著者
柿原 泰 藤岡 毅 高橋 博子 吉田 由布子 山内 知也 瀬川 嘉之
巻号頁・発行日
2018-05-27

会議名: 日本科学史学会第65回年会・シンポジウムS4「放射線影響評価の国際機関(UNSCEAR)の歴史と現在―東電福島原発事故の健康影響をめぐる日本の論争を理解するために―」
著者
森本 和滋 川崎 聡子 吉田 易範
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.64-77, 2015 (Released:2020-12-03)

For 20 years, the Ministry of Health, Labour and Welfare (MHLW, formerly Ministry of Health and Welfare (MHW)) has been trying to increase transparency of the review process for approving reports in order to promote the rational use of newly approved drugs and medical devices. The first Summary Basis of Approval (SBA) was published by MHW in 1994. In 1999, evaluation reports were prepared by MHW and the Pharmaceuticals and Medical Devices Evaluation Center to make them available to the public. In 2005, a notice from the Chief Executive of the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA) made procedures for public release of information on reviewing applications for new drugs. In 2006, 90 review reports of newly approved drugs and eight medical devices were revealed on PMDA websites. The dissemination of information by the United States Food and Drug Administration (FDA) and that of the European Medicines Agency (EMA) were studied and compared with that of the MHLW and PMDA. While common technical documents (CTD) for new drugs and summary technical documents (STED) for new medical devices have been released by PMDA, such documents are not released by the FDA and EMA. The European Public Assessment Report (EAPR) summary for the public is an interesting questionnaire approach that uses the What, How and Why format. Finally, future proposals for the next decade are also outlined. PMID: 26427100 [Indexed for MEDLINE]
著者
油尾 聡子 吉田 俊和
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-11, 2013 (Released:2013-09-03)
参考文献数
26

社会的迷惑行為の抑止方法には,禁止や制裁といった方法が取られることが多い。しかし,これらの方法は迷惑行為者の反発心を喚起させるため,長期的にみて抑止効果が弱い。本研究は,これらの方法の問題点を解決すると考えられる報酬による社会的迷惑行為の抑止効果を実証したものである。具体的には,社会的迷惑行為の行為者に対して認知者が好意の提供(親切な行動)を行うことによって,そうした行為が抑止されるのかどうかを検討した。好意を提供された迷惑行為者は,“好意を与えてくれた他者に対して,同様のお返しをしなければならない”という互恵性規範が喚起され,社会的迷惑行為を抑制すると予測された。大学生153名を対象とした実験室実験の結果,飲み物を振る舞ってもらうことを通して好意を提供された迷惑行為者の中で,特に,互恵性規範が喚起されやすかった人々は,社会的迷惑行為を抑制するよう動機づけられることが示された。最後に,好意の提供による社会的迷惑行為の抑止方法は,迷惑行為者と迷惑認知者の感情的反応と関係性の良好さをも配慮した長期的に有効可能性の高い方法であることが考察された。
著者
吉田 順 杉町 敏之 深尾 隆則
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.77, no.783, pp.4125-4135, 2011 (Released:2011-11-25)
参考文献数
15
被引用文献数
9 10

Energy consumption and CO2 emission are world-wide problems. In Japan, a new project for reducing CO2, called “Energy ITS project” has started since 2008 by NEDO (New Energy and Industrial Technology Development Organization). In this paper, a path following control method based on nonholonomic tracking control for autonomous drivinng of automotives is proposed to follow the determined path as accurately as possible. Path following control can treat the nonlinearities of the system, and it can follow the reference path more accurately. Different from tracking control, path following control separates velocity control and steering control. The performance of the designed control system which consists of a path following controller and a velocity controller is evaluated by simulation and experimental results.
著者
田中 幹人 石橋 真帆 于 海春 林 東佑 楊 鯤昊 関谷 直也 鳥海 不二夫 吉田 光男
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.71-82, 2022-04-28 (Released:2022-05-26)
参考文献数
27
被引用文献数
1

新興感染症であるCOVID-19に対処する中では,日々更新されるリスク知識を社会で共有し,また政策から個々人のレベルに至るまでリスクを判断していく必要があった。このリスク情報の流通と議論の場となってきたのは,もちろんメディアである。本稿では,我々の研究結果を基に,まず情報の送り手である新聞報道の傾向を振り返り,また情報の受け手である日本のメディア聴衆の相対的リスク観を把握する。そのうえで,ソーシャルメディアを含むオンラインメディア上でのコミュニケーションの成功例,失敗例を確認し,そこから教訓を得る。更にマス/オンラインメディアが複雑に絡み合う中で,COVID-19禍を通じて明らかになった感染者差別,ナショナリズム,懐疑論や隠謀論といった問題を確認したうえで,コミュニューション研究の知見を踏まえて,リスクのより良い社会共有に向けた方針を提示することを目指す。COVID-19という災害は,新興感染症として私達の医療・社会制度の刷新を求めているのみならず,コミュニケーションを通じたリスク対応のあり方についても大きな変革を求めているのである。
著者
吉田 学
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

多くの生物の受精時において、精子は卵へ走化性運動を示す。この現象は、卵を中心とした濃度勾配を形成している誘引物質を関知する精子上のセンサー分子が運動を制御していると考えられるが、分子機構に関してはまだごく一部しか解っていない。研究代表者の吉田らは、原索動物カタユウレイボヤの精子活性化・誘引物質が新奇の硫酸化ステロイドであることを明らかにし、SAAFと命名した。しかし我々の研究も含め、精子が誘引物質を認識するセンサーメカニズムについてはまだほとんど何も解っていない。そこで、これまでの知見及び構築した実験手法を用いて、受精時に見られる精子走化性現象において、精子がどのように空間勾配を形成する誘引物質を感知し、運動機能を変化させているかを解明することを目的とする。実験材料としては、既に誘引物質が我々の手で同定され、さらにゲノム解読も既に終了している原索動物カタユウレイボヤを用いる。今年度は特に精子誘引物質SAAFをセンサーする分子である精子上のSAAF受容体の同定に取り組んだ。まず候補分子として見つかっている370kDaタンパク質(P370)の精製法の改善行い、多量に精製することに成功した。そして、p370の同定をMALDI TOF-MSによって同定を行ったところ、細胞膜型カルシウムポンプであるPMCAであることを明らかにし、カタユウレイボヤPMCA(CiPMCA)を同定した。また、CiPMCA遺伝子はゲノム上1つで哺乳類と相同性が高く、少なくとも2つのsplicing variantがあった。このうち精子で高発現しているvariantを同定した。
著者
吉田 和佳奈 齋藤 栄 酒向 孫市 野田 政充 川口 諭 新井 一也 安齋 沙織 久保田 聡 渋谷 清 町田 充 堀野 忠夫 青木 学一 尾鳥 勝也
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.142, no.8, pp.893-900, 2022-08-01 (Released:2022-08-01)
参考文献数
12

“Leukerin® powder 10%” containing mercaptopurine (6-MP) is an oral anticancer drug that requires careful handling. As a powder formulation, there are risks of exposure due to scattering during dispensing and possible 6-MP contamination to other drugs due to adhesion to the packaging machine. We previously reported that wiping with an alcohol-containing towel is useful for removing scattered powder after dispensing. However, it is recommended to wipe disk-type powder-packaging machines with water instead of cleaning with the alcohol-containing towel. Hence, we scattered 6-MP powder 100 mg (total amount of 6-MP: 10 mg), and then wiped with water three times using different types of cloth each time. We confirmed that third time wiping cloth did not have any 6-MP. Furthermore, we confirmed that the adhering 6-MP could be removed by wipe-cleaning (water-wiping twice and dry-wiping once) after dispensing 6-MP powder at two pharmacies that routinely dispensed 6-MP powder using a disk-type powder-packaging machine. In addition, we confirmed the adhesion of 6-MP in parts of the machine not cleaned by wipe-cleaning and also in parts that were washed only with water, in both the pharmacies. Based on the above observations, we recommend the following steps for cleaning disk-type powder-packaging machines after dispensing 6-MP powder: (1) wipe-cleaning that includes water-wiping twice and then dry-wiping once, (2) cleaning all areas of the packaging machine, and (3) wipe-cleaning with water before washing with water.
著者
朱 成敏 小出 誠二 武田 英明 法隆 大輔 竹崎 あかね 吉田 智一
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.143-156, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)
参考文献数
19

本研究では農業ICTシステムのデータ連携における標準語彙として農作業基本オントロジーを提案する.農作業基本オントロジーは,様々な農作業に対して記述論理に基づく定義と構造化を⾏うことで,農作業名称が持つ意味の多様性を明確に記述している.また,同義語や関連情報も収録されており,データ間の連携や統合における基準情報として活⽤することができる.これにより,異なる農業ICTシステムからのデータを連携させて分析することが可能となる.さらに,農作業同⼠の意味関係を論理的に定義することにより,農業データの意味把握と分析も容易となる.農作業基本オントロジーはLinked Open Data(LOD)形式でも公開されており,相互運⽤性と機械可読性が確保されている.農作業基本オントロジーは農作物に関する情報や国内外の農業に関連する情報体系とも連携されており,⾼度な知識処理が可能な農業分野における知識基盤としての利活⽤が期待される.最後に農作業基本オントロジーの応⽤事例として統計調査の⾃動化とオントロジーによる農作業の推論を紹介し,その有⽤性と可能性について検討する.
著者
大久 長範 堀金 明美 大能 俊久 吉田 充
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.522-527, 2005-11-15
被引用文献数
4 4

1) 稲庭うどん, ナンバーワンひやむぎ, 讃岐うどんの圧縮強度 (低圧縮H1, 高圧縮H2) 及びその比 (H2/H1) を求めた.<br>2) 茹で30分後のH2は, ナンバーワンひやむぎで1.9N, 讃岐うどんで2.5Nでに対し, 稲庭うどんでは4N~7Nと大きな値であった. 時間の経過とともにH1とH2は変化するものもあったが, H2/H1比はほぼ一定の値となり, No1ひやむぎが約10, 讃岐うどん約8, 稲庭うどんが13~18であった.<br>3) 茹でた稲庭うどんをMRIにより観察したところ, 空隙があり, 空隙には水が進入していない状態が6時間に渡り維持された. ナンバーワンひやむぎや讃岐うどんにはこのような空隙が観察されなかった.
著者
佐藤 翔 吉田 光男 安蒜 孝政 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.157-162, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)
被引用文献数
1

本研究では情報探索行動の起点としてのWikipediaの有効性について検討することを目的に,日本語版Wikipediaの外部リンク約119万件について,URLの詳細やアクセス障害・リンク切れの状況について調査した.結果から,1)日本語版Wikipediaからのリンクの11%程度でアクセスに障害がある,2) edu,co.jp,go.jpドメインの外部リンクでアクセス障害が多い,3) 新聞社が運営するニュースサイトで特にアクセス障害が多いこと等を明らかにした.
著者
吉田 ゆか子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.11-32, 2011-06-30

モノやモノと人の関わりに注目する人類学では、人とモノの関係を主体-客体と位置づける一元的な視点に疑問を呈してきた。一方、仮面劇の世界では、演者は仮面というモノに導かれながら自分ではない何者かになろうとし、そこでは自己-他者(仮面)、人-モノ、主体-客体といった対立は常に揺るがされる。本論では、バリ島の仮面舞踊劇トペンに注目する。トペン上演を、具体的な人とモノとの相互作用によってたちあがるアッサンブラージュと位置づけその特徴を指摘し、またその中で演者と仮面の主-客の関係がどのように撹乱されるのかを考察する。くわえて仮面の物としての多様な性質(=物性)が、そのアッサンブラージュにいかに作用するのかを考察する。台本も大掛かりな舞台装置もなく即興的に演じられるトペンは、演者、仮面、伴奏楽器、伴奏者、観客が集うことから上演がたちあがる。先行研究によれば、上演中の演者は仮面を操りつつ仮面に操られるという二重の意識を有する。しかし、演技のモードによって、演者は仮面と一体化するよりも、むしろ仮面の物性を暴露するなど、両者の関係性は可変的である。また伴奏者や伴奏音楽との駆け引きや、移り気な観客たちの態度によって、仮面と演者のみならず、その他の人やモノの間の関係性もダイナミックに変化する。ここに発生的で移ろいやすく、脆さをも含むトペン上演というアッサンブラージュの特徴をみてとれる。本論では、その中で仮面が物理的に演者の身体に作用することや、不動で命なきモノであるという仮面の物性が、トペンの多様な表現と実践を生むことなどを指摘する。加えて、一定時間存在し続けるという物性をもつ仮面は、演技後も演者宅に持ち帰られて人々と関わる。この長期的に維持される仮面と人々とのもう一つのアッサンブラージュが、トペン上演というアッサンブラージュといかなる関係にあるのかを考察する。
著者
松尾 康弘 吉田 秀樹
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.61-68, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
25

近年、脳の認知機能研究が進み、リハビリテーションへの応用が多くみられるようになってきた。その認知機能の基盤である注意機能改善に対するModified attention process training(以下M-APT)が紹介され、その効果として、注意機能のみならず、社会的外向性等の改善までみられた報告がなされている。本研究はそのような背景から、注意機能が言語機能、コミュニケーション能力および知的機能に与える影響について検討した。方法は脳血管障害患者8名にM-APTを実施し、その前後において、注意機能検査、言語機能検査、コミュニケーション能力検査、知能検査を行った。その結果、知的機能検査以外の各検査結果が有意に向上した。以上から、注意機能向上は、言語課題の遂行・処理を促進させ、コミュニケーション能力の向上へ良い影響を与える可能性が示唆された。
著者
吉田 聖一
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.31-41, 2017-01-25 (Released:2017-03-04)
参考文献数
5

On April 17, 2013, a fire and explosion occurred at the West Fertilizer Company in West, Texas, USA. The violent detonation killed 15 emergency responders and residents and injured more than 260 people. The U. S. Chemical Safety and Hazard Investigation Board (CSB) released the report on the cause of this incident. The presence of combustible materials used for construction of the fertilizer grade ammonium nitrate storage facility contributed to the progression and intensity of the fire and resulted in the detonation. This paper describes the incident based on the CSB report.