調査(LSQ)を実施し、施設生活の再評価を行った。特養では、FIMとSF-36の相関は見られず、身体機能は低いがSF-36の値は高く、それはさらに老健よりも高く、生活面を重視したケアが中心の特養の要介護高齢者が身体機能の回復を重視し、家庭復帰を目指す老健よりも適応度が高いという傾向が見られた。平成12年度における研究の重点は、平成12年4月1日から施行された介護保険法に注目し、介護保険施行後再認定の時期(10月)にversion upした調査を特養、老健で実施し、施設における生活水準とと適応について分析することであった。生活水準のLSQの生活部分は「特別養護老人ホーム・老人保健施設のサービス評価基準」に準拠しているため、介護保険前後の両施設における高齢者の調査結果を比較分析することによって生活水準の評価を行うことができた。平成12年の調査では、FIMによる身体機能は特養と老健の格差が縮まり、SF-36によるQOL評価では老健で高得点化傾向が見られた。施設への適応度は、介護保険以前においては特養が高く老健が低いと評価されたが本調査によって、介護保険施行後はそれぞれの特異な差が一段と縮小していくのではないかと推測することができる。それは、老健が長期ケア型にシフトし、長期ケアについては特養との差異が見られなくなりつつあることが大きな要素である。特養のみならず両施設共に、Helsonの「適応レベル説(adoption level theory)」がより顕著に現れてくるのではないかと考えられる。本調査においても適応レベル説が適用できる初期的段階が窺われ、要介護高齢者の施設における長期ケアへの適応は、SF-36、FIMで測定した身体機能以外の要因が強く働いているといるということが分かった。すなわち、HRQOLを規定する要因としてSF-36、FIMの結果はあまり影響を与えず、期間と生活環境がHRQOLを変化させ、従って適応レベルが健康期、要介護期さらに年齢生活環境によって変化してきているものであることが本研究により明らかにされた。生活水準の主要な規定要因は、意思の表明とその受容の程度であり、それは、施設ケアを受ける期間の長短との密接な関連があることも本研究により得られた成果である。
著者
伊東 孝之
出版者
北海道大学
雑誌
スラヴ研究 (ISSN:05626579)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.135-190, 1978-03-25
著者
榎田 一路 LAUER J・J 前田 啓朗 磯田 貴道 田頭 憲二 阪上 辰也 鬼田 崇作
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,大学英語教育において,ポッドキャストとウェブ型教材を,一斉指導,個別学習,およびICTを用いた協同学習に援用した。まず,ポッドキャスト教材及びウェブ型準拠教材を開発・配信した。次にこれらを利用して教室内指導と教室外個別学習を組み合わせた実践を行い,その結果を分析した。さらにデジタル・ストーリーテリングを通じてICTを協同学習に援用することの効果を探った。ポッドキャストを活用した一斉指導と個別学習の連携は,学習者の学習意欲を高め,英語学習の絶対量向上に貢献した。デジタル・ストーリーテリングは,扱った題材への理解を深めつつ,成果物を共有することによる学び合いを提供する点で効果があった。
著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.219-223, 2009-02-26
参考文献数
7

インターネット上で学校または地域ごとに集まりコミュニケーションをとる学校裏サイトのような電子掲示板では,匿名性などの特徴や誤解から,陰湿ないじめに発展し社会問題となっている.これは,電子掲示板に書き込んだ発言が他者にどう影響を与えるかを知らないことが原因の一つとして考えられる.そこで我々は,個々の発言が他者にどう影響を与えるかの指標を確立し,その影響度を発言者へ示すことにより発言者が問題となる発言をしないように教育を支援する手法を提案した.本稿では,以前提案した手法では対応できなかった発言に対応するため,学習データベースに登録する品詞を選択する.また,発言の長さに応じた発言の判別を行うのではなく,2つの学習データを利用して発言の判別を機械的に行う手法を提案する.
著者
吉久 徹 遠藤 斗志也 遠藤 斗志也
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

tRNAの一生における細胞内動態の全貌を明らかにする目的で、出芽酵母より新たなtRNA結合タンパク質の生化学的な単離・同定を行った。Hsp70ファミリーに属すSsa2pが新規tRNA結合タンパク質として同定され、実際、栄養飢餓時に見られるtRNAの核内輸送因子であることが、in vivo、in vitroの実験で明らかとなった。併せて、RNAの3'末端を配列特異的に可視化できる手法を開発した。
著者
森 悟
出版者
文光堂
雑誌
臨床スポーツ医学 = The journal of clinical sports medicine (ISSN:02893339)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.807-812, 2002-07-01
参考文献数
11