著者
奥野 利明
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)が様々な疾患に関わることが明らかにされ、腸内フローラと健康との関係が注目されている。腸内細菌叢が、多様な脂肪酸代謝物を産生することが明らかにされてきているが、それら脂肪酸代謝物の生体内における役割はほとんど明らかでない。本研究では、腸内細菌が産生する脂肪酸ライブラリーを用いてBLT2を活性化する新規脂肪酸を同定し、機能未知の新規脂肪酸代謝物の生理機能を明らかにする。
著者
奥野 武俊 中田 晃
出版者
独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構
雑誌
大学改革・学位研究 (ISSN:27583708)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.29-43, 2023-03-01 (Released:2023-03-31)
参考文献数
18

一般財団法人大学教育質保証・評価センターは,2019年8月21日に大学を評価対象とする機関別認証評価機関として文部科学大臣により認証され,最初の2か年度において合計12大学の評価に取組んできた。本稿では,認証評価制度が始まってからすでに三巡目の評価が取組まれていた時機に,一つの大学団体が,重要な受審先の評価事業の廃止への動きを危機と捉え,受審大学の立場から大学の質保証や認証評価の課題に取り組んだ経緯を振り返る。そのうえで,周回遅れで設立に至った新たな認証評価機関の評価の姿を概括し,新たに見えつつある認証評価制度の可能性について展望する。
著者
中原 一郎 森竹 浩三 半田 肇 小林 修一 長安 慎二 奥野 武彦 中野 善久
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.14-20, 1986-01-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
19
被引用文献数
1

ビタミンK欠乏性頭蓋内出血6例の臨床分析を行った結果, 適切な治療を行ったにもかかわらず, その臨床神経学的予後は不良であった. 微小脳血管構築の特殊性, 脳血液関門の未熟性など, 本症発症時期における小児脳の発達上の特殊性が, 本症の不良な予後ならびにその特徴的なCT所見に密接に関連するものと推定される. 以上の観点から, リスク児の早期のスクリーニング, ビタミンK製剤の予防的投与など, 本症の発症予防の重要性を改めて強調した.
著者
松原 誠二郎 寺山 慧 奥野 恭史
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.181-186, 2018-11-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
8

有機分子は、炭素および水素原子を基調としてわずか数種の原子から構成されているにも関わらず、構成原子の順列・組み合わせの結果、異なる機能をもつ分子を無限に設計することができる。それらを実際に合成する際には、まず逆合成と呼ばれる思考実験を行い、でき上がったパズルをピースに戻すように分割を続けて、入手可能な原料からの合成ルートを設計する。このルートに従った合成が実際にうまくいくかどうかは、最初の思考実験の質と精度に依存する。この逆合成では、過去のすべての有機反応データの利用が鍵となるので、AIを用いる手法により、さらに高度に行えるのではないかという期待が高まり、近年大きな進展が見られている。
著者
奥野 真之
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.649-658, 2015-12-01 (Released:2016-06-01)
参考文献数
17

A motion picture is comprised of multiple shots, and filmmakers have developed techniques for projecting smooth and continuous transitions of shots. One of these techniques is known as a matching-action cut in which a cut occurs in the middle of an event and successive shots are spliced. The present study consists of an experi-mental survey that assesses editing methods for making a seamless match-action cut. Participants viewed short movie clips of various events, with varying camera angles,with different timing of cuts, and with time-sequence manipulation of shot transition (straight-match, ellipsis, overlapping). Movie clips were presented in pairs and partici-pants determined which of each pair set of clips appeared continuous. Based on those decisions, psychological scaling was conducted taking effect of time-sequence manipula-tion into consideration. However, from the analysis, a general preference for a specific manipulation was not confirmed.
著者
福田 洋一 服部 晃久 奥野 淳一 青山 雄一 土井 浩一郎
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.1-13, 2022 (Released:2022-05-18)
参考文献数
29

National Institute of Polar Research (NIPR) has been conducting absolute gravity measurements not only at Japanese Antarctic research station, Syowa since early 1990s, but also other foreign research stations in Antarctica recently. To validate the absolute gravimeter employed, test measurements were conducted at the gravity point located at the machine shop in NIPR usually before and after the measurements in Antarctica. The observed gravity values at the point, however, often varied exceed the expected instrumental errors. To explain the causes of the large gravity variations, we compared the observed gravity values with the precipitations at three AMeDAS(Automated Meteorological Data Acquisition System)stations, groundwater levels at a Tokyo Metropolitan Government observatory, and the height data at four GEONET (GNSS Earth Observation Network System)stations. The result of the comparisons showed that 1) the seasonal or shorter gravity variations were mainly caused by the precipitations and the resultant soil moisture and/or shallow groundwater changes, and 2) the secular or longer period gravity variations were explained by the uplift after the 2011 Tohoku-oki earthquake and the long-term variations of the groundwater level at deeper depths. After removing these effects, the standard deviation of the gravity residuals was less than 3 µGal (1 µGal=10−8 m/s2).
著者
高橋 奎太 奥野 拓
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s2, pp.s142-s145, 2021 (Released:2021-12-10)
参考文献数
3

地域学習は、その地域に関する地理や歴史、文化を幅広く学ぶことができる授業であり、児童の身近な地域の社会的事象についての興味・関心を広げることができる。地域学習では、教員が副読本や複数のWebサイト上で収集した地域史資料を用いて授業を行っている。しかし、教員にとってWebサイトを横断して資料の収集を行い、教材を作成することは負担が大きい。そのため本研究では、Webサイト上の地域史資料を活用し、地域学習に必要な資料の探索が容易なシステムの構築を目指す。現在は、人物名や歴史的な出来事などの検索ワードから地域史資料を探索できる資料検索画面と閲覧中の資料に記述されている歴史的な出来事が起きた場所を古地図上から探索できる資料詳細閲覧画面を開発中である。
著者
隅蔵 大幸 奥野 龍禎 高橋 正紀 荒木 克哉 北川 一夫 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.224-228, 2013-03-01 (Released:2013-03-23)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

症例は76歳男性である.71歳より耳の奥でカチカチ鳴る音を自覚した.75歳から進行性の歩行障害が出現した.睡眠時も持続する約2 Hzの律動的な口蓋振戦と体幹失調をみとめ,脳MRIでは下オリーブ核のT2異常高信号と肥大,軽度の小脳萎縮をみとめた.近年,孤発性の変性疾患としてprogressive ataxia and palatal tremor(PAPT)という症候群が報告されている.診断にあたっては,多系統萎縮症,脊髄小脳変性症,成人型アレキサンダー病などの鑑別を要するが,本例では否定的でありPAPTに該当すると考えられた.本例の口蓋振戦は症候性と考えられたが,耳クリック音で発症した点が特異であった.
著者
加藤 伸子 奥野 智江 狩野 均 西原 清一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.1104-1112, 2000-04-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本論文では仮想都市生成の第1段階である道路網生成をL-systemで行う手法を提案する.ここ?linebreakでは実際の道路網が自己相似性を持つことから,自己相似図形の表現に適したL-systemを用いて道路網を生成する.すなわち,道路網の交差点の形状をL-systemの書き換え規則で表現し,確率L-systemを適用する.この際,その特徴の違いから,幹線道路網では枝分かれ型L-systemを,区画道路網では領域分割型L-systemを用いる.ここでは,道路網の生成手法と実際に道路網を生成した例について述べ,自動的に多様な道路網が生成できること,幹線道路網,区画道路網の2つの生成手法により,自然発生的で不規則なパターンの道路網と計画的で規則的なパターンの道路網が各々生成できることを示す.This paper proposes a novel method that enables automatic modeling of road networks that provides the basic structure of the virtual cities. We show a set of rewriting rules of an L-system works very well to produce realistic road networks including road shapes, block shapes, and graphical topology. The road networks are composed of two types of roads -- arterial roads which are generated by using the Tree L-system and access roads which are generated by using the Map L-system. The fundamental structure of real road networks and generation procedures for road networks are described. Examples of road networks verify following: various type of road networks can be generated, and both of the irregular pattern and regular pattern of the road networks are generated successfully by using Tree L-system and Map L-system respectively.
著者
奥野 瑛 三上 俊成 武田 泰典 田中 光郎
出版者
岩手医科大学歯学会
雑誌
岩手医科大学歯学雑誌 (ISSN:03851311)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.117-123, 2014

患児は6歳7か月の男児で, X線所見で上顎正中部に逆生の埋伏過剰歯を発見され近歯科医院より紹介来院し,当科にて上顎正中埋伏過剰歯の抜去を行った.同患者は, 2年半後,近医において,上顎右側中切歯と上顎右側側切歯の萌出遅延と診断されたため,その治療目的で,本院に再度受診した.側切歯は犬歯の圧迫により高度に歯根吸収を生じていた.そのため,中切歯をリンガルアーチならびにマルチブラケット装置による牽引を試みたが,中切歯の移動は認められなかった.その後, 2回中切歯の亜脱臼と外科的処置を併用し,牽引を続行したが,中切歯の挺出はみとめられず,抜歯に至った.抜去歯には遠心舌側歯頸部に陥凹が認められるとともに,病理組織所見では骨置換性の根吸収が生じていた.
著者
奥野
雑誌
自動車技術,講演会前刷集, 1992
巻号頁・発行日
vol.924, pp.117-120, 1992
被引用文献数
1
著者
奥野 淳也 岩井 将行 瀬崎 薫
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.42, 2013 (Released:2013-06-20)

SNSの普及に伴い,現代では日々膨大なデータが蓄積されている.これらのデータの中には,ユーザの行動や興味に関する情報が含まれている.ユーザに関する情報は,都市計画やマーケティング等の分野から注目され,様々なデザインにおいても重要視される.一方で,現代におけるリサーチ手法はパーソントリップ調査に代表されるようなアンケートやワークショップが主流である.これらの手法では参加者の偏り,コスト面,実施期間といった点における問題が指摘されている. このような背景を受けて,SNSやブログからの情報抽出に関する研究が活発に議論されている.これらの研究の多くが,特定のキーワードや人物,地域に関する情報に注目しており,ユーザが意識的に共有する情報だけでなく,潜在的に共有あるいは保持している情報に注目しているものは多くない.本研究ではユーザ自身のSNS上の情報に対する認識範囲に注目し,SNSにおけるユーザの情報の認識範囲を視覚的に把握する手法について提案し,評価を行った.その結果,ユーザが意識していなかったSNS上の情報を把握することができた.今後は考察により明らかとなった課題の改善と,より多くのユーザが利用できるようにアプリケーションを公開することで,行動情報に関するリサーチ手法の一助となるよう研究を継続したい.
著者
赤澤 堅造 奥野 竜平 一ノ瀬 智子 竹原 直美 松本 佳久子 益子 務
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.54Annual, no.Proc, pp.3OS2-3-5-1-3OS2-3-5-2, 2016 (Released:2016-11-19)
参考文献数
2

There is an important cohort study indicating that frequent performance of music instrument has the significant effect of reducing the risk of dementia in the elderly. We have been developing a novel electronic musical instrument Cymis (Cyber Musical Instrument with Score), showing that persons with neural or motor impairments such as cerebral palsy can play the piece easily. The aim of the present study is to develop a network system enabling the ensemble of the Cymis. Firstly we found that the elderly can play the Cymis easily under support of a music therapist. Secondly, four university students including two female majoring music and two beginners of music were able to perform ensemble with the Cymis, where two beginners watched guide of performance on the monitor. By measuring time differences in performances of four people, it was indicated that beginners also could perform ensemble with slight time differences against others.