著者
福永 津嵩
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.3-11, 2020 (Released:2020-10-05)
参考文献数
66

大規模な生命情報データの表現方法として、サンプルを行、計測した各要素を列とする行列形式は典型的な表現方法である。またこの行列データから相関関係や依存関係にある列のペアを検出する解析は、一般的なデータ解析手法であるといえる。この相関関係や依存関係を定量化する手法として、相関係数や相互情報量といった指標がよく利用されるが、これらの指標は擬似相関や偽陽性を多く検出する危険があることが知られている。近年では、このような偽陽性を防ぐための手法として生成モデルに基づくアプローチが利用されており、特にデータのとる値が離散(カテゴリカル)である場合は逆イジング法と呼ばれる。本総説では、この逆イジング法のモデルとパラメータの学習方法、およびタンパク質構造解析を中心とした生命情報データ解析への応用例について紹介し、今後の展開について議論する。

12 0 0 0 OA 想像された都市

著者
上杉 和央
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2002年 人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
pp.000012, 2002 (Released:2002-11-15)

本居宣長(1730年から1801年)は国学者として著名である.彼は,まだ学問世界に身を置く23歳よりも以前から,多くの書物を読んでいるが,同じ頃,地図とも戯れていたことはほとんど知られていない.宣長は,15歳から23歳にかけて,6枚の地図を作製しているが,それらは既存図の単なる模写ではなく,彼独自の地理認識が表現されたものとなっている.その中でも,特に異彩を放っているのが「端原氏城下絵図」(本居宣長記念館蔵)と称される作品である. この図には端原氏の治める城下町が描かれている.端原氏とは何者か.実は本居宣長が創りあげた架空の氏族である.地図とは別に,宣長は (架空の)神代に端を発する端原氏の系図,および端原氏15代当主宣政時代の家臣256氏の略系図が記載された「端原氏系図」(本居宣長記念館蔵)と呼ばれている系図も作成しており,この宣政の治める城下町が描かれているのが「端原氏城下絵図」である.法量は51.7cm×72.0cm.裏面に「延享五ノ三ノ廿七書ハジム」とあり,19歳の頃,作製されたことが分かる.彩色は全体には施されていないが,端原氏に関する建造物の一部には朱が用いられている.街路や屋敷割,周辺部に至るまで精緻に描かれ,また系図中の人物がその住所どおりにほぼ矛盾なく記載されるといった芸の細かさである.部分的に空白もあり,もしかすると未完成であったのかもしれないが,全体としてこの地図の凝った趣向には圧倒させられるものがある. 構図をみてみると,一見して「京都図」に似ていることがわかる.当時,すでに京都図は林吉永を始めとする諸版元から売り出されていたが,その構図ははほぼ一定であった.これらの刊行図は北が上として描かれているが,東を上にして見た場合,「端原氏城下絵図」と京都図の構図は非常に類似したものとなる.系図についても王朝時代が意識されたものとなっており,京都という舞台が意識されていたことは明らかである.この頃の宣長は,京都に関する記事をあちこちから抜書した書物や,洛外図などを作成/作製しており,京都に対して強い憧憬の念を抱いていた.実際,京都に赴いたこともあり,これらを勘案すると京都図を見ていた可能性は極めて高い. 次に,「端原氏城下絵図」の都市と近世の実際の都市とを比較するため,矢守氏の提示された「城下町プラン」をもとに検討していく.矢守氏がパターンの析出に用いた,城内・侍屋敷地区・下士の組屋敷地区・町屋敷地区・囲郭といった指標をもとに,「端原氏城下絵図」を分析すると,この都市は「郭内専士型」に分類することができる.ここから,宣長の都市形態の理解のひとつに,このような「郭内専士型」という形態があったことが理解される.近世城下町は,それぞれの城主の意図にもとづいて都市が形成されたものである.その意味で,矢守らの分析する「城下町プラン」は支配者側の都市理念ないし都市認識の抽出であろう.しかし,それが市井の町人にどのように認識されていたのかは,あまり明確ではない.この意味で,町人である宣長が空想の都市を「郭内専士型」に描いたことは興味深い. 「郭内専士型」は近世城下町に広く見られる形態のひとつとされるが,当時の宣長がそのような一般的状況を理解して描いたとは考えにくい(第一,この分類は近代の所産である).それでは,宣長は何をもとに,この形態を思いついたのか.京都や江戸の旅行中に赴いた都市である可能性もあるが,やはり,矢守が「郭内専士型」の代表として挙げた都市,そして宣長が生活していた都市,松坂の影響であろう.宣長は日常生活を営む中で,武士と町人の住居地が区別されていることを,自然に受け止めていた.架空の都市を描く際,この日常経験にもとづく都市形態の認識が反映したと考えられる.「端原氏城下絵図」に描かれているのは,架空の都市である.しかし,宣長がまったくのゼロから創りあげたわけではない.彼の京都への憧れ,そして日常生活における都市空間の認識といったものが基礎となっている.さらに,宣長は「郭内専士型」といった支配者側の理念を(おそらく無意識のうちに)受け止めていることも重要であり,個人的な体験や志向性とともに,近世という時代的なコンテクスト,そして空間的なコンテクストの中で,「端原氏城下絵図」は想像/創造されたのである.
著者
チャン レニー
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.29, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】サンマのエイコサぺンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)(それぞれ心臓病予防、脳機能改善に効果がある)は加熱調理により減少するとの報告があるが、その減少メカニズムに関する詳しい研究は行われていない。本研究の目的は、3つの調理方法(フライ・グリル・フライパン調理)において、調理後のサンマのEPAとDHAの保持率を測定し、その減少メカニズムを明らかにすることである。【方法】サンマを3つの調理方法を用いて、中心温度が75、85、95°Cになるまで加熱した。サンマの温度は、中心等の6か所(可視化のための分布計測時は最大23か所)を熱電対により測定した。化学分析では、調理前後のサンマのEPA・DHA成分と脂質酸化の程度(カルボニル・TBA値)を測定した。【結果】フライ、グリル、フライパン調理時のEPA保持率はそれぞれ 43、77、91%であり、DHAではそれぞれ48, 75, 99% であった。各調理方法において、中心温度の違いによる保持率の有意差はなかった。フライ調理時は、サンマの表層部の温度は調理開始後すぐに約200°C(EPA・DHAの分解温度)に達し、表層部にEPA・DHAが最も多く存在することから、主な減少メカニズムは加熱分解であると考えられる。一方、グリル調理時は、EPA・DHAが多く含まれる脂が多く飛散しており、脂の飛散が保持率低下の主な要因であることがわかった。フライパン調理時は、保持率が最も高かった。脂の飛散が少なく内部温度はフライ調理時ほど高くないことが、その要因と考えられる。調理方法の違いによる、脂質酸化の測定結果に有意差はなかった。EPA・DHA保持率は、フライ>グリル>フライパン調理の順であり、減少メカニズムはそれぞれ脂の飛散と加熱分解(両方少量)、脂の飛散、加熱分解と考えられる。
著者
KAWABATA Yasuhiro YAMAGUCHI Munehiko
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2020-042, (Released:2020-05-18)
被引用文献数
2 3

The effectiveness of the probability ellipse for tropical cyclone (TC) track forecasts is investigated with multiple ensembles from the Japan Meteorological Agency (JMA), the European Centre for Medium-Range Weather Forecasts, the U.S. National Centers for Environmental Prediction, and the Met Office in the United Kingdom. All TCs during the 3 years from 2016 to 2018 are included in the verification. We show that the multiple ensembles composed of these four global ensembles are capable of predicting the situation-dependent uncertainties of TC track forecasts appropriately in both the along-track and cross-track directions. The use of a probability circle involves the implicit assumption of an isotropic error distribution, whereas the introduction of the probability ellipse makes it possible to provide information as to which is more uncertain; the direction or the speed of TC movement. Compared to the probability circle adopted operationally at JMA, the probability ellipse can potentially reduce the area by 16, 15, and 24 %, on average, at forecast times of 3, 4, and 5 days, respectively. This indicates that narrowing warning areas of TC track forecasts by the probability ellipse enables us to enhance disaster prevention/mitigation measures.

12 0 0 0 OA 共同研究の趣旨

著者
島岡 まな
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-5, 2014-08-30 (Released:2020-11-05)
著者
中山 秀紀 樋口 進
出版者
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
雑誌
子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.11-16, 2020 (Released:2020-09-24)
参考文献数
41

近年インターネットやゲームの依存的使用が重大な問題になっている.特にゲームの問題使用に関しては,インターネットゲーム障害(IGD)や,ゲーム障害(症)として,DSM-5やICD-11の中の診断基準に盛り込まれるようになった.そして思春期世代のIGDが疑われる人は1.2–5.9%の間と推計されている.インターネットやゲームの依存的使用は,注意欠如多動性症や精神症状の悪化,睡眠問題との関連が指摘されている.治療として,認知行動療法などの心理・精神療法や,合併精神疾患(発達障害)に対する治療,また心理療法やアクティビティなどを組み合わせた治療キャンプなども試みられている.特に発達障害やその傾向にある人ではリスクが増大するようであり,保護者等への啓発や療育の役割は大きいと考えられる.子どもたちの健全な育成のために,多くの関係諸機関が連携して予防的,治療的取り組みが進められることが望まれる.
著者
下司 信夫
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.1254-1260, 2009-12-25 (Released:2010-03-23)
参考文献数
10
被引用文献数
11 14

A large pyroclastic eruption occurred around 7.3 ka from the Kikai caldera about 30 km north of Yakushima Island. Its pyroclastic flow and fall deposits covered the entire area of Yakushima Island and may have influenced the evolution of unique floras and faunas of Yakushima Island. Detailed field survey revealed that the Koya pyroclastic flow deposit spread from NW to SE, covering almost the entire area of Yakushima. A part of the southern coastal area remained from the pyroclastic flow due to local alignment of topographic ridges and valleys, which acted as barriers to the pyroclastic flows. Possible tsunami deposits associated with the Kikai-Akahoya eruption were discovered in the area below ca. 50 m above sea level along the northern coasts of Yakushima and Kuchinoerabujima Islands.
著者
半澤 誠司
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.296-311, 2018 (Released:2018-05-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 1

本論文では,2020年東京五輪開催によって何が実現されようとしているのかを検討するための準備として,2016年のリオデジャネイロ五輪と2014年のサッカーワールドカップという二つのメガイベントを短期間に開催したリオデジャネイロ市で行われた都市開発について,文献と補完的な現地調査に基づき分析する.オリンピック関連投資資金の調達と使途に関しては,一部の民間企業への利益誘導のかたちで多額の公的資金が,オリンピックの主要地区であり住民に貧困層が少ないバーハ・ダ・チジューカに集中投下されていた.この投資による受益層が限られる一方,多数の貧困層がファベーラから追い出され,そうではないほとんどの住民も少なからず犠牲を強いられた.このような事態は,メガイベントを開催したからこそ引き起こされたというよりも,強度と範囲共に巨大な影響を各所に及ぼすメガイベントによって,既存の政治・経済力学が極端なかたちで露呈したものといえる.
著者
白石 愛 吉村 芳弘 鄭 丞媛 辻 友里 嶋津 さゆり 若林 秀隆
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.711-717, 2016 (Released:2016-04-26)
参考文献数
35
被引用文献数
1

【目的】高齢入院患者の口腔機能障害の実態ならびに、口腔機能障害とサルコペニア、低栄養との関連性を明らかにする。【方法】2013年6月より10月までに連続入院した65歳以上の患者108名(男性55名、女性53名、平均年齢80.5±6.8才)を対象とした横断研究。改定口腔アセスメントガイド(ROAG)を用いて口腔機能状態を評価し、サルコペニアや栄養状態との関連性を解析した。【結果】軽度の口腔機能障害を59人(54.6%)、中?重度の口腔機能障害を34人(31.5%)に認めた。ROAGスコアに関連する因子として、年齢、サルコペニアの有無、MNA-SFスコア、経口摂取の有無、FIM運動項目などが抽出された。【結論】多くの高齢入院患者に口腔機能障害を認め、口腔機能障害とサルコペニア、低栄養との関連が示唆された。ROAGは入院時口腔機能スクリーニングとして有用性があると考えられた。
著者
神谷 政幸
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
pp.2021.5009, (Released:2021-03-12)
参考文献数
5

要旨: 「薬剤師法」は,薬剤師全般の職務・資格などに関して規定する法律である.その成立までの道程には,「医制」の公布から続く,“薬剤師がその職能を十分に発揮できるようにし薬事の向上に貢献したい”という先人たちの熱い想いと取り組みがあった.それを振り返ることで,令和元年12月に公布となった「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)」(薬機法)および「薬剤師法」の改正を基に,現在の薬剤師のおかれている状況と求められていることを再確認すると,そこには,薬物治療において常に薬剤師が関わることで,これまで以上に国民の健康増進に寄与することが求められる姿があると考える.
著者
升田 遥夏 渕上 健 植松 俊彦
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.391-398, 2021-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
24

くも膜下出血後に拮抗失行と間欠性運動開始困難を呈したことで上肢の使用頻度が低下し日常生活動作に介助を要し,脳卒中後うつ状態を呈した症例を担当した.日常生活場面における自己解決可能な方法として,拮抗失行に対して運動イメージを用いる方法,間欠性運動開始困難に対して運動の意図を高めない方法の動作指導・練習を行った.その結果,症状の発現頻度が減少し,症状発現時も自己解決が可能となり,上肢の使用頻度や日常生活動作,手と腕の使用の満足度の向上,脳卒中後うつ状態の軽減を認めた.本症例の介入経過より拮抗失行に運動イメージを用いた介入方法,間欠性運動開始困難に運動の意図を高めない方法が有効であったことが示唆された.
著者
揚妻 直樹 揚妻-柳原 芳美 杉浦 秀樹
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1923, (Released:2021-04-20)
参考文献数
43

捕獲圧がかかっていないニホンジカ個体群では、個体数が指数関数的に激増した後、短期間で大量死(個体群崩壊)を起こすものの、その後も再び急速に個体数を増加させ、安定しないと考えられてきた。ところが、捕獲圧が全くかかっていないシカ個体群を対象に長期動態を明らかにした研究例は少なく、知見は限られている。ニホンジカは多様な生態系に分布しており、各地域個体群に見られる動態のバリエーションが十分に把握されてきたとは言い難い。さらなる情報の蓄積が必要である。本研究の調査地である屋久島西部・世界自然遺産地域の照葉樹林では、過去数十年間シカの捕獲圧がほぼかけられてこなかった。そこで我々はこの地域の半山地区と、そこから 1.3 km離れた川原地区の 2か所で、 2001年から 2018年まで毎年夏に踏査によるルートセンサスを実施した。シカ生息密度は 2014年まで年率 9.1%で増加傾向にあったものの、その後は年率 15.2%の減少に転じていた。半山地区と川原地区の生息密度は増加期においても減少期においても違いがなく、同調して変化していた。半山地区で実施したカメラトラップ(自動撮影カメラ)による調査でも、シカ撮影率は 2014年から 2018年にかけて減少傾向にあった(年率 -10.0%)。この個体数の減少は、これまで報告されてきたような短期間の大量死によるものではなく、数年かけて進行していた。減少期間中( 2014年~ 2018年)に半山地区で識別していたシカ 19個体(メス 13頭・オス 6頭)を対象に地区内に定住(生存・死亡)していたか、地区外へ移出したかを直接観察により確認した。その結果、地区内の年定住率は 96.5%と高く、 3.5%は原因不明の消失であり、地区外へ移出した個体は確認できなかった。このことから、調査地域内で個体数減少が起きており、何らかの自然環境要因が関わっていた可能性が示された。今後も調査を継続し、捕獲圧のかからない地域におけるシカ個体群の挙動を明らかにしていくことが重要である。
著者
竹内 裕紀 大野 能之 和泉 智 鎌田 直博 田中 章郎 長谷川 功 三宅 健文 奥田 真弘
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.160-167, 2016-03-10 (Released:2017-03-16)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

The dosage and administration of renally excreted drugs to patients with decreased renal function need to be optimized in accordance with their renal function. However, drug package inserts do not necessarily have sufficient information. Therefore, we identified and classified the issues regarding this lack of information and investigated the percentage of affected package inserts.We investigated 341 oral drugs in the Clinical Practice Guidebook of Chronic Kidney Disease 2012.1. The shortcomings in the description of urinary excretion parameters, which is needed for dose adjustment in accordance with renal function, are classified as follows: (1) unchanged drugs and metabolites are not indicated (28%, 95/341), (2) bioavailability for oral dosage is not taken into account (84%, 286/341), and (3) sufficient recovery time for urinary excretion is not acknowledged (3.5%, 12/341).2. With respect to the dosage regimen of renally excreted drugs, the following information was absent: (1) dosage and dosing interval in accordance with renal function are not described (63%, 70/111) and (2) considerations for dose reduction are not provided (32%, 36/111).3. A major shortcoming in the description of drug administration for anuric dialysis patient is that nephrotoxic drugs, such as, nonsteroidal anti-inflammatory drugs, are described as being contraindicated (100%, 11/11).We found that the current information in package inserts of several drugs is insufficient to understand the required dose adjustment or the correct method of administration to patients with decreased renal function. We aim to improve the information in drug package inserts to allow for effective and safe pharmacotherapy.
著者
塚本 浩司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.2-9, 2008-03-10 (Released:2017-02-10)
参考文献数
29

今日の科学史研究の成果によれば,運動方程式ma=Fを発見したのはニュートンではないし,古典力学を完成させたのもニュートンではない。いわゆる"ニュートンカ学"の体系とは,『プリンキピア』以降,200年ほどの科学研究と科学教育の営みの中で形成されてきたものである。本論文では,"ニュートンカ学"的な教科書の古典とされるトムソン=テイト『自然哲学論』(1867)以前の英語圈の教科書における古典力学の記述を追い,『自然哲学論』以前に先駆的な役割を果たした教科書の存在を明らかにする。
著者
東 修作
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.140-147, 2013-06-01 (Released:2013-06-01)
被引用文献数
1 2

本稿では,OpenStreetMap Foundation Japanの事務局として,そのライセンスの切り替えに立ち会った筆者の経験をもとに,政府データを公開しようとするオープンガバメントの動きとも絡めて,オープンデータに設定すべきライセンスについて考察する。
著者
髙桒 祐司
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.5-17, 2021-03-31 (Released:2021-04-17)

The research history of fossil Chondrichthyes in Japan has started more than 100 years ago. This paper presents an overview of the studies that have been published since the 1990s, and also advocates future perspective of research subjects of fossil Chondrichthyes in Japan based on the studies. The fossil record of Japanese chondrichthyans, which are mainly composed of elasmobranchs, is an important representative of the present Northwest Pacific region. Those from the Paleozoic (with part of the Triassic) include in limestone blocks within accretionary prisms of subduction zones in the main. They show the developmental process of elasmobranchs in the pelagic region during the Late Paleozoic and the Early Mesozoic. Those from the Mesozoic and Cenozoic are derived from normal clastic deposits. The fossil assemblages from these eras include some of few deep-sea species in the world and tooth sets from some species. These are important evidence of the chondrichthyan faunal transition of the Northwest Pacific region after the Mesozoic. In recent years, some of the fossil records that have passed time since their initial report need to be reclassified based on new taxonomy. Morphological studies on chondrichthyan fossils using CT scan, studies with chemical analyses and other advanced technological methods are also increased. On the other hand, many foreign specimens with high research potential are housed in domestic museums. It is hoped that further research on these foreign specimens and other domestic fossils, such as tooth sets, will reveal much about the evolution of chondrichthyans and the paleoecology of extinct species.