著者
植松 光夫 河村 公隆 三浦 和彦 長田 和雄 鵜野 伊津志 向井 人史
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

大気・海洋表層の物質循環過程の定量的解析のため、海洋大気中の気体や粒子の分析法開発・観測・モデル計算を行った。陸起源大気粒子の沈着が含有鉄分により十分に植物プランクトンの大増殖を引き起こす可能性を観測から見出した。西部北太平洋の海洋大気粒子中の窒素や炭素の大部分は有機態であり、いずれも海洋起源であることを解明した。また、モデル、衛星データ等により黄砂が地球を一周半以上も輸送されることを発見した。
著者
渡辺 浩一 岡崎 敦 高橋 実 大友 一雄 臼井 佐知子 蔵持 重裕 林 佳世子 三浦 徹 丑木 幸男 須川 英徳
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度は、11月に二日間にわたり、韓国国史編纂委員会の協力を得て、同委員会にて「近世東アジアにおける組織と文書」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・韓国側報告4本・中国の報告1本を中央政府・地方行政組織・村落と家・商人の4つのセッションに編成した。参加者は約30名。平成17年度は、8月に二日間にわたり、復旦大学歴史地理研究所の協力を得て、上海において「東アジアにおける文書資料と家族・商業および社会」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・中国側報告5本が行われたほか、韓国・トルコからのコメントも寄せられた。参加者は約30名。平成18年度は、9月に一日間で、アンカラ大学歴史地理言語学部の協力を得て、同大学において「オスマン朝と中近世日本における国家文書と社会動態」という国際研究会を開催した。日本側報告2本・トルコ側報告3本のほか、中国・韓国からのコメントも寄せられた。参加者は38名。平成19年度は、まず6月に、フランス国立古文書学校の協力のもとフランス国立文書館(パリ)において「アーカイヴズ、社会、権力(中世・近世の西欧と東アジア)文書管理働くさまざまな力」という国際研究会を行った。日本側報告4本・欧州側報告3本のほか世界各地からの多彩な比較コメント20本を、国家・都市・商人の3つのセッションと総合討論に配した。参加者は約40名。ついで、12月には本研究の総括として、立教大学において「近世アーカイブズの多国間比較」という国際シンポジウムを二日間にわたり開催した。日本側報告2本のほか、トルコ・西欧・中国・韓国から報告者を招聘し、「統治と社会」「実践」の二つのセッションに編成した。参加者は約100名。各研究会・シンポジウムの前後には国際共同史料調査を実施した。
著者
前田 瑞夫 高原 淳 高井 まどか 栗原 和枝 長崎 幸夫 三浦 佳子 菊池 明彦 松岡 秀樹 北野 博巳 佐藤 縁 熊木 治郎 山岡 哲二 宮原 裕二
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008-11-13

本領域では、ソフト界面に関わる先導的研究や若手研究者による挑戦的研究を糾合・組織化することにより、ソフト界面が示す新奇現象を解明し、その特性を活かした新機能材料を創出することを目指して研究を進めてきた。その成果は年度ごとの成果報告書・公開シンポジウム等により積極的に発信してきたが、それだけでは領域の全体像が見えにくいのも事実である。この点を補うために領域横断的な共通課題について公開ワークショップを開催することで俯瞰的な見方からの成果発信に努めてきた。この度、5年間の研究を取りまとめることで、新しい学術領域の確立という観点から、研究成果の全体像の公開・普及と内外の関連研究者のより一層の交流ならびに若手研究者の育成に努めた。具体的には、最終報告会として7月に東京大学駒場キャンパスにて公開シンポジウムを開催し、また同時にニュースレター12号を発行し配布ならびにウェッブ公開することで、成果の普及、領域内外の研究者との交流に努めた。また年度末の3月には、領域内の研究発表会を開催し、本領域研究に参画した研究者の互いの交流や成果取り纏め、ならびに今後の活動に関する意見交換を行った。10月には領域代表者の前田が日本化学会にて、また11月には事務担当者の長崎が日本バイオマテリアル学会大会にて、本領域の成果をアピールする招待講演を行ったほか、各研究グループにおいては、各自アウトリーチ活動の継続による国民の理解深化に努めた。一方で、領域ホームページの継続運用により持続的に広報活動を行った。また日本MRSに「ソフトインターフェース研究会」の設置を申請し、今後の継続的発展のためのプラットフォームを構築した。さらには、ソフト界面に関する英文教科書の執筆・編集を引き続き進めている。
著者
阿部 豊彦 鬼平 聡 斉藤 崇 三浦 傅
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

これまで冠動脈の短時間閉塞・再灌流後に心臓交感神経に一過性機能障害を生じ、これにはadenosineなど虚血性代謝因子が重要であること、神経成長因子(NGF)や副腎皮質ホルモンが保護作用を有することを報告してきた。中枢神経系においてはtumor necrosis factor-α(TNF-α)の神経保護作用が報告されているが、心臓交感神経においては不明であり、本研究ではこの点に関して検討をおこなった。成犬を麻酔、開胸、両側迷走神経を切断、propranorolを投与。suction-cup式のDoppler probe装着により左前下降枝(LAD)と回旋枝の冠動脈血流速度を測定し、両側胸部交感神経を電気刺激時の交感神経性冠動脈収縮反応を冠動脈抵抗の変化率(%ΔCVR)を算出することにより評価した。LAD内に生食(対照群1、n=5)ないし抗TNF-α250pg/kg/min(TNF-α群、n=6)を投与下に15分同枝閉塞・再灌流を行った。また、生食(対照群2、n=5)ないしTNF-α抗体60nl/kg/min(抗TNF-α抗体群,n=6)を投与下に7分同枝閉塞・再灌流を施行した。再灌流前後のSS及びNE時%ΔCVRの推移を評価した。1) 対照群1ではLADの15分閉塞・再灌流後、同枝の%ΔCVRが有意に減弱したが、TNF-α群では保持された。2) 対照群2ではLADの7分閉塞・再灌流前後に%ΔCVRの変化を認めなかったが、抗TNF-α抗体群では有意に低下した。各群ともNEに対する%ΔCVRは不変だった。3) 左室壁長変化率(%SL)は15分冠閉塞中、両群とも同等に低下したが、再灌流後、TNF-α群で速やかな回復を示した。また、7分冠閉塞にて低下した%SLは対照群2に比し、抗TNF-α抗体群で遷延した。以上より、TNF-αは虚血性の心臓交感神経および心筋の機能障害に対して保護作用を有することが示された。
著者
岩崎 貴哉 金澤 敏彦 松澤 暢 三浦 哲 壁谷澤 寿海 多々納 裕一
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2007

2007年7月16日10時13分, 新潟県上中越沖の深さ約17kmを震源とするマグニチュード(M)6.8の地震が発生した. この地震により, 新潟県と長野県で最大震度6強を観測し, 大きな被害をもたらした. 発震機構は北西-南東方向に圧縮軸を持つ逆断層型で, 地殻内の浅い地震である. 今回の地震は, 未知の伏在断層で発生したもので, 震源断層の実態を明らかにするためは, 海陸を通じた地震観測により余震の精密な空間分布等を求める必要がある. 特に, 今回の地震は堆積層に覆われた地域で発生しており, このような地域で余震の分布から震源断層の実態を明らかにすることは, 今後の同様の地域での地震発生を考える上で重要である. そこで, 平成19年度の本調査研究では, 海底地震計及び陸上臨時観測点を合計79台設置し, 余震の精密な空間分布等を求め, 今回の活動で発生した断層の正確な形状等を把握し, 本震の性質の推定等を行なった. その結果, 余震域の南西側は南東傾斜の余震分布が支配的であり, 北東側では北西及び南等傾斜の分布が混在することがわかった. 北東側と南西側では構造異なり, 両地域の間が構造境界になっているらしい. また, このような地域での地震発生を理解することは, 同様な他の地域における地震発生予測にも不可欠であり, 社会的にも強く要請されることである. 更に, 本調査研究では, 強震観測・建物被害や地震による災害の救援などを調査から被害の特徴と要因を明らかにし, 震源断層に関する理学的研究と連携させて実施した. 強震観測によれば, この断層面は, 震源域南西側の余震分布でみられる南東傾斜である可能性が強いが, 本震の位置はこの北西傾斜の地震群の中にある可能性がある. GPS観測では, 観測点が陸域に限られているために, この地震の断層モデルを特定するには至らなかったが, 予稿変動を捉え, その時定数(decay time)0.35-2.83日と求まった.平成20年度は, その研究成果をとりまとめた.
著者
三浦 和起 日野 英逸 村田 昇
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-6, 2010-12-09

時系列の予測は古くからある重要な問題であり,特に株価の予測は経済動向の予測や資産運用の指針として需要が高い.コンピュータ性能の発達と共に,学習理論を用いた経済時系列データに関する研究が活発に行われているが,株価のメカニズムを捉えることは依然として困難な問題である.本稿では,単一の予測モデルにより株価を一点で予測するのではなく,複数の予測モデルの学習を行い,各モデルに適切な重みを付けることで予測値の分散を低減する手法を提案する.基礎となる予測モデルは遺伝的プログラミングを用いて構成する.各予測モデルの重みは,学習用データと予測モデルの出力値とのクロスエントロピーが最小となるように定める.提案した予測手法の有用性を,人工データ及び日経平均株価の 1 分足の予測によって検証する.Prediction of time series data is a long standing important problem. Especially, prediction of stock price is much in demand for forecasting the economic trend and guideline for asset maintenance. Although there are growing number of studies on learning theory based time series prediction, the prediction of stock prices is still being very difficult task. In this study, the stock prices is predicted not only using one predictor, but using a set of predictors generated by the method of Genetic Programming (GP). Each element predictor is given non-negative weight, and the weight is optimized to minimize the cross entropy between the true learning stock prices and the weighted sum of predicted values. The proposed stock price prediction method is evaluated using both an artificial data and real-world stock price data.
著者
三浦 國雄 山里 純一 宮崎 順子 益子 勝 大野 裕司
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、術数学の基礎研究として主要術数書の文献解題を行なうものである。すでに平成17・18 年度の第一期研究において研究報告『主要術数文献解題』を刊行したが、本研究はそれを承ける第二期研究であり、第一期で取り上げることが出来なかった文献(出土術数文献も含む)の解題を試み、すでに本年3 月、『主要術数文献解題 続編』として刊行ずみである。
著者
三浦 秀一 中嶋 隆藏 熊本 崇 山田 勝芳 安田 二郎 花登 正宏 中嶋 隆蔵 寺田 隆信 村上 哲見 三浦 秀一
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

中世から近世にいたる旧中国の知識人が営んでいた知的活動の諸相を、文献実証額的手法に基づきつつ分析することにより、中国知識人の精神構造が歴史的にどう展開したかについて、総括的な理解と具体的な知見とを獲得することができた。成果の概略は、以下のとおりである。中国中世の仏教界を俯瞰すれば、有に執らわれず、無に陥らず、空有相即を旨とする理行二入の立場が、それに相対立する旧学の側からの、教学を軽んじ戒律を無みするものだとの激しい攻撃と、無なる心をつかみさえすれば形ある修道などどうでもよいとの甘い誘惑とを受けつつも、それらいずれにも屹然とした態度を堅持しつつ困難な歩みを踏み出した、といった構図にまとめることができる。そして、この対立の構図は、その後、一般知識人の精神生活に決定的な影響を与えたと考えられ、中国近世における知識人の精神構造の基本的な枠組みは、この構図を重層的に内面化することで形成されたと判断できる。例えば、北宋の士大夫は、みずからが如何に史に記録されるかについて並々ならぬ関心を抱き、その子孫をも巻き込んで、自身の「事迹」選述をめぐる自己保全運動を執拗につづけている。また、明末清初期の或る一族は、確証が竺少なるにもかかわらず北宋以来の名族との同宗を主張し、族譜の接合・系譜の行為を敢えておこなう。このほか、「封建」と「郡県」との是非をめぐる議論や、六経と史書とを表裏一体の関係で捉える主張が、時代をこえ飽くことなく蒸し返されるように、かれら知識人は、慥かに「有」としての命名・史書・祖法に固執する精神を把持してはいる。しかしながら、同時に、如上の議論が個々の時代社会に対する疑義ないし対案の提示としてなされている事実は、かかる「有」を越えつつそれを包み込む理論的装置をも、かれらがその精神構造の内部に確保していた証左であるとなせるのではないだろうか。
著者
三浦 勉 森本 隆夫 早野 和彦 岸本 武士
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.245-249, 2000-04-05
被引用文献数
9 29

キレートディスク(3M Empore^<TM> chelating resin disk)を用いた水試料中ウランの予備濃縮分離法を開発した. ウランを100 mM酢酸アンモニウム, 1 mM DCTA, pH 5.0, 流量100〜150 ml min^<-1>の条件でキレートディスクに選択的に捕集(回収率: 100±1.6%)し, 2 M硝酸7.5 mlで溶離する. 試料21を用いて200倍の濃縮が可能であり, 濃縮操作は約20分で終了する. 海水中のウランの定量では, 試料11当たり0.3 molの硫酸ナトリウムを添加することで回収率の低下を改善できた. 本法を用いて海水, ミネラルウォーター中のウランをICP-AESで定暈した. 海水中ウランの定量値は3.1±0.058 μg l^<-1> (n=3)であり, ICP-MS, α線スペクトロメトリーによる結果と一致した. ミネラルウォーター中のウラン濃度は<0.1-1.7 ug l^<-1>であった.
著者
坂本 清 三浦 行矣 植田 健 馬場 理香 鎌倉 敏子 坂本 理絵子 岡部 正和 中尾 宣夫
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.539-545, 2006 (Released:2007-02-23)
参考文献数
12
被引用文献数
11 6

We examined the low contrast resolution of cone beam CT (CBCT) equipped with an indirect-type flat panel detector and compared it with a commercial CT unit (Robusto). In CBCT, the X-ray tube voltage of 110 kV was used, and in the Robusto, the usual 120 kV was used for examinations. The computed tomography dose index (CTDI) of the two systems was measured, and images scanned at about the same exposure to radiation were compared. The modulation transfer factors of the two systems were measured, and the convolution kernel that was the nearest to the characteristic of CBCT was chosen among kernels of the Robusto. A water phantom with a diameter of 200 mm was scanned, Wiener spectra were calculated, and signal-to-noise ratios were compared. The low contrast resolution phantom was scanned, and detectability and contrast-to-noise ratio (CNR) were measured. In addition, we placed diluted contrast medium into a phantom, scanned the phantom, and measured the detectability and CNR. When the X-ray irradiation condition of CBCT was 75 mAs at 110 kV, the equal dose of radioactivity in the Robusto was 50 mAs at 120 kV. In the low contrast resolution phantom, detectability was 8.7%mm in CBCT, and 9.4%mm in the Robusto. In the low contrast resolution evaluation phantom, CNR was 1.39 in CBCT, and 2.69 in the Robusto. With diluted contrast medium, CNR was 1.28 in CBCT, and 0.60 in the Robusto. CBCT was inferior to the Robusto in a low contrast resolution phantom, but CBCT was superior to the Robusto using diluted contrast medium. We found that CBCT was useful in examinations using contrast media.
著者
海野 徳仁 平田 直 小菅 正裕 松島 健 飯尾 能久 鷺谷 威 笠原 稔 丸井 英明 田中 淳 岡田 知己 浅野 陽一 今泉 俊文 三浦 哲 源栄 正人 纐纈 一起 福岡 浩 渥美 公秀 大矢根 淳 吉井 博明
出版者
東北大学
巻号頁・発行日
2008

臨時余震観測から本震時には西傾斜の震源断層が主に活動したが、それと直交する東傾斜の余震活動もみられた。震源域直下の深さ30~40kmには低速度域が広く存在しており、そこから3本の低速度域が地表の活火山にまで続いていた。GPS観測データから本震時すべりは岩手・宮城県境付近で最も大きかった。本震後の顕著な余効すべりは震源断層の浅部延長で発生し、地震時すべりと余効すべりは相補的である。強震動データでは0.1~0.3秒の短周期成分が卓越していため震度6弱の割には建物被害が少なかった。
著者
三浦 房紀
出版者
山口大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1991

札幌市、仙台市、新潟市、福井市、千葉市、長野市、静岡市、高知市の道立、県立図書館を訪れ、戦後起った地震(1968年十勝沖地震、1982年浦河地震、1978年宮城県沖地震、1964年新潟地震、1948年福井地震、1987年千葉県東方沖地震、1984年長野県西部地震、1978年伊豆大島近海地震、1946年南海地震)の地震体験記を収集した。地震体験記には子供の作本、教師の報告、行政の対応記録、被害報告などがあるが、これらを地震時の心理・行動パタ-ン、情報の流れ、被害のパタ-ン、必要とされた情報・物質、教訓と対策等に分類し、それぞれキ-ワ-ドを作成してデ-タベ-スを作成した。今年度は時間の関係で市販のソフトを用いたが、将来的には独自の検索ソフトを開発する方向で検討を進めている。デ-タベ-スの作成と平行して、学校の立地条件、規模、校舎の形態、地震活動度などを考慮して、地震発生という緊急時に最も適切と考えられる対応を指示するためのソフトウェアの開発を行った。このソフトは日常の対策と心構えも含め、地震発生から無事生徒・児童を保護者へ手渡すまでの過程を時系列にフォロ-するものであり、それぞれの局面で対応できるものとなっている。地震発生後は停電になる可能性が高いので、バッテリ-で作動するラップトップ型のパ-ソナルコンピュ-タを使うことを前提として開発を行った。本研究で開発したデ-タベ-スはさらに深く地震防災について学習したいと思う者への便宜を図るものであり、また対応指針ソフトは緊急時に実際の活用を目的としたものである。両者を有効に活用することにより、格段の防災力の向上が期待できるものと思われる。
著者
廣海 啓太郎 赤坂 一之 三井 幸雄 太田 隆久 三浦 謹一郎 石井 信一
出版者
京都大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

本報告中では、SSIは「放線菌のズブチリシンインヒビタ-」を、SMPIは「放線菌の金属プロテア-ゼインヒビタ-」を表す。SSIが放線菌金属プロテア-ゼSGMPA及びSGMPBを強く阻害することを見出し、新規蛍光性基質を用いて阻害物質定数を決定した(石井)。遺伝子工学的手法を用いてSSIの種々のアミノ酸残基を置換し、これら変異体の特性ならびにSSI遺伝子発現系の特性を明らかにした(三浦)。SSIに対するモノクロ-ナル抗体の作成を試み、数種のIgG1及びIgM産生クロ-ンを確立し、NMRによるエピト-プ解析を行った(荒田)。シンクロトロン放射光を用いてSSI及び変異型SSIとズブチリシンとの複合体の結晶のX線回折デ-タの収集に成功し、これに基づく構造精密化を行った(三井)。耐熱性プロテア-ゼ、アクアライシンI、の遺伝子の全塩基配列を決定し、大腸菌中で発現させ、本酵素の構造と機能を解析した。(太田)。クロ-ン化した遺伝子を用いるSMPIの生産において、菌体外分泌生産量を増大する条件を検討した(高橋)。蛋白質についての安定同位体利用NMR法を確立し、部位特異的アミノ酸置換がSSIの高次構造に及ぼす効果を解析した(甲斐荘)。SSI変異体につき重水素NMR法により分子構造の「ゆらぎ」を解析した(赤坂)。SH/SS化合物の電気化学的微量分析法を確立した(千田)。SSI変異体とズブチリン及びSMPPIとサ-モリシンの相互作用を平衡論的・速度論的に解析した(廣海・外村)。海洋細菌から新規ペプチド性セリンプロテア-ゼインヒビタ-、マリノスタチンD、を単離し一次構造を決定した(原)。ペプスタチン非感受性の酸性プロテア-ゼの新規インヒビタ-、チロスタチン、を単離し一次構造を決定した(小田)。好熱菌から単離した新規耐熱性酸性プロテア-ゼの特徴ある性質と極めて高い基質特異性を明らかにした(村尾)。
著者
三浦 伸夫
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

デューラーの『計測法教程』の源泉を中世ラテン,ギリシャ,アラビア数学に探索し,またドイツ語原典およびラテン語訳のそれぞれの受容を,両版を比較しながら,読者層,当時の学問の状況などを視野において探求した.とりわけ描かれた科学器具,引用された数学著作を中心においた.影響は中国にまで及び,その数学は世界規模である.他方でその数学の時代的限界も指摘した.しかしその内容は今日数学教育に大いに活用できることを指摘した.