著者
五條堀 淳
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

コーディング領域トリプレットリピートはタンパク質の構造中、不確定領域を形成する事が知られ、そのような領域は進化速度が速いと言われていた。本研究でトリプレットリピートの進化とタンパク質の構造の関連を調べた結果、霊長類における進化では、これまで言われていた事とは逆の、不確定領域になりにくいトリプレットリピートの進化速度が速い事が示され、霊長類特異的な進化の特徴が明らかにされた。
著者
堀井 俊章
出版者
国立大学法人横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は青年期における不登校傾向の測定に関する調査研究である。主な結果は次の通りである。すなわち、青年期の不登校傾向を客観的に測定する有用な尺度が開発された。尺度は心理測定尺度として一定水準以上の信頼性と妥当性を備えていることが確認された。また、新たに開発された不登校傾向尺度を用い、不登校傾向の規定要因が検討され、その結果に基づき、青年期における不登校問題を予防・支援するための指針が提示された。
著者
沢田 健志 須賀 卓 斉藤 正典 池田 哲臣 高橋 泰雄 影山 定司 大野 秀樹 大塚 国明 堀江 力
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.41, pp.1-6, 1998-08-21
被引用文献数
4

電気通信技術審議会において昨年9月策定された地上デジタルテレビジョン放送暫定方式の原案(伝送部分)の仕様に準拠した伝送実験装置を試作した。地上デジタル放送の標準化に寄与することを目的に、本装置を用いて暫定方式原案の動作検証と性能評価を行っている。ここでは、装置の概要について報告する。
著者
佐藤 道生 住吉 朋彦 堀川 貴司 陳 捷 山田 尚子 島田 翔太 山崎 明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、日本漢籍の中で明治期以降日本国外に所在を移し、現在も国外の公共機関に所蔵されるものについて書誌調査を行なうことを目的とする。2008年度から2011年度にかけて調査を実施した国外の日本漢籍所蔵機関は8箇所で、その内、アメリカ合衆国・カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館所蔵の日本漢籍については目録を編集し、貴重書の解題を作成した。
著者
淺間 正通 堀内 裕晃 山下 巖
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、電子辞書に依存する英語学習者の読解ストラテジーに焦点を当て、未知語推測における手掛かり処理(ワードアタック)が旧来の印刷体辞書利用時における辞書引きプロセスに比すと、著しく短絡的方途によるものであろうことを仮説設定し、その証明を行うとともに、電子辞書に付随する種々の問題点の所在をあらためて明確にし、その結果に基づいての辞書引き矯正のためのプログラム開発を行った。
著者
松元 順 金 桂花 堀口 泰久 内村 浩二 江頭 和彦
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.719-724, 2002-12-05
被引用文献数
7

鹿児島県大隅半島に位置する火山灰由来の茶園土壌を試料として,土壌の酸性化と養分保持力の関係を検討した.その結果:1)土壌の全炭素含量は茶園の樹齢及び窒素肥沃度及びCEC(pH7.0)とは正の相関を示す;2)一方,CEC(圃場pH)は9〜17mol_c kg^-1の範囲にあり,CEC(pH7.0)の19〜61%に相当する;3)CEC(pH7.0)の増加分は有機物由来と推察されるが,土壌pHの低下によりCEC(圃場pH)は相殺的に減少する;4)酸性化した土壌ほど水溶性塩基含量が高く,降水等により下層へ溶脱しやすい状態にある;5)強酸性化したクロボクでは,アンモニウム保持能が著しく消失するため,pH4.5までの酸度矯正によりアンモニウム保持能を回復する必要があることが明らかとなった.本研究で得られた成果は,今後の火山灰由来茶園土壌の長期にわたる肥培管理,土壌管理を考える上で重要な示唆を与える.
著者
宮島 朝子 堀田 佐知子 大島 理恵子 若村 智子 近田 敬子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は,健康レベルの異なる在宅高齢者を対象に,生活環境と生活リズムの実態を把握し,それらの関係性を「人間-環境系」の視点から分析することを目的として,平成14〜16年度の3年間にわたって行った。調査は2つの方向で進めた。一方は病院から在宅への環境移行に伴い,「在宅療養者」の生活リズムや心理・社会的な側面がどのように変化していくかを追跡した調査である。対象者の選定はH県内のリハビリテーション系病院の回復期病棟に依頼し,同院を退院した男女4名を対象として調査を行った。その内1名については,月1回1週間のデータ収集を行い,退院後4ヶ月間にわたる経過を追うことができた。もう一方は「在宅高齢者」,即ち自宅で健康的な生活を送っている高齢者の,生活リズムの実態を把握した調査である。対象者はH県立看護大学の「まちの保健室」の来談者の内65歳以上の男女9名と,A町睡眠を通じた健康づくり支援事業において,睡眠に関する個別支援が必要とされた8名の計17名を対象とした。これらの調査をもとに,報告書冊子は「在宅療養者」では,以下の3つの方向からまとめた。第1は4ゲ月間にわたってデータ収集を行った在宅療養者1事例について,病院から在宅への環境移行に伴う生活リズムの実態を分析し考察した。第2は同じ対象者が遭遇した住宅改修に焦点を当て,看護の視点からの改修に対する提案をまとめた。第3は同じ対象者とその介護者の夜間睡眠と心身機能の実態を分析し考察した。これらの研究を「人間-環境系」の視点からまとめると,環境移行に伴う在宅高齢者の生活リズムは身体機能の回復により徐々に整ってはいくがばらつきがあること,障害受容など心理的な側面の回復には時間を要し療養生活の初期に継続した支援が必要であること,介護をする家族は療養者の生活リズムに影響を受け十分な睡眠がとれていないことなど,生活環境と生活リズムは相互に影響を受けあっていることが把握できた。本研究の成果から示唆された諸課題について,今後さらに研究を発展させていきたい。
著者
小河 久朗 林崎 健一 黒倉 寿 佐野 光彦 馬場 治 堀之内 正博 小河 久志 KANGUWAN JUNTARASHOTE CHATCHAREE KAEWSURALIKHIT ANCHANA PRATHEP PRASART TONGUNUI
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

津波後の水産資源は回復しつつあるが、大型海洋植物の植生回復が遅れたところでのイカ・カニ漁業への影響は大きく、資源と漁業の回復への植生の重要性が分かった。一方、津波後、沿岸漁業と沖合漁業間に新たな漁場競合問題が発生しており、援助の不平等性と重複がこの問題の複雑化の一因であった。津波後の水産資源や漁業の回復には、植生に重点を置いた環境修復や零細漁民への被害実態に即した公平な援助の重要性を示唆した
著者
井堀 宣子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

テレビゲームに関する研究のメタ分析を2種類実施した.メタ分析は文献のレビューとは異なり,領域すべての研究を量的に統合することが可能な手法である.まず,テレビゲームと認知能力との関係を検討した研究についてのメタ分析についてだが,ここでは,テレビゲームが,空間認知,情報処理能力,創造性,論理性,学校成績,、言語能力などの認知能力にどのような影響をもたらしたかについて検討した研究を収集し,知見を統合することを目的とした.オンラインデータベース「PsycINFO」,「Science Direct」,、「ERIC」等を利用し,テレビゲーム(コンピュータゲームを含む)と認知能力に関するキーワードで文献を検索し,テレビゲームの使用を独立変数とし,認知能力の測定を従属変数とした研究を抽出した.このうち,メタ分析に必要な統計値が報告されていなかったり,理論的にメタ分析に使用できない統計値しか報告されていない研究は除外した.その結果,本研究で対象とした研究は,空間認知に関するものが研究,情報処理能力に関するものが2研究,学校成績に関するものが7研究,言語能力に関するものが4研究,数学的能力に関するものが3研究であった.各研究で報告されていた統計値を,メタ分析で扱う数値に変換し,効果サイズZ_<FISHER>を求めた結果,重み付けを行わなかった場合は,いずれの認知能力の効果サイズも有意ではなかったが,重み付けを行った場合では,空間認知,情報処理能力,言語能力については,正の有意な効果サイズを示し,学校成績,数学的能力については負の有意な効果サイズを示した.これらの結果から,テレビゲームの使用は空間認知,情報処理能力,言語能力については,それらの能力を向上させるのに役立つ可能性が示され,逆に,学校成績や数学的能力については,それらの能力を低下させてしまう可能性が示された.次に,テレビゲームと攻撃性との関係を検討した研究についてのメタ分析についてだが,ここでは,テレビゲームが攻撃性などにどのような影響をもたらしたか検討した日本における研究のみを収集し,実施している.攻撃性の他に,攻撃行動,向社会的行動,社会不適応,共感性などの変数に関する従属変数を扱った研究についても同時に検討している.こちらのメタ分析については現在も進行中である.
著者
田代 崇 上田 高徳 堀 泰祐 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.78, pp.27-33, 2006-07-13
被引用文献数
1

近年のWebページ総数の飛躍的な増加に伴い,歌詞や新聞記事の無断引用などの著作権侵害のWebページの数も増大している.そこで本稿では,著作権違反の疑いのあるページを自動検出するシステムを提案する.本システムではまず,検索ワードを,指定された文章を文節単位に区切り組み合わせることにより生成し、GoogleやYahoo!が提供しているWebサービスを用いて著作権違反の候補ページを収集する.次に候補ページを類似度をもとにランキングを行ない,ユーザーに提示する.ランキングに用いた類似度は文節をもとにした最長共通部分列から求める.評価実験を行った結果,歌詞,新聞記事,ブログ等からなるWebページをシードとして,著作権侵害ページを検出することができた.Due to explosive increase of the number of web pages, the number of copyright violation web pages, such as lyrics or news citation pages without permission, has also been increased. To solve this problem, we propose a system for detecting copyright violation web pages. The proposed system consists of three steps. Firstly, the system generates search keywords on phrasal units, called "bunsetsu", which are included in the "seed page." Secondly, on search keywords generated by the first step, the system gathers candidate of web pages violating copyright by using Google or Yahoo! web service. Finally, the system re-ranks the candidate web pages with similarity to the seed page. Here, we adopted "Longest Common Subsequence" of phrasal units, as a similarity measurement. Our evaluation confirmed that proposed system is able to extract copy violation web pages correctly.
著者
佐藤 忠信 小長井 一男 堀 宗郎 澤田 純男 本田 利器 盛川 仁 張 至鎬 濱田 政則
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、エジプト側研究協力者が主体となりナイルデルタを取り巻く地震活動資料の収集を行った。また、過去に発生しカイロ市に被害を及ぼした地震の断層破壊過程を明確にするとともに、将来発生する地震のシナリオを作成した。日本側研究分担者はエジプト側研究者の協力の下にカイロ市を取り巻く地域の詳細な地盤調査の資料収集を行った。収集した資料の内容は以下のようである。1.ボーリング調査(PS検層、サンプリングを含む)と室内試験2.微動調査および屈折法探査(板叩き)による地盤構造調査3.重力異常による深層地盤調査4.RI(ラジオ・アイソトープ)コーン貫入試験による浅層地盤物性調査さらに、得られた資料からカイロを含むナイルデルタ地帯の地盤構造をモデル化するとともに、エジプト側の研究協力者と共同して、ナイルデルタ地帯の地震危険度マップを作成した。特に、今年度は最終年度であるので、平成18年9月にエジプト国立天文台・地球物理学研究所を研究分担者全員と研究協力者1名の合計6名で訪問し、研究の途中経過発表会をエジプトで開催するとともに微動観測点の選定を行なった。また、カイロ内の特定構造物の耐震性能を評価するために用いる動的解析用の入力地震動のシミュレーション方について議論した。特定地点を選定し微小地震の観測を継続するためのプロジェクトを立ち上げた。そのために必要な予算措置をエジプト国家地震局に申請すると共に、エジプト国立天文・地球物理学研究所の地震観測網を利用してナイルデルタにおける微小地震活動を評価した。
著者
鈴木 文彦 堀田 光生 青木 孝之 土屋 健一 Francioni J.M. Lattanzi A.R. 本間 善久
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, 2003-02-25

ダイズ急性枯死症(SDS)の病原菌であるFusarium solani f.sp.glycinesのPCR検出をアルゼンチンにおいて検討した.プライマーには同菌のrDNA領域の配列に基づきO'Donnellらが設計したFSPF,FSPRを用いた.現地で採集したSDS病原菌と非病原性Fusarium属菌からそれぞれ抽出した全DNAをテンプレートにしてPCR反応を行った結果,前者からのみ特異的バンド(約950bp)が増幅されることを確認した.次に人工接種により感染したダイズ(播種後約4週間)を供試し,SDS病原菌の検出を試みた結果,発病した全ての個体において主根および側根から特異的なバンドが検出されたが,葉からは全く検出されなかった.-方,圃場から採取した自然発病ダイズについて根部からの検出を試みたが,常法のPCR反応では増幅産物はほとんど得られなかった.そこで上述の検出用プライマーとそれらの外側のプライマー(ITS5,NL4)とを組み合わせたNested PCR法で再検討した結果,主根上部からは58.8%の検出率で明瞭なバンドが増幅できた.
著者
堀池 元樹 笹岡 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.374, pp.7-12, 2002-10-11
被引用文献数
34

陸上移動通信における盗聴対策として,通信路の不規則変動に基づいて鍵配送なしで秘密鍵を共有する方式を提案した.提案方式は,時分割復信で通信を行うシステム形態を想定し,伝送路の遅延プロファイルを相互に測定し,時変周波数特性に変換し,鍵の生成と鍵共有を図るものである.また,提案方式では,鍵生成誤り対策として伝送路特性の測定時間差の補償,同期加算処理による雑音軽減,鍵の不一致の訂正法などを適用している.計算機シミュレーションの結果,現実的な条件設定の下で秘密鍵の共有が可能であることを確認した.