著者
佐藤 洋樹 田宮 洋一 伊藤 寛晃 角田 和彦
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.121, no.7, pp.404-408, 2007-07
被引用文献数
1

症例は18歳,女性.2003年4月18日下腹部痛と嘔吐を主訴に当院受診.下部消化管内視鏡で直腸S状部に巨大な粘膜下血腫を認め,月経に随伴する病態から腸管子宮内膜症と診断した.保存的治療と偽閉経療法にて腫瘤は縮小し経過観察されていた.2005年7月7日下腹部痛と嘔吐が再度出現し7月8日腸閉塞にて入院.肛門縁から10cmに完全狭窄を認めた為,7月12日低位前方切除術施行した.本疾患は狭窄や消化管閉塞を呈し悪性腫瘍との鑑別を要するが,確定診断が困難なことも多い.今回我々は若年者で巨大粘膜下血腫と直腸狭窄を伴った手術例を経験したので報告する.
著者
舟山 直治 為岡 進 佐藤 一志
出版者
北海道開拓記念館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究課題は、北海道における民俗芸能の伝承者や伝承・保存会の活動など無形民俗資料について調査し、それぞれのデータを集積し、分類した。また、民俗芸能に係わる道具類など有形民俗資料調査を道内の神社および博物館で実施した。これら道内の民俗芸能にかかわる有形・無形のデータを時系列に整理し、伝承の系統図を作成するための基礎資料を作成した。あわせて成果を公開するためのデータベース構築に向けて調査を行った。
著者
山本 裕紹 六車 修二 佐藤 剛 早崎 芳夫 永井 芳文 清水 義則 西田 信夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.37, pp.37-42, 1998-07-03
参考文献数
4

フルカラーLEDパネルを用いた偏光眼鏡式立体ディスプレイを試作した.右眼用と左眼用を入れこにしたステレオ画像の表示は, LEDパネルを用いて160×80(×RGB)の画素数(1.28m×0.64mの大きさ)で行った.LEDパネルを短冊に切った偏光フィルムで1列ごとに右眼用と左眼用とにマスキングした画像を, 偏光眼鏡で右眼用と左眼用の画像に分離して観察する.立体表示における観察距離と指向性の実験を行い, 観察距離をLEDのドットピッチの3000倍程度に設定すればよく, 偏光マスクを設置しても指向性が狭くならないとの知見を得ることができた.
著者
栗原 敦 上野 英子 棚田 輝嘉 西澤 美仁 渡辺 守邦 野村 精一 佐藤 悟
出版者
実践女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

最終年度にあたる本年は、これまでの共同研究の集成として『伊東夏子関係田辺家資料』(調査報告)を編集・刊行した。この概要はI短冊の部翻刻(付脚注)II書筒の部翻刻(付脚注・解説)III田辺家資料リスト、の三項目からなる。このうちI・IIIについては本学文芸資料研究所「年報」を通じて報告したものをふまえて,補訂を加えて収録しているので,ここではIIについて概要を記す。ここでは、伊東祐命発信のもの三通・中島歌子発信十九通・三宅花圃発信三通・伊東夏子発信二通の,計二十七通の書筒について,翻刻と注・解説を行った。執筆年が不明であること,私的な内容であること等から分析は困難を極めたが、歌会や吟行・添削等の連絡や,借家や手伝い人の斡旋、裁裁の依頼等の日常的なつきあい,更には中島歌子周辺のごく親しいグループの存在を物語る記述にあふれていた。以上は、萩の舎に学んだ女流作家樋口一葉の日記の背景をなす,萩の舎塾の具体相の理解の一助となることであろう。
著者
前原 進也 大澤 康暁 佐藤 孝 丸山 武男 大河 正志 水島 正喬 坪川 恒也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.62, pp.49-52, 2002-05-10
参考文献数
5

一般相対性理論から導出された天の川銀河の重力場が地球に及ぼす影響に関する報告があり,振り子の変位を観測することで,天の川銀河系の中心核の影響により地球が受ける力を検出することが可能であり,2種類の振り子の観測を行い,周時刻に同一方向への変位が見られたと報告されている.本報告では,この実験結果の検証を目的とし,半導体レーザーを用いた振り子の変位の光計測システムを構築し,外部雑音の影響が非常に少ない国立天文台の観測所のトンネルで観測を行っている.これまでの観測では,地震による影響が観測されており,今回は潮汐力による影響について検討し,重力放射力の検証の基礎実験を行ったので報告する.
著者
宇田川 拓雄 辰己 佳寿子 浜本 篤史 鈴木 紀 佐藤 寛 佐野 麻由子 黒川 清登 RAMPISELA Dorothea Agnes 鯉沼 葉子 島田 めぐみ 片山 浩樹 斎藤 文彦 佐藤 裕 KIM Tae Eun KIM So-young 多田 知幸 MULYO Sumedi Andorono 中嶋 浩介 RUSNADI Padjung YULASWATI Vivi
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

開発援助では様々な社会調査が実施され評価に利用されている。参加型調査、民族誌作成、フォーカスグループディスカッションなど標準的な調査法以外の手法も使われている。JICAの評価システムは構造上、広汎な長期的インパクトの把握が難しい。また、質の高い調査データが必ずしも得られていないため、評価団がポジティブな現状追認型評価を行なった例も見られた。調査の倫理をしっかりと踏まえた評価調査法の開発と普及が望まれる。
著者
佐藤 和秀 亀田 貴雄 石井 吉之 的場 澄人 高橋 一義 石坂 雅昭 竹内 由香 横山 宏太郎 小南 靖弘 川田 邦夫 渡辺 幸 飯田 俊彰 五十嵐 誠 竹内 望
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

北海道から本州の山形県,新潟県,富山県にいたる冬期の降積雪試料を採取し,主に酸性雪に関する化学特性の解析を行い,その実態の調査研究を実施した。報告例が少ない降積雪の過酸化水素濃度に関する多くの知見が得られた。より明確な因果関係の把握にはさらなる観測調査が必要であるが,大気汚染物質あるいは積雪の主要イオン濃度,過酸化水素濃度,pH,黄砂,雪氷藻類などの間にはいくつかの相関関係が見られ,融雪水のイオンの選択的溶出も観測された。
著者
杉山 三郎 佐藤 悦夫 植田 信太郎 谷口 智子 渡部 森哉 伊藤 信幸 嘉幡 茂
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は新大陸の古代都市の成立とその変容・盛衰の諸問題を、斬新な技術や方法論を用いながら学際的視点から考察することを目的とする3年計画のプロジェクトである。最初の2年間は古代モニュメントと表象に関する資料を収集し、考古学、歴史学、民族史学、宗教学、人類学また生物化学的視点を織り交ぜ、コンピューター解析、空間分析、統計処理を行った。特にメキシコ政府研究所とテオティワカン「太陽のピラミッド」の発掘調査を行い、貴重な都市形成期の資料を得た。
著者
佐藤 史郎
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

これまで、政策上、核抑止の重要性を主張することは「現実主義」である一方、核軍縮・不拡散措置の重要性を主張することは「理想主義」として捉えられてきた。前者が核に依存して安全の確保を試みるのに対して、後者は核に依存しないで安全確保を試みるからである。本研究は、威嚇型と約束型という2つの再保証(reassurance)の行動予告に着眼することで、核軍縮・不拡散措置の重要性を主張することは「現実主義」である旨を提示した。
著者
佐藤 強志 川畑 義裕 野添 悦郎 松根 彰志 川島 清美 馬嶋 秀行 濱平 須美子 上村 亮三
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

(1)動物モデルでの扁平上皮癌腫瘍組織における放射性医薬品輸送蛋白発現の免疫組織学的染色による検討では、輸送蛋白の細胞膜上発現が顕著に観察され、放射性医薬品の取り込みと汲み出しとの相関が明らかであった。(2)ピンホールコリメータを用いたリンパ節模型のシンチ画像撮像では、臨床を想定した条件下ではピンホール径は5mm以上必要であり、小さな径では計数値の不足による雑音の影響が無視できなかった。また、10mmのリンパ節サイズ模型における放射性医薬品の局在識別は5mmが限界であった。
著者
佐藤 千穂
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.74-81, 1997-05-01
参考文献数
8
被引用文献数
2

肌色に関する研究は数多く報告されているが, 実空間での顔色の見えについての研究は少ない。顔色の見えは照明や背景色などの様々な環境要因や, 洋服の色や化粧などに影響される。さらに色の見えは, その面積や形, 配置によっても変化するだろう。本研究では形の議論は今後の課題として, 洋服の色によって影響される顔色の見えに着目した。それは洋服が人の顔を見る視野の中で多くの面積を占めることと, 面積効果を考慮して, まずは顔と同じくらいの面積での色の比較を行いたかったためである。実験では胸にかけられる長方形の色のついた綿の布を洋服のかわりに使用した。布の色にはマンセル表色系で規則的な43色と, 洋服の色や化粧品の色を考慮した22色からなる65色を選定した。モデル(38名の女性)は色のついた布を胸にかけて着席し, 5名の観察者はこの時のモデルの顔色の見えを評価した。この評価を各モデルに対して65回実施した。評価構造の解析と各布の色での顔色の見えの違いを検討したところ, 顔色は明るい色や赤みのある布ではきれいで健康的であり, 一方暗い色や青みのある布ではくすんで不健康に見える結果が得られた。
著者
佐藤 可織
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

本年度は観測船「みらい」搭載雲レーダ・ライダデータより導出したレーダ反射因子と雲氷量の関係式を用いCloudSat衛星観測データを解析し、得た氷晶雲微物理特性の検証を以下の解析を行い推進した。CloudSat衛星と同期する航空機観測データによる光学的に厚い雲内部の微物理量抽出精度の検証に加え、パラメタリゼーションを用いずに雲微物理量を抽出する事のできるレーダとライダの信号強度を組み合わせた手法により光学的に薄い雲や雲上層部における抽出量の検証を行った。その結果、両手法で得られた氷晶雲粒径の高度-緯度断面には良く似た傾向が見られる事の他、パラメタリゼーションより得た雲氷量の統計値がレーダ/ライダ法で得られるものと比してより光学的に厚い雲の解析結果をより反映しているという特徴がある事がわかった。これらの成果はProceedings of the International Radiation Symposium(IRS2008)に"Sensitivity study for the interpretation of Doppler signal of space-borne 95-GHz cloud radar"という題名で報告した。衛星データに基づいた気象場分類法に従って氷晶雲-放射フィードバック効果をモデルで予測する際に重要であると思われる氷晶雲特性が大気大循環モデル(AGCM)で正しく再現されているかの評価を行った。その結果、観測ではlarge scaleの周囲の場の対流活発・不活発の分類と雲量に非常に良い対応関係があったが、モデルでは気象場と雲量の関係が良く再現されていない事がわかった。また、過去の研究からモデルでは上層雲の雲量が過大評価になっている事が指摘されていたが、常に過大評価であるわけではなく気象場による事がわかった。モデルの氷晶雲微物理特性の再現性に関してはグリッド平均の雲氷量特に11km以上の対流圏上層で対流活動活発時に1桁程度過小評価し、粒径を平均的に20μm程度過大評価する事がわかった。今後、より長期のデータを使用しこれらの成果を発展させ、モデルと観測の不一致のメカニズムを理解する事によりモデルでの雲再現性を改善する事が可能となると期待される。