著者
八田 武俊 八田 武志 岩原 昭彦 八田 純子 永原 直子 伊藤 恵美 藤原 和美 堀田 千絵
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.85.13040, (Released:2015-01-15)
参考文献数
42

In this study, we examined the relationships among higher brain function, trust or distrust, and gullibility in middle-aged and elderly people. It has been pointed out that the trust can be regarded the psychological frame of automatic processing in decision-making. The participants were 309 rural community dwellers (127 males and 182 females) whose mean age was 64.9 years old (SD = 9.9). The trust scale of Amagai (1997) and the Nagoya University Cognitive Assessment Battery were used to measure sense of trust and higher brain function, respectively. Gullibility was measured by self-report using two items. Correlation analyses showed that higher brain function positively correlated with degree of trust in others and negatively correlated with distrust. However, regression analysis demonstrated that only the relationship between category fluency and distrust was significant. Furthermore, the degree of distrust positively correlated with gullibility.
著者
神谷 拓 伊藤 嘉人 玉腰 和典
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.163-185, 2012

本研究の目的は、東日本大震災後に開催された運動会のフィールドワークを通して、学校の統廃合をめぐる教師、生徒、地域住民の「意志」について明らかにすることである。対象としたのは、同震災によって甚大な被害を受けた、M県の沿岸部に位置するH市のN2中学校で開催された「親子大運動会」である。調査の結果、この運動会において、教師、生徒、地域住民の「意志」は緩やかに繋がっていたものの、生徒たちの「統廃合を受け入れるまでには至っていない」という「意志」が、他の立場では共有されていないことが明らかになった。このことにより、本研究では「親子大運動会」が、教師、生徒、地域住民の「連帯と団結による意志表明」の場には「ならなかった」と結論づけた。とりわけ、27.3%の生徒が「私たちの意見も聞いて欲しかった」と述べていることから、日常生活における「意志表明の場」(子どもの意見表明権)を回復していくことが、今後の「親子大運動会」、及び、地域復興の課題になるだろう。

3 0 0 0 OA 将棋新誌

著者
伊藤宗印 編
出版者
伊藤宗印
巻号頁・発行日
vol.第15集, 1892
著者
伊藤 康弘 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.256-258, 2012 (Released:2013-05-01)
参考文献数
3

甲状腺乳頭癌の予後因子については様々な研究がなされているが,実際に再発をきたした後の生命予後がどうなっているのかは,あまりデータがない。今回われわれは,リンパ節再発および遠隔再発後の乳頭癌の生命予後因子について検討した。術後にリンパ節再発をきたした329症例における検討では,再発時年齢,原発巣の腫瘍径,原発巣のEx,病理組織検査によるaggressive histology,3cm以上のリンパ節転移が生命予後を左右した。多変量解析ではEx2以外の因子が独立した生命予後因子として認められた。遠隔再発をきたした105例では再発年齢,原発巣のEx,肺以外への再発が単変量解析で生命予後因子として認められ,このうち再発年齢,Exが多変量解析でも独立した生命予後因子であった。もともとの原発巣やリンパ節の状態が,生命予後を規定することがわかった。
著者
八木田 旭邦 竹内 教能 伊藤 久 北島 政樹 立川 勲
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.185-191, 1987-02-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
23

腎移植時の輸血が,免疫寛容を誘導し移植腎の生着率の向上に寄与している事が知られている,この事実は,悪性腫瘍の外科的切除の際の輸血が,免疫寛容を惹起し逆に腫瘍の再発並びに増殖を促進している可能性も示唆している. stage II以上の結腸癌根治手術51例(輸血例36例,非輸血例15例)並びに乳癌根治手術51例(輸血例24例,非輸血例27例)の輸血の有無による予後をKaplan-Meier法で比較した.結腸癌根治手術の輸血例の生存率は,非輸血例に比較して明らかに低下している(p<0.0001).乳癌根治手術の輸血例の再発率は,非輸血例と比較し有意に高かった.また,結腸癌非根治手術例でも輸血例の予後は,非輸血例に比べ明らかに低下していた.輸血量と予後との因果関係を検討したが,輸血量との相関は得られなかった.この事実から手術前後の輸血が結腸癌並びに乳癌の予後不良因子として作用しており,輸血量との相関がない事から輸血の有無そのものが重要と考えられた.
著者
宮田 Susanne 伊藤 恵子 大伴 潔 白井 英俊 杉浦 正利 平川 眞規子 MACWHINNEY Brian OSHIMA-TAKANE Yuriko SHIRAI Yasuhiro 村木 恭子 西澤 弘行 辰巳 朝子 椿田 ジェシカ
出版者
愛知淑徳大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

1歳から5歳までの日本語を獲得する子どもの縦断発話データに基づき発達指標DSSJ(Developmental Sentence Scoring for Japanese)を開発し、この日本語の発達指標を84人の子どもの横断データ(2歳~5歳)にあてはめ、標準化に向けて調整を行った.DSSJはWWW上のCHILDES国際発話データベースの解析プログラムCLANの一部として一般公開されている.
著者
伊藤 宏
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.319-323, 1956-08-01

最近1.2ないし1.1という超大口径の写真レンズがわが国で生産されるようになった.これ等のレンズの展望,日本でこれ等のレンズが発達した理由,およびこれらレンズの性能に関し,最近の情報理論的の取扱いによる新しい見方を述べる.
著者
佐野 充 村西 明日香 揚野 敏光 伊藤 誠 新美 雅則 白髭 民夫
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2014-01 (Released:2014-07-18)

報告書のp.30-31の一部、p.45-46, p.63は都合により掲載しておりません
著者
渡辺 佳友 伊藤 貴康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 記号処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.94, no.79, pp.7-14, 1994-09-16

SchemeはLispの方言であり,コンティニュエーションをファーストクラスのオブジェクトとして扱うcall/ccを備えた関数型プログラミング言語である.この論文では,SchemeのサブセットであるCore Schemeに対してcall/ccを用いた繰返し的Schemeプログラムに基づくコンパイル法を提案する.call/ccを用いた繰返し的Schemeプログラムとは,再帰的な関数呼出しをlet文とcall/ccを用いて末尾再帰風に記述したプログラムである.この論文では,call/ccを用いた繰返し的プログラムによるコンパイルとCPS法によるコンパイルが,Core Schemeプログラムに対して同じコードを生成することを示す.
著者
伊藤 友彦 大伴 潔 藤野 博 福田 真二
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

特異的言語発達障害(Specific Languag Impairment, SLI)とは、知的障害や聴覚障害、対人関係の障害など言語発達を遅滞させる明らかな問題が認められないにもかかわらず、言語発達に遅れや歪みがみられる障害をいう。欧米の研究者の間ではではよく知られた用語であるが、我が国ではあまり知られておらず、言語学的掘り下げた研究はほとんど行われていなかった。我々の研究の目的は日本語SLI例の特徴を明らかにするとともに、日本語SLIの評価法を提案することであった。今回の我々が行った日本語の典型的なSLI例と思われる子どもの縦断研究の結果、対象児は欧米の研究でG-SLIと呼ばれるタイプであることが明らかになった。欧米の研究ではG-SLIの子どもは時制、受動文などに困難を示すと言われているが、我々の対象児も同様な困難を示した。我々はさらに日本語SLI3例を対象として、文法格(grammatical case)に視点をあてた実験的研究を行った。その結果、SLI例は、年齢を対応させた正常発達の子どもに比して、格付与(case-assignment)の成績が悪いことが明らかになった。また、SLI群は、通常の語順と異なる、かきまぜ(scrambling)文の成績が著しく低いことが明らかになった。また、我々はアメリカ(アリゾナ州立大学)においてSLIの評価法に関する調査を行い、日本語SLIの評価法を提案する準備を行ったが、日本で行った難聴・言語障害学級を対象とした調査では、SLIの名称そのものの理解が得られないこともあり、日本語SLI例のデータ収集が十分にはできなかった。今回の我々の研究で日本語SLIの興味深い特徴がいくつか明らかになり、日本語のSLIの評価法に役立つと思われる基礎的知見が得られた。
著者
伊藤 真理
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-22, 2009-03-25

本研究は,利用者がどのようにしてOPACで楽譜を検索しているのかについて,現状を把握することを目的としている。本研究では,Batesによって定義された検索戦術に基づき,利用者の検索戦術について分析した。利用者の検索過程を調査するために,米国大規模大学の音楽研究科に所属する大学院学生を対象として質問紙調査と面接調査を実施した。質問紙調査の58人による回答から63件の検索セッションを分析対象とした。検索過程での検索戦術について,Batesのまとめた検索戦術を基に分析した。質問紙調査終了後,検索戦術の立案での外的要因について調査協力者の意見を収集するために,41人を対象として面接調査を行った。調査結果から,調査協力者は,検索式作成時において,主にSPECIFY,EXHAUST,REDUCE,BROADの検索戦術を用いていたことが明らかとなった。BROADは,オンライン検索を前提とした本研究で新規に追加された検索戦術である。検索式修正の過程では,さらに多様な検索戦術が用いられた。また,調査協力者は,一つの検索式に対して,検索の意図の異なる複数の検索戦術を組み合わせて用いていた。検索戦術の立案に影響する要因として,音楽分野での資料の特性や提供されている書誌情報の影響を同定することができた。
著者
伊藤 和幸 数藤 康雄 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.495-503, 2000-05-25
被引用文献数
75

重度肢体不自由者のQOL(生活の質)向上を目指し, 眼球運動を利用した視線入力によるコミュにケーション装置の開発を試みた.筋ジストロフィー患者や筋萎縮性側索硬化症患者のような障害者では, 病状の進行に伴い四肢が動かなくなり, 走査選択式装置へのスイッチ操作に眼球の動きを利用せざるを得ないといったケースが出てくる.従来このような障害者は, 上下左右への眼球の動きや目の開閉をスイッチ入力のオンオフに利用していたが, 障害者が見つめた対象をそのまま選ぶことのできる視線入力が実現できるなら, 操作はわかりやすく, 入力効率も上がることになる.本論文では直接選択式による視線入力装置の開発内容とその臨床評価結果について報告する.眼球の運動を随意に制御できる障害者であれば, 視線入力方式だけで手軽に文章作成が可能であることがわかった.