著者
石井 拓斗 成見 哲
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.28-30, 2018-09-06

VR技術を用いたゲーム等では、体全体を使って現実と同じ動作で操作をすることが多いが、テーブルゲームのような動作の小さいものでも現実と同じ動作で操作することは重要だと考えられる。本研究では手指の動きを検出できるLeapMotionを用いて現実と同じ動作で行える麻雀ゲームを開発した。VR空間ならではの機能として、牌のすり替え等の現実では熟練した技術が必要な技を容易に行えるようにしてより面白くしている。
著者
山倉 智宏
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.1-5, 2004-01-10

麻酔薬の作用標的として神経伝達物質依存性のイオンチャネルが重要であると考えられている.最近の研究により麻酔薬の作用部位がチャネルを構成するサブユニットあるいはサブユニット上のアミノ酸レベルで同定されてきた.さらに個体レベルで特定のサブユニット分子を欠失するノックアウトマウスや分子上のアミノ酸を置換変異したノックインマウスの作成・解析により,全身麻酔という個体反応と麻酔薬の分子レベルでの作用との間の直接の連関性を検索することが可能になりつつある.
著者
藤岡 久美子
出版者
山形大学地域教育文化学部附属教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 (ISSN:18819176)
巻号頁・発行日
no.8, pp.49-56, 2013-03

本研究では,21名の幼児を対象に年少クラス在籍時及び13ヶ月後の年中クラス在籍時に注意と行動の制御に関する教師評定を行い,年中クラス在籍時に独自に開発した実行機能課題を実施し,また片付け場面の行動観察を行った。実行機能課題では,色あるいは形,または色と形の組み合わせによるターゲット図形が口頭で指定され,それらが多数描かれた図版を見てターゲット図形の数を答えることが求められた。転導性が高いほど課題成績が低かった。また,幼児が自発的に示すターゲットの復唱が試行の成功を伴うかどうかは,片付け場面の行動の種類と関連しており,復唱が成功を伴っているほど,片付け場面で自分が使ったものを片付けていたが,復唱しても失敗に終わっているほど,片付けへの取り組みが悪かった。また, 教師評定と片付け場面の行動の間にも,目標指向性が高いほど片付けへの取り組みがよいなどのいくつかの間連が見いだされた。 キーワード:幼児 / 自己制御 / 実行機能 / プライベート・スピーチ
著者
吉川 虎雄 貝塚 爽平 太田 陽子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.627-648, 1964-12-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
18
被引用文献数
23 27

土佐湾北東岸に発達する海鍛丘は,上位より羽根岬面,室戸岬面および沖鷲地に分け皇れ,いずれも南東より北西に低くなる.室戸岬面の高さは南海地震の際の隆起量と正の相関を不し,地震削の沈降量とは負の相関を示す.約120年を周期としておこった大地震の際の室戸岬付近の隆起は,その間の沈降よりも大きく,段丘面の高度分布はこのような隆起沈降を差引した結果である南東より北西への傾動陸起にキって決定されたと考えられる.このような隆起地域であるにもかかわらず,各段丘面の形成過程に沈水期が挾まれているのは,氷期後の海面上昇速度が地盤の隆起速度を上回ったからに他ならない. 室戸岬面は,その地形発達の過程より判断して,約9万年前にはじまる. Riss- Würm問氷期に形成されたと考えられる.室戸岬付近の大地震1周期の問における地盤隆起の平均速度は約2mm/年と算定され,もしRiss-Würm問氷期以後かかる性質の地殼変動が一様に継続したとすれば,室戸岬面は室戸岬付近において約180mの高さにあるはずであるが,これは事実と一致する.また水準測量の結果によると,安田の水準点を基準とした吉良川の水準点の高度は,大地震1周期の問に平均1.2mm/年の割含で増大しているが,もしRiss.Würm間氷期以後このような地殼変動がつづV・てきたのであれば,室戸岬面は吉良川において安田よりも細10m高いはずであるが,これも事実とほぼ一致する.したがって, Riss-Würm間糊以後,室戸岬付近は現在と同じく平均2mm/年の速さで北西へ傾動しつつ隆起してきたと考えられる. このような地殼変動と第四紀における海面変化とを複合した結果は,この海岸の地形発達の過程とよく一致するので,この地域の海岸段丘の分化を生じたのは,地殻変動の緩急ではなく・海面変化の結果であり,その間地殼変動はほぼ一様に推移したと考えられる.
著者
大山 雄己 羽藤 英二
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.810-817, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
19

歩行者の活動を主眼に置いた外部空間デザインが都市政策上の関心を集めている.歩行者の回遊行動は高解像度な空間選択行動を基本とし,また時間配分的な性質を持つ.本研究では街路空間再配分政策を対象として取り上げ,歩行者活動への影響を明示的に考慮した政策決定問題,すなわち歩行者の活動ネットワークデザイン問題を提示する.需要サイドから回遊行動モデルの理論的展開は見られる一方,歩行者政策を扱う供給サイドの研究がこれまでに進んでいなかった.大山・羽藤(2016)の活動配分手法を需要モデルとして用いて,地区の総滞在時間あるいは期待効用を最大化させる歩道幅員拡幅街路の決定問題を考える.一方で投資額は可能な限り抑えたいという政策課題に対応するため,多目的最適化問題による定式化を行い,ネットワーク更新法を用いて求解する.これにより,投資額に応じた最適ネットワークのヴァリエーションを提示する.結果として,トレードオフの関係が明確に見てとれるパレート解の集合を得た.また,目的関数の選択に応じた街路の配置パタンが明らかとなり,商店街・百貨店・地区のエントリーポイント等の間の接続方策についての示唆を得た.
著者
石津 明洋
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.81-85, 2014 (Released:2015-05-11)
参考文献数
13

MPO-ANCA 関連血管炎(MPO-AAV)は,myeloperoxidase(MPO)を抗原とする抗好中球細胞質抗体(ANCA)の出現とともに,糸球体をはじめとする小型血管が侵される壊死性血管炎である。MPO-ANCA 自体の病原性が確認されているが,その産生機序は不明であった。我々は好中球細胞外トラップneutrophil extracellular traps(NETs)の異常がMPO-ANCA 産生の原因となることを報告した。活性化された好中球はNETs を形成する。NETs は重要な生体防御システムであるが,適切に処理されなければ,DNA とともに細胞外に放出されたMPO が自己抗原となり,MPO-ANCA 産生が誘導される。一方,MPO-ANCAにはNETs 誘導活性があるなど,MPO-AAV 患者ではNETs の過剰に陥りやすい状況があり,NETs とMPO-ANCA 介した悪循環が病態を形成している。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1894年11月28日, 1894-11-28
著者
田中 良英
出版者
ロシア史研究会
雑誌
ロシア史研究 (ISSN:03869229)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.3-23, 2013-05-15 (Released:2017-07-25)

This paper addresses two issues. (1) It is true that as most recent works on occidental history in Japan have stressed, for understanding the relationship between a society and its army, researching military units from various points of view, especially from the standpoint of the socalled 'military historiography in a broad sense' is significant. However, is it possible to grasp the actual situation of the army without knowing its tactics, table of equipment for each soldier, daily life in battle fields, and so on, as traditionally studied by the 'military historiography in a narrow sense'? (2) Could we regard the characteristics of the 18th-century Russian army, which has often been criticized as backward, as results of the efforts of Russian leaders to actively respond to the nature of resources in their country and geographical and residential conditions in the areas where their army fought and marched through? To answer these questions, this paper mainly focuses on the reasons for expanding Russian dragoon regiments after the defeat in Narva. This expansion seems to be a better solution for both making good use of lighter Russian horses and enhancing the logistic and intelligence abilities of the army in the sparsely populated lands.
著者
細井 將右
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

明治16年陸地測量部による地形図作成はドイツ式に変わったが、工兵測量は引き続きフランス式で、参謀本部を含む陸軍の指導者を養成する陸軍士官学校の地図測量教科書『地形學教程』はどのように対応しているか。残されている明治20,30年代ほかの『地形學教程』に明治初期導入のフランス地図測量技術の影響を見ようとするものである。明治28年第三版は巻之一、二と付録の3冊から成る。大まかに見て、巻之一は地形図の基礎知識と利用法、巻之二は自ら行う地図測量法で、こちらは明治9年のクレットマン『地理図学教程講本』の後継といえよう。明治31年に改正、活版洋装本に。明治34年改訂版は巻之一、二と附録の3冊から成る。巻之一、二の内容構成は従来のものをほぼ踏襲、巻之二には、「アリダード二ベラトリース」(測斜照準儀)のようなもののほかフランス語器具名が多数見られるが、その後、器具の選別、国語化が進み、大正時代には、例えば上記の器具は測斜儀となる。昭和15年改訂版でも巻一、二の上記枠組みはほぼ保たれている。
著者
德元 裕子 豊里 竹彦 眞榮城 千夏子 平安名 由美子 遠藤 由美子 照屋 典子 玉城 陽子 髙原 美鈴 與古田 孝夫
出版者
日本健康学会
雑誌
日本健康学会誌 (ISSN:24326712)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.3-11, 2018-01-31 (Released:2018-02-16)
参考文献数
40

Objective: This study aimed to clarify the association between sense of filial responsibility, local residents’ subjective economic status, and attachment to the local community, and to contribute to local community policies and measures including support systems for elderly in need of care and family.Methods: We conducted in-home interviews in 2015 in Okinawa, Japan. A total of 2,663 local residents were selected, and after invalid responses were excluded, 1,656 responses (62.2%) were analyzed. Participants were asked about demographic variables (sex, age, marital status, birth order, subjective health, living arrangement), subjective economic status, attachment to the local community, and sense of filial responsibility (such as caring for and supporting their elderly parents).Results: Age, marital status, birth order, and attachment to the local community were positively associated with sense of filial responsibility. Participants with low subjective economic status had low sense of filial responsibility. Even if subjective economic status was low, participants with high attachment to the local community had significantly high sense of filial responsibility. Moreover, participants with high attachment to the local community provided and received more instrumental support than participants with low attachment to the local community.Conclusions: Our findings suggest that high attachment to the local community can form a support system in local areas, and that support systems in turn help local residents when they support their parents. In light of these findings, measures for creating networks between local residents, as well as improvement of the physical environment, are necessary for local community planning.