著者
田崎 和江 馬場 奈緒子 佐藤 和也 奥野 正幸 福士 圭介
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.281-292, 2007-07-25
被引用文献数
3

2007年3月25日9時41分にマグニチュード6.9の地震が石川県能登半島を襲った.その折,水道が断水し,住民は周囲の井戸水,湧き水,山水を生活水として使用した.その水は地震直後から白色,灰色,茶色に濁り,2-3日から2週間続いた.本研究は被害地の住民からの聞き取り調査,現地における水質検査,採水試料を実験室に持ち帰り,蛍光X線分析,イオンクロマト分析,走査型電子顕微鏡観察を行った.地震前は中性であった井戸水が地震後にpH5.4-5.9と酸性になり,かつ, SO_4が非常に高くなり飲料不可となった.一方,中性であった温泉水がpH8とアルカリ性に変化し, NaCl含有量が高くなり,海水の浸入を示唆した.また,飲料水の6項目についての検査を行政に依頼したところ, 2箇所の水から基準以上の一般細菌と大腸菌が見つかり飲料不可となった.なお,この検査項目にはpHが含まれていないので,今後,災害時にはいち早く生活水についてpHや集落形成単位(CFU)を含めた水質検査が必要である.さらに,避難所における生活水はノロウィルスなどによる病気と直結しているため,行政による迅速な措置と指導が必要である.
著者
福田 ひとみ 香野 美佳 奥野 そのみ 勝川 路子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】食後血糖値の管理は糖尿病を始め生活習慣病の予防,治療に重要である。こんぶには旨味成分だけでなく,種々の機能成分を含む。先にラットに粉末こんぶを摂取させたところ,血糖上昇の抑制と糖・脂質代謝の改善が認められた。そこで,こんぶ粉末をケーキに用いて,人でも同様の効果がみられるかを調べるために,食べやすく,満足感のあるこんぶケーキを目指し試作した。そして,物性の測定と官能評価を行った。【方法】大学生(女性182人)に海藻類についてのアンケートを実施した。こんぶ粉末を使用したパウンドケーキを作り,加えないもの(対照)と物性を比較し,官能評価(26人,評点法)を行った。【結果】アンケートより,こんぶを毎日食べている人は1.8%と大変少なく,わかめの半分であった。週1回以上食べる人は44%であった。こんぶは,だし35%,昆布おにぎり22%,とろろ昆布18%,などに使われていたが,わかめと比べると料理の種類が少なかった。パウンドケーキは粉末こんぶの量を生地材料5〜10%と変化させて試作した。10%では塩味が強く,5%の方が評価は高かった。添加量5%のケーキでは,膨化率はこんぶの方がやや低く,水分量は多かった。密度に有意な差は無かった。評点法による官能評価では,色,きめ,甘さについてはいずれも高い評価であったが,対照の評価より低かった。しっとり感と歯触りはむしろこんぶの方が高く,総合的には同じ評価であり,対照ケーキと同程度のケーキを作ることができた。さらに,パウンドケーキを食べたときの血糖値の変化を測定(健常者5人)したところ,こんぶ添加ケーキで上昇が緩やかで,血糖上昇を抑制した。
著者
河野 恵美子 奥野 敏隆 長谷川 寛 京極 高久 高峰 義和 林 雅造
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.2974-2978, 2007-12-25 (Released:2008-08-08)
参考文献数
11

乳癌術後13×8cmの皮膚欠損創に対し, ラップ療法で治癒した1例を経験したので報告する. 症例は55歳, 女性. 左乳房に15×25×5cm大のカリフラワー様の腫瘍を認め, 乳癌の診断で左乳房切除術を施行した. 第5肋骨の露出を伴う13×8cm大の皮膚欠損創となったが, 創感染のリスクが高いと判断し, 一期的遊離皮膚移植は行わず, 水道水による洗浄後, ポリ塩化ビニリデン製食品包装用ラップフィルムを用いた開放ドレッシング (ラップ療法) を続けた. 術後8日目に肉芽増生が開始し, 17日目には平坦化した. 上皮化は14日目に縦方向, 37日目に横方向が開始したが, 次第に停滞したため, 57日目よりステロイド外用剤を使用したところ, 翌週には, 潰瘍の辺縁に上皮化を認め, 以後1週間に1cmのスピードで上皮化が進み, 約2カ月でほぼ治癒となった. 以上より, ラップ療法は10cm以上の大きな皮膚欠損創でさえも治癒することができる優れた治療法であると考える.
著者
名郷 直樹 浅井 泰博 三瀬 順一 高木 史江 佐々木 將人 奥野 正孝 五十嵐 正紘
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.215-220, 1998-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

目的: evidence-based medicineによるレジデント教育の効果を知識, 行動面の変化から評価する.研究デザイン: 自己および外部コントロールによる対照試験セッティング: 大学附属病院対象: 平成6年度自治医大地域医療学で研修中のレジデント15名介入法: 4回の講義と週1回の輪番制のevidence-based medicineに基づく抄録会結果の測定: 1.記述試験による試験点数の変化.2: MEDLINEによる文献検索回数の前年度までの地域医療学レジデント, 内科レジデントとの比較.結果: 4か月後の筆記試験の結果, 平均42点 (100点満点) の点数の上昇が認められ, 全レジデントにおいて点数が上昇した.内科レジデント, 前年度地域医療学レジデントに比し有意な文献検索回数の増加が認められた.結論: evidence-based medicineによる短期間のレジデント教育において, 知識, 行動の両面で好ましい教育効果が認められた.
著者
奥野 拓 高橋 正輝 山田 亜美 川嶋 稔夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-7, 2014-03-22

本研究は様々な形式でデジタル化され散在する地域の歴史資料を LOD 化し,関連付けることにより統合利用を可能とすることを目的とする.本報告では,函館地域の例として,絵葉書の画像アーカイブ,地域史年表,歴史上の人物紹介をそれぞれ RDF データセット化した事例を取り上げる.また,それらを関連付けた統合利用例として,「エピソードでつながる函館歴史写真」 と 「函館ゆかりの人物スポット」 を示す.Regional of historical records are digitized and on public via the Internet. This study aims at enabling integrated application of them by making LOD of them and link with each other. This report focuses on an activity in Hakodate, making RDF datasets of the archives of picture postcards, the chronology of city history, and the biography of famous historical persons. As examples of integrated applications, "The Historical Photographs of Hakodate Linked by Episodes" and "The Spots Associated with Persons of Hakodate" are shown.

2 0 0 0 OA ハルビン夜話

著者
奥野他見男 著
出版者
玉井清文堂
巻号頁・発行日
1929
著者
高橋 正輝 奥野 拓 川嶋 稔夫
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.9, pp.1-6, 2013-01-11

函館のデジタルアーカイブに含まれる大量の写真資料はメタデータが少なく,写真間が歴史的関連で関連付けられていない.そこで,函館の歴史に関する文献を利用することで写真資料のメタデータを補い写真間が関連付く可能性がある.写真資料と函館市史年表編,はこだて人物誌を Linked Open Data (LOD) として作成し公開する. LOD とは外部とのデータ連携を実現する技術である.函館の歴史資料を LOD 化することで,地域写真アーカイブの編纂を目指す.Photos in Hakodate photo archives have historical relations to each other, but there is no links between them. There is a possibility that the photos are linked by using historical records of Hakodate. This study aims to link the photos in the archives by generating Linked Open Data of photo archives, historical calendar, and historical figure of Hakodate.
著者
平澤 由平 鈴木 正司 伊丹 儀友 大平 整爾 水野 紹夫 米良 健太郎 芳賀 良春 河合 弘進 真下 啓一 小原 功裕 黒澤 範夫 中本 安 沼澤 和夫 古橋 三義 丸山 行孝 三木 隆治 小池 茂文 勢納 八郎 川原 弘久 小林 裕之 小野 利彦 奥野 仙二 金 昌雄 宮崎 良一 雑賀 保至 本宮 善恢 谷合 一陽 碓井 公治 重本 憲一郎 水口 隆 川島 周 湯浅 健司 大田 和道 佐藤 隆 福成 健一 木村 祐三 高橋 尚 由宇 宏貴
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1265-1272, 2003-07-28
被引用文献数
2 12 4

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 (rHuEPO) が6か月以上継続投与されている慢性維持血液透析患者 (血液透析導入後6か月以上経過例) 2,654例を対象に, 維持Ht値と生命予後との関係をretrospectiveに調査, 検討した. Cox回帰分析による1年死亡リスクは, 平均Ht値27%以上30%未満の群を対照 [Relative Risk (RR): 1.000] とした場合にHt 30%以上33%未満の群でRR: 0.447 [95%信頼区間 (95% CI): 0.290-0.689 p=0.0003] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 0.605 [95% CI: 0.320-1.146 p=0.1231] と有意差を認めなかった. 一方, Ht 27%未満の群ではRR: 1.657 [95% CI: 1.161-2.367 p=0.0054] と有意に予後不良であった. また, 3年死亡リスクも1年死亡リスクと同様, Ht 30%以上33%未満の群ではRR: 0.677 [95% CI: 0.537-0.855 p=0.0010] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 1.111 [95% CI: 0.816-1.514 p=0.5036] と有意差を認めず, Ht 27%未満の群ではRR: 1.604 [95% CI: 1.275-2.019 p<0.0001] と有意に不良であった.<br>これらの調査結果より, 1年および3年死亡リスクはともにHt値30%以上33%未満の群で有意に低値であり, 生命予後の観点からみた血液透析患者のrHuEPO治療における至適維持目標Ht値はこの範囲にあると考えられた. ただし, 1年死亡リスクは, 例数が少ないもののHt値33%以上の群についても低値であったことから, このレベルについては今後再検討の余地があると考えられた.
著者
奥野 喜裕 村上 朝之
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、クローズドサイクルMHD発電の実用化に向けて、「MHD発電機の実用高度化」研究を戦略的に推進した。衝撃波管駆動MHD発電実験装置、および高精度電磁流体数値シミュレーションを駆使して、類似の発電システムの中では世界最高の発電出力密度を達成するとともに、発電機形状の改良による発電性能の向上を実証し、理論的裏付けとともに,更なる性能向上に向けての確度の高いロードマップを提示することができた。
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 G. S. Wagner 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984-06-25 (Released:2011-08-11)
著者
田中 正泰 針ヶ谷 弘子 鎌田 樹志 氏原 一哉 橋本 勝 橋本 貴美子 松田 冬彦 柳屋 光俊 白濱 晴久 奥野 智旦
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 34 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.110-117, 1992-09-10 (Released:2017-08-18)

Ohwaraitake is Japanese name of a poisonous mushroom Gymnopilus spectabilis and means "a loud laugh mushroom". Accidental ingestion of it causes hallucinosis and abnormal behavior. A hallucinogenic mushroom contains usually psilocybin or its analogues but it is reported that any psilocybin or its congenor does not found in Japanese Ohwaraitake. The toxic symptoms suggest that any neuroexcitatory substance must be contained. The isolation was carried out monitoring depolarizing activity on the new born rat spinal cord. 1. Chromatographical fractionation and bisassay showed that the neuroexcitatory active compounds were gimnopilins (G) which were known as bitter principles of this fungus. Further fractionation revealed that G (1) was inactive and activities of G (2) increased from n=7 to n=5 and besides, G (2), which was newly isolated this time, was more active than G (2). 2. The structure of the new G was determined by the chemical degradation as formula 3. 3. The Chirality of hydroxymethylglutamic acid (HMGA) part was determined as S configuration by the acquisition of (R)-mevalonaloctone through LiBH4 reduction or G (1 and 2). 4. G (2) does not work as an ion carrier probably, since it does not particularly take metal ion from aqueous solution into an organic solvent. 5. Determination of the chirality of tert-alcohols in gymnoprenol (G'), that is, G without HMGA part, was attempted. Eight isomers of the model compounds corresponding to G' (m=2, n=4) were synthesized and were not discriminated by HPLC and NMR. Since two diastereoisomers of MTP-ethoxy-methoxy derivatives of G' (m=1, n=2) were distinguished by ^1H and ^<19>FNMR, these derivatives may be applicable to identification of the synthetic and the natural G'.
著者
野田 英樹 奥野 喜裕 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.172-188, 2015 (Released:2015-11-09)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

Objective. Photovoltaic (PV) power systems are considered an essential component of environmental friendly society. However, the land area required for generating unit amount of power by PV system is larger than that for an equivalent coal-fired power system. In Japan there has been some instances of PV power systems being installed in forest areas. Therefore, the purpose of this study is to explore the impact of PV power systems on Japanese forests. Forest vegetation is classified into the 13 types used in the “Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling 2 (LIME2)” methodology. This will allow us to establish the relationship between the reduced CO2 emissions of a PV power system and the system’s impact on forest by way of land use, compared with those of coal-fired power system.Results and Discussion. The environmental impact of a PV power system installed on a roof was calculated as 6.3% of the impact of a coal-fired power system. In contrast, placing the PV power system in oak or pine forest had a substantially greater environmental impacts, of 76.7% and 99.9% respectively. Following sensitivity analysis, it became apparent that the area required by a PV power system per generated unit of power is the most important factor. For example, with regard to the oak forest, the environmental impact of the PV power system can be reduced from 99.9% to 74.2% by decreasing the area required per generated unit of power from 15,200m2/MW to 11,000m2/MW. A further improvement of 5.8% can be achieved by planting grass under PV panels.Conclusions. LIME2 damage factors were used to classify land use impact for 13 vegetational types of Japanese forest. From the calculated results, it is clear that the environmental impact of PV power system land use on a forest should not be disregarded; however, the level of that impact will depend on the vegetational classification. Furthermore, reducing the utilization rate of the PV power system is an effective way to lessen the impact of land use.
著者
藤木 利之 酒井 恵祐 奥野 充
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
pp.62.2202, (Released:2023-09-16)
参考文献数
43

クック諸島アチウ島Areora地区東部の湿地から得られた堆積物で花粉分析を行った結果,約1,600 cal BP (約350 cal CE) にココヤシと草本の花粉,シダ胞子,木炭片が急増し,タコノキ属花粉やヘゴ科胞子が急減するという劇的な植生変化が確認された.大規模な森林伐採などによるかく乱により,草原が拡大したと考えられた.アチウ島は約350 cal CEに人類が定住していたと考えられたが,この時代にアチウ島には人類定住の痕跡となる考古学データは全くない.また,約1100 cal CE以降にサツマイモなどの栽培植物花粉が微量ではあるが出現し,木炭片が急増した.よって,アチウ島への人類到達は2段階ある可能性が示された.年代は若干異なるが,この結果はTiroto湖の古環境データとほぼ一致している.堆積物を用いた古環境復元から人類定住年代を研究する場合は,島の様々な集水域の堆積物の分析を行って,多面的な分析結果から議論する必要があると考えられた.
著者
奥野 吉宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.374-378, 2023-09-01 (Released:2023-09-01)

公立図書館のシステムは,リース契約による調達が一般的である。そのため,リース期間満了毎に更新を行うこととなるが,公立図書館向けシステムに標準となる仕様はないのが現状であり,各図書館は必要とするすべての機能を仕様書に載せなければならない状況にある。このような公立図書館システムの課題とその取組について,仕様書の作成を中心に,筆者が勤務する京都府立図書館の事例を交えながら紹介する。また,図書館システムが保持するデータについても標準化されておらず,システム更新時の新旧システム間でのデータ移行(特に,システムベンダーが変わる際のデータ移行)のリスク要因となっている。この課題の解決に向けて,日本図書館協会に設置された「図書館システムのデータ移行問題検討会」に,筆者は委員として関わったことから,この報告書の内容を中心に,検討会の成果と今後の課題について報告する。
著者
安田 武 奥野 温子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.81-86, 1981-02-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19

寒天ゲルの凝固が果汁の添加によって妨げられる事実について, 主としてX線的に研究して, クエン酸が単位胞内に入って結晶生成を妨げネットワークが不完全となるものと推定した.