著者
伊香賀 俊治 村上 周三 加藤 信介 白石 靖幸
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.535, pp.53-58, 2000
被引用文献数
23 14

Building sector has a heavy role to create sustainable society, because CO_2 emissions associated with construction and operation of buildings are estimated to be 1/3 of the whole CO_2 emissions in Japan. These CO_2 emissions were estimated from 1970 through 2050 and the following results were obtained. (1) CO_2 emission between 2008 and 2012 will increase by 15% than 1990 level. (2) CO_2 emission can be reduced by 6% between 2008 and 2012, and reduced by 40% in 2050, if the 30% energy saving, long life and environment-conscious materials are adopted to new buildings.
著者
高橋 俊守 加藤 和弘 上條 隆志
出版者
日本生態学会暫定事務局
雑誌
日本生態學會誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.167-175, 2011-07-30
被引用文献数
2

時系列的に観測した衛星画像を用いて、三宅島2000年噴火後の植生の変遷をモニタリングした。1994年から2009年にかけて、JERS-1/0PS及びTerra/ASTERによって観測された16時期の画像を用い、噴火前1時期および噴火直後2年まで、噴火後3~5年、噴火後6~9年の3時期分のNDVI画像に集成した。これらのNDVI画像をもとに、ISODATAクラスタリング法により教師無し分類を行った結果、NDVIの変遷パターンを分類することができた。分類された画像では、噴火後もNDVIの値が相対的に高く、噴火に伴う植生被害が相対的に少ない地域が認められた。これらの地域は樹林地を示しているが、NDVI値は徐々に減少する傾向が続いていた。一方で、噴火後にNDVI値が著しく減少し、その後増加に転じている、草地を示すグループが認められた。NDVI値の変化が植生のどのような変化に対応しているか検証するため、三宅島南西部の阿古地区において、噴火後に継続して実施されている11地点の植生調査の結果をもとに対応関係を評価した。植生構造を高木層、亜高木層、低木層、草本層に分け、それぞれの階層の植被率を合計した値とNDVIとの相関分析を行った。この結果、それぞれの階層の植被率を合計した値とNDVIにはいずれの時期においても有意な相関関係が認められた。ただし、それぞれの階層の植被率とNDVIの相関関係は、植生変遷の過程とともに変化し、一定でなかった。
著者
大塚 正彦 加藤 洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.1248-1256, 1992-05-01
被引用文献数
61

1946〜1988年の43年間に癌研病院で手術された大腸癌2,656例のうち,低分化腺癌あるいは未分化癌と診断されたのは64例であり,全切除大腸癌の2.4%である.平均年齢および男女比は通常の大腸癌と大差なかったが,発生部位別頻度は右側結腸29例,直腸24例,左側結腸10例,肛門管1例であり,通常の大腸癌に比べ右側結腸の頻度が高かった.この64例を癌間質が少ない順にmedullary(med),intermediate(int),scirrhous(sci)に分類すると,med群に比べて後2者でリンパ管侵襲,リンパ節転移,腹膜播種が多く,予後は有意に不良であった.int群とsci群の間に有意差は認めなかった.また,Grimelius反応,NSE染色さらに電顕により64例中6例(9.4%)に内分泌細胞癌が認められ,非常に予後不良であった.大腸の低・未分化癌は,(1)内分泌細胞癌(予後不良),(2)内分泌細胞癌以外のmed群(予後良好),(3)int群+sci群(予後不良)に分類することが可能で,臨床的に有意義であると思われる.
著者
酒井 悠輔 坂本 信介 加藤 悟郎 岩本 直治郎 尾崎 良介 江藤 毅 篠原 明男 森田 哲夫 越本 知大
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-65, 2013-06-30

飼育下でアカネズミ(<i>Apodemus speciosus</i>)の自然交配による繁殖を誘導できる飼育交配手法を検討した.巣穴環境を擬似的に再現することで繁殖が誘導できるとの作業仮説のもと,ケージ内の床敷きを覆うように板を設置した中蓋あり飼育ケージを考案した.季節的な環境要因の影響を考慮するため,自然環境温度・自然光周期条件である半野外飼育施設において中蓋あり条件と中蓋なし条件で交配実験を行った.さらに環境条件が一定の室内飼育施設においても中蓋あり条件で交配実験を行った.その結果,半野外飼育施設の中蓋なし条件で雌個体の妊娠が確認されたのは11個体中1個体で1例のみだったのに対し,同施設での中蓋あり条件では9個体中4個体で6例の繁殖が誘導された.さらに室内飼育施設での中蓋あり条件では10個体中4個体で12例の繁殖が誘導でき,繁殖したペアの多くが複数回の繁殖を行った.半野外飼育施設の結果から,飼育ケージに中蓋を設置し疑似巣穴環境を再現することで,飼育下においてアカネズミの繁殖が誘導できることが示唆された.さらに繁殖の誘導が困難とされてきた室内飼育条件においても,繁殖に適した物理環境条件下であれば中蓋を用いることで繁殖を誘導できることが明らかとなった.これらのことから,飼育下における本種の繁殖誘導には飼育ケージに中蓋を設置するという簡便な手法が有効であると考えられる.<br>
著者
加藤 美保子
出版者
北海道大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

2006年以降、ロシアは政治・経済関係を多角化することによって、中国中心のアジア戦略から「太平洋のロシア」戦略へ移行しつつある。本研究は、米国のアジア・シフトと中国による南シナ海や北極海への進出によるサブリージョン・レベルの緊張の高まりによって、ロシアの地政学的関心が大陸から沿岸・海洋へ拡大しつつあると同時に、日本やベトナムなどの地域諸国がロシアの戦略的価値を再認識している点も指摘した。
著者
中曽根 英雄 山下 泉 黒田 久雄 加藤 亮
出版者
Japan Society on Water Environment
雑誌
水環境学会誌 = Journal of Japan Society on Water Environment (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.374-377, 2000-06-10
被引用文献数
10 16

We found a special irrigation reservoir in which there are no algae, insects, or fish. Therefore, we have surveyed the water quality of an irrigation reservoir to find the reason for no living creatures. As the results of the survey, we found three factors such as high nitrate concentration, high aluminum concentration, and low pH value which will affect the lives of creatures in this irrigation reservoir. Among these three factors, the most important one is low pH in this irrigation reservoir. This low pH of the irrigation reservoir is derived from the overuse of nitrogen fertilizer at tea yards. About 1,000kg · ha<sup>-1</sup> · y<sup>-1</sup> of nitrogen fertilizer has been used to the tea yards for a long time. The remained nitrogen fertilizer which was not taken up by tea crop infiltrates through soils and enters into the ground water. This causes an over the Cation Exchange Capacity of soil and high aluminum concentration of this irrigation reservoir. To prevent this phenomenon from occurring, dozing lime under the root zone and reducing use of nitrogen fertilizer might be effective.
著者
加藤 孝明 塩崎 由人 渡邉 喜代美 中村 仁
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.489-493, 2011

一連の研究では, 海抜ゼロメートル地帯に位置する新小岩北地区において, 2006年度から住民参加型のワークショップを軸に, 市民の水害リスク認知の適正化, 対策の検討に取り組んできた.しかし, 取り組みへの参加者が町会を中心とした高齢者に限定されていることが課題であった, この課題を解決するため, 新たなリスクコミュニケーションツールを導入し, 新たに中学生を巻き込むワークショップを企画し, 地域内の多世代が相互に学びあえる教育プログラムを試行した.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
加藤 岳人 七野 滋彦 佐藤 太一郎 秋田 幸彦 河野 弘 梛野 正人 金井 道夫 三浦 由雄 片山 信 山本 英夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.735-739, 1983-04-01
被引用文献数
19

鈍的腹部外傷による小腸・腸間膜損傷の病型は,破裂・断裂・挫傷の3型に分類される.腸管の破裂や断裂は遅発性のものを除けば診断は比較的容易で,多くは開腹に至り救命しうる.一方,挫傷は症状も軽微で何らの後遺症も残さず治癒することが多い.しかしまれな合併症として遅発性穿孔や腸狭窄をきたす場合がある.今回われわれは外傷性小腸狭窄を呈した2症例を経験し,術前診断が可能であったので文献的考察を加えて報告する.
著者
中澤 篤志 加藤 博一 井口 征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2895-2906, 2000-10-15
被引用文献数
5

本論文は,複数のカメラエージェントの協調によって広域環境中の人物位置検出を行う「分散カメラシステム」について述べたものである.カメラエージェントは各々1台の固定カメラを持つ画像処理コンピュータで,リアルタイムで複数の人物を追跡できる.またそれらはネットワークを通じて他のエージェントと通信を行うことができる.カメラエージェントは環境中のさまざまな位置に設置されており,互いの観察領域は重なっていたり離れていたりすることがある.さらに一部のエージェントの動作停止や新たなエージェントの追加といったイベントに対処する必要がある.このような問題に対し本論文では,各エージェントが与えられた環境マップと互いの観察領域から人物の追跡プランを動的に生成することで,複数のエージェント間で連続的に人物を追跡・位置検出する手法を提案する.実験では,追跡軌跡の評価実験およびエージェントの追加や動作停止実験を行い本手法の有効性を確認した.This paper proposes the ``Distributed Camera System''that can detect human position in a wide area.This system is constructed of many ``camera agents'' and achieves a task due to cooperation.Camera agents consist of a camera and an image processor and a computer network connects them.They are placed in a real environment and their viewing areas are either overlapping or separated.Each camera agent makes plans using an environmental map and the viewing information of the agent.Using these plans,the system can continuously track a person across all the viewing areas of camera agents.In addition, this system is robust with respect to agent's failure.We tested this system in two aspects: the detected trajectories and the system's robustness.In this paper,we present the results of these evaluations, confirming the efficiency of our system.
著者
立野 昌義 雑賀 高 加藤 潔 水野 明哲
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.2-7, 1999-07-09 (Released:2009-04-10)
参考文献数
8

Excelにはマクロ用言語としてVBAが組み込まれており,データベース以外の用途にも数値計算・自動データ処理を目的とした道具にもなりうる.しかしながら,工学系学生を対象としたプログラミング言語教育にExcel VBAを適用する議論はなされていない.そのため,Excel VBAのプログラミング言語教育への適否とその教育効果を,数例の数値解法プログラムを作成する体験を踏えて検討した.この結果,Exce1の持つマクロ機能とグラフィックス機能を用いることで数値計算過程の動画処理が可能となり,計算過程や物理現象の理解を支援する等の効果が期待できる.プログラミング教育における学習意欲の高揚と自主学習への動機付けになりうる.さらに,数値計算アルゴリズムの理解を教育目標におけば,Excel VBAはプログラミング教育に十分適用できる.
著者
巻渕 有哉 加藤 晴久 米山 暁夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集 (ISSN:13434357)
巻号頁・発行日
no.2012, pp.7-3-1, 2012-12-18

For augmented reality system using optical see-through HMD, its calibration needs to be performed in advance and requires user's six-times pointing in the previous method. In this paper, we evaluate the previous method in the experiments and then propose an approach to perform calibration with less-times pointing.
著者
李 南赫 加藤 登 安永 廣作 中川 則和 新井 健一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.977-984, 1997-11-15
被引用文献数
1 1

It is known that in the gelation of salt-ground meat from walleye pollack surimi, favorable setting temperature appears to be at around 25°C, and the changing profile of gel strength of kamaboko gel as a function of setting at 40°C varies among the preparations of frozen surimi. At a setting temperature of 40°C, there was a general trend that the breaking strength of kamaboko gel formed from high grade surimi changed in a biphasic manner: on increase at an early stage of the setting and a subsequent decrease at a later stage, while the breaking strength of the gel from low grade surimi reduced in a monophasic manner.<br>We showed that there is a good correlation between the maximum value of breaking strength of kamaboko gel attained through the setting at 25°C and the changing rate of breaking strength of kamaboko gel as a function of the setting time at 40°C.<br>On the basis of these findings, we proposed a simple and quick method for evaluating the characteristic gelling ability of walleye pollack frozen surimi for practical use in a factory.
著者
青木 伸一 北田 敏廣 井上 隆信 加藤 茂 横田 久里子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

三河湾を対象海域として、気象、海象、陸域流出、内湾水質の4つの側面から総合的に温暖化影響について検討した。気象変動については、地表面近くの大気の安定成層化が夜間から早朝で進み化学物質の滞留が起こりやすいことを明らかにした。海象変動については、台風の大型化を見据えて2009年の高潮の特性を詳細に検討し、風場の急変が高潮の増幅要因となることを示した。陸域流出については、モデルを用いて地球温暖化による異常気象により栄養塩の流出が増大するこ可能性を示した。内湾水質については、観測値から0.024~0.06℃/年の水温上昇トレンドを示すとともに、貧酸素水塊の浅海遡上に対する風の影響を明らかにした。