著者
久保田 浩史 渡辺 直勇 渡辺 涼子 佐藤 武尊 山本 浩貴
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.99-104, 2014-01-31 (Released:2015-01-31)
参考文献数
18

It is possible that quick reaction of the whole body is delayed during exerting muscle strength, and this effect is larger when exerting larger muscle strength. This study aimed to examine the defensive motion reaction time in judo competitors, while exerting different handgrip strengths. Subjects were 46 young males (mean age, 19.7 ± 1.3 years; mean height, 172.5 ± 4.6 cm; and mean weight, 79.0 ± 13.9 kg) with black belt in judo. They performed the defensive motion reaction time test exerting handgrip strength. They placed only one leg on a mat with a device measuring the whole body reaction time, grasped a grip strength device with one hand, and reacted to a light stimulus under each condition (different grip strength levels): 0%, 20-30%, 50-60%, or >80% of their maximal handgrip strength. One way analysis of variance was used to evaluate the significant differences among the means of the defensive motion reaction time values for each condition. On statistical analysis, the reaction time was significantly longer in the 20-30%, 50-60%, and the >80% conditions than in the 0% condition, and significantly longer in the >80% condition than in the 20-30% condition. The size of difference (effect size) between the 0% and the 20-30% conditions was small, and that between the 0% and the 50-60% conditions were moderate, and that between the 0% and the >80% conditions were moderate, and it tended to be larger with increasing handgrip strength exertion. Moreover, as the handgrip strength became larger, also the reaction time was significantly delayed (Y=9.6X+332.6). In conclusion, the defensive motion reaction time in judo competitors is delayed with handgrip exertion, and the delay is larger when larger strength is exerted.
著者
三日市 政司 加藤 滋 西塚 典生 高橋 章 佐藤 利三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.93, no.280, pp.79-84, 1993-10-21

直線状アンテナにパルスを給電した場合、終電点およびアンテナ素子の先端からパルスが放射される。従って放射電磁界はパルスの幅およびパルスの大きさの両面の考察が必要である。本論は特に、アンテナの素子軸方向の放射特性につき考察を行った。
著者
岡部 万喜 佐藤 啓造 藤城 雅也 入戸野 晋 加藤 礼 石津 みゑ子 小渕 律子 福地 麗 大宮 信哉 李 暁鵬 九島 巳樹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.190-210, 2014 (Released:2014-09-27)
参考文献数
25

近年,医療事故訴訟が絶対数の増加にとどまらず,相対的にも増加している.しかし,どのような事例で刑事責任を問われ,あるいは民事訴訟を提起されるかを,実際の裁判例と医療死亡事故解剖例の両面から分析した報告はみられない.本研究では医療訴訟が提起される確率の高い,医療死亡事故と重い後遺障害が残った事例の判例を分析するとともに,法医学講座で扱われた医療関連死の解剖12例を分析することにより,どのような事例で刑事責任を問われるか,あるいは高額な損害賠償を命じられるか,もしくは低額の慰謝料の支払いにとどまるか,さらに,まったく責任を問われないか,裁判と解剖の実際例の分析をもとに同種の事故発生および訴訟提起を予防することに重点を置いて検討した.その結果,まず判例の分析から,診療を拒否すると民事責任を問われる可能性があること,患者本人に詳細な病状説明が困難な,たとえば末期がんの事例では家族への説明義務を果たさないと民事責任を問われること,昭和末期から平成10年代にかけ癌の告知が家族主体から本人主体へと移行し,時代の変化に対応した告知を行わないと民事責任を問われること,その時点での医療水準に適った医療を行わないと民事責任を問われること,治療に際し,患者は医師に協力しないと損害賠償・慰謝料の支払いを受けられないこと,医療行為と患者の死亡との間の因果関係の存在が証明されなくても,医療水準に適った医療が行われていれば,患者がその死亡の時点で,なお生存していた可能性が証明されるときは医師が不法行為による損害を賠償する責任を負うこと,看護師の薬物誤認が原因の過誤であっても指示した医師も民事責任を問われる可能性のあること,医師の指示自体が誤っていても,それを医師に確認せず,そのまま処置をした看護師にも民事責任が問われること,医療過誤刑事裁判では「疑わしきは罰せず」という刑事裁判の鉄則が適用されず,被告の過失というより医療機関の設備や医療システムの問題が主因の場合でも直接,医療行為に当たった医師,看護師が刑事処罰される危険性があること,重大な過誤の場合,主治医だけでなく,指導医,さらに診療科長まで刑事処罰される危険性があることなどが明らかとなった.次に,解剖例の分析から,事故および訴訟の予防対策として,医師は看護師から要請があったら必ず真摯に診察すること,医師は常に患者の急変の可能性を念頭におくこと,看護師も患者の病状を常に念頭に置き,当直医に連絡して診察がないときは主治医まで連絡すること,医師は必要でない治療を行わないこと,医師は自分の専門領域の疾患だけにとらわれず,患者の全身,心の中まで診ること,腹痛や頭痛を訴える患者には医師も看護師も特に慎重に対応することなどが挙げられた.以上の結果から,民事訴訟の発生を防ぐには,医師や看護師らの医療従事者は至誠一貫の精神のもと,常に患者および家族に対して誠実に対応するとともに,医療従事者間の壁を取り除き,チーム医療によるダブルチェックシステムを構築することが肝要であると考えられる.
著者
石田 常博 小川 徹男 星野 和男 阿部 展祐輝 佐藤 浩司 中村 敬 細野 治 飯野 佑一 川井 忠和 泉雄 勝
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1191-1197, 1986-10-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2

群馬県下における甲状腺癌集団検診を1980年から県対ガン協会と協力し,乳癌検診と同時に実施してきたので, 5年間の成績結果を報告する.受診者総数は91.787名(実人数54,625名)で,一次検診の異常者は4.6%,要精検者は2.4%であった.甲状腺癌は133例(乳頭癌117例,濾胞癌15例,髄様癌1例)発見され,発見率は0.14%,実人数に対して0.24%であった.初回受診者は繰り返し受診者よりも2倍発見率が高い.集検癌の82%が甲状腺腫に気付いていなかった.腫瘤径は2cm以下が65.5%を占め, 1cm以下の微小癌が22.6%にみられた.教室外来例に比して,リンパ節転移程度も少なく,甲状腺内に限局しているより早期の癌が多かった.転帰はリンパ節再発1例,残存甲状腺再発1例,交通事故死1例の他は健存であり,きわめて予後良好であった.甲状腺癌の集団検診は早期発見,早期治療上,有意義であり,今後さらに普及させるべきものと思われる.
著者
久保田 潔 青木 事成 漆原 尚巳 鍵村 達夫 景山 茂 小出 大介 古閑 晃 佐藤 嗣道 中村 敏明 中島 研 畑中 直也 平河 武 宮川 功 望月 眞弓
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.57-74, 2014-06-30 (Released:2014-08-13)
参考文献数
22
被引用文献数
5 4

日本薬剤疫学会では,医薬品リスク管理(Risk Management Plan:RMP)を作成,実行する側の製薬企業と医療現場およびアカデミアからなるタスクフォースを設置し,2012年4月に厚生労働省より発出された医薬品リスク管理計画指針通知に明記されているICH E2E に準拠した安全性監視計画(Pharmacovigilance Plan:PVP)が立案可能となるようなガイダンスを作成した.内容は以下の 6つから構成されている.1.はじめに:市販後安全性監視に係るこれまでの当学会活動や,活動の目的2.安全性検討事項(Safety Specification:SS)の選択と特徴を記述するためのプロセス・SS をどう選択するか・SS をどう特徴付けるべきか・リサーチ・クエスチョン(Research Questions:RQ)にどうつなげるか3.RQ の決定と記述・RQ とは何か・各種ガイドラインではどう扱われているか・PVP へ RQ を記述する方法と具体的事例・PVP 全体としてみた最適とは4.RQ に最適化された PVP・通常の PVP で可能か,追加の PVP が必要か・追加の PVP のデザインの選択について(RQ と研究デザイン,PICO を用いた RQ の記述,評価の指標)・PVP の記載事項チェックリスト作成について5.結語:使用成績調査の位置づけ,背景発現率と比較群の必要性,今後の PVP の課題6.別添:PVP の記載事項チェックリスト以上をもって医薬品リスク管理計画指針に明記されている「ICH E2E ガイドラインに示されている安全性検討事項及びそれを踏まえた医薬品安全性監視計画」が作成,実行できることを期待したい.
著者
佐藤 陽子 中西 朋子 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.321-332, 2014 (Released:2014-08-08)
参考文献数
25
被引用文献数
2

目的 葉酸には天然型と合成型(folic acid)がある。胎児の神経管閉鎖障害(NTD)リスク低減に対する葉酸摂取の意義は明確で,妊娠可能な女性には利用効率の良い folic acid 摂取が推奨されているが,我が国の NTD 発症率に減少傾向はみられない。本研究は,妊婦における葉酸の摂取時期や摂取量に関する認識と folic acid 摂取行動に影響を与える要因を全国規模で明らかにし,現状の問題点を把握することを目的とした。方法 2012年 1 月に,インターネットを用いた質問調査を実施した。調査会社の登録モニターである20~40代の妊婦2,367人を対象とし,1,236人から回答を得た。調査項目は,属性,葉酸および胎児の NTD に対する認識と行動,サプリメント利用状況とした。妊娠 3 か月までの folic acid 摂取行動と他項目との関連を,クロス表における χ2 検定にて,また,属性との関連については,非摂取群を基準としたロジスティック回帰分析にて検討した。結果 85.2%の妊婦が妊娠中に意識的に葉酸を摂取しており,その多くは妊娠 1 か月以降から,錠剤・カプセルなどのサプリメントから folic acid として摂取を開始していた。妊娠 3 か月までの folic acid 摂取行動は,葉酸に関する認識,サプリメント利用経験と関連が認められ,さらに,若年,第 2 子以降の妊娠であることが負の影響を示した。結論 多くの妊婦が妊娠中に folic acid をサプリメントから摂取していたものの,その開始時期は NTD リスク低減のためには遅すぎることが示された。今後の NTD 予防のための folic acid 摂取の対策として,経産婦も対象に含めた正確な情報提供の他,folic acid を添加した加工食品の利用の推奨,食材への folic acid 添加の推進など,新たな対策に向けた検討が必要である。
著者
田中 秀数 小野 俊雄 栗田 伸之 佐藤 卓
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

我々はフラストレーションの強いスピン系での顕著な量子効果を調べた。まず,我々はBa3CoSb2O9の磁化過程を測定し,全磁場領域で磁化曲線が理論と一致することより,この物質が理想に近いスピン1/2三角格子反強磁性体であることを示した。続いて,スピン1/2籠目格子反強磁性体Cs2Cu3SnF12の磁気励起を中性子非弾性散乱で測定し,励起エネルギーが通常とは逆に,スピン波理論で求めた値よりも大きく減少する負の量子再規格化現象を発見した。更に,新規ダイマー磁性体Ba2CoSi2O6Cl2を合成し,その強磁場磁化過程を測定することより,磁場中でマグノン結晶ができることを見出した。
著者
松野 渉 本田 咲美 池内 有為 佐藤 翔 逸村 裕 Matsuno Wataru Itsumura Hiroshi
出版者
日本図書館情報学会
巻号頁・発行日
2012

2012年日本図書館情報学会春季研究集会. 三重大学, 2012-05-12
著者
佐藤 環
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究においては、近代日本における中等学校学科課程への弓道教育導入過程に関してその歴史的特質を考察した。まず、学科課程に弓道教育が導入可能となった昭和戦前期の全道府県の学校種ごとに実施状況をデータベース化して全体像を明らかにした。次に山形県を事例とした旧制中学校の弓道教育については、山形県中等学校体育連盟主催の体育大会で活躍することを目標にして活性化がなされた。最後に、東京府、茨城県および新潟県における高等女学校では、殆どの学校で弓道部活動が行われており男子校に比べて活発であった。戦前期中等学校における弓道教育は、主として女子中等学校に浸透していたことが明らかとなった。
著者
杉本 雄太郎 佐藤 有理
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

メンタルモデル理論はJohnson-Lairdらにより提案された、推論の非言語表現に基づく認知システムである。一方で、この理論は数理論理学的概念を用いた応用理論でもあるため、経験的な妥当性だけでなく形式理論的側面についても議論されてきた。本研究は、最近のメンタルモデル推論のプログラム実装や図的推論研究を基に、量化文から成る三段論法推論の範囲におけるメンタルモデル推論について形式化を行う。
著者
佐藤 雪太 萩原 未央 山口 剛士 湯川 眞嘉 村田 浩一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.55-59, 2007-01-25
被引用文献数
3 15

日本の野鳥に感染が見られたロイコチトゾーン(Leucocytozoon spp.)の分子系統関係の解析を試みた.血液塗沫観察によりロイコテトゾーン感染を確認した北アルプス立山および爺ヶ岳に生息するライチョウ9個体および兵庫県内で保護された野鳥7種13個体(ハシブトガラス4羽,ハシボソガラス2羽,コノハズク2羽,ヤマドリ1羽,イカル1羽,ホンドフクロウ1羽,ヒヨドリ2羽),計22個体の血液からDNAを抽出した.次いでロイコチトゾーンのミトコンドリアチトクロームb(cytb)の部分塩基配列に基づきプライマーを設計し,nested PCRで特異的増幅を試み,増幅産物のシーケンスを決定して配列比較を行った.その結果,ライチョウ9個体すべて(100%),その他の野鳥(ハシブトガラス,ハシボソガラス,イカル,ヒヨドリおよびコノハズク)13個体中11個体(84.6%)でPCR増幅が見られた.増幅されたcytb部分塩基配列約465bpを用いて系統樹を構築したところ,ライチョウと他鳥種寄生のロイコテトゾーンとの間で大きく分岐した.本研究は,日本における野鳥寄生ロイコチトゾーンを分子系統学的に解析した初めての報告である.
著者
佐藤 裕幸 近山 隆 石橋 弘義 吉田 かおる 内田 俊一
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.65(1986-DPS-031), pp.1-8, 1986-09-29

SIMPOSは、ICOTで開発された個人使用向逐次型推論マシンPSIのオペレーティング/プログラミング・システムであり、以下のような特徴を持っている。・論理型言語にオブジェクト指向機能を付け加えたプログラミング言詔ESPによりすべて記述されており、ESPの提供する継承の機能を用いることにより、ユーザはOSの機能を自由に活用することができる。・ウィンドウ・システムを中心とした高度なマンマシン・インタフェースとESPに適した豊富なデバッグ機能を提供している。・個人使用向のワークステーションの弱点を補うためにネットワーク機能を強化しており、資源の共有化を促進している。SIMPOSは1983年5月から開発が開始され、現在、約40人のメンバーで第3.0版を開発中であるが、その規模はソース・プログラムの行数にして20万行を越えるものになっている。また、PSIはICOT 関連メーカ 大学等で利用されており、その数は今年度中に100台を越えようとしている。本報告では、SIMPOSの提供する機能の概要及びユーザ・インタフェース,ネットワーク機能を中心に報告する。