著者
森河 裕子 三浦 克之 西条 旨子 中西 由美子 中川 秀昭 北岡 和代 西条 旨子 中西 由美子 中川 秀昭 北岡 和代
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

交代勤務特に深夜勤務への適応・不適応(耐性)に伴う健康問題と、適応・不適応に関連する要因を検討した。一製造工場の男性夜勤交代勤務者を対象に全体調査と抽出調査を行った。夜勤交代勤務への適応に最も強く影響したのは年齢であり、慣れによって不適応感が軽減していくものではないことが示された。客観的睡眠モニターから深夜日の睡眠はコマ切れであり、効率の悪い睡眠であることがわかった。不適応者における睡眠以外の健康影響として、疲労蓄積による自然免役能の低下が示唆された。夜勤交代勤務による健康影響の最小化のためには、特に不適応感を抱いている者に対する適切な対応が必要である。
著者
釜野 徳明 速水 格 日野 晶也 小笠原 強 関 邦博 服部 明彦 小竹 文乃 張 恵平 西川 輝昭 竹内 一郎 橋本 惇 三浦 知之 木津 治久 姚 新生 小宮山 寛機 川村 将弘
出版者
神奈川大学
雑誌
年報 (ISSN:13420917)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.117-119, 1996-03

約100万種といわれる海洋生物は、地上における最も未知な世界である。本年度も、この海洋生物から、医薬資源となりうる有用な生理活性物質を発見し、構造を明らかにし、生理活性を検討することを目的として研究を行っている。本年採集した生物は、39件29種であり、今までに189件を採集した。採集生物のリストを最後に示した。バイオアッセイを目印に、そのうち、海草、クダウミヒドラ、スポンジ、エボヤ、ユーレイボヤ、アカフジツボ、クロフジツボ、群体ボヤ、オオワレカラなどにつき有用成分の探索を行った。特に付着生物コケムシ類Bugla nertinaおよびAmathia convolutaを検討し、有益な知見を得た(研究の成果の項参照)。7月21日(金)、22日(土)には、本学平塚キャンパスおいて、「第1回海洋生物科学の基礎と応用(最近の進歩)シンポジウム」を開催した。海洋生物の基礎と応用研究にたづさわる最前線の各研究者の発表と講演を通し、相互の理解と現状を把握し、協力して大きな夢へ向かっての議論が出来たことは一般への啓蒙に加えて大きな成果であった。このシンポジウムには、基礎部門の代表者として本学の日野晶也助教授の協力を得ている。演者とシンポジウムのタイトルを後述する。このような基礎と応用を一同に会したシンポジウムは最初の試みであり、今後も続ける予定である。ちなみに今回の参加者はのべ150名であった。
著者
松岡 猛 栗原 秀夫 穐山 浩 三浦 裕仁 合田 幸広 日下部 裕子 一色 賢司 豊田 正武 日野 明寛
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.24-32, 2001-02-25
被引用文献数
18 86

我が国で食品, 飼料用として輸入可能な組換えトウモロコシ7系統のうち, 5系統からの組換え遺伝子の検知を, 既報のMultiplex PCR法に改良を加えて行った. ゲノムDNAの抽出は実験時間が短縮でき, 研究室・環境への安全性で優れているスピンカラムを用いる方法で行った. 組換えトウモロコシに導入されているDNA塩基配列を解析し, 各組換え系統とトウモロコシに内在的にある<i>zein</i>遺伝子を1回のPCRで特異的かつ確実に特定でき, トウモロコシ, ダイズ, コメ, コムギ, オオムギに対してfalse positiveなバンドが見られないプライマーの設計を行った. 非組換え体に組換え体5系統を混合しMultiplex PCRを行うと, 各組換え系統に特異的な長さのバンドが観察できた. 本法による検知感度を非組換え体粉砕物に5系統の組換え体粉砕物を混合して調べたところ, 0.5%程度であった.
著者
辻 宏之 大堂 雅之 三浦 龍 丸山 正晃 鈴木 幹雄 笹本 尚史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.680, pp.139-143, 2003-02-26

2002年6月から7月にかけて,米国ハワイ州カウアイ島で実施された高度20kmの成層圏に滞空する無人ソーラープレーンを用いた世界初のIMT-2000通信実験が行われた.この実験で約200km離れたオアフ島からの干渉波による通信品質の劣化が観測され通信障害が発生した.本報告では,この干渉波の解析とアレーアンテナを用いた干渉波軽減について報告する.
著者
潮木 守一 矢野 眞和 市川 惇信 宮澤 彰 植草 益 山本 眞一 小林 信一 浦田 広朗 三浦 真琴
巻号頁・発行日
1994-03 (Released:2010-03-08)

科学研究費補助金 研究種目:総合研究(A) 課題番号:04306021 研究代表者:潮木 守一 研究期間:1992-1993年度
著者
松田 和秀 中江 茂 三浦 和彦
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.251-259, 1999-05-10
被引用文献数
1

東京都心のビル屋上において1995年3月〜1996年2月の1年間, 大気エアロゾルをサンプリングし化学組成分析を行った。大気エアロゾルはニュクリポアフィルタ上に1週間毎に採取し, 蛍光X線分析装置とイオンクロマトグラフィによる定量分析を施した。蛍光X線分析において, 標準試料の作成とマトリクス効果の補正に注意を払い定量分析を行った。2つの装置の併用により, 季節を問わず, 大気エアロゾル濃度の約40%を分析することができた。季節変化について, NH_4^+, Na^+, Mg^<2+>, SO_4^<2->は暖侯期に増加, NH_4^+, NO_3^-, Cl^-, P, K, Znは寒侯期に増加する傾向を示した。因子分析法を用いて発生源の推定を行ったところ3つの因子(Factor)が抽出された。Factor 1は都市大気中で最も強い因子で, 主に人為起源のKおよびZnから構成されていた。Cl^-は, 高濃度となる寒侯期においてのみFactor 1に系列していた。Factor 2は土壌起源元素, 主にAl, Siから構成されていた。これらの成分の季節変動は, 梅雨期に減少が見られる他は明確ではなかった。Factor 3は最も弱い因子で, 主にNa^+, Mg^<2+>から構成されていた。これらの濃度が増加する夏季には, 海洋からの風が卓越し, 海塩起源のNa^+, Mg^<2+>を増加させていることが示唆された。
著者
三浦 剛史 沖田 功 江口 誠一 中村 洋 森谷 和子 東 祐一郎 島袋 明子 中西 敬
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.70-75, 1989-02-20

症例は64歳の主婦, 主訴は血痰である。既往歴としては正常分娩が2回, その後子宮外妊娠で手術が行われている。第2子出産後より月経に一致して血痰が出現し, 10年程前の閉経後も数年に1回くらいの出血があった。2年前より出血はなかったが, 最近再び血痰があったため昭和62年6月9日に岡田病院放射線科を受診した。気管支鏡検査では右底幹の外側壁に中心陥凹を有する低い隆起性病変がみられ, 周辺部は白色調を呈していた。生検鉗子によるbiopsyにて細胞に富む間質に囲まれた子宮腺に類似した腺管組織が認められ, 気管支子宮内膜症と診断された。著者らの調べた限りでは本症例は気管支鏡にて病変部を直視しえた最初の報告例と思われた。今後このような症例に積極的に気管支鏡検査が施行され, 本症の気管支鏡所見が明らかにされることが望まれる。
著者
三浦 博史 村井 哲也 生方 誠希 工藤 康生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.94, pp.31-34, 2008-06-12

表形式のデータを数学的に分析する手法として形式概念分析とラフ集合があり,両者とも位相空間を生成することが知られている.本報告では,両者は,それぞれのデータ分析法の相違から異なる位相を生成することを指摘し,ラフ集合の位相が形式概念分析の位相よりも強いことを示す.
著者
永野 博明 林 和彦 久保 正法 三浦 康男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.307-314, 1990-04-15
被引用文献数
1

長崎県, および宮崎県を除く九州地方で牛流行熱が発生した. 長崎県では17年ぶりの発生であった. 10月17日に平戸市で初発し, 長崎県では24戸24頭の発生であった. 臨床症状は突然の発熱, 食欲不振および起立不能であった. 発症牛全例において牛流行熱ウイルスに対する抗体価の上昇が見られた. 17例の発症牛のヘパリン加血液から初代HmLu-1細胞で, 12株のウイルスが分離された. これらの分離株は牛流行熱ウイルス山口株の免疫血清ですべて中和された. 電子顕微鏡では, 代表株平戸-9感染HmLu-1細胞の材料中に150nmの円錐型ウイルス粒子が観察された. 平戸-9株と山口株は交差中和試験で, 互いに良く交差した. 牛流行熱ウイルスの分離は, 発症牛の血球材料(洗浄血球)を用いることにより, HmLu-1細胞で容易に分離されることが明らかになった.
著者
三浦 弘恵 舟島 なをみ 鈴木 恵子 Miura Hiroe Funashima Naomi Suzuki Satoko ミウラ ヒロエ フナシマ ナヲミ スズキ サトコ
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.31-37, 2005-06-30
被引用文献数
1

本研究の目的は,在宅における看護実践を自己評価するための尺度を作成し,その信頼性・妥当性を検証することである。本研究は,在宅看護を家庭で療養するクライエントとその家族に対し,その居宅を中心とする通常の生活の場において看護職者が健康上の問題を解決・回避できるよう支援する活動と定義する。尺度の開発は,(1)在宅看護場面における看護職者の行動を説明する6概念を基盤とした質問項目の作成と尺度化,(2)質問項目の内容的妥当性の検討と修正,(3)調査実施による質問項目の分析・選定,(4)選定項目により再構成した尺度の信頼性・妥当性の検討の4段階の手続きを経た。調査に用いた測定用具は,6下位尺度48質問項目から成る自己評価尺度であり,対象は無作為に抽出した保健所・市町村,訪問看護ステーションに就業し,在宅看護に携わる看護職者656名であった。質問紙回収数は380部(回収率57.9%)であり,このうち全質問項目に回答のあった311部を分析対象とした。クロンバックα信頼性係数,項目間相関,I-T(項目-全体)相関の分析,因子分析の結果に基づき合計18項目を削除し,30項目を選定した。再構成した尺度全体のクロンバックα信頼性係数は0.95であり,尺度が内的整合性を確保していることを示した。また,因子分析の結果は,尺度が構成概念妥当性を確保していることを示した。The purpose of this study was to develop Self-Evaluation Sacle on Home Health Care Nursing, which had reliability and validity. The scale was constructed six subscales, which were findings of the previous research. The previous research was conducted qualitatively and inductively to conceptualize nurses' behavior in home health care nursing. As a result of continuing comparative analysis, six explanatory concepts emerged. They were positioned six subscales. Every subscale was constructed with eight items made from the bottom of the concepts. Expert panel discussion and pilot study were conducted to establish content validity. Self-Evaluation Sacle on Home Health Care Nursing was 5-point Likert Scale with forty-eight items. The instrument packets, including the scale and a demographic questionnaire, were distributed to 656 nurses of 66 health centers and communities, and 38 visiting nursing stations which were randomly sampled. 380 (57.9%) nurse responded, and 311 valid data were analyzed. The 30 items were selected based on the result of item analysis. Chronbach alpha of the item-select version was .952. Factor analysis was used test construct validity of it. The result shows that item select version based on 6 explanatory concepts of home health care nursing, and then the construct validity was confirmed.
著者
矢野 雅文 三浦 治己
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.306-311, 1999-09-25 (Released:2000-04-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1

It is assumed that positional information within a developing organism is represented by a morphogen gradient. However, it is not yet understood how positional information is organized in a size invariant manner. To achieve such size invariance, it is necessary for an organism to organize the polarity of positional information in advance. We focus on tactic behavior of the Physarum plasmodium and propose a model that describes the organization of size invariant positional information, in which the direction of the phase wave represents the polarity. We would like to point out that self-referential dynamics exist in our model, and their implementation is discussed. Our mode may be applied to other developmental systems.
著者
三浦 重典 小林 浩幸 小柳 敦史
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.410-416, 2005-12-05
被引用文献数
8 7

東北地域において中耕作業の省略と除草剤使用量の低減を目指したダイズの栽培技術を開発するために, 秋播き性の高いオオムギを利用したリビングマルチ栽培試験を行った.試験は, 2002年及び2003年の2年間実施し, リビングマルチ, 除草剤施用, 中耕の有無を組み合わせた処理区について, 雑草の生育量とダイズの生育・収量を調べた.2002年及び2003年ともに, リビングマルチ栽培では, 5月下旬にダイズと同時に条播したオオムギ(品種: べんけいむぎ)は, ダイズ(品種: タチナガハ)より3日早く出芽し, 6月下旬頃まではダイズの草高を上回っていたが, 7月上旬頃から葉が黄化し始めて8月上旬にはほぼ枯死した.両年ともリビングマルチ栽培では, 中耕作業や除草剤土壌処理を省略しても高い雑草防除効果が認められた.また, リビングマルチと除草剤を組み合わせた区では, リビングマルチのみで除草剤を使わなかった区より雑草乾物重が少なく, 両者の組み合わせにより雑草抑制効果は高まった.リビングマルチ栽培におけるダイズの収穫時期の乾物重は, 2002年は慣行栽培とほぼ同じで2003年は慣行栽培より劣った.しかし, 両年とも稔実莢数と百粒重が慣行栽培と同程度であったため, ダイズの子実収量はリビングマルチ栽培と慣行栽培との間で有意差が認められなかった.東北地域では, オオムギをリビングマルチとして利用することで, 倒伏の危険性は若干高まるものの, ダイズ作における中耕や除草剤土壌処理が省略可能であると判断された.