著者
大坂 友和 前田 良輔 坂東 敏博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.693, pp.41-48, 2002-02-28
被引用文献数
1

表情を伴った顔画像から感情を判断する際に,瞳孔径が及ぼす影響を調べた.喜び,怒り,恐怖の表情を持つ顔画像をもとに,瞳孔径を3段階(大,中,小)に変化させた顔画像の対を被験者に提示し,各感情の現れ方を順位付けしてもらった.その結果,喜びと恐怖の顔画像の感情評価では瞳孔径「大」の順位が高くなり,怒りの感情評価では一部の群で瞳孔径「小」の順位が高くなった.この結果は,顔の感情評価に瞳孔の大きさが影響していることを示し,各感情に伴う瞳孔径変化の特徴を反映した顔画像がより的確に感情を伝える可能性のあることを示唆している.
著者
高本 恵介 伊藤 雄一 前川 拓也 玉田 清貴 前田 貴司 岸野 文郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.21, pp.69-72, 2009-06-08
被引用文献数
1

紙をやぶるという行為は日常生活において誰もが体験したことのある行為である.場合によってはこれを楽しんだり,ストレスを解消したりする.そこで本研究では,この現象に着目し,あたかも紙をやぶいているかのような触感覚を繰り返し,そして正確に提示する手法を提案する.提案手法では,紙の引き裂き抵抗力の時間的変化を正確に再現するために,マジックテープおよびDCモータを用いる.そして,提案手法に基づき装置を試作し,ユーザから得られた意見について考察する.
著者
前田 智雄 前川 健二郎 戸田 雅美 大島 千周 角田 英男 鈴木 卓 大澤 勝次
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.83-89, 2008-06-01
被引用文献数
2 4

種々の光源の組合せによる補光がブロッコリースプラウトの生育およびポリフェノール含量に及ぼす影響を効率的に検討することを目的として,商業生産システムを模した実験装置を設計,製造した.ブロッコリースプラウトの胚軸長,生重,乾物重および総ポリフェノール含量に及ぼす種々の波長の蛍光管の組合せによる補光の影響を検討した結果,48時間の補光後に,1)白色蛍光管とブラックライト(UV-A);2)赤色蛍光管とブラックライトの組合せにおいて総ポリフェノール含量が暗黒や商業生産レベルの光強度に対して有意に高まった.一方,胚軸長はやや短くなったが乾物重には有意差は認められなかった.このことから,ブラックライトを組み合わせて補光を行うことで,抗酸化能を高めたスプラウトを収量や外観品質を損なうことなく生産できるものと思われる.
著者
西村 ユミ 前田 泰樹 前田 泰樹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、看護場面として急性期医療の現場に注目し、そこでの実践がいかに成り立っているのかを記述することを目的とした。研究期間内においては、おもに、患者の苦痛の理解という実践に注目した。看護師たちは、観察や評価に先立って、患者の痛みの経験を理解しはじめていた。この理解は、患者の痛みに応じようとする行為的な感覚や、具体的な行為とともに成り立っていた。そして、この行為を交換することによって、看護場面における協働が達成されていた。
著者
九鬼 克俊 柿木 達也 高宮 静男 前田 潔
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.33-53, 2001-12-20
被引用文献数
1

阪神淡路大震災の高齢者における精神疾患への影響を明らかにするため, 被災地中心部と周辺部に位置する総合病院精神科外来を受診した65才以上の高齢者の特徴を, 外来診療録をもとに後方視的に調査した。中心部, 辺縁部ともに痴呆・せん妄, 気分障害が多く, さらに, 中心部では身体表現性障害が, 周辺部では post-traumatic stress disorder (PTSD), acute stress disorder (ASD) を含む不安障害が多数を占めていた。地震後, 周辺部病院群ではPTSD・ASDの有意な増加がみられた。震災を契機に発症した例では, 痴呆・せん妄および身体表現性障害は周辺部病院群より中心部病院群において有意に高率で, PTSD・ASDは逆に中心部病院群より周辺部病院群において高率であった。被災地中心部では, 痴呆の顕在化に対処する体制が必要とされるとともに, 精神的ストレスが身体症状として現れることが多いため, 身体科と精神科の連携を強化する必要があると思われた。周辺部でPTSD・ASDの受診率が高かったことは, 避難先での精神保健活動の必要性が高いことを示唆していると考えられた。
著者
長谷川 正 松川 正樹 鎌田 正裕 新田 英雄 犀川 政稔 真山 茂樹 長谷川 秀夫 原田 和雄 中西 史 松川 正樹 長谷川 秀夫 新田 英雄 鴨川 仁 小川 治雄 前田 優 犀川 政稔 吉野 正巳 真山 茂樹 原田 和雄 中西 史 土橋 一仁 西浦 慎吾 鎌田 正裕
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

理科の実験・観察を児童・生徒に印象づけるための動的実験・観察教材として,室内用を29件,野外用を3 件開発した.そして,それらを授業実施するため,教師,児童・生徒,保護者,地域のボランティアと大学教員や学芸員,学生としての院生と学部生からなる室内型と野外型の支援システムを構築した.さらに,学生・院生の科学コミュニケーターとしての意識を高めための,支援システムを活用した科学コミュニケーター育成プログラムの開発を試みた.
著者
福井 和広 山口 修 鈴木 薫 前田 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.613-620, 1999-04-25
被引用文献数
85

顔画像認識において照明変動に対するロバスト性は不可欠な特性である. 本論文では"制約相互部分空間法"を用いた照明変動にロバストな顔画像認識法を提案する. 制約相互部分空間法は, パターン変形に対する高い吸収能力をもつ相互部分空間法の拡張で, 前処理として"制約部分空間"に射影された入力部分空間と辞書部分空間のなす最小角度を類似度と定義する. ここで制約部分空間を照明変動成分が含まれない部分空間とすれば, 最小角度, つまり類似度は照明変動に影響されないことになる. この要求を満たすために, 異なる人物の顔パターン分布を表す二つの部分空間に対してその差異を表す"差分部分空間"を導入する. これを同じ照明条件で生成した様々な人物の部分空間の組合せに対して求め, 求めた差分部分空間の集合の主成分空間を制約部分空間とする. 照明条件が大きく異なる顔画像を用いた評価実験により提案法の有効性を示す.
著者
小海宏之 前田明子 山本愛 加藤佑佳 岡村香織 園田薫 安藤悦子 岸川雄介
出版者
花園大学
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.91-96, 2010-03

本研究は、小海ら(2000 ,2004,2008)による日本語版 Mini-Mental State Examination(MMSE)の検出力と特異性を明らかにした。この MMSEの cut-off値を 24/25点とした場合、感度 0.837、特異度 0.957となり、臨床群( amnestic Mild Cognitive Impairment; MCIと probable Alzheimer's Disease; ADを含む)と健常群を判別するためのスクリーニングテストとして、十分な検出力と特異性を有することが示唆された。しかし、同様に 26/27点を cut-off値とした場合、感度 0.889、特異度 0.739となり、amnestic MCI群と健常群を判別するためのスクリーニングテストとして、十分な検出力と特異性を有するとは言い難く、他の認知機能検査による精査を行う必要性があることが示唆された。
著者
笹田 耕一 松本 行弘 前田 敦司 並木 美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.57-73, 2006-02-15
被引用文献数
5

本稿ではオブジェクト指向スクリプト言語Ruby を高速に実行するための処理系であるYARV: Yet Another RubyVM の実装と,これを評価した結果について述べる.Ruby はその利用のしやすさから世界的に広く利用されている.しかし,現在のRuby 処理系の実装は単純な構文木をたどるインタプリタであるため,その実行速度は遅い.これを解決するためにいくつかの命令実行型仮想マシンが提案・開発されているが,Ruby のサブセットしか実行できない,実行速度が十分ではないなどの問題があった.この問題を解決するため,筆者はRuby プログラムを高速に実行するための処理系であるYARV を開発している.YARV はスタックマシンとして実装し,効率良く実行させるための各種最適化手法を適用する.実装を効率的に行うため,比較的簡単なVM 生成系を作成した.本稿ではRuby の,処理系実装者から見た特徴を述べ,これを実装するための各種工夫,自動生成による実装方法について述べる.また,これらの高速化のための工夫がそれぞれどの程度性能向上に寄与したかについて評価する.In this paper, we describe the implementation and evaluation results of YARV, next generation Ruby implementation. The Ruby language is used worldwide because of its ease of use. However, current interpreter is slow due to its evaluation method. To solve this problem, several virtual machine designs were proposed, but none of them exhibited adequate performance/functionality combination. Our implementation, called YARV (Yet Another Ruby VM), is based on a stack machine architecture. YARV incorporates a number of optimization techniques for high speed execution of ruby programs. In this paper, we describe the characteristics of Ruby from implementor's point of view, and present concrete solutions for these issues as well as implementation of optimization techniques. We also show how each of these optimizations contributed to the speed-up.
著者
前田 勇樹 川畑 宗太
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.2161, 2024-03-31 (Released:2024-03-01)

琉球大学附属図書館では,2021年度からYouTubeによる情報発信を行っている。所蔵する貴重資料やデジタルアーカイブに関するコンテンツを中心にこれまでに100本以上の動画を公開した。本稿では,琉球大学附属図書館のYouTubeを活用した広報事業について,その経緯やコンセプトおよび実施中の事業を詳述し,現段階での外部からの評価をもとに課題を提示した。
著者
眞田 雅人 俵積田 裕紀 佐久間 大輔 本木下 亮 高橋 健吾 松山 金寛 前田 昌隆 東郷 泰久 小倉 雅 藤井 康成 永野 聡 小宮 節郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.661-663, 2017-09-25 (Released:2017-12-14)
参考文献数
3

今回我々は,巨大な痛風結節を生じ,手術加療を要した症例を経験したので報告する.症例は37歳男性.20歳の時に痛風と診断された.度々痛風発作があったが放置.今回全身の関節に腫脹疼痛があり,手指の把握困難,起立歩行困難のため入院となった.四肢関節,特に両肘,両膝,左母趾には巨大な皮下腫瘤を認めた.両膝の関節液より尿酸Na結晶が検出され痛風関節炎と診断した.約2週間保存的に加療し全身痛は改善したが,左肘・手指・膝・母趾の疼痛が持続するため,痛風結節の掻爬術を行った.術後症状の改善がみられた.痛風の治療は,薬物療法が確立されており,痛風結節を生じる症例は稀である.痛風結節に対しては薬物療法が基本であるが,抵抗性の場合は手術が必要となる.本症例は,薬物療法に抵抗し,疼痛・機能障害が改善しないため手術を行った.尿酸値は徐々に改善しており,手術が尿酸代謝の改善に好影響を与えたものと考える.
著者
平尾 千波 後藤 美樹子 池島 巌 大島 朋子 湯浅 茂平 向後 生郎 亀井 優徳 五味 一博 前田 伸子 新井 高 桃井 保子
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.255-263, 2009-06-30 (Released:2018-03-30)
参考文献数
23

本研究では,古くから飲料・食品として親しまれてきたココアを含有した試験研磨材を試作し,その有用性について,ウシ歯を用いたin vitro試験と臨床試験によって検討した.In vitro試験では,試験研磨材として,純ココア(森永製菓)を蒸留水に縣濁させ,0.2g/mlココア溶液(ココア研磨材)を作製した.比較対照として,0.2g/mlリン酸水素カルシウム水溶液(リン酸水素カルシウム研磨材)と,蒸留水を用意した.ウシ抜去歯を紅茶液に浸漬し,歯面を着色させた.ココア研磨材,リン酸水素カルシウム研磨材,蒸留水の3グループにウシ歯を分類し,各試験研磨材を用いて研磨を行った.研磨は,ウシ歯唇面の被験部位に対し,ポリッシングブラシにて,同一条件下で行った.着色前,着色後,3分間研磨後,6分間研磨後において,被験部位を分光式色彩計にて測色し,CIEL*a*b*で表示した.着色後と3分間研磨後の色調,着色後と6分間研磨後の色調それぞれについて色差(ΔE*ab)を算出し,各試験研磨材の違いについてTukeyの多重比較を行った(α=0.05).さらに,ココア溶液による歯面の着色が生じるか否か検討するため,ココア溶液(4g/100ml)を作製し,別に準備したウシ歯を浸漬した.ココア溶液浸漬前後の色調変化を,紅茶液に浸漬前後の色調変化と比較した.臨床試験では,ココアパウダー含有の試作歯磨剤を使用する被験歯磨剤群と,ココアパウダー不含有の試作歯磨剤を使用するプラセボ群に被験者を分け,1ヵ月間使用した前後の前歯の色調の測定と,プラーク指数(PLI,Silness&Loe法)の判定を同一評価者により行い,二重盲検法により比較検討した.結果は,Mann-Whitney U testで解析した(α=0.05).In vitro試験の結果,ココア研磨材による研磨前後の色差は,蒸留水による研磨前後の色差に対し有意に大きい値を示した.ココア研磨材による研磨前後の色差と,リン酸水素カルシウム研磨材による研磨前後の色差に有意差はなかった.各試験研磨材の研磨前後の色差は,3分間研磨前後,6分間研磨前後の間で大きな変化はみられなかった.また,ココア溶液にウシ歯を浸漬した場合,紅茶とは異なり,ほとんど着色は生じなかった.臨床試験の結果,試験期間前後における歯の明るさの差とプラーク除去効果は,被験歯磨剤群とプラセボ群の間に有意差は認められなかった.以上の結果より,ココアパウダーを含有した試験研磨材は,歯面着色除去効果を有することが示されたが,歯磨剤への臨床応用試験において,今回の試験条件下では有意差を認めるまでにはいたらなかった.
著者
鈴木 智晴 藤井 雅文 村上 光平 中本 浩揮 前田 明
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.79-87, 2019-06-17 (Released:2019-06-25)
参考文献数
8
被引用文献数
2

One of the important roles of a baseball catcher is to check whether an opponent is trying to steal a base. This checking action must occur as part of other events: a quick throwing action (short operation time), a high ball speed (short duration of ball flight), and accurate tagging (the time from the fielder catching the ball to touching the opponent runner is short). In other words, in order for the catcher to check whether an opponent is trying to steal a base, it is necessary to shorten the time between catching the ball and when the fielder touches the opponent runner. However, the relationship between the time and the possibility of checking for an attempt to steal a base and the influence of each phase on the steal check rate have not been examined. The present study investigated the relationship between the time required to prevent a steal and the steal check rate of a baseball catcher using video recordings. The video recordings used for our analysis were videos of steal check successes and failures in exhibition and official university and amateur baseball games, with a focus on runners attempting to steal second base. We classified Motion Time as the period from catching the initial pitch to ball release, Ball Time as the period from ball release to ball arrival at second base, and Touch Time as the period from ball arrival at second base to the fielder touching the runner; the sum of these 3 phases was defined as All Time, and the sum of Motion Time and Ball Time was defined as Pop Time. We constructed 3 models in which the success or failure of the steal check was set as a target variable and each phase time as an explanatory variable, and performed logistic regression analysis on each model. As a result, we clarified that the baseball catcher could check for a steal if the All Time was less than 2.429 s, and there was a significant negative correlation between the steal check rate and All Time. In addition, among the three phases, Touch Time had the greatest effect on the steal check rate. Therefore, it was suggested that accurate throwing is the most important factor in preventing a steal to second base.
著者
前田 寿美子
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.63, no.Supplement, pp.832-834, 2023-11-02 (Released:2023-10-27)
参考文献数
5