著者
今井 宏平
雑誌
中央大学政策文化総合研究所年報 (ISSN:13442902)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2013, pp.59-77, 2014-08-26

The aim of this study is to explore why Turkey and China have improved their relationship since 2009. In particular, this paper examines the participation of Chinese fighters in Turkey's "Anatolian Eagle" exercise held in September and October 2010 and the obtaining of the right to negotiate the order for Turkey's missile defense system by China Precision Machinery Import and Export Corp(CPMIEC) in September 2013. For its theoretical framework, this study adopts "soft balancing" and "bandwagoning", which are based on realist ideas. Soft balancing is not a policy that creates alignments against the United States per se. Soft balancing is a more indirect and multidimensional policy like holding highlevel meetings against US, using institutions to control US activities, denying territorial use, using economic strength to tame US policies, and acquiring legitimacy from other countries. According to Wolfers, bandwagoning is a strategy wherein "some weak countries seek safety by getting on the bandwagon of an ascending power". This paper shows that Turkey's approach to China is typicalsoft balancing behaviors against the United States and its allies.
著者
中居 寛明 宮本 九里矢 三澤 慧 今井 康仁 粟飯原 周二
出版者
日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.20160003-20160003, 2016

パイプラインにおける高速延性き裂伝播は大規模な破壊事故に繋がるために, その防止設計は非常に重要である. パイプラインにおける高速延性き裂の駆動力は, 内部ガス圧であるが, 軸方向のき裂伝播に伴いパイプが変形しながら開口するために, その開口からガスが漏出することで内部ガス圧の減圧がパイプ内で進行する. つまり, き裂伝播とその駆動力である内部ガス圧の減圧進行が同時に起きており, 減圧の進行速度がき裂伝播速度に対して速い場合は, き裂先端で内部ガス圧が低下し駆動力を失いき裂が停止し, 逆に, き裂伝播速度が減圧進行速度に対して速い場合は, き裂先端で内部ガス圧が保持され続けるために駆動力が提供され続けてき裂は停止することなく伝播し続ける. また, ガスの漏出量はパイプ開口の大小, つまりパイプ変形の度合いによって変化し, 結果的に内部ガス圧の減圧に影響を及ぼす. このように, パイプラインにおける高速延性き裂伝播は, 内部ガス圧の減圧, パイプ変形及びき裂伝播が互いに影響しあう複雑な現象であり, 流体構造破壊連成現象であると言える. <br>パイプラインにおける高速延性き裂の既存の評価手法として広く採用されているものがバテル2曲線法である. この手法では, き裂伝播抵抗曲線(き裂先端位置の圧力とき裂伝播速度の関係)と減圧曲線(圧力と減圧の進行速度の関係)の比較によって高速延性き裂伝播発生の有無を判定する. バテル2曲線法は, その簡便さによって広く用いられるに至ったが, パイプの変形及び各現象間の相互影響は考慮されてない. さらに, き裂伝播抵抗曲線は実験的に定式化されており, 実験式を得るためには非常に高額な実大パイプラインバースト試験を複数回実施する必要があり, 実験式の適用性を広げるのは経済的に困難となる場合が想定される. また, 有限要素法に基いた詳細な三次元の解析手法も提案されてきたが, それらはパイプラインの設計ツールとしては用いられていないのが現状である. その理由としては下記の二点が挙げられる. まず, 非常に複雑な流体構造破壊連成現象を精度よく記述することが困難であることが挙げられる. 特に, き裂伝播条件については未だ不明な点が多く残っているため, 連成現象を考慮し, かつ, ガスの減圧及びパイプの変形を精緻に記述できているものの, き裂伝播条件の記述における精度不足が全体の精度のボトルネックとなっている. 次に, 三次元有限要素解析の特質上, , 計算に莫大な時間を要するために, 複数回の計算を要する高速延性破壊防止設計に不向きであることが挙げられる. <br>以上の背景より本研究では, 連成現象を考慮しつつ可能な限り簡潔な流体構造破壊連成一次元モデルを構築した. 本モデルの特徴を次に示す. <br>(1) き裂開口からのガス漏出を考慮してパイプ内のガス減圧を定式化し, 一次元のガス減圧モデルを構築した. <br>(2) パイプ断面の変形形状を小径アルミバーストテストの計測結果より一つの変数で定式化し, それに基づいて一次元のパイプ変形モデルを構築した. また, パイプが地中にある場合の変形抑制効果を付加質量を用いて定式化した. <br>(3) き裂が微小伝播する際に定常伝播すると仮定し, き裂の伝播条件を動的エネルギー平衡条件より定式化した. <br>(4) 一次元で定式化されたガス減圧モデル及びパイプ変形モデルは有限差分法に基いており, き裂伝播条件と合わせて時間ステップを刻みながら順に解くことで各現象間の連成現象が考慮された解を得ることができる. <br>(5) 内部ガスとして天然ガスや炭酸ガス等の混合気体及び単相気体を幅広く扱うことが可能であることに加えて, いかなる鋼管の機械特性及び形状も扱える適用範囲の広い数値モデルである. また, 本モデルは, フルスケールバーストテストの解析時間が2~3時間と非常に短いために, 多くの計算数を要するパイプラインデザインのための数値ツールとして使用されることが今後期待される. <br>本報では, 本モデルの詳細な定式化及び計算例を記述している. 次報において, 本モデルの妥当性検証及びパイプラインにおける高速延性き裂伝播の影響因子解析を実施する.
著者
今井 美沙 Imai Misa 瀬戸 正弘 Seto Masahiro
出版者
心理相談センター
雑誌
心理相談研究 : 神奈川大学心理相談センター紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.31-44, 2015-03-31

本研究は,ソーシャルサポートを受けている感覚が乏しい不登校経験者は,被援助志向性が低いという仮説に基づき,不登校経験者の被援助志向性を経験がない者と比較することで検討を行った。そしてそのうえで,ソーシャルサポートのうち,どのサポート内容とサポート源が被援助志向性を高め,不登校経験者の適応に影響を及ぼすのか検討した。その結果,不登校経験者は,経験がない者と比べて被援助志向性が低いことが明らかとなった。しかし,サポートを多く受けていることで被援助志向性が高まるという結果は得られず,本研究の仮説は支持されなかった。一方,不登校経験者の被援助志向性に影響を及ぼすのは,家族・友人以外の「その他重要な他者」からの「心理的サポート」,「物理的サポート」であった。そのため,不登校経験者の被援助志向性を高めるためには,このような存在からのサポートを与える環境を整え,それを基軸に他のサポートへと拡大させていくようなアプローチであることが示唆された。

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著者
今井 康好 佐川 穣 土田 哲平 鷺谷 喜春 大野 晶子 重田 有美 武藤 亜弓
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第13回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.1-6, 2016 (Released:2016-11-17)
参考文献数
12

近年、地方創生の手段の一つとして観光が大きくクローズアップされ、各自治体でも観光政策の充実策を打ち出している。旧来型の戦略だけでは観光客に満足してもらうことが難しい大競争時代を迎えており、インフラ、商品、サービス、PR、人材など地域の総合力を結集した戦略が必要とされている。本研究では他地域に比べ、人口、経済、観光に伸び悩みのある高知県を選定し、高知県が抱える課題の把握、多面的な視点から課題解決の検討を進め、政策提言をまとめた。この政策提言を導くために用いた、現状把握⇒成功要因分析⇒課題把握⇒仮説作成⇒仮説検証の調査分析プロセスを紹介する。本検討結果が、観光事業従事者に参考になれば幸いである。
著者
川上 量生 今井 拓司 進藤 智則
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1152, pp.93-97, 2015-02

「ニコニコ動画」など独自性の強いサービスで気を吐くドワンゴが、人工知能の研究や独自ハードウエアの開発に乗り出した。背景にあるのは、遠からず人は機械に負けてしまうという諦観や、他社に真似できないサービスの実現には独自のハードウエアが不可欠とい…
著者
今井 忠則 長田 久雄 西村 芳貢
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.433-439, 2012

<b>目的</b> 「生きがい」を測定する簡便な尺度の実用化のために,9 項目から構成される「生きがい意識尺度(Ikigai–9)」の信頼性と妥当性を検討した。<br/><b>方法</b> 60歳以上の地域中高年者428人(男性128人,女性300人,平均年齢65.4±4.3歳,範囲60~85歳)を分析対象として,尺度の得点分布,信頼性(Cronbach の α 係数),SF–36v2 との併存的妥当性,因子的妥当性を検討した。尺度は,「生きがい概念の高次因子モデル」を構成概念とし,モデルの観測変数である 9 項目で構成された。回答は各 5 件法で求め,各素点を合計して総得点(範囲 9~45点)および 3 つの下位尺度得点(範囲3~15点)を算出した。<br/><b>結果</b> 得点の分布は,総得点および下位尺度得点ともに分散していた(とくに,総得点では統計学的正規性が認められた)。尺度の信頼性は,全体で α=.87,下位尺度ごとでは α=.76~.82であった。総合点と SF–36v2 の身体的健康度(PCS)との相関は無相関(rs=−.05, <i>P</i>=.33),精神的健康度(MCS)との相関は正の相関(rs=.33, <i>P</i><.001)であり,理論的予測と一致し,併存的妥当性が確認された。また,確認的因子分析の結果,高次因子モデルの適合度は GFI=0.95等と良好であり,因子的妥当性が確認された。<br/><b>結論</b> 60歳以上の地域中高年者を対象とした場合の Ikigai–9 の得点分布•信頼性•妥当性は良好であり,高い実用性が示された。
著者
西本 勝夫 中村 昌司 今井 智弘 田中 繁宏 藤本 繁夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.181-187, 1999 (Released:2007-03-29)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

この研究の目的は,老人保健施設に入所中の虚弱な高齢女性20例(非訓練群10例・82.6±4.7歳,訓練群10例・81.3±4.8歳)を対象に,この内,訓練群に対して2ヵ月間の「椅子からの立ち上がり動作」の訓練を行い,その効果を検討することである。非訓練群には有意な変化はなかったが,訓練群では,訓練動作の最大持続時間(314±190→710±326秒),大腿四頭筋の平均トルク値(0.46±0.27→0.78±0.37Nm/Kg)と筋電図積分値(100→146±32%),膝関節伸展のMotorTime(159±30→121±29msec)および6分間歩行距離(159±48→238±59m)が有意に改善した。訓練による変化量であるΔ平均トルク値とΔ筋電図積分値,Δ最大持続時間ならびにΔMotor Timeとの問にそれぞれ有意な相関を示した。また,6分間歩行距離と最大持続時間ならびに平均トルク値との問にも有意な相関を示した。今回の訓練によって,主に大腿四頭筋の神経・筋系の興奮性の改善が筋力や筋持久力を増大し,さらに,筋力の増大が筋の反応性を改善し,これらが歩行能力を増大させたと考えられる。
著者
金子 康智 今井 貴彦 森 一石 大山 宏治
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.850, pp.16-00536-16-00536, 2017 (Released:2017-06-25)
参考文献数
9

A vane used in a low pressure end of steam turbine is usually fixed to an inner shroud and an outer ring by welding both ends. In such a vane structure, the damping in loading operation is comprised of the material damping and the aerodynamic damping, because the structural damping is very small. In addition, steam turbine vanes are sometimes manufactured in a half-ring structure, where all vanes in a upper half and a lower half are connected by the shroud. In such a half-ring structure, the vane exhibits closely spaced natural frequencies of Toop (Tangential out-of-phase) modes, in which each vane in a half-ring vibrates like a fixed-fixed beam in a different phase. In such a steam turbine vane, the forced vibration and the self-excited vibration of Toop modes may become a serious issue. Therefore, in the design of the steam turbine vane, it becomes indispensable to evaluate the resonant response and the stability of Toop modes under the high loading condition. In this study, first, the vibration characteristics of steam turbine vane with a half-ring structure are studied by use of the results of FE analysis. Second, the reduced order model (the equivalent spring-mass model) of a half-ring structure is assembled, based on the results of FE analysis. Finally, the forced response analysis of the mistuned system of a half-ring structure is carried out, using the reduced order model and the Monte Carlo simulation. From these results, the vibration response characteristics of steam turbine vane with a half-ring structure are clarified.
著者
今井 彌多郎
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
實驗消化器病學 (ISSN:21851166)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.188-202_2, 1934

家兎肝臟實質細胞ノ「ゴルヂー」氏装置檢出ニツキ諸種固定染色方法ヲ比較シ、青山氏法ヲ改變セルモノ最モ一定セル結果ヲ得ル事ヲ認メ、同法ニヨリ四塩化炭素、燐、「クロ、フオルム」ノ三種藥物及ビ總輸膽管結紮ニヨル肝臟障碍時ノ家兎肝臟實質細胞ノ「ゴルヂー」氏装置ヲ檢出セリ。ソノ結果總テノ肝臟障碍ニ於テ該装置ノ減少退化セルヲ認メタリ。即チ肝臟實質細胞内ノ本装置ノ退化ハ肝臟諸機能ノ低下卜略々一致ヲ示セリ。
著者
杉本 勝俊 森安 史典 安藤 真弓 佐野 隆友 宮田 祐樹 平良 淳一 小林 功幸 今井 康晴 中村 郁夫
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.290-292, 2014-05-20 (Released:2014-05-30)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

We report a woman in her late 60s with hepatocellular carcinoma in whom the tumor was successfully treated by irreversible electroporation (IRE). Vascular-phase contrast-enhanced US (CEUS) with Sonazoid and dynamic CT at 1 day after treatment showed no tumor enhancement, but the safety margin of ablation appeared to be insufficient. On the other hand, in Kupffer-phase CEUS, the ablation zone showed a clear contrast defect with a sufficient ablation margin, indicating cell death of hepatocytes, cancer cells, and Kupffer cells in this area following IRE treatment. Very similar findings were observed in hepatobiliary-phase Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI at 7 days after treatment. These results suggest that both Kupffer-phase CEUS and hepatobiliary-phase Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI may be useful for assessing the ablation zone in patients who have undergone IRE.
著者
今井 正樹 上原 哲太郎 侯 書会 津田 侑 喜多 一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-6, 2011-05-05

情報漏洩対策機能としてユーザを特定可能な ID を電子透かしで文書に埋め込む電子文書管理システムがある.情報漏洩発生時に文書の流出元特定を容易にすることで,情報漏洩を心理的に抑止する.しかし,従来の方式で ID を符号化した場合,異なる ID を持つ文書を比較することにより ID の改竄が可能である.そこで本稿では結託耐性符号で符号化したユーザ ID を文書に埋め込む電子文書管理システムを提案する.文書形式として最も広く利用されている OOXML (Office Open XML) 形式の文書を対象として,相当量の情報が埋め込み可能な電子透かし手法を示し,ユーザ ID の消去を困難にした電子文書管理システムを設計する.There is a document management system witch prevent information leakages by embeding user identification in documents with digital watermark. It prevent users from information leakages by facilitating specification of the leakage source. But A comparation of same documents witch embeded different user IDs is enabled to attackeres to falsify the ID. This paper propose the document management system witch embeding user ID encoreded with anticollusion codes in documents. This system targeted OOXML (Office Open XML) documets because it is the most widely used in the world. This paper introduce the new large capacity watermark available in OOXML, and design the document management system enhaced preventation effect on information leakages.
著者
堀 幸雄 西本 佳代 葛城 浩一 山本 珠美 今井 慈郎
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.16, pp.1-4, 2010-08-16
参考文献数
9

本研究は近年、注目を集めているご当地検定といわれる地域独自の文化や歴史などの知識を測る試験を大学紹介に応用した香川大学検定について述べる.香川大学検定は,学生が主体的に学習を進めるとともに,問題作成に関わることで学生同士が協調して検定問題を作成し,大学の文化や歴史を楽しみながら知ることのできるものである.本稿では香川大学検定の特徴を説明し,その効果について報告する.In recent years, a local quiz much attention as one of guide book in Japan. In this paper, we report a quiz system for kagawa university guide. We have conducted this system which can create quizzes collaboratively by students. We also describe the characteristic of this system and the effectiveness of this system as university guide.
著者
高橋 一正 畔 和夫 奈良部 幸夫 今井 昭生 小西 優介 天田 巌 宇田川 毅 草葉 義夫 村松 岳彦 天野 壮泰 谷岡 慎一 市野 富雄 中野 清志 村上 一方
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.9, pp.1571-1575, 1989

波長可変レーザー装置を用いてcis-ビタミンK2(cis-VK<SUB>2</SUB>)→trans-ビタミンK<SUB>2</SUB>(trans-VK<SUB>2</SUB>)の光異性化反応を試みた。cis-VK<SUB>2</SUB>またはtrans-VK<SUB>2</SUB>の溶液に紫外から可視領域のレーザー光を照射し,それぞれの異性化量を測定した。その結果,cis-5-VK<SUB>2</SUB>→trans-VK<SUB>2</SUB>の異性化に有効な波長は280~460nmであり,とくに435と355nmが高い異性化率を示した。trans-VK<SUB>2</SUB>→cis-VK<SUB>2</SUB>の異性化反亦も同時に進行するがその速度は遅く,光平衡組成はtrans-VK<SUB>2</SUB>/cis-VK<SUB>2</SUB>7/3となった。また異性化反応は溶媒の影響を受け極性溶媒よりも無極性溶媒が有効であった。cis-VK<SUB>2</SUB>→trans-VK<SUB>2</SUB>の異性化はテトラプレニル側鎖中のナフトキノン骨格にもっとも近い二重結合で起こり,他の二重結合部では起こらず選択的反応である。窒素雰囲気下でのおもな副生成物はメナクロメノロ一ルであった。これらの結果から異性化反応過程を推定した。
著者
木村 研一 矢野 忠 山田 伸之 今井 賢治 廣 正基 渡辺 一平
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.279-291, 1998-09-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
46

皮膚交感神経機能に及ぼす鍼刺激の効果を検討するためにSSR (sympathetic skin response) 、SFR (sympathetic flow response) 及び手掌部の精神性発汗量を指標に検討すると同時に各指標間の関連性についても併せて検討した。被験者は健康成人男性10名、平均年齢24.7±3.1歳 (mean±SD) とした。実験は無刺激対照群 (以降、対照群) と鍼刺激群を設定し、同一被験者を対象とした。SSRは記録電極を左手掌部中央に、基準電極を同側中指爪上部に貼付し、SFRはレーザードップラー血流計のプローブを左示指指腹に装着した。精神性発汗波はハイドログラフを用い、右手掌部に1cm2のカプセルを装着した。各指標は同時測定し、電気刺激は前額部正中線上に刺激間隔および刺激強度をランダムに変更して行い、各反応を誘発し。記録した。尚、対照群は安静負荷前後、鍼刺激群は鍼刺激前後で測定を行った。鍼刺激は右側の合谷穴にステンレス鍼 (セイリン化成) を刺入し、鍼響を得た後1Hzの雀啄刺激を1分間行った後に、10分置鍼した。結果は以下の通りであった。 (1) SSR、SFR及び手掌部の精神性発汗波はHabituationを起こすことなく記録できたが、各々の相関関係は小さかった。 (2) SSR及び精神性発汗量は鍼刺激後有意に抑制されたが、SFRは無刺激及び鍼刺激の両方で抑制された。以上のことから鍼刺激は皮膚交感神経機能を抑制する作用があることが示唆された。
著者
増本 健 奈賀 正明 今井 勇之進
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.195-201, 1970 (Released:2008-04-04)
参考文献数
21
被引用文献数
1 6

Studies on the equilibrium between austenitic iron and nitrogen under various conditions of the maximum pressure of 920 kg/cm2 and the temperature range of 950°∼1300°C were carried out using a high temperature-high pressure equipment. It was shown that the concentration of nitrogen in austenite deviates from Sieverts’ law with increasing pressure. The cause for such discrepancy was considered thermodynamically and statistically. That is, the experimental result can reasonably be explained from the geometrical consideration that the chemical potential of a nitrogen atom in austenite with a high nitrogen content, departs remarkably from the value for the ideal random interstitial solid solution, since each interstitial atom added excludes other interstitial atoms from the seven adjacent sites. Thus, the activity of nitrogen in austenitic iron can be expressed by the following equations:(This article is not displayable. Please see full text pdf.)