著者
西谷 修 中山 智香子 米谷 匡史 真島 一郎 酒井 啓子 石田 英敬 土佐 弘之 石田 英敬 土佐 弘之
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

21世紀グローバル世界秩序の構造的要素である戦争・経済・メディアの不可分の様相を歴史的・思想的に解明し、前半部を「ドキュメント沖縄暴力論」(B5、171ページ)として、また後半部を「グローバル・クライシスと"経済"の再審」(B5、226ページ)としてまとめた。
著者
田代 隆良 後藤 純 重野 秀明 後藤 陽一郎 黒田 芳信 那須 勝
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.11-17, 1988-02-20
被引用文献数
11 3 28

原発性肺癌患者56例の血清CA19-9濃度を測定した.初診時・治療前の陽性率は16%, 経過中最高値をとっても30%とCEAにくらべ低かった.血清濃度は腺癌とくに気管支腺型腺癌で著増し, 免疫組織化学的にも大量のCA19-9の局在が認められた.しかし、血清濃度と組織内局在とは必ずしも相関せず, 腫瘍の大きさや血管浸潤などが関与しているものと思われた.
著者
児嶋 由枝
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

12世紀後半の北イタリアでは、ロンバルディア・ロマネスクが独自の様式・図像を展開していた。すでにこの時期の北イタリア中世都市国家の聖堂に関わる美術の展開については研究が進められている。しかし、この展開に重要な役割を担ったとされる北イタリアの修道会美術に関してはいまだ多くが詳らかでなかった。こうした状況をふまえ、本研究では、エミリア地方の三修道院(キアラヴァッレ・デッラ・コロンバ、フォンテヴィーヴォ、カスティオーネ・ディ・マルケージ)に焦点をあてて調査を実施した。特にゴシック様式の導入、都市聖堂との関係、そしてアダムとエヴァ彫刻図像について新たな視点を提起することができた。
著者
鳳 英里子
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.627, pp.1089-1095, 2008-05-30

The purpose of this thesis is to analyze the revival process of the regional decoration on the exterior walls of Soviet Uzbekistan architecture, especially in the housing complexes that evolved in the city of Tashkent, the capital since 1930. This area of Uzbekistan includes many historic ruins; architectural decoration is one of the main features of the traditional buildings. This decoration was gradually utilized while the nation searched for a Uzbek national style. Following the non-decorated Dom-Comuna in a constructivist style, traditional decoration was partly used in housing complexes with Stalinist Classicism by the handiworks of the traditional decorative masters, called 'usto'. Since 1973, this decoration covered very large parts of facades and the side-wall of the standard panel-style housing complexes. The technique, color and style of wall decorations originated from traditional Uzbek decoration such as ganchi, pandjara, and mosaic tile.
著者
若松 一雅 伊藤 祥輔
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ヒト中脳黒質中に存在するニューロメラニン)NM)を単離し、その構造研究を行った。その結果、NMはDAとCysが約4:1で酸化重合して生成したフェオメラニンの構造単位であるベンゾチアジンを持つ部分とDAの酸化重合で得られたユーメラニンの構造単位からなることがわかった。また、脳内被殻、前運動野皮質、小脳などの非カテコールアミン作動性ニューロンにおいて新しいNM様色素が存在することを発見した。この色素は、黒質や青斑核に存在するNMと違って、DA由来でなくDOPA由来であることが化学分解法とHPLC分析により確認された。
著者
Tamaoka Katsuo
雑誌
松山大学論集 (ISSN:09163298)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.163-173, 1992

カナダ・インディアンは,カナダ゛政府と協定(treaty)を結び、広大な領地を手放す代わりに,「カナダ市民以上」(citizens plus)の諸権利を獲得している。しかし,これらの諸権利を保持するには,法的にインディアンとして認められていなければならない。つまり,『インディアン法』(Indian Act)に規定された登録名簿に記載されている者のみがインディアンとして法的に認知されるのである。かつて民族的にインディアンでありながら,登録名簿から外された者も多かった。その一例として,インディアンの女性がインディアンでない男性と結婚した場合,登録名簿から除外され法的にインディアンでなくなり,諸権利を失ってしまった。また,その逆に,民族的にインディアンでない,たとえば「青い目をした金髪の女性」がインディアンの男性と結婚した場合,この女性はインディアンとして登録される。こうして,民族的定義とはなんら関係のない法的「インディアン」が誕生したのである。本稿では,カナダ先住民をめぐる「先住権」「先住民」「インディアン」などの法的定義を考察することによって,彼らの直面している諸問題に言及した。Neither the definition of aboriginal rights nor the definition of aboriginal peoples in Canada have been described clearly. Scince these highly politicised terms are difficult to argue with, researchers seems to be rather reluctant to bring them up in discussions. However, in the area of native studies, researchers will not be able to avoid coming across these fundamental, somewhat political, problems; This paper discusses a major aspect relating to both the conception of aboriginal rights and the conception of aboriginal peoples ;that being definition of "Indian".
著者
栗原 達夫 江崎 信芳 三原 久明
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

1.Burkholderia sp.FA1由来フルオロ酢酸デハロゲナーゼはフルオロ酢酸の加水分解的脱フッ素反応を触媒しグリコール酸をあたえる。本酵素反応ではD104の側鎖カルボキシル基が基質のα-炭素を求核攻撃し、フッ化物イオンが脱離するとともに、酵素と基質がエステル結合した中間体が生成する。エステル中間体のD104のカルボキシル基の炭素原子を、H271によって活性化された水分子が求核攻撃して、グリコール酸が遊離するとともにD104が再生する。野生型酵素、D104N変異型酵素とフルオロ酢酸の複合体(Michaelis複合体)、H271Aとクロロ酢酸の複合体(エステル中間体)のX線結晶構造解析により、この反応スキームの妥当性が示された。基質カルボキシル基は、H149、W150、Y212、R105、R108によって認識され、フッ素原子はR108に結合していた。W150F変異型酵素では、クロロ酢酸に対する活性は野生型酵素と同等であるのに対して、フルオロ酢酸に対する活性は完全に消失した。W150はフルオロ酢酸の脱フッ素に特異的に必要とされる残基であることが示された。2.1,1,1-トリクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン(Freon113a)を電子受容体とした集積培養によりSulfurospirillum属の嫌気性細菌を得た。テトラクロロエチレンを電子受容体とした集積培養により、16S rRNAの配列がuncultured bacteriumの16S rRNAの配列と98%の相同性を示す嫌気性細菌を得た。3.2-クロロアクリル酸資化性菌Burkholderia sp.WS由来の2-ハロアクリル酸レダクターゼとNADPH再生系として機能するグルコースデヒドロゲナーゼを共発現する組換え大腸菌を作製した。この組み換え大腸菌を用い、2-クロロアクリル酸を基質として、除草剤原料として有用な(S)-2-クロロプロピオン酸の生産を行った。従来法(光学分割法)を上回る収率で生成物を得ることに成功した。
著者
杉山 敏郎 平山 文博 浅香 正博 穂刈 格
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

H.pyloriは慢性萎縮性胃炎、胃癌の主要な病因と考えられ、その関連性は疫学的、動物実験モデルにより実証されている。我が国のH.pylori感染者は約6000万人と推定されているが、胃癌予防のために全感染者を除菌することは現実的に不可能である。したがって、予防ワクチンの開発は重要である。さらに開発途上国では胃癌患者はいまだ増加傾向にあり、かつ多数の感染者を除菌することは経済的に全く不可能であり、一層、予防ワクチンの開発が必要とされる。本研究ではH.pyloriリコンビナントカタラーゼ蛋白をワクチンとして用い、スナネズミに免疫し、その後、胃癌を高頻度に発症するH.pylori菌株を感染させ、感染の成立、胃炎の成立、そして胃癌発症予防効果を検討した。5週令SPFスナネズミにH.pyloriリコンビナントカタラーゼ蛋白をアジュバントとともに免疫し、その後、採血および胃液を採取、ELISA法により血清lgG抗体および胃液lgA抗体の上昇を確認した。免疫成立を確認した後、胃癌高頻度発生H.pylori菌(TN2GF4株)液を経管的にスナネズミに投与し、さらに10ppmのメチルニトロソウレアを20週間投与し、経時的に観察し、胃癌の発生を評価していたが、検討した72週の10匹のスナネズミでは組織学的に胃癌の発生は全く確認されていない。一方、我々がクローニングしたH.pyloriカタラーゼ遺伝子をカナマイシンカセットに導入しH.pyloriに遺伝子導入し、菌体内でリコンビネーションによりカタラーゼノックアウトH.pyloriを作成し5週令SPFスナネズミ15匹に感染させたが、感染は全く成立せず、カタラーゼは感染成立に必須であることが判明している。したがってH.pyloriリコンビナントカタラーゼ蛋白は感染予防ワクチンとして極めて有用である。
著者
小川 芳彦
出版者
関西学院大学
雑誌
法と政治 (ISSN:02880709)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.643-658, 1971-01-30
著者
江浦 由佳
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

我々はこれまでにほ乳類では報告のなかったFZOのホモログをラットにおいて2種類同定し(Mitofusin1,Mitofusin2)、その後の解析から2つのMfnが共にmit融合に必須であり、協調的にmit形態の調節に機能することを明らかにしてきた。さらに複合体に含まれるmitofusinと協調的に機能する新規因子の探索を行った結果、ひとつの新規因子を同定した。これをmitofusin binding protein(MIB)と呼ぶ。今年は昨年に引き続きこの因子の解析を行った。(1)ラット肝臓を用いて内在性のMIB存在様式を解析した。細胞分画を用いて解析した結果、内在性MIBにおいても過剰発現細胞のMIBと同様にmt、ms,及びサイトソルに局在していることがわかった。ミトコンドリアに局在するMIBの膜結合性はショ糖密度勾配遠心をおこなってもミトコンドリア画分に一部回収されることから一部は膜に強く結合していることが示唆された。(2)MIBは酸化還元酵素に保存されたドメインを有しているのでその活性がmt形態への効果に必要かどうか調べるために補酵素結合ドメインにアミノ酸置換の変異を導入した変異体を作成し検討した。その結果、その変異体においてmt形態への効果が消失したことから酵素活性がmt形態への機能に必要であることが示唆された。(3)また同じ酵素ファミリーに含まれるzeta-crystallinがMIBと同様のmt形態への効果を有するかどうかzeta-crystallinのcDNAをサブクローンして解析した。その結果、zeta-crystallinを過剰発現させてもmt形態には全く影響が無かったことから、酵素ファミリーの中でもMIBに特異的な機能であることが示された。(4)Mfn1との相互作用について解析するため、Mfn1リコビンナントカラムを用いて、MIB野生型、酵素ドメイン変異体、zeta-crystallinとの結合実験を行なった。その結果、MIBの野生型のみがMfn1カラムに結合できたことから、MIBの機能はMfn1との結合能力に依存していることが示唆された。(5)MIBのmt形態への効果についてさらに解析するため、RNAiを用いてHeLa細胞の内在性MIBを発現抑制を解析した。その結果、RNAi細胞においてMfn1のRNAi細胞の結果とは逆のmtのネットワークの顕著な活性化が観察された。このことから、MIBはMfn1を介してmt融合を抑制する機能があることが示唆された。
著者
栗原 麻子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

法廷弁論家であり、また前4世紀後半のアテナイ政治を主導する政治家の1人でもあったリュクルゴスに焦点をあて、ヘレニズムへの転換期における公と私の関係性について検討した。とりわけ、リュクルゴスの政策における公私の関係性を理解するために(1)エイサンゲリア(弾劾裁判)の多用、(2)私的復讐と公的刑罰の区別の2点について分析し、市民生活のなかの公共的要素をリュクルゴスが重視していたことを明らかにした。そのポリス共同体イメージは、アテナイ社会に伝統的な互酬的価値観のもとに、アプラグモシュネ(消極主義)的な市民像を取り込んだものとして理解できる。
著者
田中 克己 福井 和広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.9, pp.1464-1472, 2002-09-01
被引用文献数
11

エージェントとユーザ間のインタラクションを活用した視線入力インタフェースを提案し,実タスクに基づく評価を行った.このシステムにおいては,ユーザとのインタラクションの単位として複数の選択対象エージェントを設定する.各エージェントはユーザからの視線入力に基づいて自らに対する注目の度合を,ベイジアンネットワークを用いて確率的に学習する.いったん学習されたエージェントは,システムへの入力から自らへの注目確率を推定し,それに応じたアクションを行う.このアクションがユーザへのフィードバックとなり,ユーザに対し,自らの注視によりエージェントを活性化させることにより選択している感覚をもたせることになる.最終的にはエージェント活性化により,あらかじめ登録されたショートカットコマンドを起動し,ユーザの意図を実行する.今回は各エージェントにWindows上でのイベント登録・実行機能をリンクさせることにより,ユーザがエージェントを選択すると同時にコマンド選択・スクロール・IMEモード切換を実行させる機構を作成し,現行のインタフェースとの定量的.定性的比較を行った.その結果,コマンド選択機能については10%程度の効率向上が,他のタスクについては同等に近い効率を得ることができた.
著者
近浦 吉則 鈴木 芳文
出版者
九州工業大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1992

結晶の構造評価は局所的な基本構造とその構造の場所分布の2因子によって完全になされる。前者の基本的結晶構造はX線スペクトルによって解析される。一方、結晶の不完全性を含む物質の構造の場所分布は、本研究代表者らによるX線散乱トポグラフィで調べられる。そこで、両者の機能を有機的に組み合わせた局所的なスペクトロスコピーをともなうトポグラフィ(仮に、X線スペクトロスコピック散乱トポグラフィと称する)の開発が本研究の第一の目的である。また、X線回析トポグラフィの欠点の一つであった場所分解能の向上を各種のマイクロビームの開発により、シンクロトロン放射光の新時代においてサブミクロン分解能を達成する目処を立てることが第二の目的である。平成4年度にまず、高精度走査機構を含むシステムの設計を行ない、計22軸の位置制御を行なうコンピュータープログラムを完成させた。平行して、収束X線マイクロビーム自作完了。平成5年度は、上記走査装置の製作を行なうとともに、収束マイクロビームと位置敏感検出器を組み込み、珪素鋼単結晶中の方位分布トポグラフフの直接観察を試み、本法の有効性が確かめられた。平成6年度は、高エネルギー研究所シンクロトロン放射光実験施設において、スリット方式で平行白色マイクロビームをつくり、竹材中のセルロース結晶、珪素鋼および複合材料をX線散乱トポグラフ観察を行ない、2〜3μmの分解能を達成した。これは、これまでの本法の分解能を1桁向上させたことを意味する。これらの実験から、0.5μmの壁は2次元非対称反射のマイクロビームによって可能であることを結論した。さらに、システム全体の調整チェックのために、先端複合材料の構造評価を行ない、半導体検出器マルチチャンネルのシステムが所期の設計性能を持っていることを確認した。研究成果の一部は、研究期間中、6回の国際会議で発表された。
著者
加藤 和彦 杉木 章義 長谷部 浩二 品川 高廣 品川 高廣
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では, 系統的で拡張性に富んだクラウドコンピューティングシステム構築のためのプログラミングシステム・フレームワークの研究開発を実施した.粒度の小さな機能コンポーネントを提供し,それらをスクリプティングで組み合わせることでシステムを構成した.また,仮想マシンにコンポーネントの集合体を封じ込め,迅速かつ大規模で高堅牢性を有するシステム管理を可能とした.さらに,システム監視を含めた自律分散的な管理を可能とした.
著者
堀田 龍也 清水 康敬 中山 実
出版者
独立行政法人メディア教育開発センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は,教員それぞれのICT活用指導力に応じた研修を実現するために,学校現場の教員のICT活用指導力の現実性に着目し,特にICT活用初心者に対するコンサルテーションを開発し検証することを目的とした.いくつかの調査結果をもとに,ICT活用実践に対するコンサルテーションシステムを検討した.学校現場へのICT活用の普及の現状から考え,Web上のシステムとして公開することよりも,出版物として世にアピールする方が所与の目的に寄与すると判断し,研究成果を出版物にまとめた.また,研究の経緯や成果については,国内外の学会で積極的に報告した.
著者
堀田 龍也
出版者
玉川大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究では,初等中等教育の学校の情報化を先進諸国並に推進するために,国が示した教育の情報化の目標を都道府県や市区町村の地方自治体が達成するために必要な「組織的コンサルティング機能」を運用する体制の開発を目指した。英国のBECTA,韓国のKERISでは,(1) 政策解説支援機能:国が示した目標等の政策をわかりやすく解説する機能,(2) 要因調査支援機能:阻害要因を調査し,目標達成のための重点を明らかにする機能,(3) 実施手順支援機能:下位目標に分解し,目標達成のための手順として提示する機能,(4) 研修啓発支援機能:リーダーとなる者への研修・啓発を行う機能,(5) 年次運用支援機能:年次進行を意識した予算策定や人事配置等の運用モデルを開発する機能,(6) 中間評価支援機能:目標の中間的達成度を評価する機能を備えており,政権交代等によって再編を繰り返しながらも,教育の情報化の主導権を担う地方自治体を支援する安定的な基盤組織となっていた。上記の6つの機能が明らかになったことから,研究代表者および分担者の所属する独立行政法人メディア教育開発センター内に,日本版の組織的コンサルティング機能を持たせる体制を検討したが,同センターが独立行政法人として廃止されることとなり,この体制は実現させることができなかった。また,関連財団等も法人改革の最中であり,新機能を担うことは容易ではない状況であった。今後の我が国の体制としては,(1) 政策解説支援機能は国の広報機能として持つこと,(2) 要因調査支援機能は学会等の役割として持つこと,(3) 実施手順支援機能/(4) 研修啓発支援機能は研究者等が強くこれを意識して実践研究を進めること,(5) 年次運用支援機能/(6) 中間評価支援機能は各自治体が自律的に備えていくことが期待される。しかし根本的には,BECTAやKERISのような組織を持たない我が国の教育の情報化の推進は極めて困難であることが指摘された。
著者
角田 夏貴 渡辺 俊典 菅原 研
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.707, pp.91-96, 2003-03-06
被引用文献数
1

最小全域木(MST:Minimum Spanning Tree)を用いた深さ優先探索による画像分割方式を提案する。まず、画像に対するカラー画像のピクセルをノードとし、ノード間のカラーベクトル値の差をアークの重みとしたグラフのMSTを作成し、次にMSTエッジの重み累積ヒストグラムの累積率から適切な領域分割同値θ_1を検出する。θ_1を用いてMSTのエッジを切断することで画像を小領域に分割し、MSTの深さ優先探索からテクスチャ特性を抽出する。最後に、θ_1と領域のテクスチャ類似度に応じて適応的に変動する併合闇値θ2を用いて領域の併合を行なう。種々の画像に対する実験によって、提案手法の有効性を示す。