著者
赤木 祐貴 荒井 碧 下村 斉 山本 康次郎 青山 隆夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.404-414, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

Low-dose aspirin inhibits cyclooxygenase-1 (COX-1) on platelets irreversibly, suppressing platelet aggregation.Nonsteroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) also inhibit COX-1 reversibly by forming a salt bridge. However, there is little information on the antiplatelet effects of the chronic use of NSAIDs (other than aspirin). We performed pharmacokinetics/pharmacodynamics (PK/PD) analysis using in vitro experimental data obtained when NSAIDs were added to human blank blood, and estimated the antiplatelet effects of continuous NSAID administration.Ibuprofen, diclofenac, indomethacin and loxoprofen were studied in a one-compartment model, and etodolac was studied in a two-compartment model. Platelet aggregation was measured after adding NSAIDs to platelet-rich plasma at a range of concentrations containing the maximum plasma concentrations of one clinical dose. We calculated the platelet-aggregation threshold index (PATI) as an index of aggregation activity, which was defined as the putative stimulus concentration giving 50% aggregation, and performed PD analysis according to the sigmoidal Emax model. Simulated time-PATI curves of NSAIDs were compared to that of low-dose aspirin.Simulated values of increase in PATI for the maximum plasma concentration of each NSAID were lower than 3.9 µg/mL, which is the same as that of low-dose aspirin. Increases in PATI around the trough concentration were nearly zero for all NSAIDs except ibuprofen, thus suggesting that the antiplatelet effects of continuous NSAID administration are weaker and less persistent than those of low-dose aspirin. The simulation results indicate that continuous NSAID administration is less effective at preventing thrombosis and embolism than low-dose aspirin, and postoperative NSAID treatment needs to be careful of the occurrence of bleeding.
著者
宗澤 岳史 山本 隆一郎 根建 金男 野村 忍
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.8-15, 2011 (Released:2014-07-03)
参考文献数
20

本研究は、入眠障害と入眠時の対処行動の関連を検討したものである。研究1では、入眠時の対処行動を因子分析によって分類した。分類された因子は第1因子“認知活動抑制”、第2因子“非入眠行動”、第3因子“認知活動活性”と解釈された。研究2では大学生355名を対象に、対処行動と入眠時認知活動、入眠障害の程度の関連を検討した。その結果、全て対処行動は入眠時認知活動と入眠障害の程度と正の相関を示した。また、パス解析の結果、入眠障害に至る2つの経路が示された。一つは、認知的対処が入眠時認知活動と有意な関連を示す間接的なパスであり、もう一つは、行動的対処が入眠障害の程度と有意な関連を示す直接的なパスであった。本研究結果から、入眠時の不適切な対処行動は入眠障害に対して不適切な影響を有することが確認された。今後は、不適切な対処行動の除去と代わりとなる対処方略の導入を用いた入眠障害に対する認知行動療法の開発が期待される。
著者
伊藤 寛幸 澤内 大輔 山本 康貴
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.71-75, 2016-06-25 (Released:2016-06-29)
参考文献数
17
被引用文献数
3 5

In this study, we estimate the potential electricity volume and solar photovoltaic power generation profitability using abandoned agricultural land in Hokkaido. We assume the introduction of photovoltaic power generation facilities on all abandoned agricultural land in Hokkaido and perform the cost-benefit analysis of the investment for solar photovoltaic power generation facilities under the feed-in tariff scheme. The results show that the return of investment for solar photovoltaic power generation facilities was higher than the total investment cost.
著者
山本 弘
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.20, no.90, pp.239-242, 1971-12-25 (Released:2008-12-24)

(1) On the occasion of the Tokachi-oki Earthquake (May 17, 1968), a male North Green Pheasant was obsrved in cries reacted to the earthquake in the field.That was at the natural grove in Miyako region, Iwate Prefecture, the seismic intensity was corresponded to IV there, noise by the quake was slight, the pheasant's cries might be heard with every interval about 5 seconds during the definite period of time in distinct quake.Which cring was obviously frequent compared with that of the ordinal habit of him.The every crying was corresponded to the displaying crow, not of the screaming in terror.(2) On the occasion of the Kanto Severe Earthquake (Sept. 1, 1923), Dr. Seiichi KUZU could hear no cries among the many Green Pheasants he had being breeded in Tokyo.(3) On the occasion of a weak earthquake at Sendai City (June 20, 1969), the seismic intensity presumed was about II-III, many glazed windows of a structure gave out violent noise, a male North Green Pheasant, which had been occasionary crowed with very long intervals at the neighbouring bush, began to crow continuously with short intervals were shortened still more in proportionally to the intensification of the windows' noise up to nothing and the crows duplicated each other, and then the crows retrogressed gradually with the noise finally to silence.(4) According to the mentioned facts, the author concluded that the Green Pheasant may reacts against the noise only on the occasion of the earthquake in the male's displaying crow during the breeding season, notwithstanding there had been a firm popular view among the Japanese people that the Green Pheasant screams in terror under the quake of the earth.
著者
齋藤 大輔 山本 敬介 峯松 信明 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.322, pp.7-12, 2011-11-21

本稿では,話者空間をテンソル形式によって表現することにより,柔軟に話者性を制御することが可能となる新しい手法を提案する.声質変換の研究において,任意話者の音声を入力または出力として,変換を実現する手法はアプリケーション応用の観点からも非常に重要な技術であるといえる.任意話者声質変換を目的とする技術として,固有声混合正規分布モデル(EV-GMM)に基づく固有声変換法(EVC)が提案されている.EVCにおいては,話者認識でよく用いられるアプローチと同様に,各話者GMMの正規分布の平均ベクトルを連結して得られるGMMスーパーベクトルをもとに話者空間が構築される.構築された話者空間上において,個々の話者は固有スーパーベクトルに対する少数の重みパラメータによって表現することが可能となる.本稿では,話者空間を構築するための事前学習話者データに対して,テンソル解析を導入することによって話者空間を構築することを検討する.本研究における提案手法では,個々の話者はスーパーベクトルではなく行列によって表現される.この話者を表す行列の行及び列は,それぞれ音響特徴量の平均ベクトルの次元及びガウス分布の要素に対応する.ここで,これらの行列のセットに対してテンソル解析を導入することで話者空間が構築される.提案法は,話者情報のスーパーベクトル表現に内在する問題点に対する解法となっており,任意話者声質変換の性能向上が期待できる.本稿では,一対多声質変換において,提案する話者空間表現を導入することで,その有効性を示す.
著者
山本 健兒
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.1-25, 2009-01-01 (Released:2011-05-12)
参考文献数
49
被引用文献数
2

ドイツでは,グローバリゼーションの進展に伴って都市内の社会的空間的分極化が激化してきたといわれている.本稿は,その実態をドイツのドルトムント市を事例に検証することを目的とする.この都市は分極化を克服するための政策が積極的に実施されてきたところである.分極化は社会的排除という概念と密接に関わっている.これは移民・貧困・失業などの具体的に計測し得る指標の特定地区への集中的出現として把握できる.分析の結果,ドルトムント市内には社会的排除の現象が如実に現れている場所としてノルトシュタットをはじめ,いくつか確認できる.しかし,グローバリゼーションの進展とともにそれが激化してきたと簡単に言えるわけではない.むしろ,激化の側面と緩和の側面が同時進行してきた.ガストアルバイターだけというよりもむしろ,東欧・ロシアからの移民が多いところや,これも含めて移民の多様性が顕著な地区で激化の側面がみられる.
著者
山本 俊一郎
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.179-201, 2005-04-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

本研究は,東京都台東区の靴産地で実施されている産業支援事業「アルティベリー」に着目し,当靴産地における新たなネットワークの形成が高付加価値生産体制に及ぼす影響について明らかにした.その結果,当事業は地域の「産」,「官」,「学」を結び付ける触媒としての機能を果たしており,そこでの新たなネットワークの形成が他産地に対するさまざまな競争優位を生み出していることが明らかとなった.当事業には問題点も山積しているが,当事業を通じた「コンペティションの開催」や「地域ブランドの創出」によって,デザインや技能の向上はもちろん,生産から販売を含め業種の枠組を越えた協力体制の構築が進んでいる.さらに,「ものづくり」に対する意識変化から,若者の製靴関連専門学校への志願者が増加傾向にあり,若者の有するセンスやデザインが当事業を通じて高齢優良技能者の有する技術と融合し得る環境が生まれつつある.
著者
新田 孝作 政金 生人 花房 規男 星野 純一 谷口 正智 常喜 信彦 後藤 俊介 阿部 雅紀 中井 滋 長谷川 毅 濱野 高行 三浦 健一郎 和田 篤志 山本 景一 中元 秀友
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.579-632, 2020 (Released:2020-12-28)
参考文献数
23
被引用文献数
22

日本透析医学会統計調査 (JSDT Renal Data Registry: JRDR) の2019年末時点における年次調査は, 4,487施設を対象に実施され, 施設調査票は4,411施設 (98.3%), 患者調査票は4,238施設 (94.5%) からほぼ例年通りの回答を得た. わが国の慢性透析患者数は年々増加し, 2019年末の施設調査結果による透析患者数は344,640人に達し, 人口百万人あたりの患者数は2,732人であった. 患者調査結果による平均年齢は69.09歳で, 最も多い原疾患は糖尿病性腎症 (39.1%), 次いで慢性糸球体腎炎 (25.7%), 第3位は腎硬化症であった (11.4%). 2019年の施設調査結果による透析導入患者数は40,885人であり, 2018年から417人増加した. 患者調査結果による透析導入患者の平均年齢は70.42歳であり, 原疾患では糖尿病性腎症が最も多く41.6%で, 昨年より0.7ポイント少なかった. 第2位は腎硬化症 (16.4%) で, 初めて慢性糸球体腎炎 (14.9%) を上回った. 2019年の施設調査結果による年間死亡患者数は34,642人であり, 年間粗死亡率は10.1%であった. 主要死因は心不全 (22.7%), 感染症 (21.5%), 悪性腫瘍 (8.7%) の順で, 昨年とほぼ同じ比率であった. 2012年以降, 血液透析濾過 (HDF) 患者数は急増しており2019年末の施設調査票による患者数は144,686人で, 維持透析患者全体の42.0%を占めた. 腹膜透析 (PD) 患者数は9,920人であり2017年から増加傾向にある. 腹膜透析患者のうち19.2%は血液透析 (HD) やHDFとの併用療法であり, この比率はほぼ一定していた. 2019年末の在宅HD患者数は760人であり, 2018年末から40人増加した. 2019年調査では, 2009年から10年ぶりにCKD-MBDに関する総合的な調査が行われた. 今後は新しく開発された薬剤の治療効果や問題点, 2012年に改訂されたガイドラインの影響等を詳細に解析する予定である. これらのデータは, CKD-MBDガイドラインの改定の基礎資料となり, より治療効果の高い日常臨床の治療パターンの提案が期待される.

4 0 0 0 OA 骨盤骨折のIVR

著者
近藤 浩史 棚橋 裕吉 大澤 まりえ 山本 敬洋 横山 太郎 菅原 利昌 古井 滋
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1061-1067, 2016-09-30 (Released:2017-01-18)
参考文献数
17

高エネルギー外傷による重傷骨盤骨折は,出血性ショックの原因となる後腹膜血腫や合併損傷,多発外傷を生じる重篤な状態を引き起こし,死に至ることも少なくない。高エネルギー外傷では骨盤正面X線写真を系統的に読影し,すみやかに治療戦略を立てる。骨折部の安定化や止血術には簡易固定法,創外固定,骨盤パッキング,動脈塞栓術がある。動脈塞栓術は広く普及し,その有用性が報告されている。骨盤骨折の診断,治療方法を理解することは重要であり,本稿では骨盤骨折の診断から動脈塞栓術の方法について概説する。
著者
山本 敦也 菅野 貴久 町田 善康 中束 明佳 鈴木 雅也 田中 智一朗 金岩 稔
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.125-131, 2020-03-28 (Released:2020-04-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1

北海道美幌町内の小河川において越冬中の外来種ウチダザリガニ抱卵個体を選択的に捕獲することにより,より高い駆除効果を得ることを目的とし,ウチダザリガニの抱卵個体に電波発信器を装着して放流し,越冬中に再捕獲することによって越冬環境について調査を行った.同時に,ドローンに電波受信器を搭載して河道上空を飛行させることにより電波発信源をある程度特定し,その後指向性アンテナを用いて詳細な電波発信位置を特定する方法の開発も行った.2017 年 10 月に 3 個体に電波発信器を装着して放流し,同年 12 月にドローンと八木式アンテナを用いて 3 個体全ての越冬場所を特定,回収した.抱卵個体は河岸より 1-2 m,表土から 60-90 cm の地点の蛇行区間の内側の土中で発見され,越冬環境は蛇行区間の内側といった高水敷全体に広がるものと思われた.そのため,越冬中の抱卵個体の選択的な捕獲は現実的に不可能と思われた.一方で,ドローンと八木式アンテナを用いた電波発信源の特定方法は土中かつ水中でも有効であることが示され,今後の応用が期待される.
著者
山本 寿子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.127-136, 2012 (Released:2013-01-16)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

単語アクセントには, 地域差や世代差によるゆれが見られる。日本人母語話者は, そのようなアクセントのゆれに対しても, 音韻情報に基づいて意味を解釈することで, 支障なくコミュニケーションを進めることができる。本研究は, このようなアクセントのゆれへの耐性が, いつから, どのようにして獲得されるのかを調べるために, 年少児(3~4歳)・年中児(4~5歳)を対象に, 正しいアクセント, あるいは誤ったアクセントで発音された単語を聴取し, 該当するターゲット写真を図版から選択する課題を行った。その結果, 年少児のターゲット選択数は, 誤ったアクセントで発音された場合に, より少なくなることが示された。一方, 年中児はアクセントの正誤にかかわらずターゲットを選択することができた。さらに, かな文字の知識がアクセントのゆれへの耐性を促進させる可能性を検討するために, かな文字を習得している幼児と, 未習得の幼児の間で課題遂行成績を比較したところ, 差は見られなかった。これらの結果より, 年中までにアクセントのゆれへの耐性が獲得されることが示された。考察では, この能力の獲得を促進させる要因について議論を行った。
著者
山本 雄大 佐藤 潤美 大渕 憲一
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.121-129, 2014

The present study examined the negative evaluations and discrimination against smokers among the Japanese. In Study 1, 52 students rated one of four target-persons differentially depicted in terms of gender and smoking habit using scales to measure coolness, sociability, intellectuality, and earnestness. The results showed that participants rated smokers more negatively than nonsmokers except for sociability. Those who perceived smoking as controllable rated smokers' earnestness even more negatively, suggesting that the negative evaluations are partially moderated by the perceived controllability of smoking. To examine a hypothesis that negative evaluations of smokers would mediate discrimination, in Study 2 we measured how participants (96 students) responded to target persons asking for a loan or a job, as well as their ratings of the targets on the Big Five personality dimensions. The results support the hypothesis of mediation.
著者
山本弘文編
出版者
法政大学出版局
巻号頁・発行日
1994
著者
山本 輝太郎 石川 幹人
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.5-8, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
5

たとえばPISA(OECD 生徒の学習到達度調査)では,生徒が習得を目指す科学的リテラシーに関して,科学・技術に関する議論に積極的に参加できる態度の形成が望ましいとしている.また,議論を建設的に行うために,誤った論法=誤謬に陥らないようにすることが重要である.そこで,筆者らが構築・運営している「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」におけるコメントを事例とし,科学が関与する議論においてどのような誤謬がみられるかについて分析した.結果,議論を閲覧する第三者に向けて自身の主張の正当性を演出するような誤謬が多くみられた.これを,現代社会におけるネット上での議論に特有の問題として位置づけ,こうした方面を重点的に学習する教材開発を目指している.
著者
山本 正三
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.114-120, 1987-06-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
5
著者
日置 恭史郎 渡部 春奈 林 岳彦 岩崎 雄一 山本 裕史
出版者
日本環境毒性学会
雑誌
環境毒性学会誌 (ISSN:13440667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.22-37, 2020-07-20 (Released:2020-07-21)
参考文献数
63

Adverse outcome pathway (AOP) is a conceptual framework that organizes existing knowledge concerning the causal linkage between a molecular-level perturbation of a biological system and the resulting adverse outcomes. AOP is currently gaining attention as a potential pragmatic tool in the fields of ecotoxicology and chemical risk assessment. The present paper provides an outline of the AOP framework and discusses the history and current status of studies related to AOP by analyzing available information from published literature and AOP knowledgebase (AOP-KB).
著者
木﨑 速人 白石 朗 鳥居 雄治 石井 貴之 馬来 秀行 三木 晶子 佐藤 宏樹 山本 大輔 小西 ゆかり 舟橋 健一 臼井 順信 堀 里子 澤田 康文
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.44-52, 2020-05-29 (Released:2020-06-13)
参考文献数
6

Objective: In order to ensure the safety of nursing home residents, it is very important to implement appropriate assistance to ensure compliance with necessary medication. The purpose of this study is to identify issues and to plan solutions for medication assistance.Design: We conducted a workshop involving care workers (CWs), nurses and pharmacists together.Methods: Using the KJ method, participants extracted problems related to medication assistance and planned solutions in a mixed group of CWs, nurses and pharmacists. Questionnaire surveys were conducted for the participants before, immediately after, and 3 months after the workshop.Results: A number of important and urgent issues related to medication assistance were identified. There were differences in the recognition patterns of the importance and urgency of the issues among the three categories of participants. In addition, many possible solutions were proposed. Among these solutions, 25% had been implemented by at least two participants. More than 75 % of participants felt that their awareness of the value of cooperation in medication assistance had been improved by participating in the workshop.Conclusion: These results suggest that a workshop with a group of CWs, nurses and pharmacists in one place is a useful approach for extracting problems and planning effective solutions related to cooperation in medication assistance.
著者
山本 光正
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.23-58, 1999-03-31

明治二二年に東海道線が開通すると、ほとんど同時にといってよいほど、人々は鉄道を利用するようになったと思われる。鉄道の出現により東海道の旅行も風情がなくなったという声が聞かれるようになるが、一方では鉄道は新しい風景を作り出したと評価する声もあった。しかし鉄道の是非とは関係なく、徒歩による長期の旅行を容認する社会ではなくなってしまった。鉄道旅行が当然のことになると、旧道特に東海道への回帰がみられるようになった。東海道旅行者には身体鍛錬を主とした徒歩旅行と、東海道の風景や文化を見聞しようとするものがおり、東海道を〝宣伝の場〟としても利用している。身体鍛錬の徒歩旅行は無銭旅行とも結びつくが、これは明治期における福島安正のシベリア横断や白瀬矗の千島・南極探検に代表される探検の流行と関連するものであろう。探検や無銭徒歩旅行の手引書すら出版されている。見聞調査は特に画家や漫画家を中心に行われた東海道旅行で、大正期に集中している。大正四年に横山大観・下村観山・小杉未醒・今村紫紅・同じ年に米国の人類学者フレデリック・スタール、年代不詳だが四~五年頃に近藤浩一路、七年に水島爾保布、七~八年頃に大谷尊由と井口華秋そして大正一〇年に行われた岡本一平を中心とする「東京漫画会」同人一八名の東海道旅行で一段落する。昭和に至り岡本かの子は短編『東海道五十三次』を発表するが、これは大正期における東海道旅行を総括するものとして位置付けられる。失われていくもの、大きく変りゆくものに対しては記念碑の如く回顧談的著作物が多く出版される。東海道線開通後旧東海道を歩くことが行われたのもこうした流れの中に位置付けることができるが、それだけでは理解しきれないものを含んでいた。さらに東海道旅行は昭和一〇年代の国威宣揚を意識した研究につながっていく。