著者
佐藤 翔 数間 裕紀 逸村 裕
出版者
日本図書館情報学会
巻号頁・発行日
2011

本研究では一般市民(非研究者)における論文のオープンアクセス(OA)化に対する需要について明らかにすることを目的に、日本の社会人800人を対象とするインターネット調査を行った。結果から、1) 市民のOA認知度は低く、OA論文利用経験も少ない、2) 回答者の過半数がOA論文は自身の役に立つと考えている、3) 専門的な情報を得るためにOA論文を用いたいと考えている、4) 最もOA化の需要が高い分野は心理学や医学だが、性別による有意差があり、男性は情報学や工学、女性は教育学や言語学にも需要があること等がわかった。
著者
佐藤 真行 新山 陽子
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.13-24, 2008-02-29 (Released:2010-12-16)
参考文献数
24
被引用文献数
6 5

Recently, with the social requirement, traceability systems come into use for recognition of thehistory or origin of the food product. However, there remain important problems: what and how muchinformation should be supplied to consumers. Some people argue that the information should beoffered as much and detailed as possible. Others suggest that because a deluge of information is notdesirable, we should sort out or summarize the information and then provide to consumers.In this paper, for inquiring the desirable quantity of information with traceability systems, weanalyze the consumers' ability of processing information by using discrete choice models. Throughthe experiment by increasing the quantity of information, two interesting results are obtained. First, we identify the point at which the effect of information overload occurs. The result shows thatinformation entropy indexes are lowest at 6 attributes and become higher at more than 6 attributes.These imply that information overload effect appears around 6 attributes. Second, “knowledge” and“product involvement” are found to be dep ressant factors of information overload. People who havehigh knowledge or high involvement have relatively low entropy index.From these findings, we can argue that to provide too much information to consumers isproblematic because it makes consumers confuse. To avoid this, we should select what is importantinformation for them. It is also important to offer an appropriate education and enlightenment inorder to heighten their knowledge and involvement.
著者
佐藤智貴 長谷川真也 鴨志田芳典 菊池浩明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.527-529, 2011-03-02

概要: パスワードは最も基本的な利用者認証方式である.印象に残りやすいパスワードを生成するには様々なノウハウがあり,機械的に生成する決定打はない.そこで,この研究では,日本語の文法違反を引き起こすと違和感を感じる事象に着目し,Google N-gramデータベースを単語出現頻度を考慮した生成方式を提案し,記憶力の差を定量的に評価する.
著者
佐藤 正晴
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.157-170,221-22, 1995

In this paper, the author described the development of propaganda for Afro-Americans after the outbreak of the Pacific War, from the viewpoint of Japanese foreign propaganda policies, and the relations with broadcasting of"Hinomaru Hour"in Japanese shortwave. This paper consists of three chapters. In chapter I, the author explained concerns about propaganda for Afro-Americans by the Foreign Office, particularly the information in 1942, on the press. Above all, the racial problem in America is the main theme in Japanese propaganda for Afro-Americans such as their states in the army and their riot in 1943. In chapter II, the author explained that propaganda for Afro-Americans was planned to arouse public opinions in America, "Negroes Strategy in Wartime", proposed by Hikita, the foreign officer, indicates the utility of Afro-Americans as prisoners in wartime. that almost coincided with foreign propaganda policy. Secondy, Japanese propaganda for Afro-Americans has some contradictions. The Japanese propaganda mentioned generality on the one hand, while mentioning particularism on the other. Essentially, racial equality and humanism were advocated in generality, while Japanese spirits, Japanese culture and Japanese jutice were stressed in particularism. In chapter III, the author explained that the realities and the effect of shortwave for Afro-Americans. The Japanese military carried out"Hinomaru Hour"made by prisoners for Afro-Americans. The message was adressed to their families by prisoners of War. In 1944, the program was reorganized as"Humanity Calls"and"Postman Calls"which ended in failure in military interference. Hence, the author chracterized propaganda for Afro-Americans as one of the foreign propaganda policies in wartime Japan. The contradictions of propaganda for Afro-Americans is symbolic of all all of Japanese foreign propaganda.
著者
呉 書林 佐藤 雅美 遠藤 千顯 桜田 晃 董 博鳴 松村 輔二 半田 政志 近藤 丘
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.542-547, 2002-05-15
被引用文献数
5 1

呼吸器外科領域のカルチノイドは肺原発と胸腺原発に分けられ比較的稀な疾患である.一般的に低悪性度腫癌と考えられているが,非定型カルチノイドには予後不良のものもある.今回,われわれは当施設で切除された肺原発と胸腺原発のカルチノイド各々28例と11例について,臨床的因子を比較検討した.肺原発カルチノイドは28例あり全肺癌切除例3371例の0.83%を占め, 11例の胸腺原発カルチノイドは全縦隔腫癌切除例662例の1.67%を占めていた.性差,年齢差はなく,発見動機としては大部分が実検で発見されていた.発生部位は,肺原発のものでは左右差はなく末梢発生が多く見られた.術前にカルチノイドと診断された正診率は肺原発(18/28,64.3%)胸腺原発(2/5,40%)であった.胸腺原発カルチノイドでは周囲臓器への浸潤が多かった(3/11,27.3%).組織亜型の頻度には差はなかった.胸腺原発カルチノイドの5年生存率は38.9%で,肺原発の5年生存率90.4%と比較して有意に予後不良であった.肺非定型カルチノイドではリンパ節転移がみられた(5/15,33.3%).再発死因の検討では胸腺原発カルチノイドで局所再発による死亡がみられ,充分な外科的切離縁の確保と系統的なリンパ節郭清が必要と考えられた.
著者
小坂 浩嗣 佐藤 亨 末内 佳代 山下 一夫
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.160-170, 2011

This paper examined merits and demerits of naming parents who claim unreasonable things "monster?parents" ased on real cases. And, it described the movement of the educational world about "monster?parent" around 2007, based on newspaper articles and response?manuals made by school boards. Finally, it discussed how eachers should react the situation that it is difficult to have good relation with parents from the viewpoint of School Clinical Psychology.
著者
松本 伸示 佐藤 真 森 秀樹
出版者
兵庫教育大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

19年度は,兵庫県加東市の小学校で低学年児童を対象として絵本の「読み聞かせ」活動を取り入れた日本版の「哲学」授業を実践した。これは,これまでIAPCで開発されたテキストを用いてきたが,低学年児童を対象するには討論の題材が身近であること,さらには,低学年児童の読解力の発達を考慮にいれたことによる.また,これまで「総合的な学習の時間」を活用して「哲学」授業をおこなってきたが,今年度は子どもたちにもっと哲学的討論を身近なものとするため,学校のカリキュラムに縛られることのない放課後の学童保育の時間を活用することも考えてみた.これにより教室という物理的,心理的な条件に縛られることなく子どもたちは自由に哲学的討論を楽しむことができた.さらに,兵庫教育大学附属中学校においても選択科目の時間を活用し日本版の「哲学」カリキュラムを開発して授業実践した。これはイギリスのNEWSWISEを手がかりにニュースを教材としたP4Cの手法を参考としつつ,討論テーマを生徒の身のまわりの出来事から取り上げた実践研究である.この実践ではより哲学的な要素を含んで討論が展開されるようにカリキュラムを設定した.また,17年度に収集した韓国の資料をもとに思考力育成を図るための副読本「お母さんとともに創る日記」を完成させた。これらの基礎データによって日本においても「哲学」授業が可能であり,児童・生徒の思考力の育成につながっていくことを明らかにした。
著者
佐藤 健裕
出版者
京都大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.176, no.3, pp.327-346, 2005-09
著者
佐藤 斉華
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.95-117, 2007-06-30

本論文は、ネパールのチベット系ヨルモにおいて急速に過去のものとなりつつある嫁盗り婚(略奪婚)という結婚締結の一選択肢がいかに語られているかを考察することを通じ、グローバルな広がりを持つ「開発」という「近代」的価値言説との交叉において構築されつつある彼らの現在の一段面を照らしだそうとするものである。比較的近年までかなりの規模で嫁盗りを実践してきたと見られる彼らが、この慣行について自ら積極的に語ることは現時点では基本的にない。知りたがりの外部者(例えば筆者=人類学者)に促されて語るとしても、例外なく否定的に、消え去るべき「昔のこと」として語るのみであり、その語り口は近代(西欧)が嫁盗り婚に向けた「過去の」「野蛮な」慣習という視線と一見軌を一にするとも見える。しかし、語りの内容や語る行為において遂行されること(=発話のパフォーマティヴな側面)を子細に腑分けしていくにつれ浮かびあがってくるのは、彼我の類似性・同一性であるより、むしろ彼我の間に横たわる距離であった。即ち、彼らによる嫁盗り婚の否定は、「女性の権利」や「解放」といった嫁盗り婚否定を支える「近代」的価値観の採用によるものではない。それは彼らにおいてローカルに培われてきた価値観の、さらなる純化/強化(=社会的対立/宗教的秩序攪乱の回避)にむしろその根拠をおいている。またそれは確かに、「進歩」を掲げる近代的世界に向けた彼らの積極的参画の働きかけではあった。だがこれらの発話は、彼らの近代世界への参画を一義的に促進する効果を持つというより、その根底にある価値観の異質性とともに、開発への一途な信奉と(既にそれを手放した「開発された」中心に身をおく立場からは)見えるその素朴さにおいて、近代世界における彼らの周縁的位置をむしろ再-構築してしまうという、相矛盾する動きの同時遂行ともなっていたのである。
著者
佐藤 一誠 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.19, pp.107-116, 2007-12-15

Unigram Mixtureは教師なし文書分類などで幅広く使われている確率的生成モデルである.Unigram Mixtureは,混合モデルであり,実際の適用にはユーザは混合数決定問題をつねにかかえている.近年,このような混合モデルにおいて,Dirichlet Processを用いたノンパラメトリックベイズモデルが注目を集めている.Dirichlet Processを用いることでデータに合わせてモデル構造(混合数)を変化させることができる.本研究では,Dirichlet Processにより拡張したUnigram Mixtureに対して,Collapsed変分ベイズ法を用いてモデル学習する手法を示す.対数尤度とF-scoreによる評価により従来手法に対する有効性を確認した.Unigram Mixture is a probabilistic generative model that is widely used in unsupervised clustering of documents. Unigram Mixture is a mixture model and have a problem of how to determine the number of clusters. Recently, a nonparametric Bayes model using Dirichlet Process has gotten a lot of attention in this problem. Models using Dirichlet Process can determine the number of cluster corresponding to data. In this paper, we expand Unigram Mixture by Dirichlet Process and present a scheme that learns the model by Collapsed Variational Bayes inference.
著者
堀田 浩貴 熊本 悦明 青木 正治 山口 康宏 佐藤 嘉一 鈴木 伸和 和田 英樹 伊藤 直樹 塚本 泰司
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.1939-1946, 1991-12-20
被引用文献数
1

夜間睡眠時勃起現象(NPT)は,ほとんどすべての健康男子に見られる生理現象であるが,小児での検討は少ない。そこで今回我々は,3歳から18歳までの小児30例で,NPT測定を行い,身体的発育と性的成熟度との関連について検討した。1.NPTの回数は各年齢でバラつきが大きいが,10歳過ぎ頃より増加傾向を認め,13,14歳の2例で14回と最高値を示した。2.陰茎周増加値(一晩のNPTのエピソード中,最大の陰茎周変化の値)は10歳まではすべて10mm以下であったが,12歳過ぎ頃に急激な増加が見られた。3.NPT時間(一晩のNPT時間の合計),%NPT時間(睡眠時間に占めるNPT時間の割合)は,ともに12歳頃より急激な増加が認められた。%NPT時間は,血清LH値とほぼ正の相関を示していた。また思春期発来の指標と考えられている夜間睡眠時のLH pulseが認められた例では,認められなかった例に比し,%NPT時間は明らかに高値であった。4.以上から,小児におけるNPTの測定は,他の内分泌的指標とともに思春期発来を知る上での生理学的指標となり得る可能性が示唆された。
著者
門間 哲雄 斉藤 史郎 大木 隆弘 佐藤 裕之 戸矢 和仁 土器屋 卓志 村井 勝
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.91, no.10, pp.657-665, 2000-10-20
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

(目的)本邦での密封小線源治療(小線源治療)は放射性物質の体内永久留置が法律により厳しく規制されているため,主に高線量率イリジウムを用いた一時的留置法が数施設で施行されているにすぎない.前立腺癌に対して低線量率イリジウム(LDR-Ir)を用いて小線源治療を施行している施設は当施設だけであり,本研究においてこの治療法の臨床成績について検証する.(対象と方法)1997年12月から1999年12月まで組織学的に前立腺腺癌と診断された26症例(Stage B 92%;Stage C 8%)に対して小線源治療を施行した.23例は小線源治療単独(1例はneoadjuvant療法を施行),3例については小線源治療と外照射放射線治療(ERT)の併用を行った.(結果)小線源治療単独群では2から26カ月の経過観察期間において,治療前PSA値が20ng/ml以上の9症例中8例がPSA failureとなり,20ng/ml未満では13例すべてにおいてPSA failureが見られなかった.Gleason's score7以上の11例のうち8例にPSA failureを認めたが,6以下の14例は,すべてにおいてPSA failureが見られなかった.併用療法群では4から9カ月の経過観察期間においてPSA failureを認めなかった.全症例の経過中,重篤な合併症は認められなかった.(結論)PSA値やGleason's scoreによって症例を厳密に選択することができれば,LDR-Irを用いた小線源治療は有効な治療となりうることが本研究から示された.
著者
田崎 雄一郎 福原 知宏 佐藤 哲司
雑誌
情報アクセスシンポジウム2011
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.17-22, 2011-09-07

新聞からスクラップブックを作成するというように,Web 探索においても複数の情報源から情報を集約することは多い.それぞれの Web ページ中には利用者にとって必要な情報と不必要な情報が混在しており,利用者は要不要の判断を繰り返しながら情報を収集する.収集を行いながら情報を把握することは難しく,探索中に収集した一連の情報の把握を支援するための情報集約手法が必要である.本論文では Web ページ中の部分毎の情報 (部分領域) を対象とした情報探索・集約手法を提案する.提案法は,ページ中の部分領域を単位とした探索を行いながら,利用者自身が情報を集約する.提案手法を実装したシステム評価実験を行い,部分領域を対象として情報の探索と集約を行う本手法により,利用者が十分有効に情報を収集できることが確認できた.今後は従来手法との比較を行い,従来手法に比べた提案手法の有効性を確認する.
著者
高部 啓子 松本 朋子 坂本 英里香 高橋 佐智子 佐藤 由紀子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 (ISSN:13413244)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-6, 2008-04

Although many ready-made "Yukatas (a kind of Japanese costume Nagagi)" have appeared on the market, there are no official size-system for Yukata". So we surveyed the clothing size and measurements of ready-made "Yukatas" on the market and then studied the validity of their size and measurements through young women's body measurements, and then tried to propose the better size-system for Japanese costume "Nagagi". Materials were market-research data carried out in June to August, 2006, and the body measurements and the cross section data of hips from the 3-D measurements proceeded for 91 female students from 2004 to 2006. We found that the number of clothing size on the market was very small, the clothes were made too long, and the relation among the body measurements was not considered. We also found that the necessity for expanding sizes to width through the scatter diagram of stature and hip girth, and one and half of hip girth was a good indicator for deciding the width of Nagagi. Then we proposed the size-system for Nagagi on the basis of the above results.
著者
佐藤 嘉倫 近藤 博之 斎藤 友里子 三隅 一百 石田 浩 尾嶋 史章 中尾 啓子
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2004

本プロジェクトは、社会階層の流動化と固定化という、一見相反する現象を統一的に理解・説明するための階層論を展開することを目的とした。この目的のために、理論的な検討をするとともに、データ分析のための社会調査を実施した。2005年に日本、韓国、台湾でほぼ同一の調査票を用いた実査を行った。また労働市場の流動性の影響をもっとも受けている若年層を対象とした郵送調査・ウェブ調査を2007年に行った。これらの調査データを用いた分析結果は、全15巻の研究成果報告書にまとめられた。また報告書以外にも、プロジェクトメンバーによる学会報告や論文・単行本刊行は多数に及ぶ。本研究プロジェクトは総合的研究なので、社会階層と社会移動をめぐってさまざまな視点からの分析を展開した。このため、研究成果すべてを述べることはできないが、たとえば(1)佐藤俊樹『不平等社会日本』で示されたホワイトカラー上層雇用の閉鎖性は2005年には存在しないこと、(2)非正規雇用者になる傾向は低学歴者と女性に高く見られること、(3)所得格差については正規雇用と非正規雇用の間の格差が大きいが、その格差が拡大しているかどうかは慎重な検討が必要であること、などの知見が得られた。また本プロジェクトが、本格的な東アジアにおける社会階層と社会移動の比較研究として初めてのプロジェクトであることも特筆に値する。その成果の一端は、研究成果報告書第13巻『東アジアの階層ダイナミクス』に収められている。
著者
佐藤 誠 青木 辰司 岡崎 昌之 横川 洋 内田 和実 江藤 訓重
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

1.アジア連携のヘルス・ツーリズムとライフスタイル起業の実証研究を実施。中国、台湾、ラオス、ベトナムなどのローカルメディスンを活かしたヘルスツーリズムについて、現地調査とあわせて海外から研究・実践者を招いたアジア・ヘルスプロモーション会議などで成果を上げた。また、健康・美容・性・保健をテーマとしたライフスタイル起業について、具体的に天草市金焼地区でのグリーンライフ・コミュニティ事業推進との関連で展望が開けた。2.セカンドホーム・ツーリズムとライフウエア産業形成の道筋が見えてきた。遊休農地や未利用バイオマス資源活用によるライフスタイル起業について、本科研研究の延長線上で、天草市・熊本大学・熊本経済同友会との民学官連携で共生・対流の社会実験に関わる国土交通省や農林水産省からの助成を得て、都市住民がリースされた農地にグリーンライフ実現のための乾式壁工法ストローベイル・コテージを建てる方式で画期的な農村活性化モデル構築に挑んだ。このグリーンライフ天草方式は、2地域居住から田園移住へと進化するセカンドホーム・ツーリズムと地元住民と地場企業との地域再生事業に明るい展望を拓いた。3.本研究の成果として「風地観ツーズム」理論が構築された。本科研のテーマで北海道大学大学院観光創造専攻で田園リゾート論および地域再生連携事業論を組み立てる中で、これまでのビジターの「観る」観光や、リピーターに「示す」観光地域づくりの先に、いのち育む「土」とスピリット=気の流れである「風」とが結ばれて新しい暮らしや生業が産み出される「風地観」ツーリズムが、田園へのアメニティ・ムーバーを介して産業イノベーションをもたらすという理論仮説を提示した。